ノリスケ・ヒガシカタ/初代 東方憲助
のりすけひがしかた しょだいひがしかたのりすけ
ネタバレ範囲: Part 7完結およびPart 8の東方家系図まで
# ノリスケ・ヒガシカタ/初代 東方憲助ノリスケ・ヒガシカタは、第7部『スティール・ボール・ラン』に登場する日本人騎手であり、第8部『ジョジョリオン』の家系図で初代 東方憲助と位置づけられた人物である。北米大陸横断レースでは複数ステージを上位で走り、総合2位に入った。その賞金を元手に果物の輸入事業を始めたことが、2011年の東方フルーツパーラーへ続く家業の起点になった。
二つの表記と同名人物の区別
第7部での名前は片仮名の「ノリスケ・ヒガシカタ」と表記される。第8部で示された東方家の家系図では「初代 東方憲助」と記され、同一人物であることが判明する。第8部の2011年に登場する東方家当主も「東方憲助」を名乗るが、そちらは四代目であり別人である。初代を扱う時は第7部のレーサー、四代目を扱う時は東方定助を引き取った果樹園経営者として分けなければならない。
単に「東方憲助」と内部リンクすると複数世代が衝突するため、記事名、URL、家系図では代数を併記する。第7部のノリスケは第一世界線の第4部に登場する東方家とも別の連続性に属する。同じ姓が出ることだけを根拠に、第一世界線の東方仗助や東方良平の直接の祖先として扱うことはできない。
外見と人物像
ノリスケは短い髪と口ひげ、小さな眼鏡を備えた成熟した男性として描かれる。大きな装飾を連ねた上着を着用し、長銃を携える場面もある。本人はへそが二つあるという珍しい身体的特徴を誇り、新聞に取り上げられた記事を人に見せている。第4ステージで1位になった実績も遠慮なく話すため、自慢好きで風変わりな印象を与える。
その一方、レース成績は発言を裏づけており、実力を伴わない虚勢だけの人物ではない。ホット・パンツとの会話では礼儀正しい言葉遣いを保ち、相手の素性に何らかの違和感を覚えた様子も示す。出番の多くは主役二人から離れたレース参加者としての短い場面だが、競技者として最後まで脱落しない安定感がある。
日本から参加した騎手
ノリスケは仙台藩に暮らしていた人物として紹介され、日本から北米大陸横断レースへ参加した。騎乗馬はホノオという4歳のバイエルン・ウォームブラッドである。作中で固有のスタンド能力は示されず、鉄球や拳銃を主戦力とする中心人物とは戦い方が異なる。それでも約6,000キロメートルに及ぶ行程を走破し、総合上位を維持した事実が騎乗技術と持久力を示す。
レースは単純な速度勝負ではなく、砂漠、山岳、寒冷地、湖、都市部を通過し、補給と進路判断も順位を左右する。スタンド使い同士の襲撃や遺体争奪戦が裏で進むなか、競技者として正規の得点を積み上げた点にノリスケの強さがある。ノリスケが長銃を携えていることは確認できるが、銃撃を中心とした固有の戦闘場面は描かれない。装備の存在から未知のスタンド能力まで推定せず、記事上の能力欄は騎乗とレース成績を軸にする。
ホノオとの組み合わせも、馬に特殊能力があるという意味ではなく、長距離競走を完走した騎手と騎乗馬の記録として扱う。
各ステージの成績
第1ステージでは19位で出発し、第2ステージ6位、第3ステージ12位と順位を上げる。第4ステージでは1位を獲得し、100ポイントと賞金、次の出走に関わる1時間のボーナスを得た。第5ステージ2位、第6ステージ4位、第7ステージ2位、第8ステージ3位と、後半は継続して上位へ入る。最終ステージ自体の着順と、失格者を反映した総合順位は区別が必要である。
最終的な記録では353ポイントを獲得し、総合2位となった。主人公の勝敗だけを追うと見落とされやすいが、ノリスケは一度の幸運で順位を得たのではなく、複数ステージで着実に得点した。第4ステージの優勝を本人が自慢する場面は奇妙な会話として描かれる一方、最終結果から振り返ると優勝候補の一角だったことが分かる。
ホット・パンツとの井戸での会話
第4ステージ後、ノリスケは馬へ水を与えるため井戸を訪れ、ホット・パンツと鉢合わせる。先に水を使う根拠としてステージ1位の実績を持ち出し、自分を扱った新聞記事も示す。新聞の話題はレース成績だけでなく、へそが二つあり、医学者の調査対象になったという内容である。相手へ実際に触るかと尋ねるなど距離感は独特だが、拒絶されても暴力的な争いへ進まない。
ホット・パンツの正体について明言はしないものの、会話の最後には相手が公にしていない性別を察したような含みを残す。この場面は戦闘能力の披露ではなく、観察力、自尊心、礼節、奇妙な社交性を短い時間で伝えている。
サンドマンの攻撃に巻き込まれる
第5ステージの「サイレント・ウェイ」戦では、ノリスケがトウモロコシ畑から姿を現す。ジョニィとジャイロは敵スタンドの使用者を探しており、離れた場所にいたノリスケも一時は疑いの対象になる。事情を尋ねようと近づいた彼は、背後からサンドマンに口をふさがれ、腹部を刺される。これはノリスケがサイレント・ウェイの本体だったことを意味せず、目撃と発言を防ぐために利用された被害者の位置である。
戦闘後には生存した姿が見られ、その後もレースへ復帰して上位を維持する。負傷からの回復過程は詳述されないため、ホット・パンツの治療があった可能性は考えられても、本文で確定した手順として断言しない。
総合2位と帰路
大統領と遺体をめぐる戦いが決着した後もレースそのものは最終結果へ進む。ノリスケは総合2位に入り、ステージ賞金を含むまとまった資金を得る。終了後には、ニューヨークから出る船上で娘の理那を伴い、ジョニィへ挨拶する姿がある。短い場面は、第7部の競技結果と第8部で重要になる家族史を接続する。
ジョニィは同じ船で理那と知り合い、やがて二人は結婚する。ノリスケはレースの上位入賞者であるだけでなく、主人公が日本の杜王町へつながる契機を作った父親でもある。
果物輸入と東方家の基盤
第8部では、ノリスケが賞金を資本にして外国産果物の輸入事業を始めたと説明される。この商いが成功し、後代の東方家は杜王町で果樹園とフルーツパーラーを営む家になった。第7部で得た賞金が一個人の褒賞で終わらず、120年後まで続く家業の元手になったことになる。また、ノリスケはレースの統計と結果をまとめた『スティール・ボール・ラン・レース全記録』を残した。
その記録の巻末にある家系図が、初代から四代目までの東方家を整理する資料として物語内で参照される。本人が競技の参加者であると同時に記録者になったため、第8部の人物たちは第7部の歴史を家に残る資料として知ることができる。
東方家とジョースター家を結ぶ位置
ノリスケの妻はテルで、家系図には複数の子が記される。娘の理那はジョニィ・ジョースターと結婚し、ジョージ・ジョースター三世らの母になる。この結婚により、東方家とジョースター家の血統は第二世界線で交差する。ただし東方家の家督を継ぐ憲助の系統と、理那を経てジョースター姓へ進む系統は同じ一本道ではない。
家系図を読む際は、初代憲助から二代目、三代目、四代目へ続く当主の線と、理那からジョニィの子孫へ続く婚姻の線を分ける必要がある。第8部の東方定助や吉良吉影へ至る関係も、第一世界線の同名人物を介さず、この第二世界線の家系内で整理する。
東方家の慣習との関係
東方家では長男を病魔から守るため、12歳まで女児として育てる習俗が伝わる。第8部で明かされる説明を初代にも当てはめると、ノリスケも長男としてその慣習の下で育った人物になる。これは第7部の登場場面で本人が語る経歴ではなく、後代の家族が伝える東方家の歴史から補われた情報である。同じように「憲助」という名が代々受け継がれる仕組みも、第7部だけでは見えず、第8部の家系図によって意味を持つ。
二つの部を併記する記事では、1890年に画面へ現れる事実と、2011年から過去を説明する事実の出典時点を区別する。
年齢表記の矛盾
ノリスケの年齢には、作中資料間で解消されていない差がある。第7部の新聞記事は1890年の彼を68歳として扱う。一方、第8部の家系図は生年を1846年とし、没年を1931年と記す。1846年生まれならレース開催時は43歳または44歳となり、68歳とは約24年ずれる。
どちらか一方へ計算を合わせて書き換えるのではなく、「第7部の新聞では68歳」「第8部の家系図では1846年生まれ」と資料ごとに併記するのが安全である。同様に賞金は連載時の説明と最終結果表で通貨表記の扱いに注意が要るため、換算額を断定するより、総合2位と事業資金になった事実を中心に整理する。
物語上の役割
ノリスケは第7部の主戦闘を動かすスタンド使いではない。それでも正規の騎手として総合2位を取り、レースが遺体争奪戦だけではない大規模競技だったことを結果で示す。さらに賞金、記録書、果物事業、理那の結婚を通して、第7部の終点を第8部の杜王町へつなぐ。一見すると脇にいる奇妙な日本人レーサーが、後の家系と経済基盤を作った創業者として再定義される構成に、この人物の役割がある。