ネタバレ注意 関連作品の展開と結末を含みます。
- 本名
- ヨハン・シュミット
- 所属
- ヒドラ指導者
- 能力・資源
- 超人血清による身体能力、テッセラクト兵器
- 中心作品
- 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
概要
レッドスカルことヨハン・シュミットは、第二次世界大戦期にナチスの科学部門ヒドラを率い、テッセラクトの力で既存国家を超える軍事支配を目指した人物である。アースキンの超人血清の未完成版を自らへ投与し、身体能力を高めた代わりに赤い頭部が露出した。彼は変貌を失敗ではなく、内面の優越性が外見へ現れた証として受け入れる。
スティーブ・ロジャースと同種の血清を受けながら、二人は反対の方向へ進む。弱者だった経験を忘れないスティーブは力を他者の自由へ使い、シュミットは力を持つ者が全員を支配すべきだと考える。血清が善悪を与えたのではなく、すでに持っていた性質と価値観を増幅したというアースキンの説明を、二人の選択が具体化する。
最終決戦でテッセラクトへ直接触れたシュミットは消滅したように見えるが、実際にはヴォーミアへ送られ、ソウル・ストーンを求める者へ代価を説明する案内人になる。力を所有しようとした人物が、永い時間にわたり自分では得られない力の門番になるため、その後の姿は単なる生存ではなく、欲望を反転した罰として描かれる。

01アースキンの血清と赤い顔
シュミットはアースキン博士を脅し、完成前の超人血清を投与させる。血清は身体能力を強化したが、皮膚を焼くように変化させ、頭部を赤い骸骨のような姿へ変えた。本人は仮面で人間の顔を装う一方、部下の前では真の姿を権力の象徴として見せる。異形になったから悪へ転じたのではなく、支配欲が先に存在した。
アースキンは米国で新しい被験者を選ぶ際、強い兵士より善良な人間を求める。力は性質を増幅するという失敗から学んだからである。シュミットとスティーブの差は、血清の完成度だけではない。命令へ従うかより、自分より弱い人間を同じ主体として扱えるかが、超人になった後の行動を分ける。

02ヒドラを国家から独立させた野心
ヒドラはナチスの支援を受けて兵器を開発するが、シュミットはヒトラーの勝利へ忠誠を誓っていない。ベルリンから来た将校を処刑し、ドイツを含む主要都市を攻撃対象に加える。既存国家を利用して資源と人員を得た後、自分だけが新しい秩序を作る計画であり、同盟や思想より個人崇拝が中心にある。
そのためヒドラとナチスを完全に同じ組織として扱うのも、無関係な第三勢力として切り離すのも正確ではない。ヒドラは全体主義と戦争の制度から成長し、さらに支配範囲を拡大した。シュミットは権力へ異議を唱えたのではなく、自分がより上位の独裁者になるため既存の指揮系統を捨てた。

03テッセラクト兵器とゾラの役割
ノルウェーのトンスベルグでテッセラクトを奪い、アーニム・ゾラにエネルギー抽出装置を作らせる。青い光を放つ銃は標的を通常の弾丸で倒すのではなく、その場から消滅させる。未知の宇宙エネルギーを理解する研究より、量産して恐怖を広げる兵器体系へ直結させたことが、シュミットの科学観を示す。
ゾラは技術面で不可欠だが、シュミットは協力者を対等に扱わない。成果を要求し、失敗すれば処分できる部下として置く。これに対してスティーブ側はペギー、バッキー、ハウリング・コマンドーズ、ハワードらが異なる技能を持ち寄る。単独の超人同士の戦いに見えて、実際には恐怖による命令系統と信頼による連携の対立でもある。

04捕虜解放とキャプテン・アメリカの成立
スティーブがアッツァーノの施設へ単独潜入し、捕虜となったバッキーと兵士を解放したことで、キャプテン・アメリカは宣伝役から実戦の指導者へ変わる。シュミットは同じ血清を受けた相手を初めて見て興味を示すが、力が近いことを仲間の可能性とは考えず、自分の優越性を脅かす競争相手として扱う。
捕虜たちが工場を内部から破壊するため、ヒドラの敗北は一人の超人によるものではない。支配されていた人々へ武器と退路が戻り、自分で抵抗へ加わった結果である。シュミットが人員を交換可能な資源として扱う一方、スティーブは一人を救う行動から多人数の協力を生む。

05ワルキューレ号での最終対決
シュミットは大型爆撃機ワルキューレへ都市攻撃用の兵器を積み、米国へ向かう。スティーブは離陸を止められず機内へ乗り込み、操縦室で直接対決する。戦闘中にテッセラクトの容器が壊れ、シュミットが立方体へ触れると、宇宙空間の光景が開いて彼の身体は消える。
彼は自分が神々と同じ力へ到達したと信じていたが、テッセラクトを所有物として完全に制御できなかった。スティーブは残された爆撃機をニューヨークへ向かわせないため海へ墜落させ、力の獲得ではなく被害を止める選択をする。同じ場面で、一人は未知の力を掴み、一人は自分の未来を手放す。

06ヴォーミアのストーンキーパー
テッセラクトはシュミットを殺さず、ソウル・ストーンが置かれた惑星ヴォーミアへ送った。長い年月の後、彼は浮遊する外套姿で、訪問者の名前と関係を知るストーンキーパーとして現れる。自分ではストーンを持てず、最も大切な存在を犠牲にするという条件だけを説明する。
サノスとガモーラ、ナターシャとクリントの二組へ同じ代価を告げるが、その選択には介入しない。第二次世界大戦期には他人の命を手段として支配を求めた人物が、愛する者を失わなければ得られない力の前で永遠に立ち会う。案内人の落ち着きは改心の証明ではなく、欲望を実行できない状態へ変えられた結果である。

07レッドスカルが残した組織的遺産
シュミットが消えた後もヒドラは終わらない。ゾラは戦後S.H.I.E.L.D.内部へ入り、数十年かけて人員と情報を支配する。ウィンター・ソルジャー計画やインサイト計画は方法を変えても、自由な判断を危険とみなし、少数の管理者が生存者を選別する思想を受け継ぐ。
したがってレッドスカルを倒した勝利と、ヒドラを根絶したことは同じではない。指導者へ依存した個人崇拝は、制度、技術、恐怖へ形を変えて生き残る。『ウィンター・ソルジャー』でS.H.I.E.L.D.ごと解体する必要が生じたのは、戦時中に逃した残党だけでなく、知識を利用できると考えて受け入れた側の選択も原因である。

読み解く要点
レッドスカルの赤い外見を悪の原因として読まないことが重要である。血清投与前から支配欲と優生思想を持ち、変貌後もそれを隠すか誇示するかを自分で選んだ。アースキンが恐れたのは顔の変化ではなく、力が既存の性質を増幅することだった。
ヴォーミアの案内人は別人ではなく、テッセラクトによって送られたシュミットである。ただし第二次世界大戦期と同じ権限や目的を持たず、自分が求めたストーンを所有できない状態にある。生存したことを復権や改心と直結させず、役割の変化を区別する。
視聴順では『ザ・ファースト・アベンジャー』で起源と消失を確認し、『ウィンター・ソルジャー』でヒドラの遺産を見る。続いて『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』のヴォーミアへ進むと、宇宙の力を支配しようとした人物がその代価だけを語る構図がつながる。