JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 6 / 人物

エートロ

えーとろ

第一世界線main_manga_and_tv_anime

ネタバレ範囲: Part 6「AWAKEN -目醒め-」まで

# エートロエートロは、第6部『ストーンオーシャン』に登場するグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所の女性受刑者である。農場で行方不明になった囚人の捜索へ参加し、湿地帯に潜むフー・ファイターズの攻撃によって死亡する。その後は知性を持つプランクトンの集合体がエートロの遺体へ入り、人間社会で行動するための肉体として使う。

同じ外見が長く登場するため、死亡前のエートロ本人と、遺体を借りているフー・ファイターズを区別する必要がある。

基本情報

エートロは22歳の女性で、刑務所内では女性棟に収容されている。原作とテレビアニメの双方で、空条徐倫エルメェス・コステロと同じ行方不明者捜索班へ加わる。本人はスタンド使いではなく、超常的な能力を自覚して戦う人物でもない。捜索班へ紛れ込んだフー・ファイターズの本体を見抜く側ではなく、利用されて死亡する一般の受刑者として描かれる。

物語上の登場時間は短いが、その肉体は以後の主要人物フー・ファイターズの外見となる。このため名前だけで登場場面を整理すると、生前の人物像と、死後に別の知性が行った行動が混ざりやすい。

外見

エートロは短く切った髪と細い眉を持ち、額の上に髪をまとめている。刑務所ではほかの女性受刑者と同じ基調の服を着用し、捜索時には爆発機能を備えた腕輪を装着する。原作の配色は固定されないが、テレビアニメ版では明るい色の髪と緑を基調とする受刑服で表現される。フー・ファイターズが遺体へ入った後も、顔立ち、体格、髪形は基本的にエートロのものが維持される。

一方で立ち方、視線、表情、言葉遣いにはプランクトンとして生きてきたフー・ファイターズの性格が現れる。公式キャラクター紹介に掲載される女性の立ち絵も、肉体の由来はエートロだが、人物名と人格はフー・ファイターズである。

収監前の経歴

エートロは幼少期から、誘拐されることや迷子になることへ強い関心を持っていた。デパートで家族から離れ、周囲が自分を捜す状況を空想するなど、日常から切り離される体験へ執着した。成人後、その欲求を自分ではなく他人へ向け、子供を誘拐して約十日間拘束する事件を起こす。身代金を要求して利益を得る目的ではなく、誘拐という状況そのものを経験するための犯行だった。

逮捕後は懲役七年の判決を受け、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所へ収監される。連載時の一部表記には犯罪内容を毒殺とする記述があったが、後の単行本では誘拐へ訂正されている。人物の確定した経歴を扱う場合は、訂正後の誘拐事件を採用し、初出時の表記は版による差異として分けるのが妥当である。

刑務所での生活

収監後のエートロは、ほかの受刑者から日常的にいじめを受けていた。自分を守れる腕力や人脈を持たず、閉鎖された女性棟で孤立していたと考えられる。農場で二人の受刑者が行方不明になり、刑務所側が捜索への志願者を募ると、エートロも班へ加わる。参加の理由は行方不明者を救う使命感より、いじめを受ける場所から一時的に離れられることにあった。

徐倫とエルメェスはホワイトスネイクが集めたDISCを探す目的で参加しており、エートロとは動機が異なる。同じ捜索班でも、二人が敵の存在を予測しているのに対し、エートロは刑務所内の危険から逃れる機会として行動していた。

行方不明者の捜索

捜索班の囚人には、看守から一定距離以上離れると爆発する腕輪が取り付けられる。これは囚人が農場や湿地を利用して逃走するのを防ぐための装置であり、自由に散開して捜索できない制約となる。班は五人の囚人で出発したはずだったが、途中で数えると六人いるという異常が生じる。フー・ファイターズはプランクトンを寄せ集めて人間に似た姿を作り、既存の囚人へ紛れながら人数認識を混乱させていた。

誰が本来の班員で誰が敵なのかを外見だけで判断できず、エートロを含む囚人たちは互いを疑う状況へ置かれる。エートロはこの場で能力の正体を説明したり、敵を攻略したりはしない。彼女の存在は、普通の人間が未知のスタンド現象へ巻き込まれた時、情報を持たないまま危険の構造へ組み込まれることを示す。

腕輪の爆発と死亡

フー・ファイターズは看守の体内へ入り、その身体を離れた位置へ移動させる。看守からの距離を基準にする腕輪は、囚人自身が逃走する意思を持つかどうかを判定しない。基準距離を超えた結果、エートロの腕輪が作動し、爆発によって本人は死亡する。これはフー・ファイターズが腕輪の規則を利用して捜索班を排除する攻撃である。

エートロには敵へ反撃する手段がなく、危険に気付いても腕輪を外すことや看守へ追いつくことはできない。彼女の死は直接の格闘ではなく、刑務所が囚人管理のために設けた装置を敵が転用した結果だった。制度上は逃走防止用の管理手段でも、看守を操るスタンド使いがいる状況では囚人を一方的に殺す装置となる。

フー・ファイターズの肉体になるまで

徐倫はDISCを守るフー・ファイターズと戦い、プランクトンの身体から水分を奪うことで追い詰める。しかし知性を持つ存在として生きようとする相手を完全には殺さず、水を与えて命をつなぐ。フー・ファイターズは徐倫の判断へ応え、ホワイトスネイクへ従う立場から徐倫たちの仲間へ移る。人間の集団へ入り刑務所内で活動するには、プランクトンの集合体を隠す外見と、受刑者として登録された身分が必要になる。

そこで死亡したエートロの遺体へ入り、細胞をプランクトンで補いながら肉体を動かす。以後に「F・F」と呼ばれる女性の身体はエートロに由来するが、判断、会話、友情、戦闘を担う人格はフー・ファイターズである。エートロ本人が復活したわけでも、二つの人格が一つの身体で共存しているわけでもない。

肉体に残る情報

フー・ファイターズはエートロの身体を使う過程で、その肉体に残された習慣や情報を読み取る。トイレットペーパーを使う長さなど、日常の細かな行動を把握しており、人間の受刑者として振る舞う手掛かりにする。テレビアニメ版では利き手に関する情報も、エートロの身体とフー・ファイターズの動作を区別する材料となる。ただし身体の情報を利用できることは、エートロの意識が内部で生き続けていることを意味しない。

フー・ファイターズはプランクトンの知性と記憶を持つ独立した存在であり、身体から得た情報を新しい経験へ組み込んでいく。水を好み、カップを噛み、言葉や人間関係を学ぶ姿は、エートロが生前に見せた性格の継続ではない。

エートロとF・Fの区別

生前のエートロに属するのは、収監前の誘拐事件、刑務所での孤立、捜索への志願、腕輪の爆発による死までである。徐倫との友情、エルメェスとの会話、ミラション戦での協力、DアンGの追跡、プッチとホワイトスネイクへの抵抗はF・Fの行動である。顔や身体が同一でも、人物記事の主語は外見ではなく意思決定を行う人格に置く必要がある。エートロの経歴へF・Fの戦績を加えると、スタンドを持たない受刑者が多数の戦いへ参加したという誤った説明になる。

反対にF・Fの記事から肉体の来歴を省くと、なぜ刑務所内で女性受刑者として行動できたのかが分からなくなる。両記事は統合せず、エートロを肉体の元の所有者、F・Fを死後にその肉体を使用した独立した生命として相互に参照させるのが適切である。

テレビアニメ版

テレビアニメ版の第7話「6人いる!」では、捜索班の人数が増える異常と、看守を含む集団が湿地帯で追い詰められる過程が描かれる。第8話「フー・ファイターズ」では、敵の正体がホワイトスネイクによって知性を与えられたプランクトンの集合体だと明かされる。エートロの死亡と、その遺体を使ってF・Fが人間の姿を得る流れもこの戦いの結末に含まれる。公式キャラクター一覧ではエートロ個人の項目を置かず、エートロの外見を持つ状態を「F・F」として紹介している。

第21話「AWAKEN -目醒め-」まで同じ肉体で活動するが、公式あらすじも行動主体を一貫してF・Fと表記する。アニメの映像を画像資料に使う場合は、生前の捜索場面、遺体へ入る転換場面、F・Fとしての公式立ち絵を並べ、同じ外見の意味が変わった時点を説明する必要がある。

物語上の役割

エートロは、フー・ファイターズが人間の社会と友情へ入るための身体を残す人物である。生前の彼女は孤立から逃れようとして捜索へ参加するが、その選択はさらに大きな危険へつながる。死後には別の生命が同じ身体で仲間を得て、自分の知性と記憶を守るために戦う。この対照は身体、記憶、人格のどこに一人の存在を見いだすかという第6部の問題へつながる。

ホワイトスネイクは記憶とスタンドをDISCとして分離し、F・Fはプランクトンの知性を他人の遺体で維持する。エートロの短い登場は、身体の外見だけでは人物の同一性を決められないことを、物語の早い段階で具体化している。

関連項目

- [[jojo-character-6-foo-fighters|フー・ファイターズ]]- [[jojo-stand-6-foo-fighters-stand|F・F(スタンド)]]- [[jojo-character-6-jolyne-cujoh|空条徐倫]]- [[jojo-character-6-ermes-costello|エルメェス・コステロ]]

- [[jojo-character-6-enrico-pucci|エンリコ・プッチ]]- [[jojo-stand-6-whitesnake|ホワイトスネイク]]- [[jojo-location-6-green-dolphin-street-prison|グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所]]- [[jojo-character-6-gloria-costello|グロリア・コステロ]]