01来歴

帝国クローン研究者としての前史
公式設定上、ドクター・パーシングはラボコートに銀河帝国カミーノ・クローニング計画の紋章を着用しており、皇帝パルパティーン死後(4 ABY)の帝国残党再建期にカミーノ系クローン技術を引き継ぐ科学者として位置付けられる。初登場時にディン・ジャリン視点から紋章が描写され、その専門領域がクローン技術であることが視聴者へ提示される。
採血をめぐる初登場
ネヴァロ(Nevarro)の街でディン・ジャリンが賞金稼ぎギルドの仕事としてグローグー(当時は『チャイルド』と呼ばれる)を回収し、依頼主クライアントに引き渡した直後、パーシングはクライアント随行の科学者としてシーズン1 第3話「The Sin」(2019年11月22日Disney+配信)で初登場する。狭い研究室で採血用の医療器具を用意し、ディンが直後にグローグーを奪還する展開のきっかけ役を担う。
モフ・ギデオン直属への移行
シーズン1 第7話「The Reckoning」(2019年12月18日Disney+配信)以降、モフ・ギデオンが帝国残党の現地指揮官として現れる流れの中で、パーシングはモフ・ギデオン直属の科学者へと位置付けが変化する。第8話「Redemption」(2019年12月27日Disney+配信)の終盤までに、グローグーを求める動機が個人的な科学的興味と帝国残党の指令の双方によるものであることが示唆される。
旗艦研究室での再登場
シーズン2 終盤、モフ・ギデオンの旗艦軽巡洋艦内の研究室でパーシングが再登場し、捕縛されたグローグーの血液から高M値(midi-chlorian)遺伝子を抽出し、ダーク・トルーパー計画やクローン研究へ転用する任務に従事する。シーズン2 第8話「The Rescue」(2020年12月18日Disney+配信/監督ペイトン・リード)でディン・ジャリン、ボ=カタン・クライズ、ボバ・フェット、フェネック・シャンドらの救出作戦が成功し、モフ・ギデオン拘束と同時にパーシングも新共和国側へ身柄を拘束される。
アムネスティ計画での更生
シーズン3 第3話「The Convert」(2023年3月15日Disney+配信)は、本編でパーシングを中心に据えた唯一の章である。彼は新共和国のアムネスティ計画(Amnesty Program)の更生対象者L52号として、コルサント中層階層で事務員生活を送る描写から始まる。旧モフ・ギデオンの通信将校エリア・ケイン(L40号)と再会し、彼女に唆されて旧帝国機材のスクラップ・ヤードへ忍び込む。
更生集会での独白
同話の中盤、パーシングは新共和国アムネスティ計画の聴衆の前で、非倫理的でない範囲での自発的なクローン研究の継続を望む心情を独白する。この場面は個人的な科学的好奇心と帝国残党の組織的指令という二重動機を明示するものとして位置付けられ、本シーズン中で最も評価の高い1話の核となる演出が組まれている。
記憶治療装置による結末
同話の終盤、エリア・ケインがパーシングを罠にかけ新共和国保安部に通報する。パーシングは新共和国製の記憶補正装置『マインド・フレイヤー(Mind Flayer)』にかけられるが、エリア・ケインが装置の出力を最大設定へ操作する場面で章が閉じる。エリア・ケイン自身も旧帝国残党の潜伏工作員であることが視聴者にだけ示される構造で、シーズン3 後半以降のパーシングの所在は本編内で言及されない。
02能力・特徴

- クローン技術・遺伝子工学:カミーノ系クローン計画の紋章を身につけた専門研究者で、グローグーからの高M値遺伝子抽出任務にその専門領域が反映される。
- 医療スキル:グローグーへの採血用医療器具を的確に操作し、医療技術の実地運用能力を示す。
- 実験計画の立案・遂行:血液から得た遺伝子素材をダーク・トルーパー計画やクローン研究へ転用する実験を設計・継続し、自発的な研究継続への強い意欲を持つ。
- 官僚機構への適応:新共和国行政庁の事務員として勤務し、旧帝国研究者から行政事務員への職務転換に一時的に適応する柔軟性を示す。
- 脆弱な倫理判断:エリア・ケインに唆されてスクラップ・ヤード侵入に加担する展開は、研究欲が現実的な倫理的判断を超えて先行する弱点を示す。
- 独白による自己表明:アムネスティ計画の集会で自身の研究動機を明確に言語化して提示する場面が、本話の演出上の中核に据えられる。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

シーズン1 第3話:ネヴァロの研究室でグローグーに採血用医療器具を用意する初登場。ラボコート左胸にカミーノ・クローニング計画の紋章が確認できる。
シーズン2 終盤:モフ・ギデオン旗艦の研究室でグローグーから高M値遺伝子を抽出する任務を遂行する。
シーズン2 第8話:救出作戦の現場で新共和国側に身柄を拘束される。
シーズン3 第3話中盤:アムネスティ計画の集会で自発的なクローン研究の継続を望む心情を聴衆の前で独白する。
シーズン3 第3話終盤:エリア・ケインに唆されスクラップ・ヤードへ侵入し、罠にかけられて記憶治療の対象となる。エリアが装置の出力を最大へ操作して章が閉じる。
06制作背景

ドクター・パーシングを演じるのはイラン系米国俳優オマイド・アブターヒ(Omid Abtahi)である。1979年7月15日イラン・テヘラン出身で、家族とともに米国カリフォルニアで育った。映画『ハート・ロッカー』(2008年公開)、TVドラマ『アメリカン・ゴッズ』のサラーム・サーリム役(2017〜2021年)、『ベター・コール・ソウル』などを経て、配信ドラマ『マンダロリアン(The Mandalorian)』シーズン1(2019年)以降パーシング役を一貫して担当する。シーズン3 第3話の演技は、本編におけるパーシング造形の到達点として言及された。
本シリーズのクリエイター兼ショーランナーはジョン・ファヴロー(Jon Favreau)で、シーズン3 第3話の脚本もノア・クルーガー(Noah Kloor)と共同で務めた。製作総指揮にはデイヴ・フィローニ、キャスリーン・ケネディ、コリン・ウィルソン、リック・ファムイーワが名を連ねる。パーシング初登場のシーズン1 第3話はデボラ・チョウ(Deborah Chow)が監督し、彼女は後に『オビ=ワン・ケノービ』(2022年Disney+配信)を実写スター・ウォーズで初めて全話単独監督した女性監督となった。シーズン3 第3話を監督したレスリー・ヘッドランド(Lesley Headland)は、翌2024年に『アコライト(The Acolyte)』のクリエイター兼ショーランナーを務める。
音楽はスウェーデン人作曲家ルドウィグ・ヨーランソン(Ludwig Göransson)が全3シーズンのテーマとスコアを担当し、シーズン3 第3話の劇伴も本人が手がけた。『ブラックパンサー』(2018年公開)でアカデミー作曲賞、『オッペンハイマー』(2023年公開)で2度目の同賞を受賞しており、本シリーズ主題曲は米国エミー賞オリジナル・メインタイトル・テーマ・ミュージック賞(2020年)を受賞している。撮影にはILMが開発したStageCraft(通称『The Volume』)が全シーズンで用いられ、研究室シーンやコルサント中層階層の都市背景も同技術による。製作はルーカスフィルムとフェアビュー・エンターテインメント、配信はDisney+独占である。
07評価・考察

ドクター・パーシングはシーズン1〜2 で敵側の科学者として配置された脇役だったが、シーズン3 第3話が彼を中心人物に据え、新共和国の旧帝国残党更生政策の限界と、旧帝国残党の潜伏工作の現実性を一挙に提示することで、本シリーズの政治・倫理面の射程を大きく拡張した。同話はシーズン中最も評価の高い1話に位置付けられる。
パーシングの造形は個人的な科学的好奇心と帝国残党の組織的指令という二重動機を両立させており、更生集会での独白がその境界面を明示する。この二重性は、後の銀河帝国残党によるパルパティーン復活計画(『スカイウォーカーの夜明け』2019年12月公開/35 ABY)への布石としても機能する。
同話のコルサント中層階層の描写は、本編で新共和国時代(9 ABY)のコルサント市街地を本格的に描いた最初のエピソードにあたる。スカイレーンや中層の集合住宅、新共和国行政庁のフロアといった視覚設計は、後の『アソーカ』(2023年)やシーズン3 後半のコルサント描写に先行して確立され、パーシング中心回がマンダロ・ヴァース全体のコルサント世界観構築の起点として機能している。
08トリビア
- ラボコート左胸の紋章はカミーノ・クローニング計画のもので、『クローンの攻撃』(2002年公開/22 BBY)以来のカミーノ系クローン技術が帝国残党へ継承されたことを視覚的に示唆する。
- シーズン3 第3話はパーシングを中心に据えた唯一の回であり、新共和国アムネスティ計画が本編で本格的に描かれる唯一の章でもある。本話は本編平均より長尺に設定されている。
- パーシングのアムネスティ計画識別番号はL52号、エリア・ケインはL40号で、劇中では字幕や所属タグの形で複数回提示される。
- 『マインド・フレイヤー』は新共和国製の記憶補正装置で、旧帝国残党の更生対象者に用いられる。本話以降、パーシングの所在は本編内で言及されていない。
- パーシングの動機は個人的な科学的好奇心と帝国残党の組織的指令の二重構造で、シーズン1 第8話ではその双方が示唆される。
09よくある質問
配信ドラマ『マンダロリアン』に登場する。シーズン1 第3話で初登場し、シーズン2 終盤でモフ・ギデオン直属の科学者として再登場、シーズン3 第3話で新共和国アムネスティ計画の更生対象者として中心人物となる。
イラン系米国俳優オマイド・アブターヒが担当する。TVドラマ『アメリカン・ゴッズ』のサラーム・サーリム役などを経て、シーズン1(2019年)以降パーシング役を一貫して演じている。
クローン技術と遺伝子工学の専門研究者として、グローグーの高M値遺伝子からダーク・トルーパー計画やクローン研究の素材を抽出する任務を担っていたためである。初登場の時点で既に採血用医療器具を用意する場面が描かれる。
アムネスティ計画の更生対象者L52号としてコルサントで事務員生活を送る。エリア・ケインに唆されて旧帝国機材のスクラップ・ヤードへ侵入するが、罠にかけられ『マインド・フレイヤー』装置による記憶治療の対象となる。
エリア・ケインは表向き更生生活を送りながら、実際には旧帝国残党の潜伏工作員として任務を続けていた。終盤で彼女はパーシングを保安部に通報し、記憶治療装置の出力を最大に設定する。モフ・ギデオン勢力との繋がりが視聴者にだけ示唆される。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Doctor Pershing
- StarWars.com 公式テレビページ: The Mandalorian
- IMDb: The Mandalorian (TV Series 2019- )
- IMDb: Omid Abtahi
- Wookieepedia: Doctor Pershing
- IMDb: Jon Favreau
- IMDb: Lesley Headland
- IMDb: Ludwig Göransson
- Wookieepedia: The Convert (episode)
- Wookieepedia: The Sin (episode)
- Wookieepedia: Elia Kane
- Wookieepedia: Moff Gideon
- Wookieepedia: Grogu
- Wookieepedia: The Mandalorian (TV series)
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Moff Gideon