01来歴

誕生と青年期
シーヴ・パルパティーンは82 BBYに惑星ナブーの貴族パルパティーン家の長男として誕生する。若年期に父コサック・パルパティーンとの確執を抱えつつ、後にダース・プレイガス・ザ・ワイズの弟子となり、シス卿ダース・シディアスを名乗るようになる。この前史は小説『Darth Plagueis』で詳細に描かれ、現行設定でも基本的な人間関係は公式年表に整合する。
ナブー危機
32 BBY、表ではナブー選出の元老院議員、裏ではダース・シディアスとして二重生活を送るパルパティーンは、通商連合(Trade Federation)にナブー封鎖を実行させる。その対応の遅さを口実に、最高議長フィニス・ヴァローラムへの不信任案を組織する。ナブー女王パドメ・アミダラの議会演説でヴァローラムは罷免され、パルパティーン自身が新最高議長に選出される。
最高議長就任
最高議長就任後の10年間、パルパティーンはダース・シディアスとして元ジェダイ・マスターのドゥーク伯爵をダース・タイラナスとして弟子とし、独立星系連合(CIS)を組織させる。同時にカミーノでジャンゴ・フェットを鋳型としたクローン軍を、サイファ・ディアス(Sifo-Dyas)の名義で密かに発注し開戦準備を完了させる。この暗躍は『クローンの攻撃』で描かれる。
クローン戦争
22 BBY、ジオノーシスの戦いで共和国軍がクローン軍を初投入しクローン戦争が勃発する。3年に及ぶ戦争のあいだ、パルパティーンは最高議長として議会から非常大権を次々と引き出し、共和国軍とCISの両側から銀河規模の戦線を同時に動かす。アニメ『クローン・ウォーズ』ではモール兄弟の脅威やアソーカ・タノの追放など、シディアス計画の周辺出来事が多数描かれる。
オーダー66とジェダイ粛清
19 BBY、パルパティーンはアナキン・スカイウォーカーを『ダース・プレイガスの悲劇』の話で誘惑し、マス・ウィンドゥ率いるジェダイ4人の捕縛行を返り討ちにして『無限の力だ!』と叫び正体を暴く。続けてオーダー66を発令し、全銀河のクローン部隊が指揮下のジェダイを一斉に処刑する。ジェダイ・テンプル襲撃はアナキン=ヴェイダーに任せる。これらは『シスの復讐』で描かれる。
帝国宣言と恐怖支配
ジェダイ・オーダー壊滅と同時に、パルパティーンは元老院本会議で『安全』と『安定』のため銀河共和国を銀河帝国へ改編すると宣言し、初代銀河皇帝に就任する。パドメ・アミダラが『自由は万雷の拍手とともに死ぬ』と呟くこの瞬間が、共和国終焉のシーンとして引用される。以後はモフ・タルキンやヴェイダーを従え銀河を恐怖支配し、その治世は『反乱者たち』『ローグ・ワン』でも描かれる。
エンドアの戦いと死
『新たなる希望』冒頭でデス・スターが完成し、『帝国の逆襲』ではホログラム経由でヴェイダーに『ルークを暗黒面に引き入れろ』と命じる場面で本格登場する。4 ABY、『ジェダイの帰還』では建造中の第二デス・スターの玉座の間でルークの転向を図るが失敗し、フォース・ライトニングでルークを処刑しようとした瞬間、父ヴェイダーに掴み上げられリアクターシャフトへ投げ落とされて死亡する。
エクセゴルでの復活と消滅
『スカイウォーカーの夜明け』で、パルパティーンはクローン技術により未知領域の惑星エクセゴル(Exegol)で復活し、シス・エターナルを率いる隠れ艦隊『ファイナル・オーダー』を準備していた事実が明かされる。孫レイをシスの女皇に据えるため招き寄せるが、最終決戦でレイがフォース・ライトニングを反射し、シディアスは再び消滅する。
後年作品への影響
エンドア後の銀河を描く『マンダロリアン』『アソーカ』では、パルパティーン本人は基本的に登場しないが、エクセゴルでのクローン計画やシス・エターナル、モフ・ギデオン陣営の遺伝子実験として、シディアスの長期計画が継続している事実が直接または間接に提示される。前史を扱う『バッド・バッチ』では復活実験『プロジェクト・ネクロマンサー』が描かれる。
02能力・特徴

- フォース暗黒面の最高峰たるシスの暗黒卿。ジェダイに悟られぬまま銀河を半世紀以上操り、フォース・ライトニングをシリーズ随一の象徴的な技として操る。
- ライトセーバー戦闘はForm VII(Juyo/Vaapadの暗黒面派生)を用い、マス・ウィンドゥら4人のジェダイやヨーダとの一騎打ちでシス最高位の戦闘技術を見せる。
- 政治弁論と長期計画に長け、元老院議員から皇帝までを民主的手続きの範囲内で達成し、ジェダイを内側から合法的に解体する設計図を25年単位で遂行する。
- クローン技術と意識転移を研究し、肉体崩壊を見越してエクセゴルに復活の備えを敷く。死後35年を経た復活は、師プレイガスの『死を超える』教えと接続する。
- 『ルール・オブ・ツー』に基づき、モール・ドゥーク・ヴェイダーと弟子を計画通りに使い捨て、局面ごとに据え替える長期運用を最大の特徴とする。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

「力だ!無限の力だ!」と叫びフォース・ライトニングを放ち、マス・ウィンドゥの捕縛行に対し正体をアナキンに見せつける(『シスの復讐』)。
「銀河共和国は銀河帝国に改編される」と宣言する元老院演説。パドメの『自由は万雷の拍手とともに死ぬ』と並ぶ共和国終焉の象徴シーン。
「ダース・プレイガスの悲劇を聞いたことはあるかね?」とオペラ・ハウスでアナキンに語る、誘惑が静かに決定的に進む対話シーン。
「Do it.」の一言でマス・ウィンドゥを窓から落とさせる、アナキン暗黒面転向の決定的瞬間で最も引用される単台詞の一つ。
第二デス・スターの玉座の間でルークを誘惑し、フォース・ライトニングで処刑しようとして父ヴェイダーに投げ落とされる(『ジェダイの帰還』)。
06制作背景

実写作品でパルパティーンを演じるのは、スコットランド出身の舞台俳優イアン・マクダーミド(Sir Ian McDiarmid、1944年生)である。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身の古典演劇俳優で、『ジェダイの帰還』のリチャード・マーカンド監督が舞台での悪役表現を見て皇帝役に起用した。撮影時38歳ながら特殊メイクで80歳前後の老人として造形され、演技と声が高く評価されて以降の全作品で本人が継続起用された。『帝国の逆襲』公開当初の皇帝ホログラムは声をクライヴ・レヴィル、顔をエリン・ベイカーが担当していたが、後年のBlu-ray版でマクダーミド撮影のフッテージに差し替えられた。
『ジェダイの帰還』の老人化メイクは、ヨーダやチューバッカの造形でも知られる特殊メイク・アーティスト、スチュアート・フリーボーン(Stuart Freeborn、1914–2013)が担当し、シリコンプロステーゼスを多層に重ねて深く落ちた目元と頬骨を造形した。プリクェル期の最高議長は素顔で、シス露見後の老人化メイクはニック・ダドマン(Nick Dudman)が引き継いだ。シス・ローブなどの衣装はコスチューム・デザイナーのトリーシャ・ビガー(Trisha Biggar)が手掛け、議長期の赤紫系ローブから純黒ローブへ色味を段階的に落とす設計で政治家から皇帝への移行を視覚化し、2006年エミー賞にノミネートされた。
製作はルーカスフィルムで、実写映画では『ジェダイの帰還』のリチャード・マーカンド、プリクェル三部作を手掛けた原作者ジョージ・ルーカス、『スカイウォーカーの夜明け』のJ・J・エイブラムスの4監督が演出した。エイブラムスはクリス・テリオと共同脚本を執り、パルパティーンをエクセゴルでクローン復活させる最終章を主導している。2012年の買収以降の配給はウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズが担う。音楽のジョン・ウィリアムズは『ジェダイの帰還』で皇帝専用主題「The Emperor's Theme」を、『帝国の逆襲』で「Imperial March」を作曲し、前者は男性合唱と低弦による擬似聖歌調の不気味なライトモチーフとして暗黒面の宗教性を象徴する。
アニメ作品では時期により声の担当が異なり、『クローン・ウォーズ』はイアン・アバークロンビー(2008–2012)、その逝去後はティム・カリーが引き継ぎ、『反乱者たち』S2以降はマクダーミド本人、『バッド・バッチ』『テイルズ・オブ・ザ・ジェダイ』ではダース・モール声優としても知られるサム・ウィットワー(Sam Witwer)が演じる。デイヴ・フィローニがこれらアニメ作品でシディアスの長期計画を実装し、映画間の年表を縫合した。実写の共演者にはドゥーク伯爵役クリストファー・リー、マス・ウィンドゥ役サミュエル・L・ジャクソン、ヨーダ声のフランク・オズ、ダース・モール役レイ・パーク、パドメ役ナタリー・ポートマン、レイ役デイジー・リドリー、タルキン役ピーター・カッシング、ヴァローラム役テレンス・スタンプらがいる。
07評価・考察

パルパティーン/ダース・シディアスは、『民主主義の手続きの内側から独裁に到達した政治家』としてサーガに描かれ、『良いシステムでも誰かが乗っ取る』というプリクェル三部作のテーマの中心人物に位置づけられる。銀河共和国の元老院議員から最高議長、皇帝へと合法的に昇りつめる過程は、外的な征服ではなく制度の腐敗によって自由が失われる寓話として機能する。
『シスの復讐』の『ダース・プレイガスの悲劇』の場面は、キャラクターを倫理的に転向させる完全な台詞として脚本段階から設計されたことで知られる。プレイガスの『死を超える』研究という設定は正史小説『Darth Plagueis』で詳細化され、後年もエクセゴルでの復活計画と直接接続される構造を保つ。師を殺して独立し、自らも死を超えて復活するという円環が、シディアスというキャラクターの一貫した主題となっている。
シディアスは戦闘力ではなく政治力と長期計画で銀河を掌握する『政治家としての悪役』の原型であり、剣戟の英雄譚であるサーガに知略型の敵という異質な軸を持ち込んだ。弟子を局面ごとに使い捨てる非情さと、孫レイに血統を継がせようとする執着が、恐怖支配の裏にある個人的な欲望を描き、9部作全体の因果を締めくくる存在として機能する。
08トリビア
- イアン・マクダーミドは『ジェダイの帰還』撮影時38歳で、特殊メイクで20歳以上年上の皇帝を演じた。素顔の議長期とシス卿期を一人で演じ分ける稀有な継続性となった。
- 『帝国の逆襲』公開当初の皇帝ホログラムは声クライヴ・レヴィル、顔エリン・ベイカーが担当したが、後年のBlu-ray版でマクダーミド撮影の映像に差し替えられた。
- アニメの皇帝役は4世代体制で、イアン・アバークロンビー、ティム・カリー、マクダーミド本人、そしてダース・モール声優のサム・ウィットワーが時期ごとに担当した。
- 「The Emperor's Theme」の男性合唱の歌詞は実在言語ではなく、暗黒面の宗教性を表す音響効果として設計された、意味を持たない疑似ラテン語である。
- サム・ウィットワーはシディアスと、その最初の弟子ダース・モールの両方を演じており、『シス師と最初の弟子』を同一俳優が兼任する珍しい体制が成立している。
09よくある質問
実写では舞台俳優イアン・マクダーミドが全作品で演じている。アニメでは時期によりイアン・アバークロンビー、ティム・カリー、サム・ウィットワー、本人が分担する。
はい。公の顔が元老院議員から皇帝となる『シーヴ・パルパティーン』、裏の顔がシスの暗黒卿『ダース・シディアス』で、『シスの復讐』で両者が劇中初めて統合される。
『ルール・オブ・ツー』に従い、ダース・モール、ドゥーク伯爵、ダース・ヴェイダー=アナキンの順に一人ずつ据え替えた。自身の師はダース・プレイガスである。
エンドアの戦いで第二デス・スターの玉座の間からヴェイダーにリアクターシャフトへ投げ落とされて死亡する。35年後にエクセゴルでクローン復活するが、孫レイとの戦いで再び消滅する。
シーヴ・パルパティーンの孫娘で、『スカイウォーカーの夜明け』で血縁が明かされる。パルパティーンの息子と無名の女性の娘であり、エクセゴルで彼を討つ最終の打ち手となる。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Emperor Palpatine
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Darth Sidious
- StarWars.com 公式: Star Wars: The Rise of Skywalker
- IMDb: Ian McDiarmid
- Wookieepedia: Sheev Palpatine
- IMDb: George Lucas
- IMDb: J.J. Abrams
- IMDb: Richard Marquand
- IMDb: John Williams
- IMDb: Sam Witwer
- IMDb: Ian Abercrombie
- IMDb: Tim Curry
- IMDb: Hayden Christensen
- StarWars.com 公式: Star Wars: The Phantom Menace
- StarWars.com 公式: Star Wars: Attack of the Clones
- StarWars.com 公式: Star Wars: Revenge of the Sith
- Wookieepedia: Darth Sidious