01来歴

若き密輸業者時代
若き日のランドは、銀河中の社交場とサバックのハイステークス卓を渡り歩く伊達男の密輸業者として、ミレニアム・ファルコンを所有していた。ヴァンドール強盗の相談で訪れたトバイアス・ベケットとハンに引き合わされ、ヴァンドール/ケッセル鉱山/サヴァリーン精製所への航海にファルコンと自律ドロイドのコパイロット L3-37 を提供する。ケッセル蜂起で L3-37 を失い、その記録領域をファルコンのナビゲーション・コンピュータに統合する。最終的にサヴァリーン後のサバック対決で、ハンに袖札を見抜かれてファルコンを失う。
雲上都市の行政官
密輸稼業から足を洗い、ガス・ジャイアントの惑星ベスピン上空に浮かぶ雲上都市のティバナ・ガス採掘事業を取り仕切る行政官「ベイロン・アドミニストレーター」に納まる。雲上都市は帝国の管轄外に置かれた独立採掘コロニーであり、ランドはここで合法的な実業家として再出発する。
ベスピンの裏切りと回帰
ホス脱出後にファルコンで雲上都市へ逃れたハン・レイア・チューバッカ・C-3PO を出迎えたランドは、街そのものを人質に取られた状況下でダース・ベイダーの先回り取引を受け、ハン一行をベイダーに引き渡してしまう。直後、ベイダーが取引条件を一方的に書き換えてレイアとチューバッカも連行しようとするのを見ると、市民の避難放送を出し、カーボナイト凍結されたハンを取り戻すために雲上都市から脱出する。以後はチューバッカと共にファルコンで一行を離れ、賞金稼ぎの追跡を開始する。
ジャバ宮殿とエンドアの戦い
ジャバ・ザ・ハットの宮殿にスキフ衛兵タンバー大尉として潜入し、ルーク一行のハン救出作戦に内側から協力する。サルラックの戦闘ではジャバの船に巻き込まれかけながら脱出する。反乱同盟軍では将軍に昇格し、エンドアの戦いではコパイロットのニエン・ナンと共にファルコンに搭乗、艦隊指揮を執るアクバー提督の援護下でデス・スターII 内部の主反応炉まで突入し、プロトン魚雷で内部破壊に成功する。エンドアの祝勝には僚機ともども帰還する。
新共和国期と隠遁
新共和国期のランドはアニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』のカノンにも登場し、ロザル・サダの賭けでヘラ・シンドゥーラ艦長と渡り合い、後の反乱者軍の援軍としても再登場する。『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』期には表舞台に現れないが、エクセゴル前夜まで隠遁生活を送っていたことが後年に明示される。
パサーナ再会とエクセゴル
アキ=アキ族の生誕祭が行われる惑星パサーナで、レイ・フィン・ポー・チューバッカら一行と再会する。レイアの依頼でランドとルークが過去にパサーナを訪れ、オチ・オブ・ベスティーンを追跡していたことが明かされる。ランドは一行に砂中の遺跡情報を共有し、終盤のエクセゴルの戦いではチューバッカと共にファルコンを駆って銀河中の市民艦隊を呼び寄せ、シスの最終艦隊『ファイナル・オーダー』に勝利する。ケフ・バーの祝勝場では、ジャナとアキ=アキ族長の言葉を介して家族再会の余地を示す。
02能力・特徴

- 操縦技術:ミレニアム・ファルコンを含む輸送船・戦闘機を自在に操る熟達した操縦者。エンドアの戦いではニエン・ナンとのコンビでデス・スターII 内部を抜ける作中最難度の航法を成功させる。
- サバック・ギャンブル:銀河中のカジノとハイステークス卓を渡り歩いた職業ギャンブラー。サバックの読み合いと心理戦が個性を形成する基幹スキルである。
- 交渉・政治:雲上都市の行政官として帝国の干渉から市民を守る独立採掘コロニーを運営し、レジスタンス期には銀河中の市民艦隊を呼び寄せる外交的求心力を発揮する。
- 射撃:エンドアの戦いやジャバ宮殿でブラスター射撃を披露しており、戦闘員としても十分な訓練を受けている。
- ドロイド運用:コパイロット L3-37 を運用した経歴があり、自律行動型ドロイドの整備・統合の知見を持つ。
- 都市行政:雲上都市のティバナ・ガス採掘事業を仕切る「ベイロン・アドミニストレーター」として独立採掘コロニーの経済運営と帝国との折衝を統括し、危機時には市民避難放送を即時発令する即応指揮を発揮する。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

「Hello, what have we here?」(エピソード5・ベスピン到着):ファルコンから降り立った一行を出迎えるランドの第一声。伊達男ぶりでキャラクターを紹介する公式登場場面。
「This deal is getting worse all the time.」(エピソード5・雲上都市):ベイダーが取引条件を一方的に書き換えるたびランドが苦々しく繰り返す台詞。回帰の決定打となる。
ジャバ宮殿のスキフ衛兵「タンバー大尉」(エピソード6 冒頭):宮殿に潜入したランドがルーク救出に内側から加担する。潜入の事実は後半まで観客に伏せられる。
エンドアの戦いのファルコン突入(エピソード6 終盤):ランドとニエン・ナンがデス・スターII 内部を抜け、プロトン魚雷で主反応炉を破壊するシリーズ屈指のクライマックス。
エクセゴルの市民艦隊到着(エピソード9 終盤):ランドとチューバッカがファルコンで銀河中の市民艦隊を率い、シスの最終艦隊『ファイナル・オーダー』を圧倒する。
06制作背景

ランドを演じたのはビリー・ディー・ウィリアムズ(Billy Dee Williams、本名 William December Williams III、1937年4月6日生・米国ニューヨーク市ハーレム出身)である。『帝国の逆襲』撮影時 42 歳から『スカイウォーカーの夜明け』公開時 82 歳まで、実写3作に一貫して出演した。若き日のランドはスピンオフ『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年)でドナルド・グローヴァー(Donald Glover、1983年9月25日生・米国カリフォルニア州エドワーズ空軍基地出身)が演じた。グローヴァーはミュージシャン名義チャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)としても活動し、「This Is America」(2018年)でグラミー賞最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞を受賞している。キャスティング決定後にはウィリアムズ本人と面会し所作の指導を受けた経緯がプロモーションで繰り返し紹介された。
ウィリアムズは実写以外でも本人の声でランドを演じ続けており、アニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』シーズン2 第5話「イディオッツ・アレイ」(2015年)や同シーズン4 終盤の援軍場面、『レゴ・スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル』(2020年)などに登場する。これにより拡張カノンでも本人キャスティングが維持され、キャラクター同一性が二人の俳優に集約されている。娘ジャナを演じたのはナオミ・アッキーである。
監督は作品ごとに交代した。『帝国の逆襲』(1980年5月21日米国公開/日本公開1980年6月28日)はアーヴィン・カーシュナー(Irvin Kershner、1923-2010)、『ジェダイの帰還』(1983年5月25日米国公開/日本公開1983年7月2日)はリチャード・マーカンド(Richard Marquand、1937-1987)、『ハン・ソロ』(2018年5月25日米国公開/日本公開2018年6月29日)は前任のフィル・ロード/クリストファー・ミラー降板後に就任したロン・ハワード(Ron Howard、1954年3月1日生)、『スカイウォーカーの夜明け』(2019年12月20日米国・日本同日公開)はJ.J. エイブラムス(J.J. Abrams、1966年6月27日生)が務めた。脚本はローレンス・カスダン(Lawrence Kasdan、1949年1月14日生)がリー・ブラケット(Leigh Brackett、1915-1978)との共同で『帝国の逆襲』、ジョージ・ルーカスとの共同で『ジェダイの帰還』、息子ジョナサン・カスダンとの共同で『ハン・ソロ』に関与し、原案・製作総指揮のルーカスから、Lucasfilm 社長キャスリーン・ケネディ(Kathleen Kennedy、1953年6月5日生)への製作主体の世代交代を跨いだ。
音楽はジョン・ウィリアムズ(John Williams、1932年2月8日生・米国ニューヨーク州フラッシング出身)が旧三部作と『スカイウォーカーの夜明け』を担当し、金管中心のランドの主題を作曲した。『ハン・ソロ』はジョン・パウエル(John Powell、1963年9月18日生・英国ロンドン出身)がスコアを担当し、メインテーマ「The Adventures of Han」のみウィリアムズが新規作曲した。VFX はジョージ・ルーカスが1975年に設立したインダストリアル・ライト&マジック(Industrial Light & Magic/ILM)が実写4作を担当し、音響デザインはベン・バート(Ben Burtt、1948年7月12日生)が旧三部作のサウンドを構築した。撮影は『帝国の逆襲』がエルストリー・スタジオとノルウェー・フィンセの氷河、『ジェダイの帰還』がアリゾナ州ユマとカリフォルニア州レッドウッド国立公園、『ハン・ソロ』『スカイウォーカーの夜明け』がパインウッド・スタジオで行われた。『帝国の逆襲』はアカデミー特別業績賞(音響効果編集)を受賞し、『ジェダイの帰還』『ハン・ソロ』は視覚効果賞にノミネートされた。プロデューサー アリソン・シェアマー(Allison Shearmur、1963-2018)は『ハン・ソロ』公開直前に逝去し、本作は追悼として捧げられた。
07評価・考察

ランド・カルリジアンは「裏切ったように見えて最終的にレジスタンス側に立つ」キャラクターの先駆として位置づけられる。ベスピンの取引はベイダーの恫喝下で市民を守る現実的判断であり、続三部作でフィン(元ストームトルーパー)やDJ、オチといった立ち位置の揺らぐ人物を連発する物語設計に直接の系譜を与えている。
1980年から2019年まで39年にわたり同一俳優がランドを演じ続けた点は、サーガでも極めて稀な記録である。実写現役期のランドは、ハン・ソロ・ルーク・レイアと並ぶ続三部作のレガシー人物の一人として位置づけられ、スピンオフの若年期ランドも所作やリズムを綿密に踏襲することで「同一人物の異なる年代」として観客に提示される設計が成立している。
音楽面では、ランドの登場場面に金管中心の優雅な主題が一貫して用いられ、ライトモティーフの体系のなかでも雲上都市と結びついた数少ない人物主題のひとつとなっている。スピンオフでは主要スコアの作曲者が交代しながらも、シリーズ全体の音楽的同一性が保たれる構造が取られた。
08トリビア
- ビリー・ディー・ウィリアムズはアニメ『反乱者たち』第5話「イディオッツ・アレイ」(2015年)でも本人の声でランドを演じ、実写とアニメのカノンでほぼ一貫して本人キャスティングが維持されている。
- 娘がジャナ(演ナオミ・アッキー)であることを示唆する演出は脚本上は明示されず、ケフ・バーの祝勝場面のセリフと監督の公式発言を通じて観客解釈に委ねる形で提示された。
- 『ハン・ソロ』のメインテーマ「The Adventures of Han」はジョン・ウィリアムズが新規作曲したもので、シリーズのスピンオフで初めてウィリアムズ以外(ジョン・パウエル)が主要スコアを担当した事例となった。
- 『帝国の逆襲』のベスピン雲上都市の格納庫セットはエルストリー・スタジオで撮影され、『ジェダイの帰還』でも一部が再利用された。
- 『ジェダイの帰還』のエンドアでファルコンを駆る場面は、レッドウッド国立公園近郊の森林ロケーションとILMのミニチュア撮影・光学合成を組み合わせて構築された。
09よくある質問
実写現役期のランド(『帝国の逆襲』『ジェダイの帰還』『スカイウォーカーの夜明け』)はビリー・ディー・ウィリアムズが演じている。スピンオフ『ハン・ソロ』の若き日のランドはドナルド・グローヴァーが演じた。
ダース・ベイダーが先回りで雲上都市を訪れ、街を人質に取る形で取引を強要したためである。行政官として市民を守る義務を負うランドは、市民の安全と引き換えにハンたちの引き渡しを飲んだ。直後にベイダーが条件を書き換えたことで、ランドは市民避難放送を出しレジスタンス側に回帰する。
『ハン・ソロ』終盤のサバック対決で、袖札を仕込んだランドの勝負をハンが逆に出し抜き、ファルコンを賭けた勝負に敗れて譲り渡した。
ランド・カルリジアン将軍とコパイロットのニエン・ナン(サラスタン人パイロット)である。ハン・ソロはエンドアの地上部隊指揮に回っており、ファルコンには搭乗していない。
公開順に『帝国の逆襲』→『ジェダイの帰還』でウィリアムズ版を体験し、『ハン・ソロ』でグローヴァー版の若き日を補完、最後に『スカイウォーカーの夜明け』まで観ると物語が完結する。アニメ『反乱者たち』第5話「イディオッツ・アレイ」は旧三部作の後に追加で楽しめる。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Lando Calrissian
- StarWars.com 公式作品ページ: Solo: A Star Wars Story
- IMDb: Billy Dee Williams
- IMDb: Donald Glover
- Wookieepedia: Lando Calrissian
- IMDb: Irvin Kershner (The Empire Strikes Back director)
- IMDb: Richard Marquand (Return of the Jedi director)
- IMDb: Ron Howard (Solo director)
- IMDb: J.J. Abrams (The Rise of Skywalker director)
- IMDb: John Williams (composer)