JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 9 / 人物

レムチャバン

れむちゃばん

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 9 第33話まで

# レムチャバンレムチャバンは、第9部『The JOJOLands』に登場する警察官であり、HOWLER社の利益を守るために行動するスタンド使いである。キー・ウエスト寧波と共に、ボビー・ジーンを殺した者と行方不明のルルちゃんを捜す。スタンド「ライイン・アイズ」は、サングラスで飼う線虫に人間の緊張や恐怖の匂いを感知させ、嘘を見抜く検査器として使う。

法執行機関の肩書と嘘を疑う執念を持つが、捜査令状、黙秘、身体の安全を軽視し、真実を得るためなら拷問と殺害も許可する。

基本プロフィール

レムチャバンは小柄な女性で、頭部は長い一束の髪を除いて剃られている。左目の上下には、花をくわえた鳥を思わせる刺青が配置される。下側だけに縁のある丸いサングラスを着用し、そのレンズ部分で線虫を飼う。服は襟付きのジャンパースカートと編み上げの長袖を組み合わせ、胸には「FURY」の文字が大きく入る。

腰に拳銃を収めるホルスターを付け、膝にはとげ状の装飾を持つ防具を着ける。警察官らしい装備と、個人の識別を強く押し出す衣装が同居した外見である。

幼少期の冤罪

レムチャバンが嘘を憎む背景には、小学生の時に起きた集金の事件がある。児童たちが持ってきた昼食代の封筒から金がなくなり、教師はレムチャバンへ疑いを向けた。彼女は教師が金を抜いていると気付いたが、周囲は子供の訴えを信じなかった。盗んだ大人ではなく告発した子供が責められ、真実を話しても社会が訂正しない経験をする。

この出来事は、相手の言葉を信用せず、恐怖の反応から本音を暴こうとする姿勢へつながる。しかし後の彼女は、嘘を暴くためなら自分が権力を乱用してよいと考えるようになる。過去に信じてもらえなかった被害は、他人の権利を無視する理由にはならないが、本人は二つを結び付ける。

警察官とHOWLER社

成人したレムチャバンは警察官となり、法的な捜査へ関わる立場を得る。同時にアッカ・ハウラーへ雇われ、HOWLER社の資産を脅かす者を追う。公務として会社を調べるのではなく、会社から報酬を得て、警察の肩書を私的な圧力へ使う。アッカ本人は彼女たちをよく覚えておらず、対等な協力者として扱わない。

レムチャバンも雇用主への忠誠を信念にせず、会社を収入源と見なす。両者を結んでいるのは公共の正義ではなく、情報、権限、報酬を交換する利害である。

ボビー・ジーンの死を調べる

ボビー・ジーンがパール総合病院で死亡すると、レムチャバンはキー・ウエスト、寧波と調査を始める。ボビーの検索履歴にはパコ・ラブランテスへつながる記録が残っている。一行はアッカへ何を捜査していたのか尋ねるが、アッカは会社を守る仕事だけに集中するよう命じる。さらに行方が分からないルルちゃんを捜し、敵と接触していれば連れ戻すよう指示する。

レムチャバンは同僚の死の真相を知りたいと考えつつ、その調査をHOWLER社の標的排除と一体化する。

ライイン・アイズ

ライイン・アイズは独立した人型像を持たず、レムチャバンが飼育する線虫を制御する現象型のスタンドである。線虫は人間が緊張した時に発する匂いや化学的な変化を感知し、サングラスのレンズ上で集まり方を変える。恐怖が強い場所を地図のような形で示し、周囲の誰が動揺しているかを探せる。質問への返答が嘘なら線虫が大きく集まり、真実を話すと散る。

レムチャバンはこの反応をポリグラフとして用い、相手へ「はい」か「いいえ」で答えさせる。線虫は道具ではなく彼女がペットとして育てており、能力は生物の感覚と飼育を前提にする。

嘘を検出する際の限界

ライイン・アイズが直接読むのは言葉の真偽そのものではなく、恐怖やストレスに伴う反応である。真実を話していても脅されれば人は怖がり、嘘をついても本人が信じ込んでいれば反応が弱い可能性がある。質問の意味が曖昧なら、答えた側と尋ねた側で判断の前提もずれる。レムチャバンは線虫の動きを観察したうえで、質問の順番、相手の態度、周囲の物へ推理を加える。

能力が自動的に完全な真実を表示するのではなく、恐怖を手掛かりに尋問を進める補助である。本人は反応への信頼が強いため、疑いを持った後は相手の沈黙まで嘘として圧力を高める。

アッカの恐怖を感知する

アッカと会った際、レムチャバンの線虫は彼が財産の喪失を恐れていることへ反応する。表面上は会社の社主として命令を続けても、内側では土地と富が失われる危機を感じている。レムチャバンは反応から、ボビーの任務とルルちゃんの失踪に、説明されていない大きな価値があると推測する。雇用主の嘘を暴いて公表するのではなく、その隠し事を自分の利益へ使える情報として保持する。

嘘を嫌う人物でありながら、自分が優位に立てる秘密は積極的に隠す。

メリル・メイへの接触

レムチャバンと寧波は、パコが在籍していたマッキンリー高校で校長メリル・メイ・チーを訪ねる。最初は参考調査を装い、パコの住所と行方を尋ねる。メリルは生徒への一斉連絡に見せかけて仲間へ警告を送り、質問をかわそうとする。線虫が彼女の恐怖へ反応すると、レムチャバンは令状を取る手続きを省き、校長室の情報を調べ始める。

警察官として適正な手続きへ戻るのではなく、能力が示す疑いを越権の許可として扱う。

寧波に拷問を命じる

メリルが仲間の情報を話さないため、レムチャバンは寧波へ身体を攻撃させる。寧波のスタンド「200バルーンズ」は触れた対象へ空気を送り込み、手指や腕を膨張させる。レムチャバンは質問へ単純な肯定か否定で答えるよう求め、沈黙や省略も嘘として扱う。寧波はメリルの指を内側から膨らませ、破裂するまで圧力を加える。

捜査対象の安全を守る警察官ではなく、供述を得るため同僚へ拷問の強度を委ねる指揮役になる。真実を得る目的が、真実を証拠として扱える手続きを自ら壊している。

IKO IKOの隠し部屋

メリルの店IKO IKOへ移動した後、レムチャバンは事務室の内部を調べる。メリルがパコの現在地を本当に知らないと答えると、線虫は散って真実を示す。レムチャバンは人がいないという返答と、室内の微細な恐怖の変化を比べ、隠し空間があると考える。床や家具を指し示しながら反応を確認し、絨毯の下にある地下室の入口を特定する。

能力は人の嘘だけでなく、相手が隠したい場所へ近づいた時の感情を位置情報へ変える。地下にはルルちゃんと、銀行員の横浜に変装したチャーミング・マンがいる。

500億ドルと忠誠の転換

メリルはHOWLER社の土地に500億ドル規模の価値があると伝え、利益を分ける案を出す。レムチャバンと寧波は巨額を聞いて動揺するが、すぐに仕事を放棄せず地下室を開ける。その後、ルルちゃんへの尋問から溶岩がハウラーの財産へ関係すると知る。レムチャバンは会社へ報告する代わりに、キーへだけ情報を送り、アッカには見せないよう念を押す。

彼女にとって500億ドルは、雇用主への忠誠より上位にある価値となる。会社を守る刺客から、会社の財産を自分と恋人のために奪う競争相手へ立場を変える。

キー・ウエストとの関係

レムチャバンとキー・ウエストは同居する恋人同士である。仕事中の高圧的な態度とは異なり、キーへのメッセージでは愛情を表し、絵文字や親しい呼び方を使う。二人で溶岩を手に入れた後に暮らす邸宅を探し、料理を作る約束まで交わす。レムチャバンは、自分たちには能力と才能があるのに社会から相応の報酬を受けていないと感じている。

その不満が、アッカの富を横取りする行動を正当化する。愛情は偽装ではないが、二人だけの未来を作るためなら同僚、雇用主、容疑者を犠牲にする排他的な計画へ結び付く。

ルルちゃんへの尋問

寧波が地上でパコ、ウサギと戦う間、レムチャバンは地下室に残ってルルちゃんを調べる。ルルちゃんの雑談と子供らしい態度を信用せず、アッカから秘密の命令を受けていると疑う。線虫で恐怖を測り、溶岩、横浜、地上の一行について答えさせる。ルルちゃんがアッカを父親だと思っていると話すと、予想外の関係にレムチャバンは動揺する。

さらに自分とキーがアッカを裏切るつもりか問われ、巨額の利益が忠誠に優先すると認める。隠された嘘を探す側が、自分の裏切りを言葉にして露出させられる場面である。

バグス・グルーヴによる敗北

レムチャバンは拳銃をルルちゃんへ向けるが、ルルちゃんは銃へ触れてバグス・グルーヴを侵入させる。小さなスタンドが体内で心臓へ作用し、呼吸困難と嘔吐を起こす。レムチャバンは苦しみながら発砲するものの、弾丸はルルちゃんへ当たらない。家具の下まで追い詰めても、先に乱射したため弾倉が空になり、再装填の前に倒れる。

ライイン・アイズは嘘と恐怖を見抜けても、触れた物から体内へ入る小型スタンドを防ぐ能力ではない。相手の心理を支配しようとして距離を詰めたことが、ルルちゃんに攻撃の接点を与える。

敗北後

レムチャバンはバグス・グルーヴの攻撃で戦闘不能になるが、その場で死亡したとは示されない。土地交換の作戦が終わった後、キー・ウエストや横浜と共に、ひそかに担架で病院へ運ばれる。したがって状態は死亡ではなく、戦闘から退いた人物として扱う。溶岩をめぐる裏切りをアッカがどこまで知ったか、キーとの再会が成立するかは未決着である。

物語上の役割

レムチャバンは、嘘を暴く能力が正義を保証しないことを示す人物である。幼少期に冤罪を受けた経験から真実へ執着するが、警察官になった後は自分の疑いを拷問と越権の根拠にする。ライイン・アイズは心を直接読む万能装置ではなく、恐怖の反応を地図と判定へ変えるため、使用者の質問と解釈が結果を左右する。キーへの愛情と社会への不満は、HOWLER社への裏切りを個人的な成功物語として描かせる。

しかし秘密を抱えるルルちゃんへ近づきすぎ、自分より小さく見える相手の能力によって倒される。彼女の捜査はジョディオたちの偽装を追い詰める一方、会社側の忠誠と権限も崩れていることを明らかにする。