09ストーリー解説
第9使徒イスラフェルが太平洋上から東京-3へ接近し、ネルフは初号機のシンジと、第8話で着任したばかりの弐号機のアスカを同時出撃させる。アスカは「あんたは見てなさい」とばかりに自信満々で、シンジを後方に下げ、自分ひとりで使徒を仕留めようと前線へ突出していく。
アスカはミサトの指示を無視して単独で突撃し、弐号機のプログレッシブナイフで使徒の胴を一気に斬り裂く。ところがイスラフェルは斬られた瞬間に左右対称な二体の同一個体へと分裂してしまい、見た目もほぼ同じ二つの使徒がそれぞれ動き始める、という予想外の事態に陥る。

分裂した二体は互いに連携し、息の合った同時攻撃で弐号機と初号機を翻弄する。二体が並んで放つ強力なエネルギー砲によって、アスカの弐号機もシンジの初号機もまとめて撃破され、両機は行動不能に。東京-3も被害を受け、初出撃のコンビは完敗を喫する。
撃退に失敗した二体の使徒は活動を停止し、湾上で再生・休眠状態に入る。一定時間後に再起動すると判明し、ネルフは反撃計画を立てる。リツコらの解析の結果、二体を別々に倒してもまた分裂・復活するため、「二体を完全に同時に殲滅するしかない」という結論に達する。

そこでミサトが提示したのが、シンジとアスカが寸分違わぬタイミングで攻撃を合わせる「完全同期作戦」である。零号機は修理中でレイは参戦できないため、二人だけで動きを完璧に一致させる訓練が課される。二人はミサトの部屋で寝食を共にしながら、コンビネーションを叩き込まれることになる。
訓練はリズムに合わせて全く同じ動作を反復する振り付け形式で、床のパネルを音楽に合わせて同時に踏むステップなど、二人の所作を一致させる特訓が連日続く。しかし性格も合わないシンジとアスカは反発し合い、動きがずれてばかりで、訓練は何度もうまくいかず険悪なムードが漂う。

日常生活まで同調を求められた二人は苛立ちを募らせ、アスカは途中で投げ出そうとし、シンジも気疲れしていく。様子を見に来たトウジやケンスケに冷やかされる場面もありつつ、それでも反復を重ねるうちに、二人の呼吸とステップは次第にぴたりと噛み合うようになっていく。
そして二体の使徒が再起動を始め、決戦の時が訪れる。ビル上に布陣した初号機と弐号機は、訓練で磨いた完璧な同期で同時に跳躍する。アスカの弐号機がシンジの初号機を飛び越える左右対称の軌道を描きながら、二人はプログナイフを構えて二体の使徒へ同時に斬りかかる。

両機のナイフは寸分の狂いもなく同じ瞬間に二体の使徒を貫き、分裂体は再生する間も与えられず同時に爆散する。完全同期による一撃で使徒イスラフェルは殲滅され、反発し合っていたシンジとアスカは、図らずも息の合ったコンビネーションで初の共同勝利を収めるのだった。


