JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 8 / 人物

羽伴毅

うーともき

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 8最終話まで

# 羽伴毅羽伴毅は、第8部『ジョジョリオン』に登場する岩人間である。TG大学病院に勤務する形成外科医・美容皮膚科医であり、東方常敏の妻・東方密葉の主治医を務める。病院の地下へ隠されたロカカカ研究施設を運営する組織の一員で、治療を装いながら患者へ果実を投与し、等価交換のデータを集めていた。

同名のスタンド「ドクター・ウー」によって自分の身体を岩の粒子へ分解し、空調や通気口から拡散し、他人の体内へ侵入する。医師としての成功を絶対視し、治療結果さえ出せば手段は許されると考える敵である。

基本情報

病院へ提出した記録では1978年生まれで、2011年時点の自称年齢は33歳前後である。岩人間としての実年齢は約70歳とされ、社会へ登録した経歴と生物としての年齢は一致しない。身長185センチメートル、体重79キログラム、国籍は日本で、婚姻記録はない。海苔とシリコンを含む水を好み、救急車へ乗ることや嵐のような異常事態へ興奮する一面を持つ。

2011年9月、TG大学病院の秘密研究室で医療用セメントに閉じ込められ、窒息して死亡する。

名前と「ドクター・ウー」

姓名の表記は羽 伴毅で、読みは「うー ともき」である。作中では患者から羽先生と呼ばれ、通称として「ドクター・ウー」も使われる。スタンド名も同じドクター・ウーであるため、人物と能力を区別しなければならない。人物記事は医師としての経歴、思想、密葉への処置、死亡までを扱い、能力記事は粒子化、侵入、再構成、制御条件を中心にする。

衣服には「DoCToR」の文字が複数配置され、自分の職業と称号を外見にも刻み込んでいる。

外見

小さな明るい球を多数集めたような髪と、額を覆う黒い前髪を持つ。髪形は細かな巻き毛に見えるが、本人の説明では髪質そのものは直毛である。長い丈の医師用コートを着用し、胸と肩にドクターの名札を付ける。高身長で姿勢は整い、患者へ接する時には落ち着いた専門医の印象を保つ。

身体を崩すと衣服や装飾を含む姿が細かな岩片へ変わり、必要な部位だけ腕や顔へ戻すこともできる。整った人型と無数の粒子の往復が、社会的な身分と岩人間の本体を切り替える外見的特徴である。

医師としての経歴

羽はTG大学医学部を卒業し、医師国家試験へ合格した記録を持つ。試験、運転免許、学校の成績をすべて一度で通過したと語り、自分は人生で失敗したことがないと断言する。形成外科と美容皮膚科を専門とし、患者の外見上の悩みを治療する。密葉の診察では頭皮や容姿の異常へ対応し、産婦人科の検査設備も使って妊娠状態を確認する。

専門外の領域へ踏み込むことにも迷いがなく、失敗の危険を事前に見抜ける自分なら何でも扱えると考える。病院の公開記録上は税の滞納もなく、普通の医師として社会へ溶け込んでいた。

完璧主義

羽は、失敗を経験しないことを能力と人格の証明にする。試験に落ちなかっただけでなく、問題のありそうな恋愛相手へ最初から近づかないことまで「恋愛でも失敗しない」根拠に数える。成功率が低い行動を避ければ失敗の履歴は残らないが、それは未知の危険へ挑んで克服したこととは異なる。本人はこの区別を認めず、自分の判断が常に正しいと確信する。

康穂と密葉が抵抗しても、治療を完了させる医師である自分が道徳的に優位だと主張する。最後まで失敗を否定し続ける姿勢が、相手の新しい能力や予測外の連携を軽視する原因になる。

医療倫理のねじれ

羽は、訪れた患者を治すことを医師の正義だと考える。ロカカカも一部の者が私的に独占する果実ではなく、多くの患者へ役立てる公共的な資源だと主張する。しかし実際には、等価交換の代償を十分に説明せず、記憶を曖昧にし、治療費として高額な金銭を受け取る。治療が成功すれば、身体への侵入、秘密の実験、脅迫などの手段も許されるという結論へすり替える。

患者の同意と選択を尊重せず、医師である自分が結果を定義するため、公共性の主張は組織の独占を正当化する言葉になっている。

東方密葉との関係

密葉は容姿と体調の問題を治すため、羽の診療を繰り返し受けていた。ロカカカの等価交換により、鼻、胸、歯など望んだ部位は改善するが、本人はどのような処置を受けたかを十分に覚えていない。治療費は総額二億円に達し、羽は密葉を重要な収益源とみなす。さらに東方家の一員である密葉から、新ロカカカの枝を誰が持つかという情報を得ようとする。

患者として守る対象ではなく、実験体、資金源、情報源の三役へ利用していたのである。

妊娠の発見

羽はMRI検査によって、密葉が妊娠14週であることを確認する。密葉本人も把握していなかった事実を告げ、産婦人科の診察室へ連れていく。その途中で密葉はロカカカの木が並ぶ秘密空間を目にするが、以後の記憶が途切れる。等価交換の代償が胎児へ及ぶ可能性を知りながら、羽は治療と観察を止めない。

胎児の身体が粒子状に排出されたように見える局面でも、法的な妊娠週数を持ち出し、自分の行為を正当化する。医学知識を患者の安心ではなく、倫理的責任を回避するために使う場面である。

ロカカカ研究チーム

羽は病院内の秘密研究室へ出入りできる高位の構成員である。同じ記録には下里良ことアーバン・ゲリラプアー・トム、院長・明負悟が残る。研究室には多数のロカカカの木、試験管、培養皿、小動物用の設備が置かれる。果実が人体のどの部位を石化させるかを記録し、投与量と治療効果の関係を調べていた。

吉良・ホリー・ジョースターも以前にロカカカを研究しており、羽は残された施設と資料を組織の目的へ利用する。新ロカカカの枝そのものは研究室になく、密葉を介して東方家へ所在を探る必要があった。

ロカカカ治療の実験

研究映像で羽は、唇を美しくするため果実を食べ、臀部の脂肪を代償として失った患者の例を示す。旧ロカカカは治したい部位を回復させる一方、同じ身体の別の場所を石へ変える。どの部位が代償に選ばれるかは完全には制御できない。羽は自分が粒子化できるため、重要な臓器が石化する危険を避けながら患者へ処置できると考える。

治療技術としての有効性はあるが、選ばれる代償と長期的な安全性が不明なまま実験を継続している。

ドクター・ウー

羽のスタンド「ドクター・ウー」は、本体の身体を細かな岩片へ分解し、再び人型へ組み直す。一般的な独立した人型スタンドが敵を殴るのではなく、岩人間の肉体そのものへ働く一体型の能力である。粒子は風、空調、散水設備、通気口を通り、狭い隙間へ入り込む。身体を完全に崩して移動できるほか、腕や顔だけを再構成して物をつかみ、会話することも可能である。

羽は能力を単なる分解と再構成だと説明するが、その利用方法は医療、潜伏、攻撃、身体操作へ広がる。

他人の体内への侵入

粒子は耳、鼻、皮膚の傷などから人体へ入り、骨組織へ付着しようとする。岩人間由来の有機ケイ素成分へ人体が反応し、かゆみ、腫れ、水疱などのアレルギー症状が起きる。骨へ定着すれば筋肉へ刺激を与え、本人の意思に反する動作を起こせる。待合室の患者へ侵入し、康穂たちへ頭突きさせるなど、周囲の一般人を攻撃手段へ変える。

宿主を一人へ限定せず、粒子を分散して複数の身体や設備へ潜伏できる点が厄介である。

康穂への攻撃

康穂は密葉の異常と消えた車椅子を不審に思い、診察室を調べる。羽は車椅子まで分解して痕跡を消し、自分の粒子を康穂の耳から侵入させる。粒子は頭蓋骨へ融合しようとし、康穂は身体を自由に動かせなくなる。ペイズリー・パークはMRI機器と病院のコンピューターへ接続し、侵入位置と物質組成を特定する。

注射器を康穂の眼へ通して粒子を抜き取り、骨へ定着する直前に支配を防ぐ。情報探索能力と医療設備を敵自身の診療環境から借りた対処である。

密葉の覚醒

密葉は自分がロカカカを食べ、妊娠中の子供まで代償にされた可能性を知る。怒りと母としての決意によって、スタンド「アウェイキング・IIIリーブス」を明確に発現させる。三枚の矢印で力の向きを操作し、周囲へ漂う羽の粒子を押し返す。人型へ戻った羽へ蹴りを当て、矢印の反発で天井や床へ叩き付ける。

身体へ残った粒子も腕の矢印で排出し、康穂とともに秘密研究室へ向かう。治療対象として管理していた患者の能力を羽が把握できなかったことが、完璧主義の最初の破綻になる。

エレベーターでの攻防

羽は換気口から粒子を送り、エレベーターへ逃げた二人を追う。密葉の身体から排出された物の中には胎児の腕に見える破片があり、二人を動揺させる。羽は医師としての優位を主張し、治療の結果に逆らう二人を非合理だと扱う。密葉は複数の矢印で加速方向を重ね、再構成した羽を床へ激突させる。

医療用テープで粒子を床へ貼り付け、球状に集めて窓の外へ捨てる。しかし羽は一部を密葉の体内へ残し、秘密研究室で再び身体操作を始める。

秘密研究室での再戦

密葉は胎児を救うため、研究室に残る旧ロカカカを食べる。羽は散水設備や植物の周囲へ粒子を混ぜ、密葉の骨と筋肉を操って康穂を攻撃させる。さらに培養されていた危険な病原体を試験管から解放し、逃げ場を狭める。研究対象だった木そのものまで砕いて粒子と混ぜ、二人へ大量のロカカカを食べさせ、致命的な石化を起こそうとする。

治療を公共善と呼んだ医師が、果実と病原体を殺傷手段へ変えることで、その主張の虚偽が明らかになる。

死亡

定助は康穂の位置へ到着し、ソフト&ウェットのシャボン玉で散らばった羽の粒子を捕らえる。泡には速乾性の医療用セメントが混ぜられており、粒子は液体の中へ固定される。羽は身体を再構成して脱出できず、セメントの内部で呼吸を失う。粒子化すれば打撃や切断を避けられるが、すべてをまとめて流動物へ封じる攻撃には対応できなかった。

生涯で失敗したことがないという本人の確信は、患者、康穂、定助の連携によって最後に否定される。

死後に判明した情報

定助、康穂、豆銑は病院の記録を調べ、羽、下里良、プアー・トム、写真のない院長だけが研究室へ出入りしていたと確認する。羽が単独で違法治療をしていたのではなく、病院の管理職まで含む研究チームの一員だったことが明確になる。一方で新ロカカカの枝は病院側にもなく、羽が密葉を追った行動から、東方家の誰かが奪った可能性が高まる。彼の死は事件を終わらせず、顔の見えない院長を追う次の段階へ調査を進める。

性格

患者への口調は丁寧で、食事を取る前に許可を求めるような形式的配慮も見せる。内面では他者の身体を実験材料とみなし、自分の判断を疑わない。金銭も目的の一つだが、支配を通じて自分の正しさを実現することへ強く執着する。絶滅を恐れ、ロカカカの医療利用が岩人間の存続と優位へつながると考える。

冷静な医師の姿は、追い詰められると粒子と病原体を無差別に散らす攻撃性へ変わる。

物語上の役割

羽伴毅は、ロカカカ組織が果実を密売するだけでなく、大学病院の研究と治療へ組み込んでいる事実を示す。密葉の美への欲望、胎児を守る決意、康穂の情報解析を一つの病院戦へ結び付ける。人を治す医療と、人を支配する能力が同じ粒子化の技術から生まれる点に、手段より結果を優先する危うさが表れる。彼を倒した後も研究室の記録と院長の存在が残り、物語は透龍とワンダー・オブ・Uの厄災へ接続する。

関連項目

- ドクター・ウー- 東方密葉- 広瀬康穂- 東方定助

- 豆銑礼- アウェイキング・IIIリーブス- TG大学病院- ロカカカ