JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 8 / 人物

東方密葉

ひがしかたみつば

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 8最終話まで

# 東方密葉東方密葉は、第8部『ジョジョリオン』に登場する東方常敏の妻であり、つるぎの母である。学生時代にミス・チェリーへ選ばれた経歴を持ち、結婚後は東方フルーツパーラーの広告モデルを務める。美容への執着からTG大学病院の羽伴毅による治療を受け、知らないうちにロカカカの等価交換を繰り返される。

矢印を配置して物体と力の進行方向を変えるスタンド「アウェイキング・IIIリーブス」を操る。広瀬康穂と協力して羽伴毅へ反撃する一方、息子を救う新ロカカカを守る局面では康穂を見捨てようとする。子供への愛情が勇気と残酷さの両方へ変わる人物である。

基本情報

密葉は2011年時点で31歳の日本人女性である。身長172センチメートル、体重55キログラムとされる。夫は東方常敏、長男は東方つるぎであり、物語中には妊娠四週目の第二子がいることも判明する。四代目東方憲助と東方花都は義理の両親にあたる。

鳩、常秀、大弥は義理のきょうだいであり、東方家へ養子として迎えられた定助とも同居する。モデルとして東方家の広告へ出演し、家業の売上へ貢献してきた。終盤で常敏を失うが、つるぎと胎児、自身は生存し、最終話では家族と憲助の退院を祝う。

外見

密葉は短い髪を横へ流し、前髪の先を上向きに巻いた髪型で初登場する。胸元に切り抜きのある上着、格子柄のスカート、踵の高い靴を着用する。後半では右耳付近の皮膚が石化したことを隠すため、髪を耳へかぶせる。肩へ結び目のある上着、短いパンツ、透明な長い布を組み合わせ、衣服と腕輪へ矢印の意匠を置く。

矢印はアウェイキング・IIIリーブスの能力と対応し、身体の向きと力の方向を視覚化する。羽伴毅による等価交換の後には鼻が小さな石の形へ変わる。本人は美容を守るため病院へ通ったが、治療を重ねるほど顔と身体の一部を失う逆転に直面する。

性格

密葉は容姿への自信と不安を強く持つ。年齢を重ねても人の視線を集める女性でいたいと考え、爪、肌、胸、髪の状態へ注意を払う。夫へ相談せず高額な施術を受け、支払いと妊娠を秘密にする傾向がある。列へ並ぶことを嫌い、松葉杖を使う高齢者が乗る前にエレベーターの扉を閉める利己的な面も見せる。

一方、子供の命が危険になると、自分の身体を代価にすることをためらわない。胎児を救うためロカカカを食べ、つるぎが学校で疑われると大人たちへ激しく反論する。息子を守る正当性を確信すると、協力者だった康穂の命まで切り捨てる。美しさを守りたい自己愛と、家族を守りたい母性愛は、どちらも自分が価値を置くものを失いたくない強い執着としてつながる。

ミス・チェリーと結婚

学生時代の密葉は「ミス・チェリー」と呼ばれ、コンテストで選ばれる。受賞を機に日本の果物を紹介する企画で中国とヨーロッパへ赴き、常敏と出会う。常敏は密葉にとって最初に交際した男性であり、二人は結婚して東方家で暮らす。密葉は東方フルーツパーラーの広告モデルとなり、つるぎを出産した後も仕事を続ける。

家族の支援を受けた広告は売上へ貢献し、外から嫁いだ密葉が東方家の事業へ自分の居場所を作る。ただし本人は東方家の中で外部から来た者として見られている感覚も持つ。その不安が、妻や母になっても人目を引く外見を失えないという考えを強める。

羽伴毅の美容治療

密葉は老化の兆候を消すため、TG大学病院の形成外科医である羽伴毅へ通う。豊胸施術を受けた後、歯が石のように変わり、唾液と味覚へ異常が現れる。再度の治療で歯は戻るが、次には右耳付近が石化して平衡感覚と聴力を失う。羽は症状を乾燥やアレルギーだと偽り、密葉へ治療を続けさせる。

施術の実態はロカカカ由来の等価交換であり、問題のある部位を治す代わりに別の部位を損なわせる。密葉は一回ごとの改善へ安心し、身体全体で何が交換されているか知らないまま実験材料になる。羽はさらに二億円の治療を提示し、美容と恐怖を利用して支配しようとする。

康穂との遭遇

密葉が耳の治療を受ける日、康穂も体調不良でTG大学病院へ来ている。康穂は車椅子の密葉を見かけ、両脚が骨近くまで崩れている異常な状態に気付く。直後に会った密葉は歩ける状態へ戻り、車椅子に乗った記憶もない。診察室では車椅子が細かく分解され、机の引き出しへ押し込まれている。

密葉はシリコンを混ぜた水と海苔を異常に欲し、羽の破片に身体を操られて康穂を襲う。康穂が強く呼びかけると一時的に意識を取り戻し、身体へ別の存在が入り込んでいると理解し始める。二人は美容相談を通じて気軽に話す関係から、病院内を脱出する共闘者へ変わる。

妊娠と等価交換

康穂から他に何を交換された可能性があるか問われ、密葉は妊娠四週目であることを明かす。妊娠はまだ常敏とつるぎへ伝えていない。婦人科で胎児を確認すると、腕にあたる部分が石化し、身体から分離している。羽の治療は密葉本人の美容だけでなく、胎児を代価へしていたことになる。

密葉は自分が施術を選んだ責任と、知らされずに子供を損なわれた怒りへ直面する。分離した部分を胎内へ戻し、子供を生かすためなら自分が危険を負うと決める。美容を守るため秘密を重ねた人物が、失う対象を子供だと知った瞬間に目的を切り替える。

アウェイキング・IIIリーブス

アウェイキング・IIIリーブスは、外套をまとった人型スタンドである。密葉は手のひらほどの矢印を物体や床へ配置し、力と物体を矢印の先へ移動させる。三つの矢印で範囲を囲むと、内部の力を最短経路で外へ押し出せる。落下物や羽の石片を安全圏からそらし、自分の身体へ働く力を重ねて跳躍と蹴りを加速させる。

エレベーターでは複数の矢印を使って加速度を増し、羽の身体を床へ叩きつける。沸騰した湯やガラスなど、周囲にある危険物の進路を瞬時に変える防御にも向く。配置を誤ると力が意図しない方向へ進むため、終盤では壁を壊して新ロカカカを露出させる結果も生む。方向を管理する能力は、選択を誤るたび別の代価が現れる密葉の物語と重なる。

羽伴毅との戦い

羽伴毅は身体を微細な岩片へ崩し、人体や物の内部へ入り込む岩人間である。密葉は矢印で岩片を周囲から排出し、加速した蹴りで羽を壁へ押し付ける。康穂と婦人科へ移動し、テープを使って散った破片を固定して病院の外へ捨てる。二人は病院の奥でロカカカを栽培する秘密の研究室を発見する。

密葉は胎児を救うため果実を食べるが、羽は果実の内部へ潜み、再び身体へ侵入する。康穂のペイズリー・パークが通信と脱出経路を確保し、到着した定助が羽へ決定的な攻撃を加える。ロカカカの効果で胎児は回復する一方、密葉は鼻を代価として失う。完全な勝利ではないが、羽による一方的な実験から子供の命を取り戻す。

つるぎの学校事件

新ロカカカの収穫まで六日となった頃、密葉はつるぎを迎えに支倉学園小等部へ行く。同級生のミナたちは、花都が子供を殺して埋めた過去を持ち出し、つるぎをからかっていた。ミナが川へ落ちた後、校門の鉄柵へ挟まれた状態で見つかり、つるぎが門を動かしたと疑われる。密葉は証拠のない非難へ反発し、保護者会でも息子を守る。

映像の解釈と証言の数が誇張されている点を指摘し、つるぎを犯人として扱う姿勢を拒む。ただし自宅では、息子に動機があった可能性を常敏へ話し、完全には疑いを捨てていない。防犯映像にTG大学病院の院長が映っていることへ気付き、病院の事件と学校の事故を結ぶ兆候を得る。

院長と厄災の兆候

密葉は学校、東方邸の周辺、家の内部で院長の姿を繰り返し目撃する。院長が見えた後には指を切る、水滴でつるぎが傷つくなど、不自然な事故が起きる。料理中に切断しかけた指を矢印で戻し、沸騰した湯を天井へそらして被害を防ぐ。つるぎの岩の病気は急速に進み、身体とペーパー・ムーン・キングの制御が崩れる。

密葉は一連の事故が偶然ではなく、院長が東方家へ向けた攻撃だと考える。実際には院長の姿は透龍のスタンドであり、追跡する意思へ厄災を返す。密葉は仕組みを完全に理解しないまま、家族へ近づく存在が災害の起点だと見抜いている。

康穂を見捨てる選択

収穫日、ペイズリー・パークはつるぎの携帯電話を介して新ロカカカを調べる。常敏は電話を便器へ投げ込み、スタンドを通じて康穂を溺れさせようとする。密葉は病院で命を助け合った康穂の声を聞き、一度は救えないか常敏へ尋ねる。しかし院長を窓の外に見て、つるぎを守るには果実の秘密を守るしかないと判断する。

電話をさらに水へ押し込み、康穂の死を確実にしようとする。天井から落ちた水滴が手を貫き、矢印の配置がずれ、力が壁へ向かう。壁が壊れて隠された鉢が家族全員の前へ現れ、守ろうとした秘密は密葉自身の能力で露見する。

家族の崩壊

憲助はキング・ナッシングで新ロカカカの痕跡を調べ、常敏が笹目桜二郎を殺した事実へ到達する。常敏は父へスピード・キングの熱を入れ、意識を奪う。密葉は夫が家長を倒す場面と、つるぎの病気が悪化する場面を同時に見る。院長が屋内へ現れると常敏へ追わないよう警告するが、常敏は攻撃を止めない。

小さな整髪料容器の管が厄災で胸へ刺さり、常敏は大量の血を失って死亡する。密葉は夫へ新ロカカカを捨てて逃げるよう求めるが、常敏は家族の勝利を諦めない。息子を救うため共有した目的が、夫婦と家族を守る判断そのものを奪う。

透龍襲来と結末

透龍が東方邸へ入り新ロカカカを奪うと、飛行機の扉が落下する厄災が家を直撃する。密葉はつるぎ、鳩、大弥と共に衝撃へ巻き込まれ、負傷しながらガレージへ進む。花都はカードに隠したつるぎと新ロカカカの枝を使い、透龍との等価交換を起こす。つるぎの岩の病気は透龍へ移り、息子は回復する。

密葉は夫を失うが、二人が守ろうとしたつるぎと胎児を生かして事件を終える。数日後、憲助の退院を祝うケーキを家族で選び、常敏と花都を思って涙を流す。母親として守ろうとした家族の形は変わったが、定助を含む生存者と再出発する。

物語上の役割

密葉はロカカカが医療へ入り込んだ危険を、患者の側から示す人物である。美容治療の代価が別の身体部位と胎児へ転嫁され、等価交換が便利な治癒ではないことを具体化する。康穂との共闘では、自分の過ちを知った後に子供を救う行動力を見せる。終盤では同じ康穂を犠牲へしようとし、家族愛が正しさを保証しないことも示す。

矢印で力の方向を選ぶ能力は、密葉が誰を救い、誰へ代価を向けるかという選択と対応する。常敏の計画を全面的に知らない立場から共犯へ移り、最後には夫の死と息子の生還を受け止める。

関連項目

- 東方常敏- 東方つるぎ- 東方花都- 広瀬康穂

- 羽伴毅- アウェイキング・IIIリーブス- ペイズリー・パーク- 新ロカカカ