鈴木次郎吉が威信を懸けて建造した全長二百五十メートルの超大型飛行船『ベルツリー1号』の処女航海で、青いサファイア『レディスカイ』を狙う怪盗キッドの予告状と、生物兵器の奪取を目論むバイオテロ集団『赤いシャム猫』の乗っ取りが同時に勃発する。工藤新一に化けたキッド、新一の隣に並ぶ蘭、屋上での短いキス——劇場版『名探偵コナン』第14作。
原作青山剛昌、脚本古内一成、音楽大野克夫、配給東宝、アニメーション制作トムス・エンタテインメント。上映時間102分。劇場版『名探偵コナン』シリーズ第14作。怪盗キッドの劇場版登場作群のなかでも特に大規模なスケールを採用した一本であり、超大型飛行船の処女航海を丸ごと舞台に組み込んだ意欲作である。
本作は劇場版『名探偵コナン』における怪盗キッド単独主役級の作品のひとつであり、前年の劇場版第13作『漆黒の追跡者』とは対照的に、黒の組織ではなく『盗む者』『変装する者』としての本作のキッドが物語の中心に据えられる。鈴木財閥総帥・鈴木次郎吉が威信を懸けて建造した超大型飛行船『ベルツリー1号』の処女航海と、青いサファイア『レディスカイ』をめぐる予告状、そして生物兵器を狙うバイオテロ集団の乗っ取りという三つの題材が、同じ機体の中で同時並行に進行する。
2010年4月17日に日本で全国公開され、最終的に約32.0億円の興行収入を記録した。観客動員は約257万人で、本作は劇場版『名探偵コナン』が30億円台の興行を本格的に視野に入れる節目の一本となった。前作『漆黒の追跡者』からさらに観客層を広げ、以降の劇場版『コナン』が春興行で安定した成績を残していく流れの起点として、しばしばシリーズ史の中で振り返られる。主題歌GARNET CROW『Over Drive』もまた、劇場版主題歌史を代表する楽曲の一つとして長く愛されている。
鈴木次郎吉のもとへ届く怪盗キッドの予告状、超大型飛行船『ベルツリー1号』の処女航海と『レディスカイ』のお披露目、バイオテロ集団『赤いシャム猫』による乗っ取り、機長・桂木沙織と乗員の人質劇、生物兵器の隠匿、工藤新一に変装したキッドが蘭を守る覚悟、屋上で交わされる短いキス、コナンとキッドの即席の協力、墜落寸前の機体からの脱出、『赤いシャム猫』のリーダーの正体と動機までを、結末を含めて順に追う。本作の最重要のネタバレ(テロ組織の正体・キッドが新一に化け続けた理由・ラストのキスの主体)を前提に構成している。
目次 33項目 開く
概要
『名探偵コナン 天空の難破船(てんくうのロストシップ)』は、青山剛昌の漫画『名探偵コナン』を原作とした日本のアニメ映画で、2010年4月17日に東宝の配給で日本公開された。劇場版シリーズ第14作にあたり、監督を山本泰一郎、脚本を古内一成、音楽を大野克夫が担当している。アニメーション制作はトムス・エンタテインメント。上映時間は102分である。タイトルの『天空の難破船』は、本作の主要舞台である超大型飛行船『ベルツリー1号』が、空の上で『難破』寸前まで追い込まれていく終盤の絵柄をそのまま示しており、サブタイトルの英語表記『Lost Ship』もまた同じ意味を担っている。
舞台のひとつとなるのは、鈴木財閥総帥・鈴木次郎吉が威信を懸けて建造した全長二百五十メートル級の超大型飛行船『ベルツリー1号』である。次郎吉自身が最大の出資者として進めてきたこの飛行船の処女航海に、毛利探偵事務所、鈴木園子、阿笠博士、少年探偵団、目暮警部、白鳥警部、佐藤刑事、高木刑事、千葉刑事といった劇場版の常連メンバーが招待客と警備の双方として乗り込み、青いサファイア『レディスカイ』のお披露目が機内で行われる、という導入である。
中心人物は江戸川コナンと、彼を狙うかのように予告状を送ってくる怪盗キッド/黒羽快斗である。本作のキッドは劇場版シリーズの中でも珍しく、上映時間の大半を『工藤新一の姿』で過ごす。蘭の隣で笑いかけ、コナンと小声で言葉を交わし、機内の事件に協力する『新一』の正体は最初から観客にだけ明かされており、その上で本作は『工藤新一に化け続けるキッドの覚悟』と『そうとは知らないままキッドを信じていく蘭』の二つの感情線を、同じ飛行船の中で同時に走らせていく。
並走する第二の物語が、バイオテロ集団『赤いシャム猫』による『ベルツリー1号』の乗っ取りである。彼らの真の目的は機内に密かに持ち込まれていた生物兵器の奪取であり、その存在を察知して飛行船へ乗り込み、機長・桂木沙織と乗員乗客を人質に取って機体の制御権を奪う。怪盗キッドの華やかな予告状と、テロ集団の冷たい銃口——『盗む者』と『奪う者』、『傷つけない者』と『無差別に害をなす者』が、同じ機体の上下に並んで動き出す構成こそが本作の核である。
公開後の興行は最終的に約32.0億円、観客動員約257万人を記録した。前作『漆黒の追跡者』からさらに成績を伸ばし、劇場版『名探偵コナン』が30億円台の興行を本格的に視野に入れる節目の一本となった。主題歌はGARNET CROWの『Over Drive』。本記事は、結末、真犯人の正体、生物兵器の正体、ラストの屋上のキスの主体まで含む全編の内容に踏み込む。物語の重大な驚きを保ちたい場合は、まず本編を鑑賞してから読み進めることを勧める。
- 原題
- 名探偵コナン 天空の難破船
- シリーズ
- 劇場版『名探偵コナン』第14作
- 監督
- 山本泰一郎
- 脚本
- 古内一成
- 音楽
- 大野克夫
- 主題歌
- GARNET CROW「Over Drive」
- 日本公開
- 2010年4月17日
- 上映時間
- 102分
- ジャンル
- ミステリー、サスペンス、怪盗もの、アクション、ディザスター
あらすじ
以下は結末までを含む全編のあらすじである。物語は、鈴木財閥総帥・鈴木次郎吉のもとに届く怪盗キッドからの予告状をきっかけに動き始め、超大型飛行船『ベルツリー1号』の処女航海、青いサファイア『レディスカイ』のお披露目、工藤新一に変装したキッドの登場、バイオテロ集団『赤いシャム猫』による飛行船乗っ取り、機内に隠された生物兵器の奪取、蘭の落下とキッドのハンググライダーによる救助、コナンとキッドの即席の協力による反撃、そして墜落寸前の機体から都内の球形ドームへ着陸させていくクライマックスへと収束していく。
予告状——超大型飛行船の処女航海
物語は、鈴木財閥総帥・鈴木次郎吉のもとへ一通の予告状が届く場面から動き出す。差出人は怪盗キッド。文面には、鈴木家が建造した世界最大級の超大型飛行船『ベルツリー1号』の処女航海の機内でお披露目される青いサファイア『レディスカイ』を頂戴する、という趣旨が、シルクハットとモノクルの絵柄とともに記されている。全長およそ二百五十メートル、複数階層の客室と展望デッキを抱えた飛行船そのものを舞台に、空の上で大泥棒との一夜を演じてみせるという、いかにも芝居がかった構図である。
次郎吉は予告状を逆手に取り、自らの飛行船をキッドを誘い込む罠として使うことを決意する。処女航海の招待客には、毛利小五郎・蘭、コナン、鈴木園子のほか、報道陣、宝飾の目利き、財界関係者が並び、現場の警備は目暮十三警部と白鳥任三郎警部のラインで固められる。佐藤美和子刑事と高木渉刑事、千葉刑事もまた、それぞれの持ち場で機内警備に加わる。阿笠博士と少年探偵団もまた招待を受け、コナンの周囲には劇場版『名探偵コナン』の主要レギュラーがほぼ全員揃って機内に並ぶ、シリーズの中でも特にラインナップの厚い一本となった。
発進前夜、空港の格納庫で行われた最終整備の様子が観客に提示される。整備士の手で点検される巨大な気嚢、艦橋に並ぶ計器類、客室から展望デッキへ続く長い廊下、屋上にあたる『キャットウォーク』——機体のあらゆる場所が、後半の事件のための舞台として丁寧に紹介される。鈴木次郎吉は処女航海の指揮を執るベテラン女性機長・桂木沙織に絶大な信頼を寄せており、彼女の落ち着いた所作は、本作の機内の秩序を支える視覚的な軸となる。観客には、ここまでの段取りの細やかさそのものが、後半に襲いかかる『難破』の予感として静かに刻まれていく。
工藤新一として現れたキッド
処女航海の出発当日、毛利探偵事務所の前に、思いがけない人物が姿を現す。長年連絡が途絶えがちだった工藤新一その人が、ふらりと現れて『一緒に飛行船に乗らないか』と蘭を誘うのである。蘭は呆然と立ち尽くしたあと、複雑な表情で頷く。コナンは『新一』の姿に違和感を覚えるが、決定的な証拠を掴むより先に、出航時刻が迫ってくる。
観客には、この『新一』が怪盗キッドの変装であることが、ごく早い段階で明かされる。キッドが工藤新一の姿を選んだのは、ただの偶然ではない。屋外での予告状直前の予行偵察で、彼は本作の事件——『ベルツリー1号』の機内に密かに持ち込まれている生物兵器の存在——をすでに察知しており、ある事情から自分自身の素顔のままでは行動できない局面が来ると予想していたのである。蘭の隣に立つために、そして機内の情勢が一変したときにコナンと並んで動くために、彼は最も都合のよい『顔』として工藤新一を選んだ。
機内のキッド/新一は、本作の見どころの中心のひとつとなる。蘭との久しぶりの会話、コナンに向けて短く飛ばす皮肉、機長・桂木沙織への礼儀正しい挨拶、招待客の中の不審な視線への目配り——本来の黒羽快斗のすました口調と、テレビアニメの新一の声に近い柔らかな口調を、山口勝平が同じ俳優として行き来して見せる聴覚的な楽しみが、本作の前半を支える。コナンは『新一』の正体に内心で確信を抱きながら、テロの予感を背景に、しばらくはあえて隣の男の正体を暴かないままにしておく道を選ぶ。
ベルツリー1号、空へ
飛行船の出航は、空港の滑走路ではなく専用係留塔からの『離桟』として行われる。地上スタッフが係留索を順番に解いていくのに合わせ、機体はゆっくりと上昇していく。客室の窓の外で街並みが小さくなっていく数分間は、本作のもっとも晴れやかな数分間でもある。レディスカイのお披露目の準備が機内のホールで始まり、鈴木次郎吉が招待客を前に短い挨拶を行う。彼の口調には、怪盗キッドの予告状を逆手に取り、自らの飛行船の上で大泥棒を捕らえてみせるという誇りがそのまま含まれている。
離陸後の機内では、コナンと少年探偵団が機体のあちこちを自由に探検する場面が続く。エンジンルームの巨大な動力、気嚢を支えるフレーム構造、機長席のある艦橋、屋上にあたる『キャットウォーク』、客室と展望デッキの長い廊下——これらすべての場所が後半の事件で繰り返し使われることになる。観客はこの探検の時間に乗じて、機内のレイアウトを頭の中で組み立てる。シリーズの中でもとくに『閉じた舞台の構造』を丁寧に提示する作りであり、後半の追跡劇の説得力を支える基盤となる。
巡航高度に達したころ、招待客の中で表情を変えていく一人の男が映し出される。彼は鈴木次郎吉の旧知の研究者でも、報道陣の一人でもない、目立たない服装の中年の人物として、観客の側に何度か顔を出していた人物である。本作の影の犯人——バイオテロ集団『赤いシャム猫』のリーダーである彼が、機内の通信設備と人員配置を最終確認していく数十秒間が、晴れやかな祝祭の真下で静かに進行する。
乗っ取り——赤いシャム猫の出現
レディスカイのお披露目の予告された時刻に、機内の照明が一斉に絞られる。観客が次に光景を見たときには、ガラスケースの中央のサファイアは姿を消し、代わりに残されたのは怪盗キッドのシルエットの署名と一輪の青い花だけだった。会場の人々は息を呑むが、その動揺が静まるより前に、機内の各所でほぼ同時に銃声と短い悲鳴が立て続けに上がる。バイオテロ集団『赤いシャム猫』の数名が、招待客と乗員に紛れて機内に乗り込んでおり、艦橋・通信室・主要客室の三点をほぼ同時に制圧していたのである。
リーダーは黒い目出し帽をかぶった長身の男で、声には欧州系のアクセントが残る。彼は艦橋に侵入して機長・桂木沙織にハンドガンを突きつけ、機体の進路と高度をすべて自分たちの指示通りに変えるよう要求する。同時に、客室の招待客は一箇所に集められ、毛利小五郎、蘭、コナン、新一に化けたキッド、園子、阿笠博士、少年探偵団、目暮警部、白鳥警部、佐藤刑事、高木刑事、千葉刑事——本作の主要人物たちは、人質の側として機内の中央ホールに座らされる。
リーダーは集まった人質に向かって、自分たちの目的が宝石ではないことを冷ややかに告げる。彼らが探しているのは、本作のために機内にひそかに持ち込まれた、ある『古いガラスのケース』の中身——具体的には、過去にある国家機関が極秘で開発し、その後封印されたとされる生物兵器の保管容器である。鈴木家のレディスカイの裏側で、もう一つの『極秘の積み荷』が同じ機体に積まれていたことが、ここで観客にも明かされる。怪盗キッドの予告は、表向きには『青いサファイア』を狙ったものだったが、その文面の裏で、本作の真の事件——生物兵器の暴露と奪取——の発火点をも同時に動かしていたのである。
生物兵器——赤シャムの正体
『赤いシャム猫』のリーダーは、もともとある国の生物兵器研究機関に所属していた研究者のひとりだと、徐々に観客に明かされていく。彼が中心となって研究に関わっていた病原体は、感染力と致死率の双方が極めて高い改変型のウイルスで、コードネームは『シャム猫』と呼ばれていた——というのが、彼ら集団の名乗りの由来である。研究機関の閉鎖と同時に試料は破棄されたはずだったが、ごく少量の試料が一本のアンプルとして外に流れ出し、巡り巡って『ベルツリー1号』の処女航海に合わせて空輸されてくることを、彼は突き止めていた。
彼が組織の名前にあえて『赤い』を冠したのは、政治的な意味というよりも、彼ら自身が研究機関の旧名と結びついた個人的な遺恨を抱えているためであるという含意が、劇中で繰り返し示される。リーダーにとって、このアンプルは単なる戦利品ではない。自分の過去そのものの清算であり、同時に、世界に対する声明文として、もう一度この病原体を表に引きずり出すための象徴的な対象である。
コナンは、機長・桂木沙織が冷静に時間を稼いでいる間に、毛利小五郎の隣に座らされている状態から少しずつ自由を取り戻し、阿笠博士のキック力増強シューズと腕時計型麻酔銃、探偵バッジ型トランシーバーを使って、機内のレイアウトを頭の中で組み直していく。新一に変装したままのキッドもまた、人質の輪の中から目立たない動きで離れ、機体下部の整備通路へと姿を消す。盗む者の頭脳と探偵の頭脳が、無言の役割分担で同じ機体の中を裏側から動き始める数分間は、本作の最初のターニングポイントである。
落下する蘭、ハンググライダーのキッド
中盤の最大の見せ場は、機体の屋上にあたる『キャットウォーク』で起きる落下劇である。テロリストの一人に追い詰められた毛利蘭が、足元の足場を失って機体側面から夜空へと放り出される。眼下に広がるのは、雲を貫いて見下ろされる夜の街明かりだけで、命綱は一本もない。蘭が悲鳴を上げる間もなく、落下は始まる——その一瞬の間に、機体の別の側面から白いマントの細い影が滑り出る。
怪盗キッド/黒羽快斗が、新一の姿のままシルクハットだけを置き換え、小型のハンググライダーを広げて夜の空へ飛び出す。彼は気流を読み、機体の風下側へ回り込みながら、落下する蘭の身体を一息で抱き止める。雲の合間を滑空するキッドの細い影と、その腕に抱えられた蘭の長い髪の流れは、本作のキービジュアルのもっとも有名な一枚として後年まで繰り返し参照されることになる。
蘭は当然、自分を抱き止めた相手を『工藤新一』として認識する。彼女の目に映っているのは、確かに見慣れた新一の顔である。キッドの側にも、ここで素性を明かせない理由が幾重にも積み重なっており、新一として蘭を抱え直したまま、彼は機体側面の張り出しに着地して短く息を整える。蘭は涙の混じった声で『新一』に礼を言い、新一は新一として、ぎこちなく蘭の肩に手を置く。コナンは別の場所からこの場面を遠目に見るしかなく、新一の姿でしか蘭を抱きしめられない自分自身と、新一の姿でそれをやってしまったキッドの間で、無言のまま立ち尽くす。
反撃——コナンとキッド、即席の協力
機内に戻った『新一』とコナンは、人気のない通路で目を合わせる。互いに正体を確認する短い数秒——コナンは新一の姿の男が怪盗キッドであることを最終的に認め、キッドの側もコナンの正体が工藤新一であることをすでに承知している。本作の二人は、ここで初めて『敵対する怪盗と名探偵』ではなく、『同じ機体を救うために動く即席の協力者』として並ぶ。劇場版『名探偵コナン』の中でも、これほどはっきりとキッドとコナンが共闘する場面は珍しく、本作の最大のカタルシスのひとつである。
コナンは機体の構造図を頭の中で再現し、生物兵器のアンプルがどの保管庫に納められているか、テロリストの監視がどの動線に集中しているかを、阿笠博士のトランシーバー越しに少年探偵団の協力を借りながら順番に確認していく。光彦の地図的な記憶力、元太の力ずく、歩美の機転、灰原の冷静な分析、博士の通信担当——シリーズおなじみの少年探偵団の役回りが、本作では機内のあちこちで小さな見せ場として並ぶ。
キッドは新一の姿のまま、機体下部の整備通路から外壁を伝って艦橋裏側へ回り込み、そこで機長・桂木沙織と短く言葉を交わす。沙織は怪盗キッドであることを薄々察したうえで、敢えてそれ以上の追及をせず、彼に必要な情報——テロリストのリーダーが手にしている起爆装置の種類、機体の燃料残量、最寄りの安全な着陸候補地——を簡潔に渡してみせる。プロの女性機長と、紳士然とした大泥棒の数秒間のやり取りは、本作の脚本の細部の冴えを示すもっとも好きな場面として挙げるファンも多い。
墜落寸前の機体——都内ドームへの不時着
コナンとキッドの動きに気付いたテロリストのリーダーは、自らの計画の最終段階へと踏み込む。彼は艦橋の制御を強引に握り、機体を意図的に高度を下げて都心へ向かわせる。爆破の準備された装置と、生物兵器のアンプルを抱えたまま機体ごと都心の中心部へ突っ込ませることで、自らの過去の研究と無関係でないと彼が見なしてきた組織や人々を、まとめて巻き込もうとする計画である。本作のクライマックスは、ここからの十数分の長い緊張で組み立てられている。
コナンは、阿笠博士の腕時計型麻酔銃の最後の一発を、艦橋へ突入したキッドの背後から狙い澄まして撃ち込み、リーダーの動きを瞬間的に止める。キッドは新一の姿のまま、桂木沙織機長と二人で艦橋の操舵を引き継ぎ、墜落寸前まで高度を落とした機体を、都心に立ち並ぶビル群を避けて、東京湾岸の球形のドーム型施設の屋根へと滑り込ませていく。気嚢の半分以上が損傷し、機体側面から白いガスを吐き続ける飛行船が、ゆっくりと、しかし確実に、ドームの広い天蓋の上に身体を横たえていく長尺のショットは、シリーズの中でも特筆すべきディザスター演出のひとつである。
ドーム上に不時着した『ベルツリー1号』からは、招待客と乗員が順番に避難ロープで地上へ降ろされていく。鈴木次郎吉は招待主としての責任を最後まで降ろさず、毛利小五郎・蘭・園子・阿笠博士・少年探偵団・目暮警部・白鳥警部・佐藤刑事・高木刑事・千葉刑事は、それぞれの位置で人質の誘導と負傷者の手当てを担う。生物兵器のアンプルは、機体に残ったコナンと『新一』の手で慎重に回収され、警察と専門機関の手に渡される。本作の最大の脅威——『赤いシャム猫』が暴こうとした過去の生物兵器そのもの——は、ここで再び封印されることが決定する。
リーダーはコナンの麻酔銃と、機体着地時の衝撃の合わせ技でついに動きを止め、機長・桂木沙織と警察の手で身柄を確保される。彼の口から最後に短く吐かれる『俺たちの世紀末』という趣旨の独白は、本作のテロリスト像が単なる無差別の悪役ではなく、自らの過去の研究との決着を、20世紀の延長線上で果たそうとしていた人物だったことを観客に強く印象づける。劇場版『名探偵コナン』のゲスト悪役の中でも、もっとも背中の重い人物像の一人として、本作のリーダーは記憶に残る。
屋上のキス——新一として、キッドとして
事件が落ち着いた直後、ドームの屋根に静かに立つ蘭のもとへ、新一の姿のままのキッドがゆっくりと近づく。彼は本来の声をぎこちなく抑え、新一が口にしてもおかしくない短い言葉を選びながら、自分のせいで命の危険にさらされた蘭への詫びと、礼を、続けて口にする。蘭は何かを察したような、しかし確信は持てない複雑な表情で、新一の顔を見つめ返す。
そして、本作の最大のサプライズが起きる。キッドは新一の姿のまま、蘭の頬に短く唇を寄せる。本物の新一からのキスではないことを、観客は当然知っている。蘭が後にこの瞬間をどう受け取ったのかは、本作の中では明確には語られない。けれども、彼女がその場で見せた小さな涙と、固まったまま動けない両手——それだけで、本作の物語の感情的な核は十分に立ち上がる。
離れた場所からこの一部始終を見ているコナンの背中もまた、本作の感情線のもう一方の主役である。新一の姿でしか蘭の隣に立てない自分自身と、新一の姿で蘭にキスをしてみせたキッドの後ろ姿——その二つの間に挟まれて、コナンは黙ったまま長い数秒間を耐える。蘭への思いを抱えながら、新一として最も自然に蘭の隣に立つ瞬間を、よりにもよって自分以外の人物に演じられてしまったという事実は、本作以降の劇場版『コナン』が繰り返し参照していく、新一・コナン・蘭・キッドの四角関係の出発点の一つになった。
夜が明けるころ、不時着したドームの周囲に集まった登場人物——コナン、毛利小五郎、蘭、園子、阿笠博士、少年探偵団、目暮警部、白鳥警部、佐藤刑事、高木刑事、千葉刑事、鈴木次郎吉、そして桂木沙織機長——のもとに、新一の姿のままのキッドはもう現れない。残されたのは、機体の残骸の中から拾い上げられた青いサファイア『レディスカイ』と、誰かが置いていったような白い羽根が一枚。レディスカイは『盗まれなかったほうの結末』として、本作の最後の数十秒で改めて鈴木次郎吉の手元に戻されていく。本作の幕は、夜明けの東京湾の空と、まだ煙の残るドームの屋根の絵で静かに閉じる。
登場要素
本作に登場・言及される主な要素を、劇場版『名探偵コナン』の標準的な分類に沿って整理する。固有名詞は鑑賞の手がかりであり、初見ですべてを暗記する必要はない。
レギュラー陣
- 江戸川コナン/工藤新一
- 毛利蘭
- 毛利小五郎
- 鈴木園子
- 阿笠博士
- 吉田歩美
- 小嶋元太
- 円谷光彦
- 灰原哀
警視庁・組織
- 目暮十三警部
- 白鳥任三郎警部
- 佐藤美和子刑事
- 高木渉刑事
- 千葉刑事
- 鈴木財閥(鈴木次郎吉が指揮する企業群)
- ベルツリー1号運航スタッフ(艦橋・客室・整備)
- 報道陣・宝飾関係者の招待客
- 対バイオテロを担当する関係機関
事件関係者・ゲスト
- 鈴木次郎吉(鈴木財閥総帥/『ベルツリー1号』の最大の出資者)
- 桂木沙織(『ベルツリー1号』機長/声:黒木瞳)
- 怪盗キッド/黒羽快斗(本作では大半を工藤新一の姿で過ごす)
- 服部平次・遠山和葉(劇中で本作の事件を間接的に追う側として短く登場)
- バイオテロ集団『赤いシャム猫』のリーダー(声:渡部篤郎)
- 『赤いシャム猫』のメンバー数名
- ベルツリー1号の招待客たち(報道・財界・宝飾・芸能)
犯人と動機(重大ネタバレ)
- 本作の連続事件の真犯人は、過去にある国家機関で生物兵器の研究に関わっていた経歴を持つ男を中心とするバイオテロ集団『赤いシャム猫』である
- リーダーは欧州系の口調の長身の男で、本作では一見『無害な乗客の一人』として招待客の中に紛れ込んでいる(声:渡部篤郎)
- 動機の核は、過去に自らが関わり、その後封印されたとされる改変型ウイルス(コードネーム『シャム猫』)のアンプルを、機内に密かに持ち込まれていた状態で奪取し、20世紀末以来の自らの過去と研究機関への遺恨に決着をつけることである
- 青いサファイア『レディスカイ』はあくまで怪盗キッドの予告状の表面上の対象であり、本作の真の事件——生物兵器の奪取——とは別の文脈で動いている
- 怪盗キッド/黒羽快斗は工藤新一に変装して機内に乗り込み、テロリストの計画を察知したうえで、コナンと無言の協力体制を組み、最終的にはレディスカイそのものを盗まずに残し、敵を彼自身のやり方で追い詰める役割を担う
- ラストで毛利蘭の頬にキスをするのは新一に変装したままのキッドであり、本物の工藤新一ではない
舞台
- 超大型飛行船『ベルツリー1号』(全長およそ二百五十メートル、複数階層の客室・展望デッキ・キャットウォークを備える)
- ベルツリー1号の艦橋(機長・桂木沙織の指揮所)
- ベルツリー1号の中央ホール(レディスカイのお披露目会場、人質劇の中心)
- ベルツリー1号の屋上『キャットウォーク』(蘭の落下とキッドのハンググライダー救助の場面)
- 東京湾岸の球形ドーム型施設(クライマックスの不時着先)
- 毛利探偵事務所周辺・空港・係留塔(出航前の都市描写)
トリック・小道具
- 怪盗キッドの予告状とシルエットの署名
- 青いサファイア『レディスカイ』とお披露目用の透明ガラスケース
- コナンの腕時計型麻酔銃と蝶ネクタイ型変声機
- 阿笠博士特製のキック力増強シューズと探偵バッジ型トランシーバー
- 怪盗キッドのモノクル・シルクハット・白いマント・小型ハンググライダー
- 生物兵器のアンプルとその保管容器(コードネーム『シャム猫』)
- テロリストが用いる起爆装置と機内の自動操縦切り替え機構
- 工藤新一そっくりに造られたキッドの変装一式
主題歌・主要声優
- 主題歌:GARNET CROW「Over Drive」(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)
- コナン:高山みなみ
- 工藤新一:山口勝平
- 毛利蘭:山崎和佳奈
- 毛利小五郎:小山力也
- 鈴木園子:松井菜桜子
- 阿笠博士:緒方賢一
- 灰原哀:林原めぐみ
- 吉田歩美:岩居由希子
- 小嶋元太:高木渉
- 円谷光彦:大谷育江
- 目暮十三:茶風林
- 白鳥任三郎:井上和彦
- 佐藤美和子:湯屋敦子
- 高木渉:高木渉
- 千葉刑事:千葉一伸
- 服部平次:堀川りょう
- 遠山和葉:宮村優子
- 怪盗キッド/黒羽快斗:山口勝平
- 鈴木次郎吉:永井一郎
- 桂木沙織機長:黒木瞳
- 『赤いシャム猫』のリーダー:渡部篤郎
主要登場人物
本作の人物配置は、レギュラー陣(コナン、蘭、小五郎、園子、阿笠博士、少年探偵団、灰原哀、目暮警部、白鳥警部、佐藤・高木・千葉刑事)に、鈴木次郎吉とベルツリー1号機長・桂木沙織、そして本作のために用意された二人の『顔のない男』——工藤新一に変装した怪盗キッドと、招待客に化けた『赤いシャム猫』のリーダー——が組み合わさる形で構成されている。前者は『他人の顔で蘭の隣に立つ盗む者』、後者は『他人の顔で機内に紛れる奪う者』であり、本作の人物配置の対称性そのものが、物語のテーマを支える設計になっている。
江戸川コナン/工藤新一(高山みなみ/山口勝平)
本作のコナンは、表で動く怪盗キッドの予告状騒ぎと、裏で進行していくバイオテロ集団の乗っ取りという、性格の異なる二つの事件を同時に背負う立場に置かれる。劇場版第14作という後期に入った時点の本作で特徴的なのは、コナンが『新一に変装したキッド』という、シリーズの中でも特に厄介な相手と隣り合うことになる点である。
彼が本作で繰り返し採るのは、新一の姿で蘭の傍にいるキッドを、その場で素人目に見破ろうとはせず、むしろ機体全体を救うための『道具』として一時的に受け入れていくやり方である。新一として蘭にキスをするキッドの背中を遠目に見ながら、その場で彼を糾弾するのではなく、機内の人々の命を優先する選択をくだす数秒間は、本作のコナンのもっとも辛い見せ場の一つである。終盤の『ベルツリー1号』では、阿笠博士のキック力増強シューズと腕時計型麻酔銃の最後の一発を、最も決定的な瞬間に温存する形で使う。
怪盗キッド/黒羽快斗(山口勝平)
本作の怪盗キッドは、上映時間のほとんどを工藤新一の姿で過ごすという、シリーズの中でも特に意欲的な造形で描かれる。シルクハットとモノクル、白いマント、小型のハンググライダーといった『正装』は、序盤の予告状の夜と中盤の落下救助の数十秒に絞って提示され、それ以外の場面は新一の顔と、新一にしては丁寧すぎる所作の隙間で、観客にだけキッドの輪郭を匂わせていく。
山口勝平はここで、コナン本来の声である工藤新一と、怪盗キッド/黒羽快斗の声を、同じ俳優として『一つの身体の中』で同時に並走させるという、極めて難しい仕事を引き受ける。本作の新一の口調は、本来の新一よりほんの少し丁寧で、ほんの少し優雅で、ほんの少しキッドの匂いを残している。観客は耳でその差を感じ取りながら、新一の顔の下に潜むキッドの呼吸に少しずつ確信を深めていく。
本作のキッドが他の劇場版のキッドと違うのは、彼が単に『盗む側の人物』として閉じていない点にある。予告状の通りにレディスカイを一度奪い去りながら、最終的には本来あるべき場所へ静かに残し、『ベルツリー1号』の墜落寸前の艦橋で機長と並んで操舵を執るという、人を救う側へ深く踏み込んだ振る舞いを取る。ラストで蘭の頬に短くキスをするキッドの背中は、彼自身が新一の代理として果たしてしまった『一度きりの行為』の重みを、観客に強く印象づける。
毛利蘭・毛利小五郎・鈴木園子(山崎和佳奈/小山力也/松井菜桜子)
毛利蘭は本作で、長く連絡が途絶えていた『工藤新一』が突然目の前に戻ってきたという状況から物語を始める。新一の手を取って『ベルツリー1号』へ乗り込み、機内で隣に並び、機体側面から落下するところを新一の腕に抱き止められ、最後はドームの屋根で新一の唇に頬を触れられる——本作の蘭は、ひと夜のうちに新一との関係の温度を一段押し上げられ、しかし観客にとって、その『新一』はすべて怪盗キッドの変装である。山崎和佳奈の声は、その複雑な距離感をすべて引き受け、本作の蘭をシリーズの中でも特に切ない位置に立たせる。
毛利小五郎は本作で、声優交代直後の小山力也の声で動く。鈴木次郎吉の旧知の名探偵として『ベルツリー1号』の処女航海に招待され、招待客の側で機内警備の補佐にも回る役を引き受ける。眠りの小五郎の派手な見せ場よりも、テロリストの銃口に動じないベテラン探偵の落ち着きが本作の彼の中心であり、小山力也の重みのある声がそのまま機内の大人たちの精神的な支柱となる。
鈴木園子は、大叔父・次郎吉の隣に立ち続ける家族として、本作の感情の重心のひとつを担う。レディスカイのお披露目の場で叔父の手を握り、人質劇の最中には蘭の手を強く握り直し、終盤の不時着では負傷者の介抱に率先して回る。怪盗キッドにロマンチックな関心を寄せ続ける『キッド好き』としての園子像も、本作の彼女の表情の中で楽しげに引き継がれる。
鈴木次郎吉と桂木沙織機長(永井一郎/黒木瞳)
鈴木次郎吉は、本作のもう一人の主役と言ってよい位置に立つ。怪盗キッドからの予告状を受けて、自らの威信を懸けた『ベルツリー1号』の処女航海をキッド誘い込みの罠として使うという豪胆な経済人としての顔と、過去の劇場版『世紀末の魔術師』以来のキッドとの長い因縁を抱えた骨董愛好家としての顔を、永井一郎の重厚な声で同時に引き受ける。本作の次郎吉は、レディスカイそのものよりも、キッドとの『一対一の知恵比べ』のほうを楽しみにしているような表情を、機内のいくつかの場面で見せる。
本作のために用意された最大のゲストキャラクターが、『ベルツリー1号』の機長・桂木沙織である。声を担当するのは黒木瞳。長年の運航経験を持つベテラン機長として、艦橋に常駐し、テロリストの銃口を突きつけられても声色を崩さない凛とした女性として描かれる。本作の沙織は、リーダーの要求を最小限の妥協で受け流しながら、機体の燃料・高度・進路の現実的な選択肢を頭の中で更新し続け、最終局面ではキッドと並んで墜落寸前の機体の操舵を執る。黒木瞳の落ち着いた声と、シリーズの華やかな声陣との対比は、本作の機内の現実感を強く支える要素のひとつとなった。
『赤いシャム猫』のリーダー(渡部篤郎・重大ネタバレ)
本作の真の敵『赤いシャム猫』のリーダーは、過去にある国家機関の生物兵器研究に関わっていた経歴を持つ男として描かれる。声を担当するのは渡部篤郎。欧州系のアクセントを残す低い声で、招待客に紛れたときの『無害な乗客』としての顔と、艦橋に踏み込んだときの『冷たい指揮官』としての顔の二面を演じ分ける。
彼が本作で動いている動機は、レディスカイそのものでも、政治的な主張でもない。自らがかつて研究に関わり、その後封印されたとされる改変型ウイルス(コードネーム『シャム猫』)のアンプルを、巡り巡って『ベルツリー1号』の積み荷の中から取り戻し、自分自身の過去と研究機関への遺恨に決着をつけることである。集団の名前にあえて『赤い』を冠したのは、政治的な意味というよりも、過去の研究機関の旧名と結びついた個人的な遺恨を象徴する選択であるという含意が、劇中で繰り返し示される。
終盤、彼が口にする『俺たちの世紀末』という趣旨の独白は、本作のテロリスト像が単なる無差別の悪役ではなく、20世紀の生物兵器研究の延長線上で個人的な決着を求めていた人物だったことを観客に強く印象づける。劇場版『名探偵コナン』のゲスト悪役の中でも、もっとも背中の重い人物像の一人として、本作のリーダーは記憶に残る。
舞台と用語
舞台は、空港・係留塔から離陸した超大型飛行船『ベルツリー1号』の機内(客室・中央ホール・艦橋・整備通路・屋上キャットウォーク)と、クライマックスの不時着先となる東京湾岸の球形ドーム型施設へと推移する。劇場版『名探偵コナン』の中でも、ほぼ全編を一つの巨大な機体の中に閉じ込めて進行させる構成は珍しく、シリーズの『閉じた舞台』ものの代表例として本作はしばしば言及される。
用語面では、『怪盗キッド/黒羽快斗』『鈴木財閥/鈴木次郎吉』『ベルツリー1号』『レディスカイ』『赤いシャム猫』『シャム猫(改変型ウイルスのコードネーム)』『工藤新一への変装』が物語の鍵となる。前者三つは劇場版『名探偵コナン』のシリーズで繰り返し参照される固有名詞のセットであり、後者四つは本作のための独自の設定として用意された要素である。とりわけ『ベルツリー1号』は、本作以降の劇場版でも鈴木次郎吉と怪盗キッドの因縁を象徴する固有名詞として、再登場することがある。
制作
劇場版『名探偵コナン』シリーズは、1997年の第1作『時計じかけの摩天楼』から数えて本作で14作目を迎えた。怪盗キッドが登場する作品としては、第3作『世紀末の魔術師』、第8作『銀翼の奇術師』に続く三度目の本格参戦であり、本作はとりわけキッドが工藤新一に変装したまま大半の時間を過ごすという、シリーズ内でも極端な造形を採った一本である。
企画と脚本
脚本は古内一成。テレビアニメ『名探偵コナン』のシリーズ構成を長く担当してきた人物で、劇場版『名探偵コナン』の初期から長く脚本を執筆してきたシリーズの中核ライターである。本作の脚本は、怪盗キッドが工藤新一に変装したまま物語の大半を進めるという、シリーズの中でも極めて挑戦的な造形を採用しており、観客には早い段階から『新一の正体がキッドである』ことを明かしたうえで、それを蘭にだけ気付かせない構成を、機内の閉じた空間の中でじっくりと組み上げてみせた手腕は、シリーズの脚本史の中でも特筆に値する。
本作で大きな選択となったのは、青いサファイア『レディスカイ』を狙う怪盗キッドの予告状という表面の事件と、生物兵器の奪取を目論むバイオテロ集団『赤いシャム猫』による乗っ取りという裏側の事件を、ひとつの飛行船の中で完全に同時進行させる二本柱の構成である。原作者の青山剛昌はプロット段階から監修として深く関わり、本作のキッドが盗む者でありながら最後まで人を傷つけないという原作以来の人物像から外れない範囲で動くよう、細部の調整を行っている。
監督と演出
監督は山本泰一郎。テレビアニメ『名探偵コナン』のシリーズディレクターを長く務めてきた人物で、劇場版でも複数の作品で監督を担当している。本作の山本が採る画面構成は、巨大な飛行船という閉じた空間の中で、客室・中央ホール・艦橋・整備通路・屋上キャットウォークというレイヤーの異なる場所を、登場人物の位置関係で繋いでいく『縦の演出』に重心がある。
とりわけ屋上キャットウォークでの蘭の落下とキッドのハンググライダー救助の数十秒間は、本作のもっとも有名なシークエンスのひとつであり、夜空・雲・機体側面・落下する細い影・救助に滑り込む白いマントが、長尺の連続カットで丁寧に組まれている。クライマックスの『都内ドームへの不時着』もまた、機体の大きさと都市の大きさを画面の中で同時に立ち上げる、シリーズの中でも特筆すべきディザスター演出として記憶に残る。
アニメーション制作
アニメーション制作はトムス・エンタテインメント。シリーズで長くタッグを組んできたスタジオが、本作でも背景美術・作画・3Dの三本柱を支えた。離陸前の係留塔、客室と中央ホールの装飾、艦橋の計器類、整備通路の鋼材、屋上キャットウォークの手すり、墜落寸前の機体側面から吹き出すガス、そして不時着先となる球形ドーム型施設の天蓋——本作の背景美術は、シリーズの中でも特に密度の高い設計が成されている。
クライマックスの不時着シーンの作画は、本作の動画・美術・撮影の見せ場である。気嚢の半分以上を損傷し、機体側面から白いガスを吐き続けながら、ゆっくりと、しかし確実にドームの天蓋へ身体を横たえていく飛行船の長尺ショットは、本作の制作陣が最も時間を割いた数十秒間のひとつであるとしばしば紹介されている。同時に、その不時着の前後を通り抜けていく登場人物の動きの描き分け——コナンの軽さ、新一に化けたキッドの優雅さ、桂木沙織機長の凛とした立ち姿、毛利小五郎の落ち着き、少年探偵団のばたばたとした足取り——も、丁寧に分担されている。
音楽と主題歌
音楽は大野克夫。シリーズ全体のメインテーマを手掛けてきた作曲家であり、本作の劇伴でも、離陸前の祝祭感、屋上での緊張、テロリスト侵入時の不安、艦橋の対峙、不時着のクライマックスまでを、過剰な強調を避けたシリーズらしい上品な書法で繋いでみせる。特に屋上キャットウォークでの蘭の落下とキッドの救助の場面で背後に流れる旋律は、本作の中盤の感情の山を支える楽曲のひとつである。
主題歌はGARNET CROWの『Over Drive』(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)。GARNET CROWは、コナン劇場版およびテレビアニメ『名探偵コナン』にとって長く付き合いの深いビーイング系のロックバンドであり、本作の主題歌として書き下ろされた『Over Drive』は、機体の暴走と登場人物たちの加速する感情を同時に走らせるイメージで作られた一曲である。エンディングでこの楽曲が静かに流れ始めるとき、本作の登場人物たちがひと夜のうちに駆け抜けた距離が、観客の側にもう一度立ち上がる。
キャストと声の演出
高山みなみのコナン、山口勝平の新一、山崎和佳奈の蘭、小山力也の小五郎、松井菜桜子の園子、緒方賢一の阿笠博士、林原めぐみの灰原哀、岩居由希子・大谷育江・高木渉の少年探偵団、茶風林の目暮十三、井上和彦の白鳥任三郎、湯屋敦子の佐藤美和子、高木渉の高木刑事、千葉一伸の千葉刑事——シリーズのレギュラー陣が安定した演技を聞かせる。本作は毛利小五郎役の声優交代後の初期の劇場版にあたり、小山力也の重みのある声が機内の大人たちの精神的な支柱として定着していく時期の一本でもある。
とりわけ山口勝平は本作で、コナン本来の声である工藤新一と怪盗キッド/黒羽快斗を、ほぼ同時に同じ顔の上で演じ分けるという、シリーズの中でも飛び抜けて難しい役を引き受けている。新一の口調、キッドの口調、そして『新一に化けたキッドの口調』の三段階を、上映時間102分の中で観客の耳に違和感なく届け切る仕事は、本作の聴覚的な核である。
ゲスト声優では、機長・桂木沙織役の黒木瞳と、『赤いシャム猫』のリーダー役の渡部篤郎の二人が、本作の品格を支える二枚看板として起用された。黒木瞳の落ち着いた声と、渡部篤郎の低い声は、シリーズのレギュラー声陣の華やかさと心地よく対比し、本作の機内の現実感を一段強くしてみせる。鈴木次郎吉を演じた永井一郎の重厚な声は、本作のお披露目の口上から不時着後のレディスカイの受け取りまでを、一本の太い線で繋いでいる。
アクションとサスペンス演出
本作のアクション設計は、機内の制圧、屋上キャットウォークでの落下と救助、整備通路の追跡、艦橋の制御争い、墜落寸前の不時着という、複数のスケールの場面を順に並べていく形を採る。派手な爆発に頼らず、観客の緊張を、銃口の角度、足元の鋼材の軋み、無線越しの誰かの呼吸、桂木沙織機長の手元の小さな操作、雲の中を抜ける機体の影といった細かな身振りの連続で維持していく演出は、シリーズのサスペンスの一つの到達点を示している。
クライマックスの不時着シーンは、シリーズの中でも特筆すべきディザスター演出のひとつである。気嚢の損傷と高度の低下、機体側面から吐き出される白いガス、桂木沙織機長と新一に化けたキッドの並んだ操舵、コナンの麻酔銃の最後の一発、客室の招待客の沈黙、そして都内のドームの天蓋への着地——それぞれが緻密に組み合わされ、本作のクライマックスの数分間を、息を継がせない長い緊張として観客に届ける。
公開と興行
本作は2010年4月17日に日本で全国公開され、最終的に約32.0億円の興行収入を記録した。観客動員数は約257万人とされる。前作『漆黒の追跡者(チェイサー)』の興行をさらに伸ばし、劇場版『名探偵コナン』が30億円台の興行を本格的に視野に入れる節目の一本となった。怪盗キッドの劇場版での再登場、工藤新一への変装という極端な造形、そしてGARNET CROW『Over Drive』の主題歌起用が大きな話題を集め、シリーズの観客の幅が一段広がった年でもあった。
公開直後から本作は、シリーズの中でも『キッドが新一に化けたままほとんどの時間を過ごす作品』『ラストの蘭への屋上のキスが本物の新一ではなくキッドだった作品』として、ファンの会話の中で繰り返し参照される一本となった。テレビ放送は公開翌年以降、日本テレビ系『金曜ロードショー』および後継の枠で繰り返し放送され、その後も劇場版『名探偵コナン』の毎年春の公開時期に合わせて、過去のキッド作品の代表例として再放送される機会の多い作品となっている。
後年には小説版や関連書籍も刊行され、劇場版を文章で追い直したい読者にも門戸が開かれた。配信面でも、ディズニープラスをはじめとする複数の動画配信サービスで本作が視聴可能な状態にある時期が長く、シリーズの怪盗キッド作品を一気見したいファンにとっての必修の一本として、いまも参照され続けている。
批評・評価・文化的影響
本作の評価軸は大きく三つに分かれる。第一に、劇場版『名探偵コナン』に怪盗キッド/黒羽快斗を再投入したうえで、上映時間の大半を『工藤新一の姿で過ごすキッド』という極端な造形に振り切った構造的な意義である。本作以降、劇場版シリーズのキッド登場作群は、単に『盗む者が現れる話』ではなく『新一・コナン・蘭・キッドの四角関係そのものを揺らす話』として組まれることが増え、『業火の向日葵』『紺青の拳』『100万ドルの五稜星』に至るまで、その線上で本作はつねに参照されてきた。
第二に、機長・桂木沙織と『赤いシャム猫』のリーダーという、本作のためのゲスト二枚看板の存在感である。黒木瞳の声と渡部篤郎の声によって支えられた本作のゲスト陣は、シリーズの中でも特に印象に残るキャラクター造形となり、後年のゲスト声優起用の路線に対しても、本作はひとつの基準点として参照され続けている。
第三に、ラストの屋上のキスの主体が新一に化けたキッドであったという『最大のサプライズ』そのものの文化的な広がりである。本作のラストの数秒間は、公開当時から現在に至るまで、コナン劇場版を語るうえで必ず話題に上がる代表的なシーンの一つであり、シリーズの恋愛要素の歴史を語る際にも繰り返し言及される。GARNET CROW『Over Drive』のメロディと組み合わさったこのラストは、本作の題名そのものを聞いただけで蘭の頬と新一の唇の絵が同時に立ち上がるという形で、楽曲と映像が一体化した記憶を観客の側に残している。
舞台裏とトリビア
本作は、劇場版『名探偵コナン』のなかでも、怪盗キッドが上映時間のほぼ全編を工藤新一の姿で過ごすという、極めて珍しい造形を採用した一本である。原作および同じ青山剛昌のスピンオフ『まじっく快斗』のキッド像を踏まえつつ、それを劇場版『コナン』のフォーマットの中でここまで思い切って『他人に化け続けるキッド』として描き切った例は、シリーズの中でも本作と限られた他作だけである。
もう一つの大きなトリビアは、ラストで蘭の頬にキスをするのが本物の工藤新一ではなく、新一に変装したままの怪盗キッドであるという事実そのものである。蘭がそのキスを『工藤新一からのキス』として受け取っているか、薄々キッドの仕業であると勘づいているかは、本作の中では明言されない。その曖昧さこそが本作のラストの強さであり、シリーズの中で何度も語り直されてきた論点である。
本作のゲスト声優二枚看板——機長・桂木沙織役の黒木瞳と、『赤いシャム猫』のリーダー役の渡部篤郎——は、それぞれ俳優としてのキャリアの中でも繰り返し参照されるアニメ出演の一つとなった。黒木瞳の機長としての凛とした声と、渡部篤郎のリーダーとしての低い声は、本作のゲスト声優の方針を示すひとつの基準として、以降のシリーズに引き継がれていく。
主題歌『Over Drive』を歌うGARNET CROWは、コナン劇場版およびテレビアニメ『名探偵コナン』にとって特に縁の深いバンドであり、本作以外にも複数の関連楽曲を提供している。本作の『Over Drive』は、機体の暴走と登場人物たちの加速する感情を同時に走らせるイメージで書かれた疾走系のロックで、シリーズの主題歌史の中でも特に強い印象を残している。
テーマと解釈
本作の中心テーマは『他人の顔で隣に立つこと』である。怪盗キッドは工藤新一の顔を借りて蘭の隣に並び、『赤いシャム猫』のリーダーは無害な乗客の顔を借りて招待客の中に紛れ込む。前者は人を傷つけずに人を守るために、後者は人を欺いて人を奪うために、同じ『他人の顔』という手段を選ぶ。本作のタイトル『天空の難破船』は、まさに『他人の顔の下に潜む二人の人物』が同じ機体の上下で並ぶ夜のことを示している。
もうひとつのテーマは『過去の研究と現在の責任』である。『赤いシャム猫』のリーダーが本作で動いている動機の核は、自らが過去に関わった生物兵器研究の延長線上にある個人的な決着であり、本作はその構造を子ども向け推理アニメの劇場版のなかで誠実に扱ってみせた。20世紀の科学研究の負の遺産を、21世紀初頭の春の空の上で、もう一度劇場の観客の目の前へ引きずり出してみせるという身振りは、シリーズの中でも特に大胆な選択だった。
そして三つ目のテーマは『新一とキッドと蘭、三者の距離』である。新一の姿でしか蘭の隣に並べないコナンと、その新一の姿で蘭にキスをしてみせたキッドの背中——その間に挟まれて立ち尽くす本作のコナンの後ろ姿は、シリーズの恋愛要素の中でもとりわけ切ない一枚である。本作の屋上のキスは、新一・コナン・蘭・キッドの四角関係の歴史の中で、もっとも踏み込んだ一歩のひとつであり、以降の劇場版がしばしば踏み直しに来る原点となった。
本作のラストカットで夜明けの東京湾の空と、まだ煙の残るドームの屋根を映し出すとき、エンディングで静かに流れ始める『Over Drive』のイントロは、本作の登場人物たちがひと夜のうちにくぐり抜けた長い緊張と、それでも空のうえに残された美しさを、観客の側にもう一段深く立ち上げる。本作が長く愛されてきた理由は、派手な飛行船ディザスターと怪盗劇の組み合わせの面白さだけではなく、新一・コナン・蘭・キッドの感情の機微を、ひとつの機体の中で過不足なく束ねきった脚本の誠実さにある。
見る順番(補助)
劇場版『名探偵コナン』は基本的に一作完結であり、本作も初見の観客にとって特別な前提知識を必要としないサスペンス/怪盗ものとして組まれている。原作の『名探偵コナン』のごく基本的な人物関係——コナンが工藤新一の縮んだ姿であること、毛利蘭が新一の幼馴染であること、毛利小五郎が蘭の父で探偵を営んでいること、鈴木園子が蘭の親友で鈴木財閥の令嬢であること、少年探偵団と灰原哀の存在、目暮警部以下警視庁の刑事陣——だけを押さえておけば、十分に楽しめる構成である。
本作で特に楽しまれる要素のひとつは、怪盗キッドの劇場版三度目の本格参戦である。本作の流れでさらにキッドを観たい場合は、前作にあたる第3作『世紀末の魔術師』、第8作『銀翼の奇術師』を遡って観たうえで、本作の後では第19作『業火の向日葵』、第23作『紺青の拳』、第27作『100万ドルの五稜星』などのキッド登場作群へ進むのが分かりやすい。鈴木次郎吉が劇場版で本格的に動き続ける作品としても、本作の延長線上で『業火の向日葵』『紺青の拳』を観る流れが自然である。
シリーズの公開順の流れの中で本作を観るなら、前作にあたる劇場版第13作『漆黒の追跡者(チェイサー)』を観たうえで本作で怪盗キッドの劇場版再登場に立ち会い、次作の劇場版第15作『沈黙の15分(クォーター)』へと進む流れが最も分かりやすい。前作・本作・次作の三作は、それぞれ劇場版『名探偵コナン』の中期を支える代表作として並んでおり、シリーズ中期の空気を一気に体感する三本立てとしてもおすすめできる組み合わせである。
- 前作『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』(劇場版第13作・2009)で黒の組織と警視庁の対決を中心に、コナンが正体露見の危機に追い込まれる物語を描いた
- 本作『名探偵コナン 天空の難破船』で超大型飛行船『ベルツリー1号』の処女航海を舞台に、怪盗キッドの工藤新一変装とバイオテロ集団『赤いシャム猫』の乗っ取りが並走する劇場版第14作
- 次作『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』(劇場版第15作・2011)で長野県の北の沢ダムを舞台にした連続事件と少年時代の蘭との縁を中心に描く方向へ続く
よくある質問(補助)
「あらすじだけ知りたい」場合は、怪盗キッドの予告状とともに鈴木次郎吉の超大型飛行船『ベルツリー1号』が処女航海を行い、青いサファイア『レディスカイ』のお披露目の真っ最中に、バイオテロ集団『赤いシャム猫』が機体を乗っ取り、機内に密かに持ち込まれていた生物兵器のアンプルの奪取を狙う、という大枠を押さえれば十分である。蘭は屋上で機体側面から落下しかけ、工藤新一に変装した怪盗キッドのハンググライダーに救われる。クライマックスでは墜落寸前の機体が東京湾岸の球形ドーム型施設に不時着し、リーダーは確保される。
「結末・ネタバレを知りたい」場合は、本作の真犯人がバイオテロ集団『赤いシャム猫』のリーダーであり、過去に生物兵器研究に関わった経歴を持つ男だったこと、彼の動機が改変型ウイルス(コードネーム『シャム猫』)の奪取と自らの過去への決着であったこと、レディスカイは盗まれず最終的に鈴木次郎吉の手元へ戻ること、機体は球形ドーム型施設に不時着して登場人物に死者は出ないこと、そしてラストで毛利蘭の頬にキスをするのが新一に変装したままの怪盗キッドであり本物の工藤新一ではないことが核となる。
「犯人は誰か」という問いには、本作の真犯人は招待客に紛れていたバイオテロ集団『赤いシャム猫』のリーダー(声:渡部篤郎)であり、過去にある国家機関の生物兵器研究に関わった経歴を持つ男として描かれている、と答えることになる。「動機」については、自らが関わった改変型ウイルス『シャム猫』のアンプルが本作の機内に持ち込まれていることを察知し、それを奪取することで自分自身の過去と研究機関への遺恨に決着をつけることが核であり、青いサファイア『レディスカイ』はあくまで怪盗キッドの予告状の表面上の対象に過ぎない、という整理になる。
「初見でも見られるか」という問いには、本作は単体で完結しているため初見でも問題なく楽しめる、と答えられる。前作『漆黒の追跡者』の事件と本作の事件は基本的に独立しているため、両作の順番を入れ替えて観ても本作の理解には支障がない。怪盗キッドの劇場版での造形を一気に追いたい場合は、本作の前に『世紀末の魔術師』『銀翼の奇術師』を遡って観てから本作に進むのが最もまとまった見方となる。「主題歌は誰の曲か」という問いには、GARNET CROWの『Over Drive』(作詞:AZUKI七/作曲:中村由利/編曲:古井弘人)が劇場版の主題歌として全面起用された、と答えられる。
「ゲスト声優は誰か」という問いには、ベルツリー1号機長・桂木沙織役の黒木瞳と、『赤いシャム猫』のリーダー役の渡部篤郎の二人が、本作のゲスト声優の二枚看板として起用された、と答えられる。「興行はどうだったか」という問いには、興行収入約32.0億円・観客動員約257万人を記録し、劇場版『名探偵コナン』が30億円台の興行を本格的に視野に入れる節目の一本となった、というのが基本となる答えである。
参考資料・脚注
作品名、画像、キャラクター名、各種権利はそれぞれの権利者に帰属する。公開年・興行・配信状況・外部評価は変動しうるため、視聴前に公式および各データベースの最新表示を確認されたい。本記事の本文は各種公開情報をもとに、Anna Movies用の独自の日本語文章として構成している。
参照・確認先
公式画像、作品名、キャラクター名、権利は各権利者に帰属する。公開年、配信状況、外部評価は変わる場合があるため、視聴前に公式・配信元・作品データベースで確認したい。