メディア / 映像各話
2011年版 第132話
2011年版アニメ第132話「センコウ×ト×ハツドウ」を解説。メルエムの円、記憶回復、プフとの競争、パームとイカルゴの逃走を整理する。
2011年版アニメ第132話「センコウ×ト×ハツドウ」は、2014年6月4日に放送されたキメラ=アント編の一話である。原作No.308からNo.309前半を映像化し、宮殿へ戻ったメルエムが侵入者狩りを始める。
復活した王の円は光のような速度で宮殿全体へ広がり、対象の形だけでなく感情まで読み取る。討伐隊は隠れる時間を失う一方、プフとユピーは王がコムギを思い出すまでの時間を稼ごうとする。

第132話で光子の円を発動するメルエム 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

王の円に捉えられるナックル 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

パームたちが王から隠すコムギ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

宮殿侵入後に別々の役割を担うナックルとパーム 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 2011年版TVアニメ |
|---|---|
| 話数 | 第132話 |
| 副題 | センコウ×ト×ハツドウ |
| 放送日 | 2014年6月4日 |
| 原作対応 | No.308〜No.309前半 |
西塔で欠けた記憶
メルエムはプフとユピーを伴い、コムギと軍儀をしていた西塔へ戻る。部屋に入ると大切な何かが欠けている感覚を覚えるが、名前も姿も思い出せない。
プフは王が記憶を取り戻さないことへ安堵し、ユピーへ合図を送る。二人にとってコムギは王の判断を人間側へ傾ける存在であり、忘れた状態を守りたい。
プフは選別の遅れと、宮殿前へ集まる国民を鱗粉で催眠する必要を説明する。王の注意を国家運営へ戻し、部屋の違和感から遠ざけようとする。
ユピーがピトーの名を口にすると、王の記憶が一部反応する。視覚だけでなく言葉も記憶を戻す引き金になると分かり、プフは発言を慎重に選び始める。
メルエムはピトーへ何かを命じた記憶までたどり、直ちに連れて来るようユピーへ命じる。コムギの治療という核心へ近づくほど、護衛軍の隠蔽は破綻へ近づく。
護衛軍へ迫る正直な回答
王は自分で侵入者を狩ると決めるが、プフは制止する。合理的な理由を示せず感情的に止めたため、メルエムは何かを隠していると察する。
強大なオーラを解放し、正直な答えを要求する。プフはコムギの存在を明かさず、王こそ究極の存在であり危険を冒す必要がないと答える。
この返答は忠誠の言葉であると同時に、質問への直接回答を避けている。王は護衛軍が秘密を持つと確信するが、その内容までは分からない。
ユピーはプフほどコムギを憎んでいないが、王のため隠すという判断には従う。二人の足並みはそろって見えても、秘密への感情と許容できる手段は違う。
護衛軍が守ろうとするのは王の生命だけではない。「王は人間に影響されるべきでない」という理想像であり、本人の記憶と希望を隠す矛盾を抱える。
光子の円が捉えた二人
メルエムが円を発動すると、無数の光子が宮殿一帯へ瞬時に広がる。従来の円のように範囲へ触れた位置を知るだけでなく、粒子から対象の状態を詳細に読む。
ナックルとメレオロンは王のオーラを感じ、戦える相手ではないと判断して退却しようとする。ハンター協会へ直ちに危険を知らせなかった判断も悔やむ。
しかし逃げるより早く王が到達し、ナックルを一撃で気絶させる。メレオロンも神の不在証明を使う前に倒され、透明化へ入る隙を与えられない。
ナックルが意識を失うと、プフへ付いていたポットクリンも消える。王は二人を殺さず西塔へ運び、残る侵入者の情報を得るため捕虜にする。
発動の「閃光」と敵を捉える行動がほぼ同時に起きるため、能力を見てから対策する時間がない。復活前の王と比べても、探索と移動の速度が別段階へ達している。
秘密を賭けた競争
メルエムが残る二人を追おうとすると、プフは再び時間を求め、標的を誰が先に見つけるかという競争を提案する。
プフとユピーはピトーを探し、王は残る念能力者二人を探す。プフは国民へ鱗粉を撒く仕事も理由に、開始までの猶予と条件を求める。
王は面白いとして受けるが、自分の円は一度だけ使うという制限を認める。圧倒的に有利な能力を自ら縛り、護衛軍の提案を遊戯へ変える。
さらに王は、護衛軍が負ければ隠していることをすべて話すよう条件を加える。勝てば秘密を守ってよいとし、忠誠心を強制的な尋問ではなく勝負で試す。
プフは分身を集めて本体へ戻り、ユピーへピトーを王へ近づけないよう指示する。競争は捜索戦であると同時に、コムギの記憶を封じる最後の時間稼ぎとなる。
コムギを運ぶパーム
王が宮殿へ戻る中、パームは意識のないコムギを抱えて逃げる。コムギが見つかれば王の記憶が戻ると理解し、人間側の最後の交渉材料として守る。
淋しい深海魚でキルアを見ると、彼は変わり果てたゴンを抱えて歩いている。長く伸びた髪と傷を見て、目を離していた間に重大なことが起きたと知る。
パームはゴンのもとへ向かうか、コムギを守るかで迷う。感情ではゴンを追いたいが、王と護衛軍の状況を変えられる人質を優先する。
地下へ続くシャッターへ到着すると、イカルゴと合流する。二人はビゼフが使っていた部屋へコムギを隠し、追跡から遠ざける。
宮殿戦の開始時には別々の任務だったパームとイカルゴが、情報と保護対象を共有する。生き残った討伐隊員が、その場で役割を組み替える場面である。
開始された時間競争
王は一度しか円を使わない約束を守り、残る二人を別の方法で探す。プフたちはその一回が使われた後の時間を利用して、ピトーとコムギの情報を消そうとする。
プフにとって勝利条件はピトーを見つけることだけではない。王が先にパームとイカルゴへ到達し、コムギの居場所や記憶を得る前に秘密を処理する必要がある。
ユピーはピトーの帰還を待つ役を担うが、薔薇の毒が体内で進行している。護衛軍は王の記憶だけでなく、自分たちの生存期限とも競争している。
王は秘密の内容を知らないまま、護衛軍が必死になる様子そのものから価値を測る。軍儀で培った読みが、相手の目的を隠した競争にも働く。
第132話の発動は新能力の披露で終わらない。閃光の円が戦力差を確定させた直後、誰が先に情報へ到達するかという知略戦へ局面を移す。
補足と位置づけ
復活後の王はプフとユピーの能力の一部を取り込み、以前になかった性質を得ている。光子の円は範囲の広さだけでなく、粒子へ触れた対象の感情や状態まで読むため、遮蔽物の中へ隠れる従来の対策が通じない。
ナックルは王のオーラを感じた時点で、戦闘継続より協会への報告を優先すべきだったと理解する。討伐隊の目的は敵を全員倒すことではなく、人類へ危険の規模を伝えることでもあり、現場判断の遅れを自覚する。
メレオロンの能力は発動中なら王の知覚からも消える可能性があるが、息を止める準備より王の移動が速い。能力の性能が高くても、認識して発動するまでの時間を奪われれば防御にならない。
王が二人を殺さず捕らえたのは、残る侵入者と失われた記憶へつながる情報を求めたためである。力の差を示すための処刑より、秘密を埋める手掛かりとして敵を扱うようになっている。
プフの競争提案は王の遊戯心を利用する。正面から行動を禁じれば疑念を強めるが、勝負の形にすれば自発的に円を制限させられる。コムギとの軍儀で生まれた王の変化を、プフが隠蔽のため逆用する。
パームの淋しい深海魚は、王の円と異なる遠隔観察である。選んだ対象を水晶で追えるが、同時にすべてを見られない。コムギを運ぶ間にゴンの変化を見落とした事実が、能力者の注意配分の限界を示す。
イカルゴが確保した地下経路とビゼフの部屋は、宮殿側の私的な構造を人間側が利用する例である。正面の階段や塔を王が掌握しても、支配者の秘密の通路までは同じ目的で管理されていない。
記事の読みどころ
王が一度の円でナックルたちを捕らえた結果、プフはポットクリンから解放される。ナックルの貸付オーラを返済させる長期戦は、能力者本人の気絶で終わる。護衛軍を破産させる計画が、王の一撃によって条件ごと消える。
プフは国民の選別という本来の任務を時間稼ぎへ使う。大量催眠は王国維持に必要だが、今この瞬間にはコムギの記憶を隠す猶予を得る口実でもある。一つの作業が忠誠と私的な恐れの両方へ利用される。
ユピーは王の命令へ従いながら、プフの合図を読み秘密を守る。言葉にすれば王へ感情を読まれる危険があるため、護衛軍同士の非言語の連携が増える。しかし王の円は感情まで読むため、その手段も安全ではない。
位置づけ
競争へ勝てば秘密を守ってよいという王の条件は、護衛軍の忠誠を一方的に否定しない。隠蔽を疑いながらも、二人が自分のために行動していることは理解している。その配慮がプフへ最後の猶予を与え、同時に敗北時の告白を逃れられなくする。勝負を提案したプフ自身が、王の設定した敗北条件へ最も強く拘束される。主導権は提案直後に王へ戻っている。秘密の重さもすでに十分露呈している。
2011年版 第132話が残したもの
第132話で討伐隊の正面戦闘は成立しなくなる。ナックルとメレオロンは能力を使う前に倒され、生き残ったパームとイカルゴはコムギを隠す情報戦へ移る。
プフが恐れるのは王の敗北ではなく記憶の回復である。護衛軍の忠誠は、本人が求める真実を隠してでも理想の王を守ろうとする段階へ達する。
王は圧倒的な力を持ちながら競争の規則を受け入れる。軍儀によって学んだ勝負と条件の感覚が、秘密を抱える護衛軍を追い詰める道具になる。
