本文へ移動
ANNA MOVIESHUNTER×HUNTER

世界 / 組織・集団

キメラ=アント

暗黒大陸を原産とする検疫レベル1の危険生物。女王が食べた生物の形質を子へ伝える摂食交配で増え、女王・王・王直属護衛軍・師団長からなる軍隊型の階級を築く。

No.417まで対応更新 2026.08.13

キメラ=アントは、暗黒大陸を原産とする極めて危険な昆虫で、検疫レベル1に指定されている。食べ物を注意深く選ぶ性質から「グルメアント」とも呼ばれ、旺盛な食欲をもち、一日で自分の体重の数倍を平らげる。選り好みとは裏腹に捕食は徹底しており、好んだ餌の種を食べ尽くして絶滅させてしまうことも珍しくない。原作では第186話TVアニメ2011年版では第76話が初登場にあたる。

群体は軍隊に似た指揮系統をもち、頂点の女王のもとに王直属護衛軍師団長、兵隊長、戦闘兵と雑務兵が並ぶ。女王は摂食交配と呼ばれる独自の繁殖法で、食べた生物の形質を次の世代へ受け渡す。人間を食べて生まれた個体は言葉を話し、機械を扱い、念を使う素質まで備える。NGLに流れ着いた巨大な女王が産んだ群体は東ゴルトー共和国を乗っ取り、住民を選別する計画に着手した。しかし敵対した個体はハンター協会討伐隊に全滅させられ、残った個体は人間との共存を受け入れた。

基本情報

キメラ=アントの基本情報
初登場原作第186話。TVアニメ2011年版では第76話。
原産と生息域暗黒大陸を原産とし、検疫レベル1に指定されている。生息域は人間の暮らす世界と暗黒大陸。
別称グルメアント。食べ物を注意深く選ぶ性質に由来する。
繁殖方法女王のみが行う摂食交配。食べた生物の形質を次代へ伝え、一度の食事で最大5個の卵を産む。
階級構成上から女王、王直属護衛軍、師団長、兵隊長、戦闘兵と雑務兵。王が生まれると護衛軍は王に付き従い、王と護衛軍は巣を離れて独自の領土を築く。巣を作る段階では建築蟻も産まれる。
構成員・メンバーキメラ=アントの女王と、その子である王メルエム。王直属護衛軍はネフェルピトー、シャウアプフ、モントゥトゥユピーの三体。師団長格ではザザンとレオルの名が確認できる。ほかにコルト、ヂートゥ、ブロヴーダ、メレオロン、ウェルフィン、イカルゴ、ラモット、パイク、ヒナ、フラッタ、バロ、ペル、コバーン、シドレ、オロソ兄妹などがいる。人間から作られた混成体にはパーム=シベリアが含まれる。
目的・役割・活動兵隊は女王の食料を確保し、女王は繁殖に専念して最終的に王を産む。王の務めは他種の雌と交わって次代の女王を残すこと。護衛軍は世界征服の第一段階として人間を念に目覚めさせる「選別」を、第二段階として混成兵の軍による「統一」を計画した。
女王の体長通常は女王でも10センチメートルを超えない。出自の分からないまま海岸に打ち上げられ、NGLに巣を築いた女王は身長2メートル超まで成長した。
脅威度この女王が産み、王メルエムが率いた群体による危機を受け、ハンター協会はキメラ=アントをBレベルの脅威に分類した。

組織の概要

生息域は人間の暮らす世界と暗黒大陸の双方に及ぶ。通常は女王であっても体長10センチメートルを超えない。ただし出自の分からないまま海岸に打ち上げられ、NGLに巣を築いた女王は、身長2メートルを超える大きさまで成長した。この女王が産んだ群体と、その王メルエムが率いた事態が招いた危機を受け、ハンター協会はキメラ=アントをBレベルの脅威に分類した。

食性は極端で、一日のうちに自分の体重の数倍を食べる。特定の種の遺伝子を最大限に取り込むため、その餌の種が生態系から消えるまで食べ続けた例も知られている。人間はとりわけ栄養価の高い餌で、ザザンは念を使える人間を「レア」と呼び、通常の人間千人分の栄養価があると見積もった。

繁殖法の特異さから、世代ごとの隔たりは著しい。前の世代との間では臓器や血液の提供が成り立たないほどで、同じ世代の個体同士にも大きな遺伝的差異がある。差は外見に表れ、餌となった生物と蟻の混成という姿になる。混ざる相手は女王が何を食べたかで決まる。昆虫以外の遺伝子をもつ個体も多くは節足動物の脚を残しており、どのような形質を備えても最終的には昆虫である。

摂食交配と生物としての性質

摂食交配は女王だけがもつ繁殖法で、食べることによる繁殖を意味する名を与えられている。女王が他の生物を食べると、その形質は次に産む世代へ伝わる。蝶を食べれば子は蝶の翅をもって生まれることがあり、一度の食事で複数の種を食べれば、子はその複数種の遺伝子と形質を併せもつ。女王は一度の食事で最大5個の卵を産める。

餌が人間だった場合、生まれる個体は野生動物から生まれた個体より知能が高い。その差の程度には幅があるが、力も強く、言葉を話し、学習し、銃器のような機械を操作でき、念を使う素質まで備える。位の高い兵隊蟻は生まれつきオーラが見える。一方、より原始的な個体は自然との親和性の高さゆえか、オーラを見ないまま感じ取れる。

身体の頑丈さも際立つ。頭部が切り離されても、その頭が無傷であれば丸一日は生き延びる。ただし人間の遺伝子をもつ個体には当てはまらないことがあり、女王自身も息子に複数の臓器を破壊されて死亡した。他の生き物と同じく呼吸は欠かせず、その方法は個体の遺伝子によって異なる。

通常のキメラ=アントがどのように意思を伝え合うのかは分かっていない。女王は高い知能をもつが、餌にした種は子の精神と伝達能力を左右する。人間並みの知能をもつ個体なら理解できる複雑な概念を、表現できない個体も出る。人間の遺伝子をもって生まれた兵隊蟻の一部は、話す能力を得ながらテレパシーも保っていた。

人間の遺伝子を受け継いだ個体は、遺伝物質の元になった人物に起きた出来事を思い出すことがあり、自分はその人物の生まれ変わりだと考える個体もいる。生まれた直後から話せたのは、この記憶による。元の人間の人格も程度の差はあれ影響し、多くは以前の名前を覚えている。すべてを思い出す例もあれば、記憶が潜在的なものにとどまる例もある。コアラ型は、摂食交配を経ても人間の魂が生き残るためにこうしたことが起きると考えている。

構成とメンバー:階級と指揮系統

群体は軍隊に似た指揮系統をもつ。頂点の女王は、自分の代わりに食料を調達できる兵隊を十分な数だけ産むまで、自ら狩りに出る。兵隊蟻はより大きく強い餌を狩って女王に与え、女王はそれによってさらに強い兵隊を産める。その間、女王は巣に適した場所を見つけるまで移動を続け、場所が定まると建築蟻の群れを産み、泥と糞で巣を作らせる。

兵隊が増えると、女王は配下を三つの階級に分ける。数は強さと権限に反比例し、最も強いごく少数が師団長、大多数の弱い個体が戦闘兵と雑務兵、ある程度強い残りが兵隊長となる。兵隊長は戦闘兵や雑務兵より上、師団長より下に位置する。その後、女王は師団長より上、女王自身より下に立つ精鋭として、王直属護衛軍を少数だけ産む。

護衛軍を産む準備に入ると女王の食欲は急激に増し、この時点で兵隊の産出は止まる。食欲は王を身ごもっている間に頂点に達する。王が生まれると護衛軍は女王への忠誠を完全に捨てて王に仕え、師団長は再び女王の直属へ戻る。王と護衛軍は巣を出て自分たちの領土を築く。王の務めは他の種の雌と交わって次の世代の女王を産ませ、種の存続を確かなものにすることにある。女王は死ぬまで護衛軍と王を産み続け、この過程を繰り返す。

女王が死ぬと、まず師団長から、次に指揮系統の崩壊にともなって兵隊長へと広がる形で、配下は王を模倣する存在となり、巣を離れて自分の領土を征服し子孫を残そうとする。一部は護衛軍を模倣する側に回り、女王の生前に仕えていた上位の個体へ仕え続ける。NGLを制圧した巨大な女王は、三体の護衛軍が育つ羊膜嚢を背に載せた別の型の蟻も産んだ。女王の死後、少なくとも一人の師団長は自分の師団を組み替え、兵隊長を少数の師団長補佐と、より多数の下位の隊長に分けた。

構成員の類型と人間由来の個体

個体の姿は、女王が何を食べたかによって決まる。女王蟻はキメラ=アントの女王、コンドルはコルト、ワニはワニ型カマキリカマキリ型、ペンギンはペギー、カメはカメ型、雄牛はビホーン、パンダはコグマ型、チーターはヂートゥ、ロブスターはブロヴーダ、サソリにワニへの変身を加えた例はザザン、カメレオンはメレオロン、蚊は蚊女ムカデムカデ男、コアラはコアラ型、クモはパイク、ウサギはヒナ、トンボはフラッタ、アルマジロはバロ、サイはサイ型にあたる。

さらに、猫がネフェルピトー、蝶がシャウアプフ、正体の分からない魔獣がモントゥトゥユピー、狼がウェルフィン、カブトムシが小甲虫型ペル、カミキリムシがカミキリムシ型、ヘビがヘビ型、フクロウにゴリラへの変身を加えた例がホロウ、タコがイカルゴ、水生動物がオロソ兄妹、コバンザメがコバーン、サメがサメ型、蟻がシドレ、鱗のある魚がパーム=シベリアとなる。複数種が混ざった例では、タコとイカがタコ型、ウサギとモズがラモット、ヘビと馬の半人半獣がユンジュ、爬虫類と魚がギョガン型、ゴリラとカニがゴリラ型、ミイデラゴミムシとフンコロガシがゴミムシ型である。

護衛軍はさらに、生きた人間をキメラ=アントの混成体に変えることで、まったく新しい兵士の種類を作り出した。そのうち一体は感情と記憶を切り離され、実験兵士として扱われた。ある師団長も似た能力を示したが、その手で作られた混成体は念能力を得られなかった。

巨大な女王が人間の遺伝子をもつ兵隊を産み始めると、その子らは強い個性を帯びるようになった。それは名前を求めるという要求として最初に現れ、女王はこの概念に強い関心を示した。女王がNGLの犯罪者をたびたび食べたため、配下の多くは残虐になり、遊びのために人間を狩り、拷問し、殺した。人間の自我の強さは内部の対立を生み、長い目で見れば指揮系統を損なった。女王の死で巣の階層が崩れた後、人間由来の蟻の一部は王に仕えた。こうした振る舞いがキメラ=アントにとって異例なのかどうかは分かっていない。

発生と繁殖の過程

キメラ=アントの一生は卵から始まる。卵は女王が住処の天井から吊り下げ、孵化した個体は成体の姿で現れ、そのまま女王のために働ける。繁殖の中心はあくまで女王である。

女王が死んだ場合、雄の兵隊蟻は群体から離れて王を模倣する存在となり、他の種の雌と力ずくで交わって新しい世代の蟻を産ませようとすると報告されている。巨大な女王の群体では、女王が繁殖能力を失って重傷を負った段階でこの動きが始まった。兵隊たちは女王がまもなく死ぬと判断し、その見立ては正しかった。雌の兵隊蟻が他種の雄と繁殖できるのかは不明で、自分の群体を作ろうとした唯一の例であるザザンは、母のように卵を産まず、尾針と念能力で人間をキメラ=アントの混成体に変えた。

「選別」は、メルエムに仕える護衛軍が人間並みの知能と念の知識を得たのちに考え出した兵士の生産法である。人間を操作して自分のオーラを制御させ、別の人間を打たせる。狙われた人間は念の技を身につけるか、死ぬ。生き延びた者はシャウアプフが作る特別な繭に包まれ、人間とキメラ=アントの混成体に変えられる。

役割・活動・歴史

巨大で傷を負ったキメラ=アントの女王がNGLの海岸に打ち上げられ、そこから群体の歴史が始まる。女王は最初コウモリ、魚、カニを食べて兵隊蟻を産んだ。人間二人を食べたあとは、人間を優先的な食料に定めた。女王はNGLのさらに奥の住処へ移り、その間、配下は膨大な数の人間を狩って旺盛な食欲を満たした。

メルエムが生まれると、大半の蟻は自分の王国を築こうとして女王のもとを離れ、一部は人間の側に降った。新しい土地を探る蟻たちは幻影旅団を含む人間と衝突し、ハンター協会は討伐者を送り込んだ。メルエムと護衛軍は東ゴルトー王宮に居を構え、同国の最高指導者から国の実権を奪う。権威主義的な統治を利用して市民を集め、選別を進めた。元師団長の何人かは最終的にメルエムに仕えることになった。東ゴルトー共和国へ送られた討伐隊は敵対する蟻を全滅させ、一方で残った蟻は人間との平和な共存を受け入れた。

「選別」は護衛軍が立てた計画で、世界征服の第一段階に位置づけられていた。東ゴルトー王宮に入り込んだ護衛軍は、同国の指導者を操って十日後に首都ペイジンで強制集会を開くと告知させた。高齢者や病者、公務員も含め、国民は一人残らず参加を強いられる。全人口が集まったのち正午から、ネフェルピトーの操作系能力で人形の拳にオーラを集め、市民を一人ずつ打って念を強制的に目覚めさせる段取りだった。

兵士として使える身体と精神を備えた生存者は繭に入れられ、人間と蟻の混成体となって念能力を得る。狙いは王の食料の質を上げることと、強力な軍を作ることの二つにあった。選別すべき人数が多いため、ネフェルピトーは集会の10日前から東の国境を起点に首都へ向かって作業を始めていた。しかしキルア=ゾルディック、続いてモラウ=マッカーナーシノヴの妨害を受け、この遠隔での選別は5,000体の混成体を生んだ時点で中断された。王宮前で行う予定だった選別の本体は、ついに実施されなかった。

第二段階の「統一」は、選別で作った5万の念能力をもつ混成体の軍で、人間が暮らす領海内のすべての国を征服する構想だった。ただしメルエムはコムギに心を動かされ、生きるに値する少数の人間は不当な欠乏を強いられずに将来の王国で生きられるようにすると決めた。さらにアイザック=ネテロの奮闘と力に感服し、自我をもつ人間は食料に適さない種だと認め、人間が永住できる特別な保護区を設け、食べる人間の質と量を慎重に選ぶ方針を立てた。毒を受けていなければ実行に踏み切ったかどうかは、その迷いのために判断が難しい。選別が完了せず、メルエムと護衛軍も死んだため、統一計画は始まらなかった。

その後の経緯と語られていること

ジン=フリークスチードル=ヨークシャーとの会話で、ネテロが自爆したとき100隻のハンター協会の飛行船が東ゴルトーへ向かったと語った。この動きは十二支んにも大半のハンターにも知らされていなかった。ジンがこれを把握できたのは、協会のパイロットや整備士と親交があったからである。飛行船で向かったハンターたちは、キメラ=アントが残していった人獣の混成体の繭を約5,000体分回収した。

のちにジンは暗黒大陸探検隊の拠点に現れ、パリストン=ヒルと対峙する。ジンは、暗黒大陸をめぐるビヨンド=ネテロの挑発にハンター協会がどう応じるかによって、パリストンが5,000のキメラ兵を送り込む可能性があると推測した。

公式データブックには、種名の英字表記に誤植が残っている。人間だった部分の記憶を明確に語る個体は複数いる一方、動物だった部分の記憶を意識して保っていることが示されたのはレオルとイカルゴだけである。TVアニメ2011年版では、カイトが物語の後半で巨大な蟻の個体群と出会う前に、カキン帝国で通常のキメラ=アントの巣を壊す描写が加えられている。

宿主となった生物の形質を受け継ぐという繁殖の形から、ファンの間ではキメラ=アントを映画『エイリアン』のゼノモーフと比べる声がある。摂食交配には、現実の生物学でいう遺伝子の水平伝播という対応物がある。これは通常の生殖とは別の経路で遺伝物質が生物の間を移動する現象で、主に単細胞生物の間で起こる。

サイト内検索

百科事典・主要解説を検索

入力すると候補が表示されます。