JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 6 / 人物

エルメェス・コステロ

えるめぇす・こすてろ

第一世界線main_manga_and_tv_anime

ネタバレ範囲: Part 6最終話まで

# エルメェス・コステロエルメェス・コステロは、第6部『ストーンオーシャン』に登場する空条徐倫の友人であり、スタンド「キッス」の本体である。姉グロリアを殺したスポーツ・マックスへ復讐するため、自ら罪を重ねて同じ刑務所へ入る。当初は生き延びて目的を果たすことを優先するが、徐倫やF・Fとの共闘を通じ、自分の復讐を越えて仲間の戦いへ加わる。

刑務所の現実へ通じた実務感覚、負傷を恐れない戦闘、身近な人への情の厚さを併せ持つ人物である。

基本情報

エルメェスは23歳のメキシコ系アメリカ人女性で、身長175センチメートル、体重59キログラムとされる。受刑者番号はFE40533、房番号は219である。罪状は前科を伴う武装強盗で、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所における刑期は八年である。この犯罪は偶然の転落ではなく、服役中のスポーツ・マックスへ近づくために意図して繰り返したものだった。

家族には父と十歳年上の姉グロリアがおり、テレビアニメ版では母を幼い頃に亡くした経緯も示される。趣味は陸上競技で、若い頃には長距離走の奨学金を得て大学へ進む将来を望んでいた。

外見

エルメェスは長身で鍛えられた体格を持ち、髪を複数の編み込みにして留め具で飾る。額と顎には先端の尖った模様があり、顔の縦方向を強調する意匠となっている。袖のない上着とハイネックの衣服、帯状の装飾を備えたズボン、上腕を覆う部品を身に着ける。刑務所へ現金を持ち込むため、胸の脇へ紙幣を隠せる処置をしている。

これは装飾ではなく、賄賂と売買が日常化した刑務所で生きるための準備である。原作には固定された唯一の配色がなく、カラー版、テレビアニメ、ゲームでは肌、髪、服の色に差がある。人物の同定には配色より、編み込んだ髪、顔の模様、衣服の形、キッスのシールを用いる方が確実である。

性格

エルメェスは率直で気が強く、不満や怒りを言葉へ出すことをためらわない。危険な刑務所での経験があり、金の確保、看守への対応、相手の嘘や弱点を読むことに現実的である。超常現象を目にしても抽象的な理屈へ長くこだわらず、自分が今すべき行動へ結び付ける。キッスの能力を理解した時も、驚きながらすぐに盗まれた金を取り戻す手段として使う。

単純な力比べだけを好むわけではなく、罠、欺き、奇襲を戦術として自然に採用する。一方で、徐倫へ刑務所生活の助言を与え、困っている相手を放置できない情の厚さがある。他人へ依存しないと口にしても、徐倫やF・Fが自分のために危険を冒した時にはその思いを受け止める。荒い言葉と実務的な判断の奥には、家族を失った悲しみと、再び大切な相手を失うことへの恐れがある。

家族とグロリア

エルメェスの家族は貧しい地域で飲食店を営んでいた。十歳年上のグロリアは若くして店を継ぎ、妹に店を手伝ってほしいと望む。エルメェスは競技者として奨学金を得て大学へ行こうと考え、姉と将来をめぐって衝突する。17歳の頃、姉との喧嘩を避けて店から街へ走った際、ギャングのスポーツ・マックスが殺人を行う現場近くを通る。

グロリアはスポーツ・マックスが妹を目撃者だと誤解し、口封じに殺すと察する。妹を守るため警察へ通報するが、捜査側の保護は十分でなく、数週間後にグロリア自身が殺される。証拠不足によってスポーツ・マックスへ科された刑は軽く、エルメェスは司法の結果だけでは姉の死を決着させられないと考える。

復讐のための収監

エルメェスはスポーツ・マックスと同じ刑務所へ入るため、武装強盗を繰り返して逮捕される。八年の刑期は復讐を実行するために自分で選んだ代償であり、出所を待って追跡する道は選ばない。彼女は姉の死を正義の一般論へ置き換えず、自分と姉の間に残った勘定を清算する行為だと捉える。危険を他人へ背負わせないため、徐倫とF・Fが事情を尋ねても当初は目的を明かさない。

復讐によって失った姉が戻らないことも、自分が無事に刑務所を出られない可能性も理解している。それでも実行するのは、姉が妹を守るために命を失った事実へ、自分自身で答える必要があると考えるからである。

徐倫との出会い

エルメェスは刑務所へ移送される前の留置施設で徐倫と出会う。徐倫の率直すぎる告白に呆れながらも笑い、同室の女が絡んだ時には彼女をかばう。移送中には刑務所で金が必要になることを教え、自分が紙幣を隠している場所まで知られる。看守は会話を盗み聞きして金を奪おうとし、エルメェスへ暴力を加える。

徐倫は覚醒直後の糸の能力を使って看守の攻撃を逸らし、まだ友人と呼ぶ前からエルメェスを助ける。エルメェスは後に徐倫が父の記憶とスタンドのDISCを取り戻そうとしていると知り、同じ刑務所内で協力する。二人の関係は一方的な保護ではなく、危険へ先に踏み込んだ側をもう一方が支える対等な友情へ変わる。

キッスの覚醒

エルメェスは徐倫のペンダントに触れて指を傷つけた後、体調を崩して医療棟へ移る。目覚めると手のひらから唇の図柄を持つシールが現れ、貼った物体を二つへ複製できるようになっていた。シールを剥がすと複製された二つは一つへ戻ろうとし、衝突と融合によって対象に損傷を与える。自分の指へ貼った場合も複製が生じ、剥がした時には傷を負いながら元の一本へ戻る。

スタンド像のキッスは近距離で高い格闘能力を持ち、シールによる複製と本体の腕力を組み合わせる。エルメェスは物体だけでなく、身体、弾丸、容器、足場などへ能力を応用し、移動と攻撃の両方に使う。能力の詳細と個々の使用例はキッスの記事で扱い、人物としてのエルメェスには、損傷を承知で自分の身体へも使える覚悟が表れる。

サンダー・マックイイーン戦

医療棟で金を盗んだ清掃係サンダー・マックイイーンを追ったエルメェスは、彼の頭から突き出たDISCを見つける。マックイイーンが首吊りをすると、その自殺の損傷がスタンド「ハイウェイ・トゥ・ヘル」によってエルメェスへ共有される。相手を救おうと声をかけても、マックイイーンは感謝さえ自殺の理由へ変え、溺死や感電死を試みる。エルメェスはシールで鼻を複製して呼吸を確保し、最後は頭部を複製して融合時の衝撃を与える。

スタンドDISCを体外へ弾き出すことで自殺の共有を止め、ホワイトスネイクが囚人へ能力を与えている証拠を得る。この戦いでは相手を殴り倒すだけでなく、相手が自分を巻き込む仕組みを理解し、シールの性質で切断する対応力が示される。

フー・ファイターズ戦と共闘

マックイイーンの記憶DISCから農場のトラクターにDISCが隠されていると知り、エルメェスは徐倫と捜索班へ参加する。五人だった囚人が六人に増える異常へ気付き、湿地帯でプランクトンの集合体フー・ファイターズと戦う。水中で増殖する相手に対し、シールで桶を複製して破壊し、腕を複製して引き剥がすなどして徐倫を支える。徐倫がF・Fを殺さず、DISCを守らされた側にも選択の余地を与えると、エルメェスは当初その判断を警戒する。

その後はエートロの身体で暮らすF・Fと同じ目標を持ち、ミラション戦やスポーツ・マックス戦で互いを助ける友人となる。

スポーツ・マックスへの復讐

スポーツ・マックスを発見したエルメェスは数日間行動を監視し、一人になる場所と時間を選ぶ。パイプへシールを貼って複製し、相手をその間へ閉じ込め、剥がした時の融合で圧殺する罠を仕掛ける。しかしスポーツ・マックスは死の直前に「リンプ・ビズキット」を発現し、自身を含む死骸を透明なゾンビとして動かす。見えない剥製や鳥の死骸に襲われ、エルメェス、徐倫、F・Fは敵の位置と攻撃方法を探りながら反撃する。

エルメェスは自分の頭部へシールを貼って二つにし、一方が噛み砕かれても剥離後の融合で致命傷を避ける。最後はスポーツ・マックスの死骸を実体化させ、キッスの拳で姉の仇を打つ。勝利後は重傷を負うが、徐倫が自分の目的を後回しにして戦いへ来たことを知り、孤独な復讐として始めた行為が友情に支えられていたと理解する。

脱獄後の戦い

復讐を終えたエルメェスは刑務所から離れる選択をせず、プッチを追う徐倫と行動を共にする。ボヘミアン・ラプソディーによる混乱を経て仲間と合流し、リキエルのスカイ・ハイ、ドナテロ・ヴェルサスのアンダー・ワールドと戦う。相手の思想が運命を絶対視する時、姉の死まで決められた出来事とされることへ強く反発する。ケープ・カナベラルでは、プッチがC-MOONからメイド・イン・ヘブンへ到達するのを止めるため、徐倫、アナスイ、承太郎と連携する。

キッスで弾丸を複製して承太郎へ送り、アナスイの防御と承太郎の時間停止を成立させる役割を担う。時間加速後の戦いで両腕を失い、出血によって死亡する。最終局面まで彼女が選んだのは個人的な復讐の延長ではなく、徐倫とエンポリオを守り、プッチの計画を止める戦いだった。

世界の再構成後

プッチの死後に到達した世界では、エルメェスに似た女性エルディスがエンポリオと出会う。外見や人間関係に対応が見られても、エルディスは第一世界線で姉の復讐を果たしたエルメェス本人として記憶を引き継いでいるわけではない。記事上は別世界の対応人物として扱い、エルメェスの生存後の姿と断定しない。一方、エンポリオが出会った仲間たちの面影から涙を流す結末は、プッチに奪われた人生とは異なる可能性が生まれたことを示す。

テレビアニメ版

テレビアニメ版では田村睦心がエルメェスを演じる。公式キャラクター紹介は、刑務所生活の経験があり、徐倫へ助言する明るく情に厚い女囚として説明する。第6話「エルメェスのシール」でキッスの覚醒とマックイイーン戦、第13話と第14話「愛と復讐のキッス」で過去と復讐が描かれる。グロリアが母に代わる存在となった事情など、家族の関係を補う場面が加えられている。

主要な目的、キッスの能力、スポーツ・マックス戦の決着、徐倫との友情、最終決戦での死は原作と共通する。

物語上の役割

エルメェスは徐倫が刑務所で最初に得る対等な友人であり、施設内の現実を読者へ伝える案内役でもある。彼女の復讐は、過去の喪失にどう決着を付けるかという個人の問題から始まる。それを終えた後も戦いへ残ることで、人物の目的が復讐だけではなく、現在築いた関係へ移ったことが示される。キッスは一つを二つにして再び一つへ戻す能力であり、分離と再結合のたびに傷が残る。

エルメェス自身も姉を失って家族から切り離され、徐倫たちとの関係を選び直すが、失ったものが無傷で戻るわけではない。負傷と損失を引き受けながら前へ進む姿が、能力の仕組みと人物の生き方を結び付けている。

関連項目

- [[jojo-stand-6-kiss|キッス]]- [[jojo-character-6-jolyne-cujoh|空条徐倫]]- [[jojo-character-6-gloria-costello|グロリア・コステロ]]- [[jojo-character-6-sports-maxx|スポーツ・マックス]]

- [[jojo-stand-6-limp-bizkit|リンプ・ビズキット]]- [[jojo-character-6-foo-fighters|フー・ファイターズ]]- [[jojo-character-6-emporio-alnino|エンポリオ・アルニーニョ]]- [[jojo-character-6-enrico-pucci|エンリコ・プッチ]]