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ANNA MOVIESHUNTER×HUNTER

人物

ツェリードニヒ=ホイコーロ

カキン帝国第4王子ツェリードニヒ=ホイコーロの人物像と来歴、テータによる念修行と特質系の判明、守護霊獣、私設兵、特殊戒厳令前後の動きをまとめる。

No.417まで対応更新 2026.08.13

ツェリードニヒ=ホイコーロは、『HUNTER×HUNTER』に登場するカキン帝国の第4王子である。出身はカキン王国。国王ナスビ=ホイコーロと第一王妃ウンマ=ホイコーロの三人の息子のうち、二番目にあたる。同母の兄は第1王子ベンジャミン=ホイコーロ、同母の弟は第9王子ハルケンブルグ=ホイコーロで、ハルケンブルグはのちに第二王妃ドゥアズル=ホイコーロの養子となった。原作では第343話に写真として姿が示され、第345話から本格的に登場する。カキンの闇社会の三大マフィアの一つエイ=イ一家に対しては唯一知られる後援者だったが、当主が自分に対して起こした行動を理由に関係を断った。王位継承編では主要な敵役の一人である。

継承戦の開始後、ツェリードニヒは護衛のテータから念を学び、水見式で特質系と判明する。上達は速く、絶の起動を9.67秒から3.496秒まで縮め、さらに1秒を切るまで続けると宣言した。壺中卵の儀で血を一滴落として得た「卵」からは守護霊獣が孵ったが、寄生型の能力であるため本人に制御はできない。クラピカが継承戦に関わる本来の目的も、緋の眼を集めたこの第4王子に近づくことにある。絶の修行は特殊戒厳令の直前まで続いていた。ただし、No.413の時点でも、その終了時点でも、ツェリードニヒの所在と結果は確認されていない。

基本情報

ツェリードニヒ=ホイコーロの基本情報
所属・役割カキン帝国の第4王子。国王ナスビ=ホイコーロと第一王妃ウンマ=ホイコーロの三人の息子の二番目にあたり、王位継承編では主要な敵役の一人。
初登場第343話(写真での登場)、第345話(本格的な登場)
状態生存
念系統・能力特質系。水見式によって判明した。絶を習う前に自覚のないまま念獣を出現させており、後に無意識のうちに念能力を身につけていたことも示される。
守護霊獣壺中卵の儀で血を一滴落として得た「卵」から孵った寄生型の能力。本人に制御権がなく、自分と他の王子の守護霊獣を認識できない。
家族・関係同母の兄は第1王子ベンジャミン=ホイコーロ、同母の弟は第9王子ハルケンブルグ=ホイコーロ。ハルケンブルグはのちに第二王妃ドゥアズル=ホイコーロの養子となった。
出身地カキン王国
エイ=イ一家との関係カキンの闇社会の三大マフィアの一つエイ=イ一家の、唯一知られる後援者だった。当主が自分に対して起こした行動を理由に関係を断っている。
私設軍規模は不明。少なくとも5人がブラックホエール1号の第3層に配置されている。少なくとも5人は王立軍士官学校時代からの幼なじみ。

人物像

外見は長身で筋肉質な男性として描かれる。肩までの金髪は、公式の場では軽く後ろへ撫でつけ、くだけた場では結い上げる。細い口ひげと無精ひげがあり、瞳は黒い。自分を他人より上位に置く意識の表れか、装いは上質でありながら格式張らない。クラピカがミザイストムから見せられた写真では、金でできた装飾的な王冠と、同じく装飾の多い襟のついた豪奢なローブをまとっていた。テータからは「ツェリード」、士官学校時代の同級生やサルコフカチョウ=ホイコーロからは「ツェリ」と呼ばれる。

公式の場の装いは一定しないが、人前に出るときの身なりには気を配る。一人でいるときや略式の場では比較的くだけた服を選び、それでも裕福さがうかがえる。住居での初登場時は、濃色のスポーツジャケットとゆったりした同系のパンツ、膝丈のブーツという格好だった。継承戦の開始を電話で知らされた場面では淡い色のバスローブ、壺中卵の儀には絹と見えるパジャマで臨む。念の修行時は運動向きの服装に変え、襟付きの濃色ジャージ、タンクトップとゆったりした濃色のパンツ、袖なしのフード付きシャツなどを着ている。

性格は物静かで洗練され、学識も広い。関心はサッカーから哲学にまで及び、自分の頭脳には強い自負を持つ。穏やかな笑みと礼儀正しい物腰の一方で、猟奇的な殺人と身体部位の収集に耽り、緋の眼も複数対を手元に置く。本人は自らを芸術家と規定し、若く美しい者が極限状況に置かれたときに生まれるものを作品として求める。ただし相手には相応の教養を要求し、期待に届かない人間は人以下として扱う。兄弟姉妹をクズと見なしており、彼らを殺せる立場が与えられたことを歓迎した。護衛のテータは彼を混じり気のない悪と評し、この人物にだけは念を修めさせてはならないと考えている。

ブラックホエール出航前夜の船内の祝宴では、ハルケンブルグ=ホイコーロと並んで招待客と言葉を交わしていた。人を欺く女性には強い憎悪を抱いていたが、テータが自分の命を狙った一件を境に、そうした相手へ関心を向け始める。知性への自負は念の習得過程でも執着として表れた。絶を習う前に無自覚のまま念獣を生み出すほどの資質を持ちながら、絶を学んで4日のうちに起動を3.5秒未満まで短縮し、それでも不足として1秒を切るまで改善を続けると言い切っている。

作中での動向

若いころのツェリードニヒは、カキンの王立軍士官学校で学んだ。七年生のときの武器の分解と組み立ての訓練で名を知られ、学校の速度記録を破るまで部屋にこもり、飲まず眠らずに練習したという噂が立った。本人はこれを否定し、単に遊んでいただけだと述べている。表彰式の後には、訓練中の口論が原因で同期生の脚を撃つ事件を起こした。人生のどこかの時点では、クラピカが行方を追い切れなかった緋の眼を複数対入手している。

ツェリードニヒの存在が物語で最初に語られるのは、ミザイストムとクラピカの会話である。カキン帝国が暗黒大陸への航海を公表した後、十二支んは航海に必要な人員の確保に追われていた。レオリオ=パラディナイトの推薦を受け、ミザイストムはクラピカに協力を求める。彼が示したのは、多数の緋の眼が映るダークネット上の動画だった。クラピカはその持ち主を追いながら特定できずにいたが、ミザイストムは乗客の身元調査の途中で偶然その人物を割り出していた。十二支んに加わって暗黒大陸へ同行することと引き換えに、ミザイストムは持ち主がカキン帝国第4王子ツェリードニヒだと明かす。

初登場の場面では、部下のマークがナイトクラブから連れてきた女性2人を、自分が所有するホテルの一室である住居に迎える。ツェリードニヒは温かく歓迎し、社会との感覚がずれないようあらゆる人と話したいのだと説明して、別室へ導き酒を勧めた。ほどなく血に汚れたシャワー室から、血と髪を流しながらマークへ電話し、会話への不満を述べる。2人は買い物と性の話にしか関心がなく、著名人もサッカークラブも科学的な手法も知らなかったという内容で、次からはカキンの首都、与党、国王の名前を知っているかを事前に確かめるよう求めた。

続けて彼は、無知な人間の皮を剥ぐ行為を単なる解剖になぞらえ、将来のある若者を極限状況に置くことで生まれる芸術を求めると語り、マークにさらに2人を連れてくるよう指示する。後の場面では、先の2人より控えめな装いの女性2人が同じように迎えられている。別の日にはバスローブ姿で酒を手に音楽を流し、その音で近くで刺青を入れられている人物のうめき声を覆っていた。

その最中に兄ベンジャミン=ホイコーロから電話が入り、父が航海の唯一の生存者を次の国王とすると宣言したことを知らされる。ツェリードニヒは腐ったクズである兄弟姉妹を始末する機会を得たと神に感謝し、短いやり取りの末に兄を挑発して通話を終え、女性へ刺青を入れる彫り師へ視線を戻した。彼はその刺青を写真に撮り、眺めているところへ別の電話を受ける。テータの報告は、護衛5人全員がハンター協会の試験を通過したことと、兄弟姉妹の護衛たちのハンター試験の結果だった。ツェリードニヒはブラックホエールについて可能な限り情報を集めるよう命じ、通話を切った。

継承戦の開始と航海中の動向

継承戦はブラックホエールが出航の汽笛を鳴らし終えた時点で始まる。開始後は、他を出し抜くためにどのような手段を取っても継承権が問われない。壺中卵の儀の場では、ツェリードニヒはまだ念を使えず、その場で何が起きたのかに気づかないまま儀式について進行役へ尋ねている。ブラックホエール1号の出航前夜には航海の式典に参加した。カキンの王族が船へ運ばれた後の船内の式典でも、ハルケンブルグ=ホイコーロとともに客の間を回っている。船は翌日出航し、ツェリードニヒは出航式にも出席した。

護衛の募集では6人が6つの求人にそれぞれ応募した。クラピカは、第9王子ハルケンブルグ=ホイコーロが出したと考えた求人を選んでいる。ハルケンブルグが交流サイトで、認められる王子はツェリードニヒだけだと述べていたためである。ところが雇用主のもとへ分かれて向かうと、クラピカの雇用主は第14王子ワブルの母である第8王妃オイト=ホイコーロで、ハルケンブルグはそもそも求人を出していなかった。一方のツェリードニヒは出航式の後まもなく席を外し、クラピカの通達にあった念獣について護衛たちに尋ね始める。

その途中でテータと行き会い、念獣について問う。彼女が念獣を知っていると答えると、続けて念が使えるかを確かめ、テータは肯定した。2人は部屋へ戻り、テータによる念の指導が始まる。ベンジャミン=ホイコーロは1001号室へ戻った後、ツェリードニヒを含む他の王子たちへ私設兵を送り込んだ。護衛の一人は、第一王妃の子である以上、兄の申し出を受け入れる義理はないと進言する。ツェリードニヒはその兵に「バカが」と伝えろと言い置き、念の瞑想の最中だとして取り合わなかった。出航から4時間後、テータは念の可視化を促そうとしたが、彼はすでにそれができることを示してみせる。凝の練習を続けているところへ、1014号室から、従者2人に2週間にわたるクラピカの講習を受けさせないかという申し出が届いた。

1014号室では、能力の酷使で倒れていたクラピカが、懐疑的なオイト=ホイコーロを説得し、王子たちの部屋をつなぐ通気口へ念で操るゴキブリを送り込もうとしていた。ゴキブリは長く保たず、オイトがツェリードニヒの様子を探る前に彼の守護霊獣に食われる。翌日の午前9時、ツェリードニヒの私設兵で臨時のハンターであるミュハンダンジンが、2週間で念を習得できなければ室内の全員を殺せという命令を受けて講習に出席した。ダンジンはこの間、指示を仰ぐために1004号室と連絡を取っている。さらに翌日の午前10時5分、ミュハンは前日の参加者と同じ手口で殺され、血を抜かれた遺体がトイレで見つかった。ダンジンは1004号室へ戻って報告し、ツェリードニヒは講習を続ける気があるかと尋ねた。

土曜日の夜には、自室で身元の明かされない人物を切り刻ませながら電話をし、自分の知る限りエイ=イ一家の頭目モレナ=プルードがV・VIPエリアにいないこと、乗船以来、買収した使用人に紛れて下層に潜んでいる可能性が高いことを確かめている。念の面では、10秒後にテータが再び彼と意思を通わせられるようになった場面から、その視界が一瞬で訪れて10秒続き、視界の外では時間が通常どおり進むため、自分は10秒先んじられると理解した。彼の命令で私設兵の部隊は第3層のエイ=イ一家の隠れ家へ踏み込んだが、そこはすでに引き払われていた。

私設兵と航海終盤の動き

センリツは、カチョウ=ホイコーロとフウゲツ=ホイコーロの逃亡未遂に関与した疑いで司法省に拘束されていた。そこへツェリードニヒの指示を受けたヴァンタインが訪れ、1014号室へ招く。ヴァンタインは、司法省とベンジャミン=ホイコーロの双方が、第10王子カチョウと第11王子フウゲツの逃亡未遂へのセンリツの関与を疑っていると伝えた。ツェリードニヒは、ベンジャミンに先を越されないよう続けるよう指示する。この間も彼は複数の作業を並行させていた。航海11日目の午前8時には、ランニングマシンで走りながら携帯電話を使う最中に、サルコフから絶の起動に9.67秒かかったと報告を受けている。同じ日の午前6時から8時50分にかけては、フウゲツがカイザルと司法省に付き添われて第1層を回り、死亡したカチョウが自分の死に備えて各王子へ宛てて書いた手紙を届けた。

同じ日のうちに、ツェリードニヒは絶へ入る時間を3.496秒まで縮め、レベルアップは坂ではなく階段だという言葉を思い返した。航海12日目の未明にはハルケンブルグ=ホイコーロが第3層の総合病院で死亡し、その棺は正午に第1層の霊安室へ向けて運ばれ始める。ベンジャミンは、ヒュリコフによってTSK-17に感染させられたと知ると、特殊戒厳令を出す前に兄弟姉妹全員を捕らえる計画を立てた。特殊戒厳令は午後2時15分に発令されている。

第4王子であるツェリードニヒは私設の軍を持つ。その正確な規模は分かっていないが、少なくとも5人がブラックホエール1号の第3層に配置されている。私設兵のうち少なくとも5人は、王立軍士官学校時代からの幼なじみである。彼らが各王子に割り当てられた15人の兵に数えられているかどうかは判然としない。私設兵の2人は、王立軍の伍長と同じ装いをした伍長の下で動いており、私設兵全体が王立軍にも属している可能性が高い。

航海の開始時点では、私設兵に念を使える者は知られていなかった。航海12日目には、一等兵ボークセンがエイ=イ一家に連れ去られ、強制的に念を目覚めさせられている。またある時点で、伍長ギッパーが上層への配置換えを願い出た。その申請先が王立軍なのか、ツェリードニヒの私設軍なのかは判然としない。私設兵テータは、すでにマーキングと警告を受けており、皮膚の一部が変異し始めている。

カキンの年長の王子の一人として、ツェリードニヒは大きな政治的影響力と資産、潤沢な資金を握る。その一つが豪華なホテルである。加えて、専属の護衛の一団も与えられている。

能力・特徴・関係

ツェリードニヒは非常に聡明で、科学、哲学、著名人、さらにサッカーに至るまで幅広い知識を持つ。テータの評価では、複数の筋書きを想定する力は彼女自身を上回り、念のように基礎しか知らない分野でも同じだった。並外れた可視化と集中の力を備えており、それが念の才能を支えている。

念の資質は突出しており、一日足らずでオーラの流れをある程度制御し、凝の基礎をつかんだ。この段階で手の周りに十分なオーラを集めて水見式を行い、特質系と判明する。テータは、試験の際に現れたオーラの様子を、極めて邪悪な性質の表れと受け止めた。その後の数日で纏と練の習熟が進み、テータは高度な訓練を課すようになる。テータによれば、彼はすでに多量のオーラを持つ。手の精孔を一度で閉じることにも成功し、妨害が多い中でも3度目で1時間の完全な絶を保った。ただし本人は、絶を解くのが遅く、集中も途切れやすいと認めている。

さらに彼は、自覚のないまま完全な念獣を出現させていた。テータの見立てでは、それは特質系の能力の媒体であり、すでに機能する状態にあった。後には、無意識のうちに念能力を身につけていたことも示される。壺中卵に自らの血を一滴落とした結果、ツェリードニヒは「卵」を受け取り、そこから彼を守る守護霊獣が孵った。守護霊獣は寄生型の能力であるため本人に制御はできず、その条件の一つにより、念能力者でありながら自分と他の王子の守護霊獣を認識できない。守護霊獣には二つの本能的な制約があり、他の守護霊獣と戦うことも、他の守護霊獣が守る宿主を直接攻撃することもできない。

父は国王ナスビ=ホイコーロ、母は第一王妃ウンマ=ホイコーロ。同母の兄にベンジャミン=ホイコーロ、同母の弟にハルケンブルグ=ホイコーロがいる。父方の異母の伯叔父はオニオール=ロンポウブロッコ=リーである。異母のきょうだいには、カミーラチョウライツベッパタイソンルズールスサレサレ、カチョウ、フウゲツ、モモゼマラヤーム、ワブルの各王子が挙がる。所属はカキン帝国で、以前の所属はエイ=イ一家である。

継承戦の情勢と念講習会

継承戦が終わらなければホイコーロ一族が陥落する、とクラピカは推測している。第2回念講習会が開かれたのはこの時間帯で、直後の正午からハルケンブルグの葬送が始まり、遺体が第3層から第2層へ運ばれるところでボークセンがモレナ一味にさらわれた。つまり第2回念講習会は、特殊戒厳令が出される前の出来事である。2日前にあたる継承戦10日目の火曜日には第1回念講習会が終わり、この時点で残る参加者は全員が念に覚醒していた。前日の11日目、水曜日の朝にはハルケンブルグとバルサミルコが人格を交換する。カイザルが司法省の情報網から得た暴露情報の手紙は、フウゲツの手で各王子とオイト王妃へ渡され、クラピカのところにも届いた。ハルケンブルグの肉体は12日目に入って間もない深夜に死亡し、バルサミルコの肉体に入ったハルケンブルグの人格が朝8時にベンジャミンへ電話し、朝9時から第2回が始まる。第1回の終了、手紙の配布、肉体の死亡、第2回の開催という順序になる。

手紙によって各王子側は互いに情報を握られているのではないかと疑心暗鬼になり、緊張した状況で第2回が行われた。この回には第2王子の兵隊長サラヘルが参加している。第1回に来ていなかった第2王子側の人間が現れたことで、クラピカは何か仕掛けてくるとほぼ確信するほど警戒していた。目立つ行動をしたスラッカは、第3王子チョウライの警護に就く第2王妃所属の警護兵である。この日は第1王妃ウンマの命令により、第3王子の警護兵とともにワブル王子の警護サポートとして1014号室に付いていた。すでに死亡した第10王子カチョウの従事者も、この第2回に参加している。指導係は3名で、第13王子護衛でハンター協会員のベレレインテ、第1王子警護の私設兵ヒュリコフ、第14王子ワブルの警護をしながら第1王子の私設兵でもあるバビマイナが務めた。指導係3名と念を開花させた7名の計10名が前回から続けて参加している。

ハルケンブルグの警護兵たちは、王子が死亡を偽装したことにより10日目までに念自体は開花していたが、この回には参加していない。指導3名、念開花7名、新人8名の合計18名が、第2回念講習会の参加者となる。第4王子護衛のギッパー伍長は、もともと下層でモレナの捜索任務に就き、ボークセンと交代する形で王子居住区へ上がってきた。第7王子護衛で第2王妃所属のガトーとハピエッチは、前回から参加する第2王妃兵隊長サトビの部下にあたる。以前に第1王子の私設兵が近くで見せた不審な行動の謎を探る際、名前が挙がった2人でもある。第13王子従事者のナイペイは、8日目の第1回晩餐会で踊りを披露するために1013号室の別空間から抜け、それ以降は本物の1013号室にいた。最も注目されるのは第2王子兵隊長サラヘルで、兵隊長でありながら従事者になりすまして講習会に加わった。第2王子の私設兵の能力は死後の呪いであり、時間をかけて王子を呪い殺すため、除念師が天敵となる。セレモニー会場では、ずっと姿を現さないとされてきた第5王子ツベッパの念獣も、この場で初めて現れている。411話では、ベレレインテがサイレントマジョリティーの能力である黒ぼっこを「マスク姿の女の子」と表現した。クラピカの本来の目的は、第4王子ツェリードニヒに近づくことである。

412話では、ワブル王子の真実がオイト王妃から判明した場面に特殊戒厳令48時間前という表記があり、丸2日前の10日目14時頃にあたる。これは第1回念講習会の最終日に、ロンギ詛贄者でありビヨンドの娘であることなどをクラピカへ伝えた後の時間である。クラピカが口にした2か月前は、クラピカとオイト王妃、ワブル王子が初めて顔を合わせた面談を指す。ビヨンドは拘束室の場面より前、10日目14時に同じ拘束室でカンザイへ連れてきてほしい人物を伝えていた。カンザイはあまり頭が良くなく、ヒソカ評価で85点、ビヨンドから本で頭をぶっ飛ばせると言われる程度の実力である。サイユウパリストン元副会長を経由してビヨンドの仲間になっているため、ビヨンド自身は彼が仲間だと知らない。ビヨンドの監視には当初、十二支んのサッチョウも付いていたが、拘束室の10日目と11日目には姿が見当たらない。

クレアパトロは第1層の最高裁判官室の最高裁判官である。初登場はサイレントマジョリティーによるロベリーの件で、次いでベンジャミンとカミーラの裁判の場面に現れた。センリツに味方するカイザルの勤める司法省は、名称に司法と付くものの、日本の法務省にあたり、検察などが在籍する行政の機関である。三権のうち行政・司法・立法の区分でいえば、司法機関ではない。最高裁判官のクレアパトロは司法の人間であり、両者に上司関係はない。いずれも国のエリートだが、一方は行政、一方は司法に属する人物である。

特殊戒厳令前後の時系列

412話で明らかになったのは、初登場時にクラピカが会った人物と、1014号室にいるワブルが別人だという事実である。今の相手はオイト王妃の妹の息子であり、性別も女性から男性へ変わっていた。オイト王妃は最初の面談で娘と言っていたが、第12王子モモゼが亡くなってクラピカと口論する場面では、息子にワブルとルビが付いていた。手がかりはカキンの発音にもあった。発音はシマヌで、カキンの発音を用いるオイト王妃は一貫してシマヌと発音していた。これに対し第3王子から電話が来た場面のクラピカは、口に出すときはシマノ、心の中ではシマヌだった。オイト王妃は以前、5人兄弟で兄、姉、妹、弟がいると述べている。偽のワブルは正室の子ではなく壺中卵の儀も行っていないため継承戦の資格がない。継承戦の資格の条件は3つあり、本物のワブルもセレモニーに参加していないため資格がなく、2人とも資格がないことになる。現時点では第1王子私設兵バビマイナと第3王子私設兵サカタが、本来女性であるはずのワブルが男性であることを確認しており、この2つの王子側にはワブルに資格がない事実がはっきり発覚している。

ただし、それをきちんと証明することには危険が伴う。第2王子私設兵がいる状況ではもっと危険な状態であり、証明してしまえば他の王子側から罪を問われる危険性もある。第2王子私設兵サラヘルの能力は、死後の念を使って王子を呪い殺すものである。これはサラヘルの一族が死後に王子と伴侶になる特殊な民族だという経緯によって使える。そのため第2王子の私設兵は担当する王子と異性になるよう割り当てられているが、サラヘルは見るからに女性であり、ワブル王子も女性であるため伴侶の関係が成り立たず、この点には以前から矛盾があった。ヨモツヘグイの能力は、死んで王子と伴侶になる死後伴侶(シゴハン)という風習から来ている。

413話では、特殊戒厳令の発令が継承戦12日目の14時15分だと判明した。棺の場面はその30分前で、13時45分にあたる。ナスビの場面にハルケンブルグの鳴動を示す「ゴゴゴ」という擬音があったため、その鳴動を使った人格交換と、ベンジャミンのTSK-17の発症もほぼ同じタイミングであり、この2つの場面もおよそ13時45分と分かる。TSK-17の発症は感染から約6時間後であるため、ヒュリコフが感染させたのは、タブレットでハルケンブルグの死亡を確認していた約6時間前、朝7時45分頃になる。413話の最後で、ベンジャミンがV・VIP(ベリービップ)エリアの自室からカミーラの部屋へ向かう場面は特殊戒厳令の15分前で、準備に入る14時ちょうどである。410話でベンジャミンが軍隊を引き連れて司法省へ向かう場面には発症から30分経ったという台詞があり、13時45分の30分後の14時15分となる。残る王子は4人というあの場面は、特殊戒厳令の発令直後だった。司法省に到着した場面は、発令から40分後の14時55分になる。

鋼の錬金術師(コンボマスター)という能力は、標的のそばに一定時間いなければ発動できない。ヒュリコフは念講習会にも参加していたが、講習が終われば基本的にベンジャミンの護衛を担当していた。彼はこの能力を持ちながらロンギをサイレントマジョリティーの能力者だと誤認したが、今回の標的はベンジャミンの命令によりクラピカであり、読み取っている間は発が使えず、1人しか読み取れない。ベンジャミンの念獣の能力はいまだ不明である。ロンギの説明では、あくまで推測として、王子それぞれに強いソエモノがいるという。現在、3人の王子が死亡している。TSK-17は初期症状が感染性胃腸炎に酷似するが、実際には別のものである。人格交換の矢を放った場面でバルサミルコの肉体は椅子に縛られており、その肉体ではバルサミルコ本人の人格が優先され、もう1つの人格としてハルケンブルグがいる。ハルケンブルグは睡眠剤でバルサミルコの人格を眠らせ、自分の人格が強制的に肉体を使える状態にしていた。特殊戒厳令の命令には第1層の即殺対象は非国王軍私設兵という文言があり、ベンジャミンの私設兵や王妃所属の兵は正規国王軍の資格を持つため対象に含まれない。

所在と安否が不明だったチョウライとルズールスについては、監視していたベンジャミンの私設兵コベントバが主寝室で焦る様子も描かれた。チョウライは脱出経路がはっきりしている一方、ルズールスは軍の情報網に一切引っかかっていない。第13王子マラヤームについては、1013号室で監視するサクエーレに王子の拘束が命じられ、14時30分までに拘束できなければリハンを送るよう指示が出ている。クラピカと偽ワブルがいる1014号室に関して、ベンジャミンはバビマイナから、ワブルが偽物であることをすでに聞いていた。ベンジャミンはカミーラとツェリードニヒを自ら対処する対象に挙げている。ツェリードニヒ自身は特殊戒厳令の前まで絶の修行を進めていたが、No.413の時点でも、その終了時点でも、所在と結果は確認されていない。

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