JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 8 / 人物

八木山夜露

やぎやまよつゆ

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 8最終話まで

# 八木山夜露八木山夜露は、第8部『ジョジョリオン』に登場する岩人間であり、人間社会では建築家として活動する。東方邸、東方フルーツパーラー、杜王スタジアムの設計へ関わり、社会的な実績を築く一方、田最環のロカカカ組織に所属する。吉良吉影空条仗世文が奪ったロカカカの枝を追い、二人から生まれた東方定助を始末するため東方家へ侵入する。

触れた相手へ特定の物体を集中させるスタンド「アイ・アム・ア・ロック」と、身体を岩へ変える体質を使う。定助へ岩人間の存在とロカカカをめぐる敵対関係を初めて示し、物語を記憶探しから果実の争奪へ接続する人物である。

基本情報

夜露は男性型の岩人間である。自称28歳だが、身分と名前を人間から奪っているため、年齢を含む戸籍上の情報が実年齢を表すとは限らない。職業は建築家で、2010年に東方邸の建築を担当する。東方フルーツパーラーの店舗と、杜王スタジアムの改修にも関わる。

好きな飲み物はチェリーコークとされ、マンゴーへアレルギーを持つ。本人は最も欲しいものを社会的地位だと語り、東方家の財産を奪う意図も示す。岩人間として人間社会の外から来た彼にとって、建物と肩書は社会の内部へ自分の場所を作る手段になる。

外見

夜露は細身で、肩まで伸びる直線的な黒髪を持つ。前髪は短く、黒い目には小さな三角形の光が入る。頭には葉を組み合わせた冠のような装飾を付け、首元には「H」の文字を備えた留め具を置く。腕、腹部、脚は金属の突起が並ぶ暗色の素材で覆われる。

短い上着と花柄のゆったりした下衣を重ね、腰には小さな袋を下げる。人工的な建築素材を思わせる突起と、植物や岩を連想させる模様が同居し、建築家と岩生物という二重の立場を表す。

性格

夜露は野心が強く、目的のため人質、拷問、偽装をためらわない。康穂の呼吸を封じてスタンドを引き出し、つるぎには岩病を治せる果実を見せて定助を罠へ誘わせる。無関係な人物を傷つけることで脅しが本気だと示すため、定助からも悪質な敵だと見抜かれる。戦闘では状況を将棋の局面へたとえ、相手の選択肢を減らして詰ませる考え方を好む。

自分が隠した発動条件と岩への擬態へ強い自信を持ち、敵が不利な配置へ入ったと判断すると優位を言葉で確認する。一方、追い詰められて情報か生存かを選ばされると、組織の秘密を渡すより最後の攻撃を選ぶ。大年寺山愛唱とは一定の信頼関係があり、家屋の解体に巻き込まれそうな彼を起こし、恋人の裏切りを知らせている。岩人間の反社会性を持ちながら、すべての仲間を道具としか見ない人物ではない。

盗まれた名前と建築家の身分

夜露は名を持たない岩人間として生まれ、後に実在する若者の「八木山夜露」という身分を奪う。本人が元の八木山をどのように排除したか、詳しい経緯は示されない。取得した身分で建築を学び、設計者として実績を積む。東方邸の構造を知ることは、ロカカカ組織にとって東方家へ接近する大きな利点になる。

地下室、壁、震災で生じた亀裂、海岸へ続く経路を利用できるため、夜露は住人より家の死角を理解している。東方家は自分たちの生活を守る家を彼へ依頼したが、その設計者が後に侵入経路と罠を使って家族を襲う。建築家としての仕事と犯罪組織の活動は別々ではなく、空間を把握して人へ近づく同じ能力の表裏である。

常敏との関係

夜露は東方常敏と大学時代から面識があったとされる。後に常敏をロカカカ組織へ誘い、果実の売買へ関与させる。常敏は長男つるぎの岩病を治すためロカカカを必要とし、東方フルーツパーラーの事業を世界へ広げる野心も持つ。夜露にとって常敏は東方家の土地、果樹、流通へ入る窓口になる。

常敏にとって夜露は、通常の医療では治せない家族の病へ果実を提供できる裏社会の接点になる。二人の協力は友人関係だけでなく、互いの目的を満たす取引によって維持される。夜露の死後、定助が組織の存在を追うことで、常敏が家族へ隠していた関係も徐々に明らかになる。

ロカカカ組織での立場

夜露は田最環を中心とする密輸・売買グループの一員である。仲間には大年寺山愛唱、エイ・フェックス兄弟らがいる。組織は南方から運ばれたロカカカを富裕層へ販売し、等価交換の効果から利益を得る。夜露は常敏を顧客兼協力者へし、建築の仕事を通じて杜王町の土地と施設へ根を張る。

2011年8月19日、吉良吉影と空条仗世文が接ぎ木用の枝を奪うと、夜露は田最とともに二人を拘束する。吉影たちが反撃して逃げた後、田最の命令で追跡を続ける。エイ・フェックス兄弟が仗世文へ倒される場面を目撃するが、直後の地震と津波によって捜索を中断する。

定助を狙う理由

地震後、吉良吉影と仗世文は壁の目付近で融合し、記憶を失った定助として生存する。夜露は定助が二人の一部を受け継ぎ、ロカカカの秘密と組織へつながる「死に損ない」だと知る。定助が記憶を取り戻せば、奪われた枝、取引相手、仲間の正体が明るみに出る可能性がある。そのため夜露は定助を再び殺し、吉影と仗世文から続く問題を終わらせようとする。

夜露の言葉は定助へ過去の断片を与えるが、どの発言も敵の威圧を含むため、そのまま全事実として受け取れない。定助は戦いながら、夜露が自分の以前の姿を知ることと、謎の果実を所持することを確認する。

つるぎの利用

夜露は東方家の長男が十歳前後で岩病を発症することを知っている。つるぎへロカカカを犬に食べさせる実験を見せ、病を治せる果実だと信じさせる。岩病の進行を恐れるつるぎは、父と夜露の関係を家族へ隠し、定助と康穂を罠へ導く。夜露は子供の不安を利用するが、つるぎには東方家を救う側が自分たちだと説明する。

この誘導により、つるぎは家族を守る行動と他者を傷つける行動を同じものだと考える。夜露の最期の言葉も、正しい行動をしたのはつるぎだとする内容であり、東方家と定助の不信を残そうとする。

康穂への襲撃

夜露は東方邸地下の秘密空間へ入り、眠っている広瀬康穂を襲う。目から透明で柔軟な膜を出して顔へ密着させ、呼吸を妨げる。能力の由来が岩人間の生理かアイ・アム・ア・ロックかは、作中で確定しない。康穂が危機へ反応してペイズリー・パークを出すと、夜露はスタンドを捕らえて性質を観察する。

康穂は紙をバナナの形へ折り、つるぎのペーパー・ムーン・キングによる認識操作を利用して夜露を転倒させる。夜露は割れたガラスへ倒れ、康穂が膜を切る間に姿を消す。この攻防で夜露は康穂を人質として使えると判断し、後の海岸で定助を誘い出す餌にする。

アイ・アム・ア・ロック

アイ・アム・ア・ロックは、夜露が触れた対象へ指定した種類の物体を引き寄せる近距離型スタンドである。引力は単に周囲の物を落とすのではなく、鉢、栗、農薬容器など同じ分類の物体を標的へ集中させる。加速した物は衝突時に大きな破壊力を持ち、砕けた破片や内容物も標的を襲う。夜露自身へ岩を集め、周囲の泡や障害物を破壊する使い方もできる。

能力を発動するには夜露が相手へ触れる必要があり、定助は足へ触れられた後に植木鉢と栗の集中を受ける。引き寄せる物の種類を戦場に応じて選べるため、建物、果樹園、海岸の環境がそのまま武器になる。能力名と岩への擬態は似ているが、物体を集める効果と岩人間の体質は分けて理解する必要がある。

岩人間としての体質

夜露は身体の表面を岩へ変え、周囲の岩石と見分けられない状態で静止できる。この形態では長時間動かず、休息しているように見せながら待ち伏せる。海岸では岩の集まりへ溶け込み、キング・ナッシングで康穂の匂いを追う定助と憲助を不意打ちする。身体の構造は人間より変化しやすいが、皮膚呼吸を完全に失うと崩壊する弱点を持つ。

憲助は水中で夜露の身体が急速に傷む様子から、少量でも皮膚を通じた呼吸が必要だと推測する。夜露は岩になれるから水へ強いわけではなく、岩と人の中間にある生理が戦いの決着を作る。

定助・憲助との戦い

夜露は地下室から康穂を連れ出し、震災で生じた亀裂を通って海岸へ向かう。定助と憲助はキング・ナッシングで康穂の匂いを追跡する。夜露は海辺の岩へ擬態して待ち、定助へ触れて農薬の容器を引き寄せる。容器が割れて薬剤が皮膚へ入れば致命傷になるため、定助はソフト&ウェットの大きな泡で夜露を包む。

夜露は自分へ岩を集中させて泡を割り、脱出に成功したと考える。しかし定助の目的は夜露を倒すことではなく、泡で海へ近い位置まで運ぶことだった。定助は追加の泡で夜露を水中へ押し込み、憲助が海岸の網を使って浮上を妨げる。

最期

定助は水中の夜露へ、ロカカカと仲間の情報を話せば引き上げると迫る。夜露は組織を売る選択をせず、最後までアイ・アム・ア・ロックで反撃する。皮膚呼吸を絶たれた身体は岩の構造を保てなくなり、海中で崩壊する。死の間際には、定助が東方家から裏切られると告げ、つるぎの行動が正しいと言い残す。

夜露の袋から見慣れない果実が浮かび、潮に流される。定助と憲助は果実の正体と組織の全体像を得られないが、夜露が人間ではないこと、果実が東方家の病へ関係することを知る。敵を倒しても謎が解決せず、より大きな流通網が背後へ残る決着である。

物語上の役割

夜露は『ジョジョリオン』で最初に岩人間の正体を明確に見せる敵である。それまで定助の問題は自分が誰かという個人的な謎だったが、夜露の登場で吉良吉影と仗世文が犯罪組織から追われていた過去へ広がる。建築家として東方家へ入り込む設定は、岩人間が怪物の姿で隔離されず、人間の職業と信用を利用して暮らす存在だと示す。アイ・アム・ア・ロックは、周囲の物を標的へ集めることで、日常空間を逃げ場のない攻撃へ変える。

夜露自身も社会的地位、東方家の財産、ロカカカを自分へ集めようとし、能力と欲望が対応する。海での死は一人の敵を排除するが、ロカカカ組織と常敏の秘密を残し、次の調査へ進む起点になる。

関連項目

- 東方定助- 広瀬康穂- 東方つるぎ- 四代目東方憲助

- 東方常敏- アイ・アム・ア・ロック- 岩人間- ロカカカ組織