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2011年版 第12話
2011年版アニメ第12話「サイゴ×ノ×カクゴ」を解説。五十時間の待機、二つの出口、トンパとレオリオの衝突、壁を壊した全員通過を整理する。
第12話「サイゴ×ノ×カクゴ」は2011年12月18日に放送され、原作No.21終盤からNo.22前半を映像化する。囚人チームへ勝ったゴンたちは、賭けで失った五十時間を待機室で過ごす。
塔の出口直前で、五人が通れる長い道と三人だけが通れる短い道を選ばされる。ゴンは全員で長い道へ入り、斧で隔壁を壊して短い道へ移る方法を思いつき、残り時間内に五人で通過する。

第12話で三人用の出口をめぐり衝突する五人 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

五人が制限時間内の脱出を目指すトリックタワー 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

多数決ルートで妨害を続けるトンパ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

五十時間を失う原因となったレルート戦 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

第三次試験の進行を監視する試験委員会 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 2011年版TVアニメ |
|---|---|
| 話数 | 第12話 |
| 副題 | サイゴ×ノ×カクゴ |
| 放送日 | 2011年12月18日 |
| 原作対応 | No.21終盤〜No.22前半 |
五十時間を待つしかない部屋
レルートとの賭けで失った時間は、囚人戦に勝っても取り戻せない。五人は扉が自動で開くまで同じ部屋に留まり、第三次試験の残り時間だけが減る。
倒す敵も解除装置もないため、身体能力で短縮できない。待機は休息になる一方、ほかの受験者が先へ進む相対的な不利を広げる。
レオリオの判断が原因でも、全員が同じ時間を支払う。多数決ルートでは、一人の選択が後の行動可能時間へ残り続ける。
待機中に見える五人の性格
2011年版は原作で省かれた待機時間を描き、ゴンとキルアが枕を投げ合う様子を加える。極度の緊張後でも、二人は遊びへ切り替えられる。
キルアは二、三日眠らなくても平気だと話し、暗殺訓練で身に付いた耐性を日常の会話として出す。クラピカは眠れない様子へ先に気づく。
レオリオは騒がしさに起こされて叱り、トンパは別の距離を保つ。閉じた部屋の追加場面が、戦闘外の関係を見せる。
先に塔を出る受験者たち
五人が待つ間にも、ヒソカ、ギタラクル、ハンゾーらは塔の下へ到着している。ゲレタも期限前に着き、四番目の通過者となる。
順位そのものが次の試験の得点になるわけではないが、早く着けば休息と準備の時間を確保できる。閉じ込められた五人には外の進行が見えない。
誰が先へ出たかを挟むことで、待機室の五十時間が単なる省略可能な空白ではなく、試験全体の遅れとして表れる。
扉が開いた後の追い上げ
残り時間が少なくなると五人は扉の前で待ち、開いた瞬間にゴンが飛び出す。待機中に休んだ身体を使い、次々に障害を越える。
2011年版は塔の下層へ向かう過程を映像で補い、どれほど急いで最後の部屋へ着いたかを示す。原作では説明された部分を、走行と仕掛けの連続へ変える。
障害を速く抜けても、最後に残る時間は約一時間である。五十時間の損失を完全には埋められず、出口の選択へ余裕がない。
丸と罰の二つの出口
最後の部屋には丸印と罰印の扉があり、それぞれ異なる条件が示される。丸の道は五人全員が通れるが、最低四十五時間かかる。
罰の道は三分ほどで抜けられる代わりに、進めるのは三人だけである。残り一時間では丸の道を普通に進めず、規則どおりなら二人を切り捨てる必要がある。
選択は単なる正解探しでなく、誰を残すかを五人自身へ決めさせる。時間不足が仲間の価値を人数へ換算させる。
トンパがレオリオへ向けた斧
トンパは短い道を選ぶため斧を取り、レオリオを攻撃する。三人枠へ自分が残るには、ほかの二人を動けなくする方が早いと考える。
レオリオも応戦し、話し合いは殴り合いへ変わる。残り時間が減るほど、誰が能力的に必要かを冷静に選ぶ余地がなくなる。
新人潰しを目的にしてきたトンパには、全員通過より自分が生き残る判断が自然である。五人の協力は最後まで無条件ではない。
全員で丸を押したゴンの提案
ゴンはまず五人全員で丸を選ぶよう求める。表示どおりなら間に合わない選択だが、全員が同じ側へ入るための手続きとなる。
ここで三人用の罰を押せば、扉の規則が二人を外へ残す可能性がある。先に全員通過の権利を確保し、その後で経路だけを変える。
ゴンは条件文を無視していない。『丸の道を最後まで歩かなければならない』とは示されていない余地を使う。
斧が示した隔壁の弱さ
トンパが振るった斧で壁が傷つくのを見て、ゴンは二つの通路が薄い隔壁で隣り合うと気づく。争いに使われた道具を脱出へ転用する。
五人は丸の道へ入ってから隔壁を壊し、短い罰の道へ移る。入口の人数条件と内部の物理構造を別々に利用した解法である。
塔の設計者が想定したかは作中で確定しないが、破壊を禁じる規則は示されていない。観察した構造から、第三の選択肢を作る。
五人で壊すという協力
発想を得ても、一人で厚い隔壁を短時間に壊すのは難しい。ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ、トンパが斧と力を合わせる。
直前まで戦った二人も、全員が通れる可能性を得ると協力へ戻る。人格が急に変わったのではなく、利害が切り捨てから共同作業へそろう。
多数決ルートで積み重ねた不信を、最後は作業分担で越える。仲良しである必要はなく、同じ出口へ向かうだけで協力は成立する。
ゴンたちが先へ着いた順番
隔壁を抜けると、ゴン、キルア、クラピカが先に出口へ走り、レオリオとトンパが続く。五人はわずかな時間差を持ちながら全員で塔の下へ到着する。
三人だけを選んだように見える順番でも、後続二人を閉め出してはいない。短い通路へ五人が入れた時点で、足の速さは合否を分けない。
残り時間内の到着が確認され、第三次試験通過が決まる。五十時間の失敗を抱えたままでも、最後の工夫で挽回できる。
トンパも通過させた意味
トンパは飲み物へ下剤を入れ、長い道を選び、最後にはレオリオを襲った。ゴンたちにとって信頼できる仲間ではない。
それでも三人枠から排除せず、五人で通る解法を選ぶ。相手の行為を許したのではなく、自分たちが誰かを切り捨てる決定へ乗らない。
トンパを倒して残す方が短時間でも、試験装置の迫る選別をそのまま受け入れることになる。ゴンは規則内で別の結果を作る。
第三次試験が測ったもの
トリックタワーでは腕力だけでなく、多数決、時間管理、心理戦、規則の解釈が連続した。強い一人が先走れば、五人用の扉を開けられない。
レオリオの賭けは大きな不利を作ったが、彼を捨てればチームとしての選択が壊れる。失敗者を含めて次の手を作れるかが最後に試される。
ゴンの解法は知識問題の正答ではなく、壁の傷を見た瞬間に条件を組み替える観察から生まれる。ハンターに必要な現場対応として働く。
アニメで追加された五十時間
原作は待機中の細かな行動を描かず、時間経過を進める。2011年版は睡眠、会話、枕投げを加え、閉じ込められた五人の温度差を見せる。
塔の障害を走る場面と脱出順も映像で具体化される。原作で起きた全員通過の結論を変えず、残り時間の切迫を動きへ置き換える。
比較では追加場面を漫画にも存在した事実として扱わない。共通する出口の解法と、アニメ独自の待機描写を分ける必要がある。
次の第四次試験へ残る関係
五人は同じ塔を通過しても、第四次試験では標的札を奪い合う個人戦へ戻る。ここで成立した協力が、そのまま次の同盟を保証しない。
ゴン、キルア、クラピカ、レオリオには信頼が育つ一方、トンパの目的は変わっていない。試験形式が変われば利害も組み直される。
第12話は五人を同じ出口へ届け、第三次試験を閉じる。全員を残した選択が、次の島で誰を助けるかという判断の基準にもなる。
二者択一を疑うゴンの観察
装置は丸か罰かを押すよう迫るため、表示された二案のどちらかだけが正解に見える。ゴンは選択肢の文章より、トンパの斧で傷ついた物理的な壁を見る。
五人用の入口と三人用の出口が別々に管理されるなら、内部で移動できれば両方の利点を使える。表示が説明する経路と、実際の建築構造が一致しない部分を突く。
試験官へ抗議して例外を求めず、自分たちの時間内に実行するため規則違反にならない。観察から第三の案を作る点がゴンの資質となる。
トンパの裏切りを利用する解法
トンパが斧を持たなければ、隔壁を短時間で壊せる道具が手元にない。レオリオへの攻撃という失敗が、壁の材質と破壊手段を同時に知らせる。
ゴンはトンパを責める時間を使わず、斧の用途だけを切り替える。危険な人物の行動からも、現状を改善する情報を拾う。
トンパ自身も全員通過案の利益を得るため、破壊へ協力する。善意への改心を待たず、利害をそろえて共同作業へ戻す。
時間を失ったから見えた最終問題
もし五十時間を失っていなければ、五人は丸の長い道を選び、壁を壊す必要がなかった。最後の難問はレルート戦の敗北が作った条件である。
前の失敗が次の問題を難しくしても、合否がその場で確定するわけではない。残り一時間から可能な行動を数え直せば、修正の余地がある。
第12話の成功はレオリオの敗北を帳消しにせず、その代価を全員で引き受けて通過へ変える。連続試験としての因果がここで閉じる。
五人が持ち帰った第三次試験の経験
ゴンは規則の隙、キルアは危険な相手の処理、クラピカは多数決の整理、レオリオは賭けの代価、トンパは妨害の限界を経験する。
同じ塔を通っても学んだ内容は同一ではない。第四次試験で個別行動へ戻ると、それぞれの判断が別の形で使われる。
全員通過は仲間として永続する誓いではなく、三次試験の条件へ協力できた結果である。形式が変われば対立が戻る余地も残す。
2011年版 第12話が残したもの
第12話は、三人だけが通れる短い道という二者択一を、壁の破壊によって五人通過へ変える回である。
五十時間の待機とトンパの攻撃はチームを分裂させるが、同じ脱出法を得ると再び役割をそろえられる。
2011年版は待機中と下層の障害を補い、第三次試験の時間圧力と人物関係を映像で広げる。