人物
パリストン=ヒル
パリストン=ヒルは、ハンター協会の第12代副会長と第13代会長を務めた三ツ星ハンター。十二支んでは子(ね)を名乗り、脱退後はビヨンド=ネテロの暗黒大陸探検隊で動く。
パリストン=ヒルは、ハンター協会の三ツ星ハンターで、第12代副会長と第13代会長をいずれも務めた。十二支んでは子(ね)の暗号名を持ち、のちに自ら申し出て脱退している。第13代会長選挙を描く選挙編では、二人の主要な敵役のうちの一人として物語の中心に立つ。会長の座を得た直後に辞任し、以後はビヨンド=ネテロが組織した暗黒大陸探検隊に身を置く。
笑みを絶やさず、思考も動機も読ませない態度で知られる。愛するものを壊すことに快感を覚え、憎まれることを喜ぶ性格で、十二支んの大半から嫌われている。ジン=フリークスとは互いに苛立ちながら競い合う関係にあり、暗黒大陸探検隊では最終的にジンへナンバー2の座を明け渡した。ハンター協会に残った十二支んのサイユウは、第412話で、パリストンを介してビヨンド側の内通者になっていることが示される。ビヨンド本人はその事実を把握していない。

パリストン=ヒル 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

十二支んの会議に出席するパリストン

会長選挙で駆け引きを進めるパリストン
基本情報
| 所属・役割 | ハンター協会の三ツ星ハンター。第12代副会長と第13代会長を務めた後、ビヨンド=ネテロの暗黒大陸探検隊に加わる。十二支んは前歴にあたる。 |
|---|---|
| 初登場・登場媒体 | 原作は第234話で間接的に言及され、第319話で初登場。映像化作品は2011年版 第99話で言及され、2011年版 第137話で初登場。 |
| 状態 | 生存。会長を辞した後もビヨンド=ネテロの探検隊に身を置いている。 |
| 十二支んでの立場 | 子(ね)の暗号名で十二支んに所属し、ジン=フリークスとともに脱退を申し出て承認された。 |
| 能力・関係 | 念系統も戦闘力も明かされていない。副会長時代に築いた協会内の影響力、ジン=フリークスとの因縁、私有するキメラ=アント5,000匹が特徴となる。 |
| 第13代会長選挙の得票 | 1回目249票、2回目251票、3回目と4回目が258票、5回目274票、6回目272票、7回目293票。8回目で2位となり、レオリオ=パラディナイトとの決選に進んだ。 |
| ビヨンド陣営との関係 | サイユウはパリストンを介してビヨンド側の内通者になっており、ビヨンド本人はその事実を把握していない。 |
人物像
パリストン=ヒルは三ツ星ハンターであり、ハンター協会の第13代会長と第12代副会長をともに歴任した元役員である。十二支んには子(ね)として加わり、現在は脱退している。第13代会長選挙を扱う選挙編では、二人の主要な敵役のうちの一人として描かれた。現在の所属はハンター協会とビヨンド=ネテロの暗黒大陸探検隊で、十二支ん、協会第12代副会長、第13代会長はいずれも前歴にあたる。
外見はやや長めの濃いブロンドの髪に茶色の目。大きく明るい笑みでも知られる。参照資料が指摘するとおり、十二支んの他の多くの構成員と違い、彼は自分が担当する動物に似せて外見を変えることをしない。代わりに、常に上質なスーツとネクタイをまとった姿で現れる。
ジン=フリークスの見立てでは、パリストンの性格はアイザック=ネテロやジン自身に近い。勝ち負けに関心を持たず遊ぶことを好むため、行動が読めない。明るい笑顔を崩さないので、考えていることも動機も計算しづらい。この態度だけで十二支んは苛立ち、とりわけチードル=ヨークシャー、カンザイ、クルックの反発が強い。極めて狡猾で、最も愛しているものを壊すことに快感を得る。ジンに対しては苛立ちと楽しさを同時に抱いている。これまで誰かを憎んだことはほとんどないが、ひどい仕打ちは平気で行う。憎む相手に自分が何をするのか興味を持っており、その位置には今ジンがいる。自分に害をなした相手には厳しい罰を好む。
重大な事態も遊戯として扱う傾向があり、第13代会長選挙もその一つに数えられる。会長の座を勝ち取ると、彼はあっさりチードルへ譲って辞任した。私的な遊び場として、繭に包まれたキメラ=アント5,000匹を抱えてもいる。予測不能さ、狡猾さ、うさん臭さ、他人の忍耐と気性を試す振る舞いのために、十二支ん全員と協会内の多くのハンターから、ジン以上に嫌われている。モラウ=マッカーナーシは、パリストンのような薄汚い鼠に投票するくらいなら死んだ方がましだと言い放った。ネテロも彼には我慢がならず口論が絶えなかったが、追従するだけの副官では退屈だという理由から、その存在を容認していた。
作中での動向
パリストンがハンターになったのは、ビヨンド=ネテロの暗黒大陸行きに備えるためだった。ネテロの死の3年前、彼は協会副会長へ任じられ、あわせて十二支んに加えられる。任命の理由の一つは、ネテロがパリストンに挑まれることを楽しんでいた点にあった。副会長時代の彼は、協会の事業面を取り仕切っている。
その3年間に18人のハンターが行方不明となり、年平均6人に達した。就任前の年平均0.6人と比べて突出した数字で、失踪者にはジンも含まれている。ほかにも、自ら設立した人材派遣会社の資金が個人口座から見つかる不祥事があった。本人はこれを協会強化のための予備資金だと説明し、すべて誤解だと主張している。派遣会社と副会長という立場を組み合わせることで、彼は組織への強い掌握力を手にした。依頼の審査を担う委員会を影から動かし、自分の支持者だけに仕事を回す権限も得ている。
キメラ=アント編では間接的に名前が挙がる。ヂートゥの捕縛に失敗したのはハンター協会がリアッケを送らなかったためで、モラウがこれに腹を立てた場面が該当する。ノヴは、副会長が委員会を操って、次の会長選挙で自分に投票する者にだけ仕事を割り振らせているのではないかと推測した。モラウは、有権者の目に映るネテロの信用を損なうため、パリストンが蟻の駆除任務を妨害しているのではないかと疑う。犠牲者が増えるほどネテロの威信は下がる、という読みである。
第13代会長選挙での動向
パリストンが初めて姿を見せるのは、次期会長を決める十二支んの会合である。彼はそこで立候補を表明し、選挙を省略することを提案した。会合では、ミザイストム=ナナが、パリストンの任期中に行方不明のハンターが10倍に増えたと指摘する。パリストンは、それは自分が会長に選ばれれば必ず減る不運だと応じた。怒ったミザイストムは殴りかかろうとするが、ジン=フリークスが会長選への出馬を宣言する声を聞いて手を止める。パリストンはジンに、息子のゴン=フリークスが危篤だと告げ、見舞うべきか迷うと語った。ただし、その後にゴンが死んでしまえば時間の無駄になると案じてみせる。ジンは、ゴンは死なないと言い切った。
続いてパリストンは、選挙の規則を決めるための体系的な手順が必要だと言い出す。チードルは、十二支んの各自が最良と考える規則を書き、くじ引きで選ばれた一つに全員が従う方式を提案した。くじを引く役はマーメン=ビーンズに決まる。ビーンズがジンの案を引き当てて読み上げると、パリストンは規則1から4までしか認めないと述べた。
第13代会長選挙の1回目投票で、パリストンは249票を集めて1位となった。ただし条件を満たさず、再投票となる。2回目は2票増やして251票で再び1位に立つものの、投票率が95%に届かず、選挙はやり直しになった。この2回を踏まえ、十二支んは無効票と棄権者について協議する。パリストンは、無効票を防ぐため投票前にビーンズが用紙を確認すること、棄権者はハンター証を没収することを提案した。カンザイは、無効票や棄権が出るのはパリストンを会長にしたくないからだと指摘する。パリストンは、大多数の有権者はそう考えていないと返し、カンザイの頭の程度を揶揄した。これに怒ったカンザイが殴りかかろうとするが、ほかの十二支んに止められる。最終的に十二支んは彼の提案を受け入れた。採決の前、チードルに問われた彼は、証を没収されたハンターも投票権自体は失わないと明言している。
3回目の投票でパリストンは258票を得たが、棄権者が増えたため、規則違反として彼らのハンター証を没収することが決まった。これを見た彼は、証の没収だけで足りるのかと疑問を呈し、十二支んが全ハンターを集めて講習を開き、選挙の重要性を示すべきだと提案する。全ハンターを前にした演説では、投票を促し、思うところがある者は立って発言してよい、少数意見も見下されることはないと呼びかけた。そこでレオリオ=パラディナイトがマイクを取り、自分の考えを述べる。4回目の投票でもパリストンは258票、5回目は274票、6回目は272票を獲得した。7回目にはそれまでで最多の293票を集めるが、ほぼ同じ頃、テラデイン=ニュートラルがヒソカ=モロに殺害されている。
8回目の投票が始まると、残る4人の候補者に、なぜ会長になりたいのかを全員へ説明する機会が与えられた。8回目を終えたパリストンは2位となり、レオリオと一騎打ちで会長の座を争うことになる。会長に就任した彼が即座に退いたことで、十二支んは再び驚かされ、ジンでさえ予想していなかったと口にした。退くにあたって彼はチードルに、ハンター十ヶ条とハンター試験を見直すよう勧め、協会を退屈なものにするなら本当に手玉に取ると脅している。
王位継承編とビヨンド陣営での立場
王位継承編では、ビヨンド=ネテロと9人の追随者がいる部屋にパリストンの姿がある。十二支んの会合では、チードルが、彼がジンとともに十二支んからの脱退を申し出て、自分がそれを承認したと告げた。のちにジン=フリークス自身が暗黒大陸探検隊の拠点へ現れる。パリストンが参加するのかと尋ねると、ジンはキメラ=アント5,000匹を送り込めと命じた。さらにジンは、もうパリストンの好きにはさせないと告げて挑む。パリストンがジンは自分の側につくはずだと自信を見せると、ジンは一人で遊びたいと答えた。パリストンはその後、V5の意向に沿ってハンター試験で人員を集めるというチードルの方針に反対し、ネテロなら同じ道は選ばなかったと否定する。前会長ならV5の承認を得ないまま暗黒大陸へ渡り、着いた先で息子を追い詰めただろう、というのが彼の見方である。
そのうえで彼は、それこそがハンター協会のあるべき姿ではないかと問いかけた。さらにジンに対し、自分が本当に組織を壊そうとしているのか、まず動機の面から証明してみせろと求める。ジンは、協会が従うならパリストンはキメラ=アントと人間の混血5,000体を解き放ち、従わないなら彼らにハンター試験を受けさせて協会員にするだろうと答えた。読み切られたパリストンは驚き、悲しんでみせながらも、ジンを許すと述べる。続けて、人は愛し愛されることに幸せを感じるものだが、自分は憎まれることに幸せを感じ、愛するものを傷つけたくなると語った。それがそれほど奇妙かと問うと、ジンは規格外だと答えている。ジンがマリオネにこの部屋で最上位の人物かと尋ねた際には、それは自分だとパリストンが返した。マリオネより弱いと示唆されたときには、侮られたと感じている。ジンから、その気になれば容易に殺せる、笑うのをやめさせるには精神を折る必要があると言われても、彼は表情を変えなかった。ジンが計画に手を加えるつもりはなく、約束された報酬を倍にして支払うと宣言した場面でも、パリストンは口を挟まずに見ていた。異存はあるかと問われるとないと答え、ジンがナンバー2に就くことは集団にとって大きな利点だと述べる。緊張の後、彼はビヨンドから報酬を受け取っていないというジンの推測を認め、そのためジンも彼には支払わないことになった。
ジンがドン=フリークスの記した暗黒大陸の二つの手記と5大厄災について説明する間、パリストンは黙って聞いていた。ジンがゴンと電話で話している間、一行は彼の金を受け取る側と受け取らない側に分かれ、パリストンは受け取る側についた。ジンが、パリストンは副会長の座をネテロの権限を抑えつつ自分の力を伸ばすために使っていたと解き明かすと、彼は考え方の近さに苛立ち、初めて誰かを憎むことになるのかと内心で考え、それを楽しみだと認める。チーム全員に自分の存在を知らせてほしいというジンの要望には応じた。1か月後、パリストンはジンに、ハンター試験へ送り込んだ潜入者が全員見破られて失敗したと伝える。原因は自分の後任の十二支んにあるらしいという。ミュヘルが現れると、彼はジンに引き合わせようとするが、二人はすでに面識があった。
ミュヘルは、クラピカが自分たちの脱出計画に気づいていても不思議はないと述べる。パリストンは笑みを浮かべ、ビヨンドを解放する計画などないと答えた。ビヨンドは暗黒大陸へ着いてから自力で脱出し、そのうえで合流しなければならないという。ミュヘルはジンが加わる動機を疑い、裏切る可能性を指摘する。パリストンは彼を弁護しようとするが、手下たちはジンの同席を認めず、ジンとパリストンのどちらがチームを去るのか決めろと迫った。ジンとミュヘルの話し合いの後、パリストンが姿を見せ、ビヨンドの追随者全員に自分の資金を提供できるようになったと告げ、ジンが正式にナンバー2になったと宣言する。
サイユウは実際にはビヨンド側の人間で、ハンター協会にとっての裏切り者にあたる。ただしパリストン元副会長を経由してビヨンドの仲間になった経緯から、ビヨンド自身は彼が味方であることを知らない。ビヨンドの監視には十二支んのサッチョウも付いていたが、拘束室では継承戦10日目と11日目に姿が見当たらない。第1層・最高裁判官室の最高裁判官クレアパトロは、サイレントマジョリティーでのロベリーの件で初登場し、次いでベンジャミンとカミーラの裁判に裁判官として現れた。センリツの味方をしているカイザルが勤める司法省は、行政・司法・立法のうち司法と付くため司法機関に見えるが、実際には日本の法務省にあたり、検察などが在籍する、法を運営する行政の機関である。最高裁判官であるクレアパトロは司法の側の人間で、両者は上司関係にはあたらない。それぞれ国のエリートではあるが、行政と司法に分かれて属している。
能力・特徴・関係
ハンター協会副会長だった期間、パリストンの権限は会長に次ぐもので、同僚である十二支んをも上回っていた。実際の影響力は役職の範囲を大きく超えている。彼は依頼の審査を担う委員会を握っており、アイザック=ネテロですらそこへの影響力は限られていた。加えて派遣会社を通じておよそ200人の派遣ハンターを動かし、自身の人望も相まって、選挙の開始時点でハンター全体のおよそ3分の1の支持を得ていた。ごく短期間だけ務めた会長職の間にも、協会内での権威はさらに高まっている。三ツ星ハンターという地位は、彼の功績の大きさと相当な個人資産を裏づけるものである。
彼はまた、ビヨンド=ネテロが作った探検隊で長年にわたり第2位の立場にあり、ビヨンドの追随者をハンター協会へ入れる工作を取り仕切っていた。名目上の権限をジンが引き継ぐまで、その役目は続く。事業家としての手腕があり、本人の弁によれば交渉の仲介にも長けている。一方で、戦闘者としての実力は謎のままである。しばしば自分は弱いと口にするが、ジンがマリオネをビヨンドの追随者のうち最強だと断じたときには、侮っていると抗議した。十二支んの一員だった頃にはネテロの組み手相手を務めており、暗黒大陸への遠征に加えるだけの力があるとビヨンドにも見なされていた。
感知の面では、ゴンを治療しているナニカのオーラを、レオリオが捉えられなかったのに対し、パリストンは感じ取っている。脚力にも見るべきものがある。参照資料では、武装した念能力者3人が発砲するより早く、彼らとのあいだにかなりの距離を作ったと記される。階段を駆け下りながら、背を向けたままジンと平然と話しつつ、銃弾をかわしてもいる。
第13代会長選挙で、彼は8回目を除くすべての回で首位に立った。もっとも、初めから大きな優位を持っていたことも確かである。その優位は、ネテロにも十二支んにも止められないまま、副会長として過ごした3年間にハンター協会を操作して築いたものだった。ジンがレオリオに出馬の座を譲ったときには、彼は即座に好機を見抜き、レオリオの友人たちがゴンを救うのを待つ。会長になる動機を失わせるためである。選挙での最後の一手は、次のハンター試験まで引き延ばし続けるだろうというジンの予測が当たっていたことも示した。手続きの巧みさでは自分より上だと彼自身が認めるチードルを含め、対立候補たちを繰り返し出し抜き、突然の退位ではジンさえ驚かせている。ビヨンドの追随者をハンター協会へ送り込んだ首謀者も彼だった。他人を自分のペースに引き込むことに長けている点でも知られる。
念については、プロハンターである以上、相応の使い手であることは間違いないと参照資料は述べる。ジンの練を前にしても動じなかったことから、纏も当然使えるはずだという。ただし念系統そのものは明かされていない。
継承戦の時系列と念講習会
パリストンの名が挙がるカキン王位継承編の場面は、次の時系列の中に置かれている。継承戦が終わらない場合について、クラピカはホイコーロ一族が陥落すると推測している。第2回念講習会が行われるのはこの時間帯で、その後の正午からハルケンブルグの葬送が始まり、遺体が第3層から第2層へ運ばれるタイミングで、ボークセンがモレナ一味にさらわれる。つまり第2回念講習会は、特殊戒厳令が出される前の出来事にあたる。2日前の継承戦10日目、火曜日には第1回念講習会が終了しており、この時点で残る参加者は全員が念に覚醒していた。
前日の11日目、水曜日の朝には、まずハルケンブルグとバルサミルコが人格を交換し、カイザルが司法省の情報網から得た暴露情報の手紙を、フウゲツが各王子とオイト王妃へ渡した。クラピカのもとにも同じ手紙が届いている。ハルケンブルグの肉体は12日目に入ったばかりの深夜に死亡し、バルサミルコの肉体に入ったハルケンブルグの人格が朝8時にベンジャミンへ電話し、朝9時から第2回念講習会が始まった。第1回の終了後に暴露情報の手紙が王子たちへ渡り、ハルケンブルグの肉体が死亡し、そのうえで第2回が開かれたという順序になる。手紙のために各王子側は、ほかの王子が自分の情報を握っているのではないかと疑心暗鬼になっており、第2回念講習会はその緊張した状況の中で行われた。第2回では、第2王子の兵隊長サラヘルが講習会に参加してきた。第1回に来ていなかった第2王子側の人間が現れたことで、クラピカは強く警戒し、何か仕掛けてくるとほぼ確信する。目立つ行動を取っていたスラッカは、第3王子チョウライの警護をしている第2王妃所属の警護兵である。ただしこのときは第1王妃ウンマの命令で、ワブル王子の警護サポートとして第3王子の警護兵とともに1014号室に付いていた。クラピカは王子ではないが、センリツからフウゲツを経て手紙を受け取っていたため、オイト王妃へ二つのことを伝えている。すでに死亡している第10王子カチョウの従事者も、第2回念講習会に参加していた。
指導係は3名で、第13王子護衛のハンター協会員ベレレインテ、第1王子警護の私設兵ヒュリコフ、第14王子ワブルの警護をしながら第1王子の私設兵でもあるバビマイナが務める。指導係3名と念を開花させた7名の計10名が、前回から続けて参加した。ハルケンブルグの警護兵たちは、ハルケンブルグが死亡を偽装したことで念自体は10日目までに開花していたが、今回は参加していない。結果として、指導3名、念開花7名、新人8名の合計18名が第2回念講習会に加わった。第4王子護衛のギッパー伍長は、もともと下層でモレナの捜索任務に就いており、ボークセンと交代する形で王子居住区へ上がってきた人物である。第7王子護衛で第2王妃所属のガトーとハピエッチの2人は、前回から参加している第2王妃兵隊長サトビの部下にあたる。この2人は、第1王子の私設兵が近くで見せた不審な行動の謎を探る際にも名前が挙がっていた。
第13王子従事者のナイペイは、8日目の第1回晩餐会で踊りを披露するため1013号室の別空間から抜け、以後は本物の1013号室にいた人物である。最も注目されるのは第2王子兵隊長サラヘルで、兵隊長でありながら従事者になりすまして講習会に加わっている。第2王子の私設兵たちの能力は死後の呪いで、時間をかけて王子を呪い殺すため、除念師が天敵となるからである。継承戦の時間制限をめぐる説明では、選択肢のない場合に誓約と制約は成り立たないとされていた。セレモニー会場では、ずっと姿を現さないとされてきた第5王子ツベッパの念獣も、このセレモニーで初めて現れている。411話では、ベレレインテがサイレントマジョリティーの能力である黒ぼっこを、マスク姿の女の子と表現していた。クラピカ本来の目的は、第4王子ツェリードニヒに近づくことである。
ワブル王子の真実がオイト王妃から明らかになった場面には、特殊戒厳令48時間前という表記があった。丸2日前、10日目の14時頃にあたる。この時間帯は、第1回念講習会の最終日に、ロンギが詛贄者でありビヨンドの娘であることなどをクラピカへ伝えた後になる。クラピカが口にした2か月前は、クラピカとオイト王妃、ワブル王子が初めて顔を合わせた面談の場面を指す。ビヨンドは拘束室の場面より前、10日目の14時に、同じ拘束室でカンザイに連れてきてほしい人物を伝えていた。そのカンザイは頭脳の面では評価が高くなく、ヒソカの採点で85点、ビヨンドからは本で頭をぶっ飛ばせると言われるほどの実力として語られる。
特殊戒厳令前後の状況
オイト王妃は、ワブルに資格がないことを証明しなかった。第2王子の私設兵がいる状況では、それはいっそう危険な行為になるからである。きちんと証明してしまえば、ほかの王子側から罪を問われる危険もある。412話で明らかになったのは、初登場時にクラピカが会った人物と、現在1014号室にいるワブルが別人だという事実だった。本当のところはオイト王妃の妹の息子であり、性別も女性から男性に変わっている。オイト王妃は最初の面談で娘と言っていたが、第12王子モモゼが亡くなってクラピカと口論する場面では、息子にワブルとルビが振られていた。この違いはカキンの発音から発覚する。カキンの発音であるオイト王妃はずっとシマヌと正しく発音していたが、第3王子から電話が来た場面で、クラピカはシマヌの名を口で呼ぶときにシマノと言っていた。
偽のワブルは正室の子ではなく壺中卵の儀も行っていないため継承戦の資格がなく、2人とも資格を持たないことになる。オイト王妃は以前、5人兄弟で兄、姉、妹、弟がいると発言していた。現時点では第1王子私設兵バビマイナと第3王子私設兵サカタが、本来は女性であるはずのワブルが男性であることを確認しており、この2つの王子側にはワブルに継承戦の資格がないという事実がはっきり発覚している。継承戦の資格の条件は3つあり、本物のワブルはセレモニーに参加していないため資格がない。第2王子私設兵サラヘルの能力は、死後の念を使って王子を呪い殺すものである。サラヘルの一族が死後に王子と伴侶になる特殊な民族だという経緯から使える能力で、そのため第2王子の私設兵たちは、担当する王子と異性になるよう割り当てられている。しかしサラヘルは見るからに女性であり、ワブル王子も女性であるため伴侶という関係が成り立たず、以前からこの点には矛盾があった。ヨモツヘグイは死後伴侶という風習に由来する能力で、死後伴侶は死んで王子と伴侶になる風習である。
413話では、特殊戒厳令の発令が継承戦12日目の14時15分だと判明した。棺の場面はその30分前の13時45分にあたる。ナスビの場面にハルケンブルグの鳴動を示す擬音があったことから、その鳴動を使った人格交換と、ベンジャミンのTSK-17の発症もほぼ同じタイミングで、この2つの場面もおおよそ13時45分と分かる。TSK-17の発症は感染から約6時間後であり、ヒュリコフが感染させたのは、タブレットでハルケンブルグの死亡を確認していた場面、約6時間前の朝7時45分頃になる。ベンジャミンがV・VIP(ベリービップ)エリアの自室からカミーラの部屋へ向かう場面は特殊戒厳令15分前で、準備の14時ちょうどにあたる。410話でベンジャミンが軍隊を引き連れて司法省へ向かう場面には、発症から30分経ったという台詞があり、13時45分の30分後、すなわち14時15分となる。残る王子は4人という場面が、特殊戒厳令の発令直後だったことになる。司法省にベンジャミンが着いた場面は、発令から40分後の14時55分である。
「鋼の錬金術師(コンボマスター)」は、標的のそばに一定時間いなければ発動できない能力だった。ヒュリコフは念講習会にも参加しているが、講習会が終われば基本的にベンジャミンの護衛を担当している。彼はこの能力を持ちながら、ロンギを「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の能力者だと誤認していた。今回の標的がベンジャミンの命令でクラピカだったため、読み取っている間は発が使えず、1人しか読み取れないという制約による。ベンジャミンの念獣の能力はいまだ不明である。ロンギの説明では、あくまで推測としながら、王子それぞれに強いソエモノがいるとされる。現在、3人の王子が死んでいる。TSK-17は初期症状が感染性胃腸炎に酷似しているが、実際には別のものである。
人格交換の矢を放つ場面では、バルサミルコの肉体が椅子に縛られていた。現在のバルサミルコの肉体では本人の人格が優先され、もう1つの人格としてハルケンブルグがいる。ハルケンブルグは睡眠剤でバルサミルコの人格を眠らせ、自分の人格が強制的に肉体を使える状態にしていた。棺の場面で光っている場所は、敗退した王子と連動している。ベンジャミンの特殊戒厳令の命令には、第1層、即殺対象は非国王軍私設兵という言葉があった。ベンジャミンの私設兵や王妃所属の兵は正規国王軍の資格を持つため、この対象には含まれない。所在と安否が不明だったのはチョウライとルズールスで、監視していたベンジャミンの私設兵コベントバが主寝室で焦っている様子も描かれた。チョウライは脱出経路がはっきりしているのに対し、ルズールスは軍の情報網に一切引っかかっていない。第13王子マラヤームについて、ベンジャミンは1013号室で監視しているサクエーレに王子の拘束を命じ、14時30分までに拘束できなければリハンを送るよう指示していた。クラピカと偽ワブルがいる1014号室については、ベンジャミンはバビマイナから、ワブルが偽物であることをすでに聞いている。