JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 6 / 人物

スポーツ・マックス

すぽーつ・まっくす

第一世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 6「愛と復讐のキッス」まで

# スポーツ・マックススポーツ・マックスは、第6部『ストーンオーシャン』に登場するギャングで、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所の男囚である。多数の犯罪へ関与しながら、裁判で有罪となったのは脱税と恐喝だけで、懲役五年を言い渡されている。エルメェス・コステロの姉グロリアを殺害させた張本人であり、エルメェスが自ら収監されるほどの復讐対象となった。

刑務所内ではエンリコ・プッチからスタンドDISCを与えられ、死体を透明なゾンビとして蘇生するリンプ・ビズキットを操る。DIOの骨を復活させる役割と、エルメェスの復讐劇を一つの事件へ接続する人物である。

外見

スポーツ・マックスは長身の男性で、短い髪をまばらな棘のように立てている。通常の眉の上に円形の模様があり、二組の眉を持つように見える顔立ちが特徴となる。刑務所では背中に施設名を記した長い上着を着用し、上着とズボンには細かなペイズリー柄が入る。首元まで覆うシャツと丈の長い上着によって、囚人服でありながらギャングの威圧感を残す。

生前は整えられた外見を保つが、死亡後は頬がこけ、皮膚の血色を失い、血や汚水が付着する。透明化した後は姿そのものを目視できず、血液、埃、接触した物体の動きが位置を知る手掛かりになる。漫画とアニメで肌、髪、服の配色は変化し得るため、色だけで生前と死後を区別しない。

表向きの経歴と犯罪組織

スポーツ・マックスは表向きには自動車販売業者として生活していた。実態はフロリダで活動するギャングの一員で、殺人を含む四十件以上の犯罪へ関与したとされる。部下を使い、目撃者を脅し、直接証拠が残りにくい形で暴力を行使する。路上で男性を残虐に殺害した場面をエルメェスに目撃され、グロリアが妹を守るため警察へ通報する。

マックスは自分の犯罪を止めるのではなく、証言者となったグロリアを口封じの対象にする。彼女は絞殺され、遺体を排水路へ捨てられた。警察はグロリア殺害を彼へ結び付けられず、最終的に立件できたのは脱税と恐喝だった。有罪判決の軽さは、エルメェスが法的手続きによる処罰を諦め、自分で復讐する決断へ進む理由になる。

グロリア殺害への態度

スポーツ・マックスはグロリアの死へ罪悪感を示さない。自分の犯罪へ介入した彼女が悪いと考え、口封じを当然の報復として語る。エルメェスと対面した後も謝罪せず、姉の死を挑発材料に使う。証言者を排除して刑を免れた成功体験が、他者の生命を自分の利益より下へ置く態度を強めている。

彼にとってグロリアは一人の生活者ではなく、犯罪組織の活動を妨げた障害にすぎない。この認識は、プッチがマックスを邪悪な能力者として利用できる理由にもつながる。スタンドDISCが暴力性を新しく作ったのではなく、死体を道具にする能力が既存の人格へ与えられている。

収監後の生活

刑期五年のうち四年を過ごした時点で、スポーツ・マックスは刑務所内に一定の生活圏を築いている。墓地の手入れを行い、墓へ花を供え、動物の剥製を作る趣味を持つ。礼拝堂へ通い、花束の中から気に入ったバラを求める姿は、過去の犯罪だけを見れば意外に映る。しかし、死体や墓へ関心を向ける生活は、リンプ・ビズキットが利用できる材料を周囲へ蓄えることにもなる。

剥製の鳥やワニ、墓地に埋葬された囚人は、後に透明なゾンビとして動き出す。薬物を使用し、女性刑務所の囚人へ接触するなど、刑務所の規則を越えた行動も続けている。彼が礼拝堂へ通うのは信仰だけが理由ではなく、プッチと接触する経路でもある。穏やかな作業と犯罪者としての本質は矛盾せず、いずれも死体を自分の都合へ組み込む態度の周囲に配置される。

プッチとの取引

プッチはホワイトスネイクで抜き取ったリンプ・ビズキットのDISCをスポーツ・マックスへ与える。能力の元の持ち主は別に存在するが、氏名や経歴は明示されない。マックスはDISCを失えば能力も失うため、プッチの要求を拒みにくい。礼拝堂で呼び出された彼は、一本の人骨を能力によって復活させるよう命じられる。

最初は骨だけから何を蘇生できるのか疑問を示すが、ホワイトスネイクにDISCを回収すると脅されて実行する。骨は通常の透明な死体のように支配されず、プッチの手を傷つけて施設内へ逃げる。マックスは能力のつながりを通じて骨の移動を感知するが、進路や変化を制御できない。プッチは予想外の結果を観察するため、骨を追わず自由に動かすよう指示する。

DIOの骨の復活

スポーツ・マックスが蘇生した骨は、DIOがプッチへ残した遺骨である。リンプ・ビズキットは完全な死体だけでなく、一部の遺骸にも作用できることが示される。ただし骨から生まれた存在は、マックスの命令に従う一般的な透明ゾンビではない。骨は囚人の生命を吸収して植物のような形へ成長し、最終的に緑色の赤ちゃんへつながる。

植物化、誕生、重力による接近制限はリンプ・ビズキットの通常効果として扱えない。マックスが行ったのは最初の蘇生であり、その後の変化にはDIOの骨と天国へ至る計画固有の性質が関係する。彼の記憶DISCは、徐倫たちが骨の行方とプッチの計画を知る資料になる。一つの復讐戦で得られたDISCが、第6部後半の核心へ導く情報を運ぶ。

リンプ・ビズキット

リンプ・ビズキットは、死体から目に見えないゾンビを発生させる現象型スタンドである。蘇生された存在は透明だが実体を持ち、噛みつき、引っかき、物体を動かして生者を攻撃する。鳥やワニなどの動物、墓地の遺体、人間の一部の遺骨にも作用する。生前の人格を完全に取り戻す蘇生ではなく、血や脳を求める攻撃的な死体として動く。

ゾンビへ加えた損傷は元の死体にも反映され、十分な攻撃を受ければ再び活動を止める。姿が見えないため、攻撃が来る方向を目や耳だけで追うことは難しい。水や血液を付着させる、地面の足跡を見る、物を動かした位置から推測するなど、存在の間接的な可視化が必要になる。能力そのものに人型の像は確認されず、透明な死体群と死後のマックスが実質的な攻撃主体となる。

エルメェスが仕掛けた罠

エルメェスは数日間スポーツ・マックスを監視し、行動経路と習慣を調べる。姉グロリアの写真を配管へ貼り、彼が手に取るよう誘導する。配管にはキッスのシールで複製を作り、シールが剥がれた時に二本が一つへ戻る力を利用した罠がある。マックスは融合する配管の内側へ閉じ込められ、穴も複製した部材で塞がれる。

エルメェスは外から汚水を流し込み、逃げ場を失った彼を溺死させる。復讐は正面の殴り合いではなく、相手の生活を調査し、キッスの複製と融合を建築物へ応用した計画で始まる。しかし死の直前にリンプ・ビズキットが発動し、剥製のワニが配管を破壊する。マックス自身の死体も透明なゾンビとして蘇ったため、エルメェスは復讐が終わったと認識できない。

死後の自覚

配管から脱出したスポーツ・マックスは、自分が死亡したことをすぐには理解しない。周囲の囚人が反応せず、薬物を注射しても体内から汚水が漏れ、身体の感覚が生前と異なる。やがて強い渇きの正体が人間の血肉と脳への欲求だと気付き、女性囚人を襲う。透明化は本人が姿を消す防御技を選んだ結果ではなく、蘇生された死体に共通する性質である。

死体であるため首を外しても即座に活動を停止せず、痛みによる制止も弱い。一方で記憶、悪意、エルメェスへの敵対心は残り、周囲のゾンビへ指示を出せる。人間の理性を完全に失った獣ではなく、ギャングとしての判断へ死者の食欲が重なった状態になる。

墓地での戦闘

スポーツ・マックスは刑務所の墓地にある遺体を次々と蘇生し、透明な集団でエルメェスを包囲する。徐倫とF・Fが加勢するが、姿の見えない鳥、ワニ、囚人の死体によって攻撃方向を限定できない。マックスは女性囚人のゾンビを囮にし、自分も群れへ紛れてエルメェスの頭部を狙う。エルメェスはキッスで自分の頭を複製し、噛み取られた部分が本体と融合する反動を攻撃へ転用する。

マックスは自分の首を切り離して位置を誤認させるが、複製された部位が戻る動きによって居場所を露呈する。さらに頭部へ貼られたシールにより、複製との融合から逃げられなくなる。キッスの連打を受け、融合の衝撃で記憶DISCとスタンドDISCが身体から飛び出す。リンプ・ビズキットを失うと死体を維持できず、スポーツ・マックスと透明なゾンビ群は消滅する。

エルメェスの復讐との関係

エルメェスはスポーツ・マックスを殺すため、意図的に軽い犯罪を犯して同じ刑務所へ入る。彼女の目的は刑期を終えることでも、プッチの計画を最初から阻止することでもない。姉が自分を守って死んだ事実へ応え、加害者へ結末を与えることを選んでいる。マックスは死後までグロリアを侮辱し、自分の犯罪を相手の責任にする。

そのため決着は敵の能力を破るだけでなく、エルメェスが姉の死と自分の選択を受け止める場面になる。徐倫とF・Fの助力は復讐を奪わず、透明な死体群を抑え、最後の一撃をエルメェスへ残す。戦闘後に彼女は重傷を負うが、回収されたDISCは仲間の次の行動へつながる。個人的な復讐と天国計画の調査が、スポーツ・マックスという一人の死を介して交差する。

名前と海外版表記

日本語表記は「スポーツ・マックス」、英字は「Sports Maxx」である。海外版では「Sports Maximum」などの変更名が使われる場合があり、同一人物の別名として検索索引へ登録する。名称の由来とされる現実のファッションブランドは、ギャング、刑務所、剥製、死体蘇生という作中設定の出典ではない。リンプ・ビズキットの海外版名も媒体によって異なるため、人物名とスタンド名の変更を別々に管理する。

物語上の役割

スポーツ・マックスは、処罰を免れた暴力が被害者の家族へ残す時間を、エルメェスの過去から現在へ運ぶ。同時に、死体を蘇らせる能力によってDIOの骨を動かし、プッチの天国計画を次の段階へ進める。本人は計画の全体像を知らず、DISCを奪われる恐怖と自分の利益によって協力する。死んでも能力で動き続ける姿は、証拠を隠して法的責任から逃れた過去の反復にも見える。

それでもエルメェスは見えない位置を割り出し、DISCを排出させ、二度目の死によって追跡を終わらせる。個人の決着が世界規模の計画を示す情報の獲得へ変わる点で、第6部前半と後半をつなぐ転換点を担う敵である。