14ストーリー解説
物語はネルフ本部地下での三機同時シンクロテストから始まる。碇シンジ、綾波レイ、惣流・アスカ・ラングレーがそれぞれエヴァのテストプラグに入り、L.C.L.に満たされたプラグ内で同期率の計測を受ける。赤木リツコ、伊吹マヤら技術陣がモニターでデータを読み上げ、各パイロットの精神状態とシンクロ比率が淡々と記録されていく。日常的な訓練風景として、物語の中間総括が幕を開ける。
次いで、これまでの使徒との戦いがミサトら作戦部の戦闘記録という体裁で詳細に振り返られる。第3使徒サキエル、第4使徒シャムシェルに始まり、陽電子砲で狙撃したヤシマ作戦の第5使徒ラミエル、海中の第6使徒ガギエル、分裂する第7使徒イスラフェルとのユニゾン戦法、火山に潜る第8使徒サンダルフォンなど、撃破してきた使徒の戦闘経緯が一つずつ整理されていく。

回想はさらに進み、酸を降らせる第9使徒マトリエル、空から落下してくる第10使徒サハクィエル、そしてMAGIに侵入しシステムを侵食しようとした第11使徒イロウルまでが総括される。ネルフがこれまで辛うじて全使徒を退けてきた事実と、その戦いがいかに薄氷を踏むものだったかが、改めて視聴者に提示される構成になっている。
舞台は一転、闇に沈む空間に並ぶモノリス群へ。人類補完委員会の上位に立つ秘密組織ゼーレの会議である。議長キール・ローレンツ(ゼーレ01)を中心に、「ゼーレ02」以降の柱と音声のみの参加者たちが、計画の進行状況を確認し合う。死海文書に記されたシナリオ通りに事態が運んでいるか、使徒殲滅と補完計画のスケジュールが議題に上る。

この席には碇ゲンドウも召喚されている。ゼーレの面々はゲンドウに対し、あくまで死海文書の予定表(シナリオ)を逸脱せぬよう釘を刺し、ネルフがゼーレの管理下にあることを暗に念押しする。一方ゲンドウは表向き従順を装いながらも、自らの思惑を胸に秘めており、副司令の冬月コウゾウとの間に組織の真の意図をめぐる緊張がにじむ。
ネルフ内部では、リツコがエヴァンゲリオンの本質に踏み込む場面が描かれる。エヴァが単なる人型決戦兵器ではなく、内に「魂」を宿した存在であること、そしてかつて初号機がパイロット不在のまま自律起動し暴走した事実が、不穏な伏線として提示される。エヴァは人の手で完全に制御しきれるものではない、という疑念が画面に影を落とす。

やがて零号機の再起動を目的とした接触実験が行われる。ここで、かつて零号機が初起動時に暴走した事故の回想が挟まれる。制御不能となったプラグから、ゲンドウが自らの手を火傷しながらレイを救い出した場面である。この出来事こそが、レイがゲンドウに寄せる絶対的な信頼と特別な感情の根にあることが示される。
実験の最中、エントリープラグの中で綾波レイの長い内的独白が展開される。「私は誰?」と自問するレイは、プラグ、L.C.L.の匂い、操縦桿、自分の身体といった断片を一つずつ確かめながら、自分という存在の輪郭を手探りする。自分は「三人目」であり代わりのきく存在なのか、何が自分を自分につなぎ留めているのか——抽象的なイメージとともに、彼女のアイデンティティの揺らぎが赤裸々に語られる。

独白の果てに、レイは自分を他者と結びつけている「絆」の中心に碇ゲンドウの存在があることを意識し、そこに安らぎを見いだす。実験は完了し、彼女の所属意識と心の所在がかすかに定まる。物語全体の折り返し点として、これまでの戦いの総括と、ゼーレ・ゲンドウ・レイそれぞれの「座」=立ち位置と内面を浮き彫りにしたまま、本話は次の展開へと引き継がれていく。


