ジョジョ
じょじょ
ネタバレ範囲: Part 1からPart 9の主人公と家系
# ジョジョジョジョは、『ジョジョの奇妙な冒険』で各部の主人公を結び付ける呼称である。基本形は名前と姓の双方に含まれる「ジョ」の音を重ねた愛称で、ジョナサン・ジョースターやジョセフ・ジョースターが分かりやすい例となる。シリーズが続くにつれて綴り、読み方、姓の位置、世界線は変化し、作中で実際に愛称として呼ばれる頻度にも差が生まれた。
現在は個々の人物の通称だけでなく、歴代主人公をまとめる作品内外の概念として広く用いられている。
言葉の基本構造
初代主人公Jonathan Joestarは、名と姓の頭文字がどちらもJになる。日本語では「ジョナサン」と「ジョースター」の冒頭を取り、「ジョジョ」と短縮できる。二代目Joseph Joestarも同じ構造を受け継ぎ、家名と主人公名を結び付ける仕掛けが明確になった。三代目以後は姓が先に来る日本名、綴りの異なるイタリア名、別世界線の名前まで対象が広がる。
二つの「ジョ」に相当する音や文字を見いだせることが、歴代主人公を同じ称号へ束ねる基本原理である。
作品名との関係
題名の『ジョジョの奇妙な冒険』は、一人の人物だけを指す固定タイトルではない。世代交代後も「ジョジョ」を引き継ぐ人物が主人公となるため、家系の物語を継続しながら舞台と時代を変えられる。Part 1ではジョナサン個人の愛称だった語が、Part 2以後は主人公の座を継承する印へ変わった。スタンド、舞台、敵組織が変わっても、ジョジョと呼べる主人公が物語の中心に立つ。
呼称そのものが、アンソロジー形式と大河的な家系物語を両立させる接着点になっている。
誕生の経緯
荒木飛呂彦と初代担当編集者の椛島良介は、新連載の主人公名と作品名を打ち合わせた。同じ頭文字が連続する名前は覚えやすく、Steven Spielbergのような反復するイニシャルを参考にしたと説明されている。名前は力強い響きを持つジョナサン、姓はジョースターとなり、J・Jの主人公が成立した。打ち合わせ場所としてファミリーレストランのデニーズが語られる一方、店名「ジョナサン」から主人公名を取ったという説は本人たちに否定されている。
都市伝説と制作証言を分けると、名称は音の反復と記憶しやすさを狙った設計だったと分かる。
ジョナサン・ジョースター
Part 1のジョナサンは、作中で友人から「ジョジョ」と呼ばれる最初の人物である。英国貴族の跡取りとして育ち、ディオ・ブランドーとの対立を通じて波紋法を学ぶ。彼の名と愛称が作品タイトルへ直結するため、最も狭い意味の「ジョジョ」はジョナサンを指す。紳士であろうとする姿勢、家族を守る意志、次世代へ命をつなぐ結末が後の主人公像の基礎となる。
ジョースター家の血統と「ジョジョ」という呼称は、この一人から同時に始まった。
ジョセフ・ジョースター
Part 2のジョセフは、ジョナサンの孫であり、同じJ・Jの構造を持つ。祖母エリナや仲間からジョジョと呼ばれ、愛称の継承が世代交代を読者へ明確に伝える。力を受け止めて戦う祖父に対し、策、演技、逃走、先読みを組み合わせる戦い方を選ぶ。人格が大きく異なってもジョジョになれることを示し、シリーズを単一の英雄像から解放した。
Part 3とPart 4にも登場するため、複数世代のジョジョを直接つなぐ案内役でもある。
空条承太郎
Part 3の空条承太郎は、日本語表記の姓「空条」と名「承太郎」にそれぞれ「ジョウ」「ジョ」の音を含む。ローマ字の頭文字はJ・Jではないが、読みの構造によってジョジョの条件を継承する。作中では母ホリィが承太郎をジョジョと呼ぶ場面があり、家族内の愛称として成立している。スタープラチナを操る承太郎の登場により、シリーズの中心能力は波紋からスタンドへ移行した。
Part 4、Part 5、Part 6へ関わり、後輩主人公を支える歴代ジョジョとして長い活動期間を持つ。
東方仗助
Part 4の東方仗助は、姓の「東方」にある「じょう」と、名の「仗助」を特殊に読んだ「じょ」を結び付けられる。名前の「助」は通常「すけ」だが、ジョジョという主人公記号を成立させるための文字遊びが含まれる。ただし本編で周囲が日常的に彼をジョジョと呼ぶわけではなく、通常は仗助と呼ばれる。この段階から「ジョジョ」は必ずしも会話上の愛称ではなく、主人公を分類するメタ的な称号としての比重を増す。
血統上はジョセフの息子で、承太郎の叔父に当たるという世代のねじれも特徴である。
ジョルノ・ジョバァーナ
Part 5のGiorno Giovannaは、イタリア語表記で名と姓がともに「Gio」の音から始まる。日本語ではジョルノ・ジョバァーナとなり、二つのジョを自然に取り出せる。英字ではJ・JではなくG・Gだが、発音は歴代の呼称へ接続する。ディオの息子でありながらジョナサンの肉体を通じて生まれたため、敵の血とジョースターの血を併せ持つ。
血統の単純な父系継承ではなく、意志と音の構造によってジョジョの主人公性を受け継ぐ人物である。
空条徐倫
Part 6の空条徐倫は、姓の空条と名の徐倫から二つの「ジョ」を構成する。父は承太郎で、シリーズ初の女性主人公としてジョースター家の物語を引き継ぐ。徐倫自身は幼い頃、父にジョジョと呼んでほしいと考えていたことを語る。愛称への願いは、疎遠だった父とのつながりを求める感情と重なる。
Part 6の結末は第一世界線の歴史を大きく変え、「ジョジョ」が同じ宇宙だけに縛られない段階へ物語を進める。
ジョニィ・ジョースター
Part 7のJohnny Joestarは、第二世界線でJ・Jの形式へ戻った主人公である。本名はジョナサン・ジョースターで、ジョニィはその愛称に当たる。第一世界線のジョナサンと同名要素を持つが、十九世紀米国の元騎手であり、経歴も人格も別である。下半身不随から回転とタスクを学び、大陸横断レースを通じて再び歩く力と生き方を獲得する。
同じ名を再配置しながら別人物を作ることで、「ジョジョ」は反復と差異を示す名称になった。
東方定助
Part 8の東方定助は、Part 4の仗助と同じ読みの名を与えられた別世界線の人物である。東方の「じょう」と定助の名からジョジョの音を構成できる。記憶を失った状態で発見され、複数人物の身体と記憶が等価交換で結び付いた出自を探る。ジョースター家と東方家の双方へつながるが、単一の血統や一人分の過去へ還元できない主人公である。
「自分は誰か」という問いを通じ、ジョジョという継承名に個人の同一性をめぐる主題を加えた。
ジョディオ・ジョースター
Part 9のJodio Joestarは、名と姓がJで始まり、発音にもジョの反復を持つ。ハワイで暮らし、兄ドラゴナらと共に富を得るための仕事へ関わる。「大富豪になる物語」を自ら語る主人公で、ジョースター家の系譜と島の社会を新しい起点にする。連載中の人物であるため、最終的な成長や家系上の役割は未確定である。
九人目のジョジョとして、呼称が現在進行形で更新されている。
作中の愛称と読者側の総称
歴代主人公全員が、作中人物から同じ頻度でジョジョと呼ばれるわけではない。ジョナサンとジョセフは会話中の愛称として目立つが、後の主人公は個人名で呼ばれる場面が多い。したがって「ジョジョと呼ばれた回数」を主人公資格の条件にはできない。題名、姓名の音、血統または物語上の継承、公式企画での扱いを合わせて判断する語である。
読者や公式イベントが「歴代ジョジョ」と呼ぶ場合は、各部の中心主人公を横断する総称となる。
血統だけでは決まらない
ジョースター家にはジョジョと呼ばれない家族も多数いる。逆にジョルノのように家系が複雑な人物や、定助のように融合した出自を持つ人物も主人公へ含まれる。姓がジョースターであれば自動的にジョジョになるわけではない。各部の視点人物として奇妙な冒険を担い、名称上の反復を持つことが重なる必要がある。
血の継承は中心的な主題だが、意志、選択、役割も同じほど強く主人公たちを結ぶ。
世界線を越える対応
Part 1からPart 6までと、Part 7以後は同一人物がそのまま転生した関係ではない。ジョナサンとジョニィ、仗助と定助には名前や意匠の対応があるが、別の歴史を生きる独立した人物である。「ジョジョ」という総称は両世界線を横断できても、個別の経歴を混ぜてはならない。第二世界線は第一世界線の設定を単純に置換せず、家系と名前を材料に新しい因果関係を作る。
対応関係を楽しむ際にも、部、時代、世界線を明示すると人物情報を正確に整理できる。
シリーズを束ねる役割
九人のジョジョは、性格、国籍、性別、職業、戦闘方法が大きく異なる。共通するのは一種類の技ではなく、自分の置かれた状況で選択し、受け継いだものを次へ変える行動である。同じ呼称を使うことで、差異の大きな各部を一つのシリーズとして認識できる。一方で同じ英雄の反復にはせず、毎回「この人物は何を受け継ぎ、何を変えるのか」を問い直す。
ジョジョとは愛称であり、題名の主語であり、世代と世界を越えて主人公を更新するための仕組みなのである。