01来歴

ナベリー家の少女
パドメ・ナベリーは46 BBY、惑星ナブーの湖沼地方に暮らすナベリー家に生まれ、姉ソラと湖畔の別荘で育った。幼少期から弁論と人道支援に傾倒し、ナブー難民救援組織で年若い志願者として活動した。十代前半でナブー王立アカデミーへ進み、王立評議会の補佐官(Princess of Theed)を経て女王選挙へ立候補した。
ナブー女王就任
32 BBY、14歳のパドメは選挙制立憲君主制のナブーで女王(Queen Amidala)に選出された。即位後の公的称号がアミダラ(Amidala)であり、退任後もパドメ・アミダラを名乗った。通商連合(Trade Federation)が封鎖と地上侵攻を始めると、影武者サベ(Sabé)と入れ替わって脱出し、コルサントの銀河元老院へ直訴した。
ナブー解放
元老院で有効な支援を得られなかったパドメはナブーへ帰還し、ボス・ナス(Boss Nass)との交渉によってグンガン軍とナブー王立軍の同盟を成立させた。ナブーの戦いを主導して通商連合総督ヌート・ガンレイを捕縛し、故郷を解放した。この事件では当時9歳のアナキン・スカイウォーカー(演:ジェイク・ロイド)と初めて出会った。
女王退任と議員就任
パドメは28 BBYに再選され、各4年、2期8年の任期を務めた後、ナブー憲法の制限に従って退任した。後継はジャミリア女王(Queen Jamillia)である。24 BBYにはナブー星系選出の銀河元老院議員となり、コルサントの500共和国大通りに官邸を置いた。モン・モスマ、ベイル・オーガナらとロイヤリスト委員会を結成し、最高議長パルパティーンへの権限集中に反対した。
暗殺未遂と秘密結婚
22 BBY、軍隊創設法案(Military Creation Act)の採決を前に、ザム・ウェセル(Zam Wesell)と背後のジャンゴ・フェットによる二度の暗殺未遂に遭った。ジェダイ評議会はオビ=ワン・ケノービと弟子アナキンを護衛に任命し、パドメは成長したアナキンと10年ぶりに再会した。ナブーのヴァロラム別荘とタトゥイーンのラース農場を巡る間に愛を深め、ジオノーシスの戦い直後、C-3POとR2-D2だけが立ち会う秘密結婚式を湖畔の礼拝堂で挙げた。
クローン戦争の和平派
クローン戦争中もパドメは元老院議員として停戦、和平、人道支援を一貫して訴えた。ナブー国民救援、ラックス・ボントゥリとの接触、銀河銀行国営化案の阻止、ローディアでの交渉に携わり、サテーン・クライズとも連携した。アナキンとの結婚はジェダイ評議会に秘匿され、ヨーダとオビ=ワン・ケノービ以外は二人の関係を知らないまま戦争末期を迎えた。
民主主義を守る請願
19 BBYのクローン戦争最終局面、パドメはアナキンとの間に妊娠したことを夫へ伝えた。同時にモン・モスマ、ベイル・オーガナと元老院議員2,000名の連署によるPetition of 2,000(2000人の請願)を起草し、パルパティーンに非常大権の返上を要求した。後の反乱同盟軍の思想的原点となる動きだったが、パルパティーンは黙殺し、ジェダイ・オーダーの粛清と銀河帝国樹立を進めた。
帝国宣言とムスタファー
オーダー66とジェダイ寺院攻撃の後、パルパティーンは元老院で銀河帝国の樹立を宣言し、議員たちは拍手喝采した。ベイル・オーガナの隣で見届けたパドメは「こうして自由は死ぬのね……万雷の拍手とともに」と告げた。アナキンがダース・シディアスに帰依したと知ると、オビ=ワンを密かに乗せた個人船でムスタファーへ向かった。アナキンは二人が結託したと誤解し、パドメをフォース・チョークで失神させた。
双子の出産と死
オビ=ワンは失神したパドメを医療補給基地ポリス・マッサへ搬送した。パドメは医療ドロイドの介助で双子ルーク・スカイウォーカーとレイアを出産し、「彼にもまだ良い心は残っている」と告げて死去した。医療ドロイドは身体的損傷だけでなく「生きる意志を失った」と説明した。ヨーダ、オビ=ワン、ベイルの判断で、レイアはオーガナ家、ルークはタトゥイーンのラース家へ託された。
国葬と遺志
遺体はナブー首都シードへ送られ、少女時代の姿に整えられて国葬で埋葬された。腹部には妊娠していたように偽装が施され、銀河帝国から双子の存在を隠す役割を果たした。後にレイアは『ジェダイの帰還』でおぼろげに「美しい母」を覚えていると語り、小説『Bloodline』(クラウディア・グレイ、2016年)では自身の出自とダース・ベイダーの娘である事実を知った。パドメの遺志はルークとレイア、モン・モスマ、ベイルを通じて受け継がれた。
02能力・特徴

- 政治・弁論:14歳での女王就任後、女王2期8年(32–24 BBY)と元老院議員5年(24–19 BBY)を務め、銀河元老院での弁論と多星系外交を主導した。
- 影武者運用と自衛戦闘:ハンドメイデンを影武者として運用し、自ら侍女に紛れた。ジオノーシスでは投擲武器と手枷の鎖、戦時にはブラスター(多くはELG-3A)を扱った。
- 外交交渉力:人間とグンガンの対立を越えた軍事同盟を成立させた。ジオノーシス、マンダロア、ローディアなどでも停戦と人道支援の交渉を担った。
- 非フォース型の行動力:フォース感応者ではないが、アナキン、オビ=ワン、ヨーダらとの実務上の窓口となり、議会と外交によって銀河を動かした。
- 民主主義への信念:モン・モスマ、ベイル・オーガナと2000人の請願を主導した。軍事支配に屈せず、和平と民主主義を次世代へ残そうとする人物である。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

第1作のナブー王宮で、王座の女王が影武者サベ、侍女姿の女性がパドメ本人だと明かされる。ハンドメイデンによる秘匿戦術を象徴する場面である。
第2作終盤、ジオノーシスの戦いを生き延びたパドメとアナキンが、C-3POとR2-D2だけを立会人としてナブー湖畔で秘密結婚する。
ジオノーシスの闘技場でネクスに襲われたパドメは、投擲武器と鎖を駆使して反撃する。単独戦闘員としての力量を示す場面である。
銀河帝国樹立が拍手で迎えられるなか、パドメは「こうして自由は死ぬのね……万雷の拍手とともに」と告げ、民主主義の崩壊を見抜く。
ポリス・マッサでルークとレイアを出産し、「彼にもまだ良い心は残っている」と告げて死去する。直後、双子は別々の家へ託される。
06制作背景

実写プリクェル三部作(エピソード1〜3)はルーカスフィルム(Lucasfilm Ltd.)製作、20世紀フォックス(20th Century Fox)配給で、ジョージ・ルーカス(George Lucas/1944年5月14日米国モデスト生/ルーカスフィルム創業者)が全作の監督・脚本を担当した。彼はジェダイでない数少ない女性主要登場人物としてパドメを設計し、「若くして女王になれる人物」として主演を起用した。2005年DVD収録のオーディオコメンタリーでは「パドメは民主主義の象徴であり、彼女の死は共和国の死である」と語った。
ナタリー・ポートマン(Natalie Portman/1981年6月9日エルサレム生/米国・イスラエル国籍)は1999、2002、2005年の三部作でパドメを一貫して演じた。影武者サベ役はキーラ・ナイトレイ(Keira Knightley)、アナキン役はヘイデン・クリステンセン(Hayden Christensen/1981年4月19日カナダ・バンクーバー生)である。アニメ版はカトリーン・テイバー(Catherine Taber)が2008–2014年、2020年ファイナル・シーズン、2022年の作品で声を担当し、議員としての多面性を補完した。
ジョン・ウィリアムズ(John Williams/1932年2月8日米国ニューヨーク生)は全実写エピソードの音楽を担い、恋愛主題『Across the Stars』を2002年のメインラブテーマとして作曲した。トリーシャ・ビガー(Trisha Biggar)は約30種類の衣装を設計し、2006年にエピソード3関連衣装でプライムタイム・エミー賞 衣装デザイン部門にノミネートされた。ギャヴィン・ボケ(Gavin Bocquet)はシード王宮、湖沼地方ヴァロラム別荘、500共和国大通り議員官邸を設計した。儀礼髪型は伝統的アジア/東欧の髪型を参照し、キャプラン王宮ヘア、ハート・ヘッドピース、ムスタファー前夜の流し髪が衣装と連動した。
アニメ作品はルーカスフィルム・アニメーション(Lucasfilm Animation)製作で、デイヴ・フィローニ(Dave Filoni)が製作総指揮を担った。マシュー・ストーヴァー『Revenge of the Sith』(2005年、Del Rey 刊)と『Tarkin』はムスタファーや死を補足する参照書である。E.K.ジョンストン(Emily Kate Johnston/カナダ人作家)の正典小説『Queen's Shadow』(2019年、Disney–Lucasfilm Press 刊)/『Queen's Peril』(2020年)/『Queen's Hope』(2022年)は、女王時代から元老院議員期のハンドメイデン制度と内面を描いた。
07評価・考察

パドメはフォース感応者でも兵士でもなく、弁論、外交、議会活動を通じて物語を動かす女性主要人物である。その立場はレイア・オーガナ、モン・モスマ、ジン・アーソへ連なる議会・反乱・外交の系譜の起点となる。共和国の死と同時に彼女が命を落とす構成は、民主主義の崩壊を個人の悲劇として可視化している。
女王の公的責任とアナキンへの私的な愛情は、パドメの行動を支えると同時に悲劇の原因にもなる。秘密結婚によって政治家と妻の二つの立場が衝突し、ムスタファーでその矛盾が破局へ至る。それでも和平への信念は『新たなる希望』以降の反乱同盟軍と『フォースの覚醒』以降のレジスタンスに継承され、死後もサーガの構造的支点となる。
08トリビア
- サベ役のキーラ・ナイトレイは撮影当時13歳、ナタリー・ポートマンは同17歳である。メイク後は母親同士も取り違えたと『The Beginning: Making Episode I』(2001年DVD収録)で語られた。
- パドメには約30種類のコスチューム・チェンジがある。黄色のピクニック衣装、白いボディスーツ、レースのウェディングドレスは巡回展『Star Wars and the Power of Costume』(2015–2018年、米国スミソニアン他)の中心展示となった。
- 出産場面の赤ん坊は実際の双子ではない。レイア役はエイデン・バートン(Aidan Barton、監督ロブ・コールマンの息子)、ルーク役はその姉妹コートニー・バートンである。
- ナタリー・ポートマンは『レオン』(1994年、12歳)出演後、第1作撮影時17歳、第3作撮影時24歳であった。ハーバード大学心理学部在学中もレポート提出とシドニーでの撮影を両立し、『Black Swan』(2010年)でアカデミー主演女優賞を受賞した。
- E.K.ジョンストンの正典小説三部作は、女王退任後、ハンドメイデン制度、ムスタファー直前の心理を補完する。実写三部作で描かれなかったパドメの内面を扱う主要参照点である。
09よくある質問
14歳でナブー女王となり、退任後は銀河元老院議員を務めた政治家である。アナキンの妻で、ルークとレイアの母でもある。
実写三部作ではナタリー・ポートマンが演じ、影武者サベ役はキーラ・ナイトレイである。アニメ版の声はカトリーン・テイバーが担当した。
実写ではエピソード1〜3のプリクェル三部作に登場する。アニメでは劇場版、TVシリーズ、2022年のアンソロジー作品に登場する。
ムスタファーでアナキンにフォース・チョークされ、ポリス・マッサへ搬送された。双子を出産後、医療ドロイドが「生きる意志を失った」と説明するなか死去した。
22 BBY、ジオノーシスの戦い直後にナブー湖畔の礼拝堂で秘密結婚した。立会人はC-3POとR2-D2のみである。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Padmé Amidala
- StarWars.com 公式: Star Wars: Episode I The Phantom Menace
- StarWars.com 公式: Star Wars: Episode II Attack of the Clones
- StarWars.com 公式: Star Wars: Episode III Revenge of the Sith
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Anakin Skywalker
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Luke Skywalker
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Leia Organa
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Obi-Wan Kenobi
- IMDb: Natalie Portman
- IMDb: Catherine Taber
- IMDb: Hayden Christensen
- IMDb: George Lucas
- IMDb: John Williams
- IMDb: Keira Knightley
- IMDb: Jimmy Smits
- IMDb: Ewan McGregor
- Wookieepedia: Padmé Amidala