メディア / 映像各話
1999年版 第44話
1999年版アニメ第44話「雑魚×おかたずけ×試験終了!?」を解説。ゴン対ギド、キルア対リールベルト、水見式、裏ハンター試験の合格を整理する。
1999年版アニメ第44話「雑魚×おかたずけ×試験終了!?」は、2000年11月4日に放送された天空闘技場編の最終話である。原作No.59とNo.63を基に、ゴンとキルアが因縁の三人を退け、念の基礎修行を終える。
二人の勝利は単なる実力差ではない。ギド、リールベルト、サダソがズシを人質にして試合を強制した手口へ、自分たちの方法で決着を付ける。その後ウイングから、念の習得がハンター試験の隠された最終段階だったと知らされる。

第44話でゴンに敗れたギド 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

電撃の鞭を使うリールベルト 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

戦闘円舞曲で独楽を操るギド 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ゴンを包囲するギドの独楽 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

因縁の再戦でギドへ勝ったゴン 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 1999年版TVアニメ |
|---|---|
| 話数 | 第44話 |
| 副題 | 雑魚×おかたずけ×試験終了!? |
| 放送日 | 2000年11月4日 |
| 原作対応 | No.59、No.63 |
水見式で判明した系統
試合前、ウイングは二人へ水見式を行わせる。水を満たしたグラスへ葉を浮かべ、練を使った時に起きる変化から得意系統を判定する方法である。
ゴンが練を使うと水の量が増え、グラスからあふれる。水量の変化は強化系の反応であり、身体能力と物体の強化を得意とする資質に合う。
キルアの場合は水の味が変わり、蜂蜜に近い甘さになる。味の変化は変化系の反応で、オーラの性質を電気へ変える後の発にもつながる。
この時点で二人は固有能力を完成させていない。系統は進む方向を示すが、水見式の結果だけで必殺技や戦い方が自動的に決まるわけではない。
ウイングは基礎を確認したうえで試合へ送り出す。念を覚えた直後の二人が、系統に合う長所をどう実戦へ使うかが本話の三試合で示される。
ゴン対ギドの再戦
ギドは独楽を同時に放ち、自身も高速回転する戦闘円舞曲でゴンを包囲する。初戦では骨折させられた攻撃だが、ゴンはオーラで独楽を弾き返す。
ゴンは釣り竿でギドの足元にある石板を引っ掛け、土台ごと持ち上げる。回転中の安定を失わせ、石板とギドを空中へ投げ出す。
倒れたギドは許しを求めるが、ゴンは腹部へ一発だけ拳を入れる。自分の拳から血が出るほど強く殴り、二度と友人を傷つけたり脅したりするなと告げる。
復讐のため再起不能にするのではなく、ズシを人質にした行為への代価を一撃で終わらせる。勝敗と報復の範囲をゴン自身が決めている。
ギドは立てない状態となり、予定されていたキルア戦も不戦敗になる。三人が組んだ勝ち星稼ぎの計画は、最初の再戦から崩れる。
キルア対リールベルト
リールベルトは車椅子型の装置で距離を取り、二本の鞭を高速で振るう。鞭には最大100万ボルトの電流を流せると説明し、接触した相手を感電させる。
キルアは鞭を素手でつかみ、電撃を受けても動きを止めない。幼少期から電気拷問へ耐える訓練を受けてきたため、電圧の大きさだけでは行動を封じられない。
そのまま鞭を引いてリールベルトを乗り物から投げ出し、高所へ放り上げる。落下すれば死ぬと告げ、本人から助けを求める言葉を引き出す。
キルアは約束どおり身体を受け止めるが、握った鞭から流れる電気をリールベルトへ返す。自分が誇示した武器で気絶させ、勝利する。
電気への耐性は無傷を意味しない。痛みを受けながら行動できるという性質であり、キルアは相手が電圧を過信する心理まで利用する。
ゴン対リールベルト
ゴンはリールベルトとの試合へ釣り竿を持ち込まない。床の石板を素手で持ち上げ、相手の進路へ投げることで機動力を制限する。
リールベルトは石板を避けてゴンへ近づくが、その動き自体が誘導だった。ゴンは二本の鞭をつかみ、相手の首へ巻き付ける。
ゴンは鞭の電源を100万ボルトへ上げるふりをする。実際には電流を流していないが、キルア戦の結果を知るリールベルトは感電を想像して恐怖する。
スイッチを入れられる前に意識を失い、ゴンの勝利となる。力で耐えたキルアと違い、ゴンは相手自身が持つ武器への恐怖を利用した。
同じ敵と同じ鞭を相手にしても、二人の決着方法は異なる。身体条件と観察から最短の勝ち方を選ぶ点に、基礎修行後の成長が表れる。
裏ハンター試験の正体
試合後、ウイングは二人へ教えられる基礎は終わったと告げる。纏、絶、練、発の入口を学び、念能力者がいる世界で身を守れる段階へ達した。
さらにゴンへ、念の習得までがハンター試験の隠された最終課題だったと明かす。表の試験へ合格して証を得ても、念を知らなければ危険な依頼へ対応できない。
試験官は合格者へ念を直接教えず、必要な場所へ導く。ゴンの場合は天空闘技場でヒソカに阻まれ、ウイングの指導へ到達したことで裏試験を終えた。
キルアは最終試験で失格しているため、念を修めてもハンター証を持たない。ウイングは再受験すれば合格できると勧めるが、本人はすぐには決めない。
表試験と裏試験の順番が逆になったことで、キルアは次回の試験を圧倒的な実力で受けることになる。二人の資格状態の差もここで整理される。
天空闘技場からくじら島へ
修行を終えた二人には、九月一日のヨークシン集合まで一か月半ほど残る。ゴンはその期間を故郷で過ごすことを決め、キルアをくじら島へ誘う。
暗殺者の家を出たキルアにとって、友人の家へ遊びに行く経験は初めてに近い。修行や試験ではなく、ゴンの家族と日常を知る旅が始まる。
出発時、キルアはエレベーターガールへ軽口を叩く。念を覚えた自信から安全だと思うが、相手も念能力者であり、二人そろって顔を腫らされる。
最後の一撃は、念を覚えたことが無敵を意味しないという軽い教訓になる。天空闘技場の200階には、二人より経験のある能力者がまだ多数いる。
二人は建物を振り返り、天空闘技場へ別れを告げる。ヒソカへの一発、念の習得、因縁の清算を終え、ジンの手掛かりを追う次の段階へ移る。
補足と位置づけ
ゴンがギドへ返す一撃は、同じ痛みを味わわせるだけの復讐ではない。ズシを脅せばゴンが試合へ出るという成功体験を否定し、二度目は許さないという境界を本人へ直接示す。試合の勝ち星より、今後の加害を止めることが目的である。
リールベルトは100万ボルトという数値を強さの証明に使うが、キルアには相性が悪い。高出力の武器でも、相手の来歴と耐性を知らずに使えば心理的な優位を失う。キルアは説明を聞く間にも、相手が電気を過信していると読む。
ゴンは電撃へ耐えられないため、キルアと同じ勝ち方を選べない。石板で進路を限定し、鞭を首へ巻き、電気が流れる前に恐怖で意識を失わせる。能力差を友情や根性で埋めず、条件を変えて戦う。
ウイングが「教えることはない」と言うのは、念の全技術を修得したという意味ではない。四大行を自力で続け、発を探し、危険な能力者へ対処する基礎ができた段階である。応用技の修行は今後も続く。
裏試験の存在は一般の受験者へ公開されない。合格者が念を知らないまま悪意ある洗礼を受けないよう、協会と師匠役が間接的に導く。天空闘技場で二人を止めたヒソカの行動も、結果として無防備な進出を防いだ。
くじら島への帰郷は戦闘編の休止であると同時に、ジンの手掛かりを更新する段階になる。ミトと祖母へキルアを紹介し、父が残した箱とメモリーカードへ触れることで、天空闘技場の修行が次の目的へ接続される。
記事の読みどころ
サダソはキルアから事前に威圧され、試合へ現れず不戦敗となっている。ギドとリールベルトがリングで決着を付けられたのに対し、サダソは殺気だけで撤退を選ぶ。三人の清算方法は相手の性格と行動に応じて分かれる。
ギド戦で釣り竿を使い、リールベルト戦では置いてくる選択からも、ゴンが道具へ固執していないことが分かる。釣り竿は得意な武器だが、石板を直接持ち上げた方が相手の移動を制限できるなら戦法を変える。
水見式で得意系統が分かっても、二人はすぐ発の名前を決めない。ゴンは強化系の単純さをどう必殺技へするか、キルアは電気をどの動作へ使うかを後の修行で試す。診断結果より、経験と目的を能力へ結び付ける過程が長い。
エレベーターガールへ敗れる結末は、修了の高揚を笑いへ戻す。二人は因縁の選手へ勝った直後でも、知らない念能力者の力量を見誤る。勝利を新たな慢心へ変えないための短い後日談として働く。
位置づけ
本話の三試合は、相手の能力を消したり奪ったりせず、機能する前提を崩している。ギドは足場、リールベルトは距離と恐怖を利用される。念能力戦では出力へ正面から勝つ以外にも、姿勢、道具、判断を攻める道がある。ウイングの修行で得た防御力が、その観察と作戦を実行する余裕を二人へ与えた。初戦の負傷と敗北を、相手の癖を知る資料へ変えた再戦でもある。勝ち方にも修行の成果が表れる。
1999年版 第44話が残したもの
第44話は、ズシを傷つけた三人への決着と念修行の修了を同じ回で描く。新しい力を得た二人が、出力だけでなく相手の土台、武器、恐怖を読んで勝つ。
裏ハンター試験の開示によって、試験編と天空闘技場編が一つの育成過程だったと分かる。証を持つことと、証に見合う最低限の能力を得ることは別段階である。
天空闘技場を出ても修行は完結しない。系統と四大行は入口にすぎず、ゴンとキルアは自分の発と目的を次の旅で形にしていく。