19ストーリー解説
第18話の惨劇の直後から始まる。バルディエル(第13使徒)に侵食された参号機を、碇ゲンドウの命令で起動されたダミープラグ仕様の初号機が、シンジの意思を無視して凄惨に破壊した。エントリープラグごと噛み砕かれ、操縦者だった鈴原トウジは重傷を負う。強制的にプラグから出されたシンジは、自分の手で友を傷つけた事実に打ちのめされ、怒りに震える。
シンジは中央指令所(セントラルドグマ)で父ゲンドウに詰め寄る。「どうして、ぼくのエヴァを勝手に動かしたんだ」と激昂するが、ゲンドウはエヴァを兵器・道具と言い切り取り合わない。シンジは「もうエヴァには乗らない、こんなところ出て行く」とパイロットを辞めると宣言。葛城ミサトは引き止めようとするが、結局シンジは自分の意思でNERVを去ろうとする。

シンジはSDATを耳にしたまま、あてもなく第3新東京市をさまよう。トウジの見舞いにも行けず、街を彷徨い夜を明かす。やがて駅へ向かい、この街を離れる列車に乗ろうとする。NERVも、父も、エヴァも全て捨てて逃げ出そうとする少年の迷いが、長い沈黙のカットで描かれる。
道中、シンジは郊外でスイカ畑の世話をする加持リョウジと出くわす。加持は水をやりながら、「育てて見守るのもいいもんだぞ」と語り、壊すことと生み出すこと、自分にできることをやる「男の生き方」についてシンジに静かに問いかける。シンジは答えを出せないまま、なお去ることに固執している。

そこへ最強の使徒・第14使徒ゼルエルが第3新東京市に襲来する。NERVは迎撃態勢に入るが、シンジ不在のまま初号機は動かせない。ミサトはやむなく綾波レイと惣流・アスカ・ラングレーに出撃を命じ、二機のエヴァで巨大な使徒に立ち向かわせる。圧倒的な力を持つゼルエルとの絶望的な戦いが始まる。
レイは零号機にN2地雷(N2兵器)を抱えて特攻を仕掛ける。至近距離で起爆させ一矢報いようとするが、ゼルエルは紙のように薄く伸びる腕状のエネルギー体でこれを防ぎ、ほぼ無傷で再生してしまう。爆発で零号機は大破し、レイは戦闘不能に追い込まれる。N2兵器すら通用しない使徒の異常な強さが突きつけられる。

続いてアスカの弐号機が斬りかかるが、ゼルエルは鞭のように振るう腕で弐号機の両腕を一瞬で切断し、さらに頭部を切り飛ばす。アスカは絶叫しながらあっけなく撃破され、弐号機は地に伏す。二機のエヴァを難なく退けたゼルエルは、ついにジオフロントの装甲を一枚ずつ貫き、本部司令部めがけて降下を始める。
ゼルエルの放った高エネルギーの一撃が指令所のすぐ間近を直撃し、日向マコトがミサトを庇うなど、ブリッジは壊滅寸前に陥る。本部中枢に使徒が肉薄するなか、加持に促されたシンジがNERVへ戻ってくる。皆が死に瀕する光景を前に、シンジは「乗ります、ぼくが乗ります」と自らの意思で再び初号機への搭乗を決意する。

初号機が射出された瞬間、司令部に突き入ろうとしていたゼルエルの腕をシンジが両手で受け止める。激しい攻防の末、初号機はアンビリカルケーブルを断たれ、内部電源の残り時間が尽きて活動限界に達し、ゼルエルの光の刃に胸部・腹部を貫かれて沈黙する。シンジは「動け、動いてよ!」と叫ぶが、初号機は力尽きたかに見える。
ところが電源が切れたはずの初号機が突如咆哮を上げて再起動し、暴走を始める。失った腕を瞬時に再生させ、ゼルエルのA.T.フィールドを素手で力ずくでこじ開け、使徒を捕食するように喰い破る。初号機はゼルエルのコア=S²機関を体内に取り込み、自我を持ったかのように獲物を貪り尽くす。リツコは初号機がS²機関を獲得したと戦慄し、変貌した初号機の異形が映し出されて幕を閉じる。


