01来歴

ハット氏族の前史
ハット族デシリジク氏族の一員として、母星ナル・ハッタを中心とするハット・グランド・カウンシルに名を連ねる犯罪組織家業の中心人物として育つ。早期にアウター・リム惑星タトゥイーンへ拠点を移し、デューン海境界の古代修道院を改装してジャバの宮殿を本拠地化する。密輸・賭博・賞金稼ぎ・スパイス取引を統括し、タトゥイーンの実質的支配者へと成り上がった。
ブーンタ・イヴ・クラシック
映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年5月19日米国公開)で描かれる、作中時系列で最も早い登場である。モス・エスパ・グランド・アリーナのブーンタ・イヴ・クラシック・ポッドレースに主賓として臨席し、開会を宣言する。少年アナキン・スカイウォーカーがこのレースに優勝して奴隷身分から解放される、シリーズ全体の起点となる催しの宿主として全盛期の姿が描かれる。
息子ロッタの救出依頼
アニメ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』(2008年劇場公開)およびシリーズでは、息子ロッタ・ザ・ハットレットがドゥークー伯爵の指示で誘拐される。銀河共和国側にロッタ救出を依頼する依頼主として、アナキン・スカイウォーカーとアソーカ・タノを動かす。二人の初任務がジャバの息子救出となる構図で、開幕アークの中心人物に位置づけられる。
モス・アイズリーでの対峙
映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年5月25日米国公開)本来版では、モス・アイズリー宇宙港での対峙シーンが削除されていた。1997年のスペシャル・エディションで、この場面がCGクリーチャーとして復活挿入された。ハン・ソロが密輸代金未払いの件で直接交渉する場面で、作中シリーズに映像登場する最初の時点となる(公開順ではエピソード6が先行映像化)。
ボバ・フェットとの契約
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年5月21日米国公開)のクラウド・シティ編では、ダース・ベイダーが炭素冷凍したハン・ソロをジャバのもとへ届ける任を、直属の賞金稼ぎボバ・フェットが請け負う。ジャバ本人は同作に登場しないが、賞金稼ぎ網の発注主としての影響力がエピソード6への伏線として描かれる。ハン・ソロの負債債務関係が、シリーズ前半の銀河系裏社会描写の中心となる。
ジャバの宮殿
映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年5月25日米国公開)前半の主舞台。デューン海境界のジャバの宮殿で、レイア・オーガナが賞金稼ぎブーシュに変装し、炭素冷凍されたハン・ソロを引き渡す。続いてレイアは正体を暴かれて捕縛され、メタルビキニ姿でジャバの足下に鎖でつながれる。ルーク・スカイウォーカーはランコア・ピットの巨大なランコアと素手で戦い、シリーズ最大級の長尺アクションが展開される。
セイル・バージ脱出戦
宮殿パート終盤、ジャバは捕虜となった一行をデューン海上空のセイル・バージ『ハットレストン』に乗せ、サーラックの巣穴での処刑へ向かう。ルーク・スカイウォーカーが新調した緑色ライトセーバーで反撃を開始する戦闘の中、ジャバ本人はメタルビキニ姿のレイア・オーガナによって自身の鎖で絞殺される。シリーズ全体でも最も有名な悪役退場場面のひとつを迎える。
犯罪王座の継承
ライブアクション・ドラマ『ボバ・フェットの書(The Book of Boba Fett)』(2021年12月29日Disney+配信開始/全7話)では、ジャバ死後に空席となったタトゥイーンの犯罪王座を、ボバ・フェットが右腕フェネック・シャンドと共に継承していく筋立てが描かれる。ジャバのいとこにあたるハット族の双子が同座を狙って介入するなど、本人の不在が物語の駆動力となる構造を持つ続編である。
後世への影響
ジャバはシリーズにおける犯罪王=ハット族カルテルの象徴として、退場後も『マンダロリアン』や続編を含むMando-Verse群で、タトゥイーンの旧勢力像の中心として参照され続ける。直接の依頼主に持つボバ・フェット、ハン・ソロ、グリード、サラス・ティールなどの周辺キャラクターも、シリーズの裏社会描写の主要構成員として継承されている。
02能力・特徴

- 犯罪組織統括:アウター・リム惑星タトゥイーンを実質支配し、密輸・賭博・賞金稼ぎ・スパイス取引を統括するハット・カルテルの首領。ボバ・フェット、IG-88、ボスク、デンガー、4-LOMら屈指の賞金稼ぎを直接の手下として動かす。
- ハッティーズ語による交渉:ハッティーズ語を母語とし銀河共通語を理解するが、原則ハッタ語のみで発話することで相手に翻訳の手間を強い、心理的優位を取る独特の交渉様式を持つ。
- 情報網/賞金稼ぎネットワーク:銀河系全域に張り巡らせた情報網と賞金稼ぎネットワークを保有し、銀河帝国とも取引関係を持つ。タトゥイーンの一地方犯罪王にとどまらず、銀河規模の影響力を行使する。
- 宮殿要塞統治:ジャバの宮殿を堅固な要塞として運用し、ガモーリアン・ガードや宮廷道化サラス・ティール、執事ビブ・フォーチュナらの宮廷を維持する。地下のランコア・ピットを処刑装置として備え、反逆者を落として秩序を保つ。
- ハット族の長寿と巨体:ハット族としての数百年単位の長寿と、人間を物理的に圧倒する巨体を持つ。玉座から動かず周囲を従わせる支配構造を保ち続ける。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

エピソード1のブーンタ・イヴ・クラシックで、観覧席の主賓として開会を宣言する。アナキンが優勝し奴隷身分から解放される、シリーズの起点を主催する全盛期の場面。
エピソード4スペシャル・エディションで補完された場面。ハン・ソロがミレニアム・ファルコン号横でジャバと対峙し、密輸代金の猶予を交渉する。
エピソード6冒頭。レイアがブーシュに変装し炭素冷凍のハン・ソロを引き渡す、ジャバの実寸大アニマトロニクスが初めて本格映像化された場面。
ルークがジャバの地下幽閉穴に落とされ、巨大なランコアと素手で戦うシリーズ屈指の特殊効果場面。
デューン海上空のセイル・バージでルークが反撃を開始する中、メタルビキニ姿のレイアが自身の鎖でジャバを絞殺する、最も有名な悪役退場場面。
06制作背景

ジョージ・ルーカスは1977年のエピソード4第一稿の段階でジャバを『大きな緑色の犯罪王』として構想したが、撮影時は人間の俳優デクラン・マルホランドによる代役にとどまった。1983年のエピソード6で、フィル・ティペット率いるILMクリーチャー部門が実寸大ラテックス・アニマトロニクスとして本格映像化した。1997年のスペシャル・エディションでは、マルホランドを撮影した未公開フッテージにCGジャバを上書き合成し、エピソード4へ遡及的に挿入した。
クリーチャー・デザインはジョー・ジョンストンとILMコンセプト・アーティスト陣が確定し、初期にはラルフ・マッカリーも関与して頭部の眼球位置や尾部の長さ、体表の質感が詰められた。エピソード6の造形は約1トン級で、撮影ではトビー・フィルポット(左腕・頭部)、デイヴィッド・アラン・バークレイ(右腕・口)、マイク・エドモンズ(尾部)ら8人がかりで同期操作された。エピソード1のアニマトロニクスはマイク・クイン、レジナルド・バーカーらが操作を担当した。
実写エピソード6の声はラリー・ウォードがハッティーズ語で担当し、字幕で意味を示す表現スタイルを確立した。音響デザインはベン・バートで、ジャバ固有のうなり声はバートが録音した動物の発声とウォードの発話をミックスして構築された。ウォードの1985年の没後、アニメ版ではケヴィン・マイケル・リチャードソンが声を継承した。本編監督はエピソード6がリチャード・マーカンド、エピソード1がルーカス本人である。
音楽はジョン・ウィリアムズが担当し、宮殿パートの主題『Jabba the Hutt』やランコア戦の『Rancor Fight』、『The Sail Barge Assault』などの専用キューを書き下ろした。チューバや低音木管、打楽器を中心とするグロテスクで重厚な音色設計で、フォースや帝国の主題群とは異質な『犯罪王=裏社会』の音楽的アイデンティティを確立した。これらの主題はエピソード6サウンドトラック・アルバムに収録され、続編でも再利用されている。製作はルーカスフィルム、造形・特殊効果・CG化はILMが担当した。
07評価・考察

ジャバは、ルーカスが構想した犯罪王像が特殊効果技術の制約で当初は人間の代役にとどまり、エピソード6でILMの実寸大アニマトロニクス、1997年にCGとして遡及挿入されたという、シリーズの特殊効果史を最も象徴する存在である。登場のたびに造形技法が製作技術の世代を更新してきた。エピソード6のアニマトロニクスは頭部・尾部・口内・眼球・舌・両腕を個別機構で同期させる当時最大級の複雑さを持ち、8人の操作チームがセット下に潜って操作する手法は、『E.T.』や『プレデター』のクリーチャー造形と並んで参照される。
退場場面である『メタルビキニ姿のレイアによる鎖絞殺』は、シリーズの女性ヒーロー描写史でも多義的に議論されてきた。捕囚されたヒロインが捕縛具そのものを兇器に転用して捕縛者を処刑する筋立ては、『マンダロリアン』『アソーカ』など後続の女性主役群の自律性描写の原型として度々参照される。一方でメタルビキニは1980年代以降のポップカルチャーで物議の象徴ともなった衣装であり、ジャバと女性主役の対峙構図はシリーズ受容史の重要な分析対象である。
ジャバ死後の犯罪王座空白を駆動力とする続編『ボバ・フェットの書』は、『悪役の不在による物語生成』という珍しい構造を採り、本人を画面に置かずに影響圏だけで物語を回す手法はMando-Verse全体の『不在の中心キャラクター』設計の起点に位置づけられる。音楽面では、ジョン・ウィリアムズによる主題『Jabba the Hutt』が主要主題群とは異質な裏社会の音楽的アイデンティティを確立し、続編でも再利用されて犯罪王座の音楽的継承を示す機能を担い続けている。
08トリビア
- 実写エピソード6のアニマトロニクスは約1トン級の実寸大ラテックス造形物で、頭部・手・尾・口内・眼球・舌を最大8人がかりで同期操作して撮影された。頭部だけで約75kgに及ぶ。
- 1977年のエピソード4本来撮影では人間俳優デクラン・マルホランドがジャバを演じており、そのフッテージに1997年スペシャル・エディションでCGジャバを上書き合成した。CGを実写済み映像へ後付けする早期の代表例である。
- 本名のデシリジク(Desilijic)は氏族名で、ハット族は対立するベスアディクなど複数のグランド・カウンシル氏族から成る。単一のシンジケートではなく複数氏族の合議制という設定が一貫して描かれる。
- レイアによる絞殺場面は、頭部アニマトロニクスを破壊しないよう内部機構を一時取り外し、操作師2名が手動で頭部を傾けて慎重に撮影された。
- 主題『Jabba the Hutt』は1983年の『ジェダイの帰還』サウンドトラック盤に独立トラックとして収録され、2004年再発盤や2018年公式版にも継続収録された識別主題である。
09よくある質問
実写での本格映像登場は1983年のエピソード6『ジェダイの帰還』で、実寸大アニマトロニクスとして登場した。エピソード4には1997年スペシャル・エディションでCGとして遡及挿入された。作中時系列ではエピソード1のブーンタ・イヴ・クラシックが最も早い。
本名はジャバ・デシリジク・ティウレ(Jabba Desilijic Tiure)である。デシリジクはハット・グランド・カウンシルを構成する氏族名で、通称『ジャバ・ザ・ハット』で呼ばれる。
エピソード6終盤のセイル・バージ脱出戦で、足下に鎖でつながれていたレイア・オーガナがその鎖を首に巻きつけて絞殺した。捕縛具を兇器に転用する構図は、シリーズ屈指の名場面として知られる。
エピソード6のアニマトロニクスはフィル・ティペット監修のILMが制作し、8人がかりで操作された。声はラリー・ウォードがハッティーズ語で担当した。アニメ版ではケヴィン・マイケル・リチャードソンが声を務めた。
続編『ボバ・フェットの書』で、ボバ・フェットが右腕フェネック・シャンドと共に継承する。第1話で執事ビブ・フォーチュナを暗殺して玉座に座る場面が起点となる。後半では、いとこのハット族の双子が同座を狙って介入する。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Jabba the Hutt
- StarWars.com 公式映画ページ: Return of the Jedi
- StarWars.com 公式映画ページ: The Empire Strikes Back
- StarWars.com 公式映画ページ: A New Hope
- StarWars.com 公式映画ページ: The Phantom Menace
- StarWars.com 公式シリーズページ: The Book of Boba Fett
- StarWars.com 公式シリーズページ: The Clone Wars
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Boba Fett
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Bib Fortuna
- IMDb: Return of the Jedi (1983)
- IMDb: The Phantom Menace (1999)
- IMDb: The Book of Boba Fett (2021)
- IMDb: Larry Ward
- IMDb: Phil Tippett
- IMDb: John Williams
- Wookieepedia: Jabba Desilijic Tiure (canon)