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人物

カンザイ

十二支んの寅カンザイの人物像、第13代会長選挙での言動、暗黒大陸渡航での防衛班配属、ブラックホエール号でのビヨンド=ネテロ監視任務を整理する。

No.417まで対応更新 2026.08.13

カンザイはハンター協会十二支んに属する男性で、暗号名は寅。肩書きはトレジャーハンターで、ボディーガードも務める。初登場は原作第318話TVアニメ2011年版では第136話にあたる。目は緑、髪はオレンジと黒で、状態は生存。暗黒大陸への渡航に備えて編成された防衛班にも配属されている。

第13代ハンター会長選挙では十二支んの一員として運営に加わり、議事を握ろうとするパリストン=ヒルにたびたび食ってかかった。暗黒大陸行きの計画では防衛班に入り、ブラックホエール号ではサッチョウ=コバヤカワサイユウとともにビヨンド=ネテロの拘束室を警備する。念系統は不明で、念能力も作中では読者に示されていないが、十二支んの面々には明かしている。会長選挙の第1回投票の場でヒソカ=モロは総合力を85と採点しており、アイザック=ネテロの元スパーリング相手でもある。

基本情報

カンザイの基本情報
所属・役割ハンター協会に所属する十二支んの寅。肩書きはトレジャーハンターで、ボディーガードも務める。暗黒大陸への渡航に備えて編成された防衛班の一員。
初登場原作第318話。TVアニメ2011年版では第136話。
状態生存。
念系統・念能力念系統は不明。念能力も作中では読者に示されていないが、十二支んの面々には明かしている。ヒソカ=モロは会長選挙の第1回投票の場で総合力を85と採点した。
関係アイザック=ネテロの元スパーリング相手。パリストン=ヒルとは会長選挙で衝突を重ね、ミザイストム=ナナやピヨンが仲裁に回った。ブラックホエール号ではサッチョウ=コバヤカワ、サイユウと同じ持ち場に就く。
継承戦での任務ブラックホエール号でビヨンド=ネテロの拘束室を警備。航海10日目の14時にビヨンドから面会させたい人物を伝えられ、翌日訪れた最高裁判官クレアパトロの書類をサイユウとともに一つずつ検めた。
外見中背でやせ型。オレンジと黒の虎縞が入った髪を後ろで束ね、顔にも黒い縞が走る。歯は鋭くとがる。背中に自分の名前を入れた黄色い野球のユニフォームを着る。男性の十二支んの中では小柄。

人物像

カンザイは中背でやせ型の男性で、全体に虎を思わせる外見をしている。髪はオレンジと黒の虎縞が入って逆立ち、後ろで束ねた部分は虎の尾にも見える。歯は鋭くとがり、顔にも黒い縞が走る。服装は、背中に自分の名前を入れた黄色い野球のユニフォームである。参照資料はこれを阪神タイガースを踏まえた造形とし、名前も球団の本拠地である関西地方に由来する可能性を挙げている。体格は、男性の十二支んの中では小柄な部類に入る。

性格は非常に短気で、周囲と言い争う場面が絶えない。衝動的に動く一方でユーモラスな面もあり、子どもじみた振る舞いも見せる。一般常識には疎く、国王ナスビ=ホイコーロが何者かも、暗黒大陸が何かも知らない。単行本第33巻第342話にあたるこの場面では、「選挙」の漢字すら思い出せない。本人に自覚はあるが、そこをからかわれると強く苛立つ。パリストン=ヒルに語彙の乏しさと計算の苦手さを揶揄された場面がその例である。ヒソカ=モロのような人物への評価は低く、殺人鬼と呼んだうえで、そうした人間が会長選挙に関心を持つ理由を訝しんでいる。

カンザイがパリストンに突っかかり、ミザイストム=ナナ、ときにはピヨンといった別の十二支んが、かえって事態を悪くしていると嘆く。この展開は参照資料でも繰り返しの笑い所として挙げられている。会長選挙の最初の会合でパリストンが断りなく議事を仕切り始めた際も、誰が仕切ると決めたのかと真っ先に食ってかかった。

作中での動向:第13代会長選挙

アイザック=ネテロ会長の死後、カンザイは他の十二支んとともに、新しいハンター協会会長を選ぶために招集された。会合では戌のチードル=ヨークシャーが、ネテロは自らキメラ=アントと戦うことを望んでいたと指摘し、カンザイの言い回しを訂正している。遅れて現れたパリストン=ヒルは、他の面々に断ることなく上座に着き、カンザイを苛立たせた。パリストンは思いつくままに議論を進め、自分が議事進行に最も適していると結論づけたうえで、続けてよいか挙手を求める。反対したのはカンザイを含む4人だけで、進行役はそのまま続いた。パリストンは間を置かずに会長への立候補を宣言し、選挙そのものを省こうと提案する。

他の十二支んはすぐに反発したが、パリストンは無害を装って場をあおり続けた。丑のミザイストム=ナナが殴りかかろうとしたその時、亥のジン=フリークスが淡々と自分を候補に指名し、意外な提案で場の空気が抜ける。誰もジンの会長就任を望まなかったため、パリストンは自薦という案自体を取り下げようと言い出した。そもそもそれを始めた本人の発言であり、カンザイは激高する。パリストンが新しい提案を語り始めると、カンザイは面倒な手続きを覚悟した。しかしチードルが、各自の考える最良の投票方法を持ち寄り、くじで採用案を決めると提案して話を遮る。カンザイはすぐに公平だと言い、十二支んは案の作成に入った。書き終えた後はビーンが抽選を行い、ジンの案が選ばれる。

読み上げを聞いた面々は、パリストンとは別の意味で厄介な内容に内心うんざりした。投票を無記名にしないというジンの案の第4条が読み上げられると、カンザイと酉のクルックはすぐに異を唱える。ジンは誰が誰に投票したか分かる方が面白いと返し、二人はジンが面白さしか気にしない人物だったことを思い出した。ビーンがそこで終わらずに読み上げを続けたため、これで全部だと思っていた二人は驚く。条文には、ジンが実行部隊の指揮を執るという内容も含まれていた。十二支んは抜け目のなさを妬みながらしぶしぶ認めたが、パリストンからの反対が意外に少なかったこともあり、ジンは最後の条項を取り下げる。回想では、ジンは十二支んがくじ引きに落ち着くと読んでおり、それを言い出すのはカンザイかもしれない、ただしその見込みは低いとも語っていた。

選挙が始まると、カンザイは未のギンタ、卯のピヨンとともに投票者の監視に立った。投票に訪れたヒソカ=モロは、十二支んと軽口を交わしながら、心の中でカンザイの戦闘能力を採点している。カンザイは大量殺人鬼が世間の出来事に関心を持つとは意外だと皮肉り、ヒソカも同意したうえで自分の票が白票だと明かして、さらに苛立たせた。ヒソカは投票後も投票所の脇に座り込み、立ち去るよう言われても取り合わない。第1回投票の結果、カンザイは4票で21位となり、次の投票が必要になった。

第2回投票ではノヴと並んで16位につけ、その後に十二支ん全員での会合が開かれる。会合でカンザイはパリストンに議論を挑んだが、子であるパリストンに寅の知恵の足りなさを見下され、殴りかかろうとしてミザイストム、ギンタ、申のサイユウ、巳を務める十二支んの4人に取り押さえられた。第3回投票でも、カンザイはノヴと並んで16位である。次の会合では棄権する投票者が増えていることが分かり、これを問題視したカンザイは、2回投票を逃したハンターのハンター証を取り消す件でパリストンと言い争う。パリストンはこれに反対し、十二支んが投票の重要性を説く講演を開くべきだと提案した。

作中での動向:講演から暗黒大陸渡航計画へ

ハンター協会の講堂で開かれた講演で、カンザイはジンの隣に座り、レオリオ=パラディナイトの離れた位置からの一撃でジンが吹き飛ぶのを目の当たりにして驚いている。聴衆はこれに感心して投票に向かった。カンザイ自身の順位は分からないものの、上位16人に残れず第4回投票で脱落する。第8回投票の後、パリストンがハンター十ヶ条の第10条について緊急動議を出すと、カンザイは反発し、十ヶ条は絶対だという点で十二支んの意見は一致していると主張した。しかし午のサッチョウ=コバヤカワとチードルは、この行動を軽率だと見ている。パリストンは、十二支んとしてではなく副会長として持ち出したものであり、チードルとミザイストムがいない今こそ好機だと説明した。カンザイはたじろいで引き下がる。後にパリストンが、会長になったうえで退任すると宣言した際には、他の十二支んとともに唖然としている。

十二支んは、ビヨンド=ネテロの出現と、自分はアイザック=ネテロの息子だという彼の主張について語ったネテロの映像を見つけた。映像の中で故会長は、十二支んがビヨンドを狩らなければならないと説明している。その後、十二支んは行動方針の検討に移った。カンザイは、よりによってこの時期に現れたことへの不満を口にする。サイユウがビヨンドの探索に対抗する案を持ち出したのに対し、カンザイは競争は公平であるべきだと述べた。議論は、ビヨンド本人からの通話によって中断される。

十二支んは直接ビヨンドと会い、ビヨンドはV5に連絡を取るよう指示したうえで、彼らとの取り引きを提案した。チードルがビヨンドに聴取している間、カンザイは話の内容が飲み込めず、サッチョウから、ビヨンドの身柄と引き換えにハンター協会が暗黒大陸への渡航の切符を得られるのだと説明を受けている。カンザイは出発の予定について改めて尋ね、巳を務める十二支んがもう一度説明する羽目になった。その後、ビヨンドがハンター協会の提示した条件で契約に署名する場に立ち会っている。

チードルは新しい亥と子を紹介する会合を招集し、V6、5大厄災、任務の難度がAでキメラ=アントはBだったことを説明したうえで、質問がないかを尋ねた。クラピカが、質問は多くあると手を挙げる。最初の質問は、ネテロ側の潜入者を十二支んが何人特定できているかというもので、一同は驚いた。カンザイがなぜそれが分かるのかと尋ねると、クラピカは当然分かることだと思っていたので驚いている。ミザイストムはすぐにクラピカを会議室の外へ呼び、状況を説明したうえで、当面は推測を伏せておくよう頼んだ。その後、十二支んは渡航の準備を確認する。カンザイは、暗黒大陸で襲ってくる相手は自分が叩き潰すので、上陸するまでの難しいことは任せると宣言した。配属先は防衛班である。

ミザイストムが新たな会合を招集した際、カンザイは訳が分からずに癇癪を起こしかけ、どうして確信できるのかと何度も問い返した。ミザイストムは、会長の映像を見る前にビヨンドと会っていれば自分も手を貸しただろうし、後から映像を見ても決断は変わらなかっただろうと明かす。裏切りではなく、どちらが先だったかの問題にすぎないと示すためである。そのうえで質問を繰り返し、自分の能力を説明した。さまざまな名目でそこにいる者が誰なのかを突き止めることを自らの務めにしたと述べ、これは覚悟の問題だと結んでいる。カンザイは落ち着き、自分の能力を明かすことに同意した。ただし本人の知らないところでクラピカがダウジングによって嘘の有無を見ており、カンザイは潔白と判明している。

作中での動向:ブラックホエール号での監視任務

ブラックホエール号が出航すると、カンザイはサッチョウ=コバヤカワ、サイユウとともにビヨンドの拘束室の警備に就いた。カンザイは、十二支んを3人もビヨンドの監視に充てるのは人員の無駄だと口にし、サイユウの当てこすりに言い返している。

ビヨンドは航海10日目の午後2時までほとんど動かなかった。読んでいた本を読み終えると、カンザイと軽い雑談を交わしたうえで、ある人物との面会を手配してほしいと頼んでいる。継承戦の時系列では10日目の14時にあたる場面で、ビヨンドは拘束室のカンザイに、連れてきてほしい人物を伝えた。

翌日、クレアパトロは面会に応じ、ビヨンドがカキン政府に対して起こした1.047件の訴訟を却下する法的根拠を携えて拘束室を訪れた。カンザイとサイユウは、ビヨンドに手渡される書類を一つずつ検めている。最高裁判官クレアパトロの訪問は、カンザイが面会の希望を取り次いだ後の出来事にあたる。

クレアパトロは、第1層の最高裁判官室に属する最高裁判官である。初登場はサイレントマジョリティーによるロベリーの一件で、次いでベンジャミンカミーラの裁判に裁判官として現れた。センリツに味方しているカイザルが勤める司法省は、名称に「司法」と付くものの、三権のうち行政にあたる機関で、日本の法務省に相当し、検察などが所属する。クレアパトロは司法に属する最高裁判官であり、両者は上司と部下の関係にはあたらない。それぞれ国のエリートではあるが、行政と司法という別々の側の人物である。

拘束室の顔ぶれについて、解説資料は次のように整理する。カンザイはあまり頭は良くないものの、ヒソカ評価で85点、ビヨンドから本で頭を吹き飛ばせると言われるほどの実力を備える。一方でサイユウは実際にはビヨンド側の人間で、ハンター協会の裏切り者にあたる。ただしパリストン元副会長を経由して仲間になったため、ビヨンド自身はサイユウが味方であることを知らない。当初は監視に十二支んのサッチョウも付いていたが、10日目と11日目の拘束室にその姿は見当たらない。船上で脱走する利点がないという判断から別の場所へ配置転換されたのではないか、という見方が示されている。ビヨンドがいつでも抜け出せる状態にあるという評価も考察であり、実行は確認されていない。

同時期の継承戦:第2回念講習会

第2回念講習会が開かれたのは、継承戦12日目の朝9時からの時間帯である。この後の正午からハルケンブルグの葬送が始まり、遺体が第3層から第2層へ運ばれるタイミングでボークセンモレナ一味にさらわれる。つまり第2回念講習会は、特殊戒厳令が出される前の出来事にあたる。2日前の継承戦10日目の火曜には第1回念講習会が終了し、この時点で残りの参加者全員が念に覚醒していた。前日の11日目水曜の朝には、まずハルケンブルグとバルサミルコが人格を交換し、カイザルが司法省の情報網から得た暴露情報の手紙を、フウゲツが各王子とオイト王妃に渡し、クラピカの手元にも届いている。ハルケンブルグの肉体は12日目になったばかりの深夜に死亡し、バルサミルコの肉体に入ったハルケンブルグの人格が朝8時にベンジャミンへ電話をかけ、朝9時から第2回念講習会となる。第1回の終了、手紙の配布、肉体の死亡、第2回の開催という順序である。

暴露情報の手紙によって、各王子側は他の王子が自分の情報を握っているのではないかと疑心暗鬼になっており、第2回念講習会はその緊張した状況の中で行われた。今回は第2王子の兵隊長サラヘルが講習会に参加してきている。第1回に来ていなかった第2王子側の人間が現れたため、クラピカはかなり警戒し、何か仕掛けてくるとほぼ確信していた。第1王子護衛のバビマイナも同じ想定をしている。目立つ動きを見せたスラッカは、第3王子チョウライの警護をしている第2王妃所属の警護兵である。ただし今回は第1王妃ウンマの命令で、ワブル王子の警護サポートとして、第3王子の警護兵とともに1014号室に付いていた。

この回ではクラピカの「望み」と「あることの許可」も焦点になる。クラピカは王子ではないが、センリツからフウゲツを経由して手紙を受け取っていたため、オイト王妃に二つのことを伝えていた。一つは継承戦に望みができたこと、もう一つはあることの許可を求めたことである。また、第10王子カチョウはすでに死んでいるにもかかわらず、第10王子の従事者は第2回念講習会に参加している。指導係は3名で、第13王子護衛のハンター協会員ベレレインテ、第1王子警護の私設兵ヒュリコフ、第14王子ワブルの警護をしながら第1王子の私設兵でもあるバビマイナが務め、3名とも前回から続けて指導係を担当している。

前回はほかに、念を開花させた7名が参加していた。テンフトリダンジンマオールサトビユウリイラルディアラジオラスの7名である。指導係3名と念を開花させた7名を合わせた10名が、前回から継続して参加していることになる。ハルケンブルグの警護兵たちは、ハルケンブルグが死亡を偽装したため、念自体は10日目までに開花していたものの、今回は参加していない。新たに加わった新人は8名で、ギッパー、ガトー、ハピエッチナイペイリズルラトネアスタロッコリー、サラヘルが該当する。指導3名、念開花7名、新人8名の合計18名が第2回念講習会の参加者であり、そこにスラッカが急きょ加わろうとしている。

第4王子護衛のギッパー伍長は、もともと下層でモレナの捜索任務に就いており、ボークセンと交代する形で王子居住区に上がってきた。第7王子護衛で第2王妃所属のガトーとハピエッチの2人は、前回から参加している第2王妃兵隊長サトビの部下にあたり、第1王子の私設兵が近くで見せた不審な行動の謎を探る過程で名前が挙がった2人でもある。第13王子従事者のナイペイは、8日目の第1回晩餐会で踊りを披露するために1013号室の別空間から抜け、それ以降は本物の1013号室にいた。最も注目されるのは第2王子兵隊長サラヘルで、兵隊長でありながら従事者になりすまして参加している。その目的は、ハンター協会の除念師をあぶり出すことにある。第2王子の私設兵たちの能力は死後の呪いで、時間をかけて王子を呪い殺すため、除念師が天敵となるからである。

同時期の継承戦:ワブル王子の判明と特殊戒厳令

継承戦の資格については、作中の台詞から、国王ナスビ=ホイコーロの正室の子であること、ブラックホエール号に乗船していること、出航セレモニーに参加していることの三つが条件だと整理できる。ワブル王子は乗船しており、セレモニー会場への参加もコマで確認できる。継承戦の時間制限の説明では、選択肢のない場合には誓約と制約が成り立たないとされていた。セレモニー会場では、ずっと姿を現さないとされてきた第5王子ツベッパの念獣も、この場で初めて現れている。王子たち自身には視認できないが、確かに顕現していた。411話ではベレレインテが、サイレントマジョリティーの能力である黒ぼっこを「マスク姿の女の子」と表現している。クラピカ本来の目的は、第4王子ツェリードニヒに近づくことである。なお継承戦が終わらない場合について、クラピカはホイコーロ一族が陥落すると推測している。

ワブル王子の真実がオイト王妃から判明した場面には「特殊戒厳令48時間前」という表記があり、丸2日前、継承戦10日目の14時頃にあたる。この時間帯は、第1回念講習会の最終日に、ロンギ詛贄者でありビヨンドの娘であることなどをクラピカに伝えた後になる。クラピカが口にした「2か月前」は、クラピカとオイト王妃、ワブル王子が初めて顔を合わせた面談の場面を指す。412話で明らかになったのは、初登場時にクラピカが会った人物と、現在1014号室にいるワブルが、実は違う人物だったという事実である。本当のところはオイト王妃の妹の息子であり、性別も女性から男性に変わっていた。オイト王妃は最初の面談では「娘」と言っているが、第12王子モモゼが亡くなってクラピカと口論する場面では「息子」に「ワブル」とルビが振られている。

すり替えはカキンの発音の違いから発覚する。オイト王妃は一貫して「シマヌ」と発音していたのに対し、第3王子から電話が来た場面のクラピカは、口に出すときは「シマノ」、心の中で考えるときは「シマヌ」になっていた。この点に気づいたのはビルである。オイト王妃は以前、5人兄弟で兄、姉、妹、弟がいると発言していた。偽のワブルは正室の子ではなく壺中卵の儀も行っていないため資格がなく、本物のワブルもセレモニーに参加していないため資格がない。第1王子私設兵バビマイナと第3王子私設兵サカタは、本来女性であるはずのワブルが男性であることを確認しており、この2つの王子側にはワブルに継承戦の資格がないことがはっきり発覚している。

クラピカがワブルに資格がないことを証明しなかった理由も整理されている。第2王子私設兵がいる状況ではより危険であり、きちんと証明してしまえば、他の王子側から罪を問われる危険性もある。実際、クラピカはカチョウの手紙も使わずに温存している。第2王子私設兵サラヘルの能力は、死後の念を使って王子を呪い殺すもので、サラヘルの一族が死後に王子と伴侶となる特殊な民族だという経緯があるために使える。そのため他の第2王子私設兵は担当する王子と異性になるよう割り当てられているが、サラヘルは見るからに女性であり、ワブル王子も女性であるため伴侶という関係が成り立たず、以前からこの点には矛盾があった。ヨモツヘグイは、死んで王子と伴侶になる「死後伴侶(シゴハン)」という風習から来ている能力である。

特殊戒厳令の発令は、継承戦12日目の14時15分だと判明した。棺の場面はその30分前の13時45分にあたり、光っている場所は敗退した王子と連動している。ナスビの場面にはハルケンブルグの鳴動を示す擬音があり、その鳴動を使った人格交換と、ベンジャミンのTSK-17の発症もほぼ同じ13時45分になる。TSK-17は初期症状が感染性胃腸炎に酷似しているが実際には別のもので、発症は感染から約6時間後のため、ヒュリコフが感染させたのは、タブレットでハルケンブルグの死亡を確認していた朝7時45分ぐらいだと分かる。413話の最後、ベンジャミンがV・VIPエリアの自分の部屋からカミーラの部屋へ向かう場面は発令15分前で、準備が始まる14時ちょうどである。410話で軍隊を引き連れて司法省へ向かうベンジャミンは発症から30分経ったと述べており、「残る王子は4人」という場面は14時15分、発令直後にあたる。司法省に着いた場面は、発令から40分経過した14時55分である。

能力・特徴・関係

十二支んの一員であることから、カンザイはハンター協会内で高い権限を持つ。会長選挙の第1回投票の際、ヒソカ=モロは総合的な戦闘力を85と採点しており、これはプロハンターの多くを上回る数値である。その一方で知識と思考力の不足は明らかで、どうやってハンターになれたのかと他の十二支んに疑問を持たれるほどである。念の熟練度については、アイザック=ネテロの元スパーリング相手だった経歴がその裏づけになっている。念能力そのものは作中で読者に示されていないが、十二支んの面々に対してはすでに内容を明かしている。参照資料でも、単行本第33巻・第349話の時点で念能力は不明のままとして扱われている。

カンザイが警備に就くブラックホエール号の外側、カキン王家の継承戦では、別の系統の念が動いている。「鋼の錬金術師(コンボマスター)」は、標的のそばに一定時間いなければ発動できない能力だった。ヒュリコフは念講習会にも参加しているが、講習会が終われば基本的にベンジャミンの護衛を担当している。この能力を持ちながらロンギを「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の能力者だと誤認したのは、ベンジャミンの命令で標的をクラピカにしていたためで、読み取っている間は「発」が使えず、1人しか読み取れない。ベンジャミンの念獣の能力はいまだ不明である。ロンギの説明では、あくまで推測ながら、王子それぞれに強いソエモノがいるとされる。現在は3人の王子が死亡している。

人格交換の矢を放った場面ではバルサミルコの肉体を椅子に縛っていた。この肉体ではバルサミルコ本人の人格が優先され、もう1つの人格としてハルケンブルグがいる状態だが、ハルケンブルグは睡眠剤で本人の人格を眠らせ、自分の人格で肉体を使えるようにしていた。特殊戒厳令の命令には「第1層、即殺対象は非国王軍私設兵」という言葉があり、ベンジャミンの私設兵や王妃所属の兵は正規国王軍の資格を持つため対象に含まれない。所在と安否が不明だったチョウライとルズールスについては、監視していたベンジャミンの私設兵コベントバが主寝室で焦る様子も描かれた。チョウライは脱出経路がはっきりしている一方、ルズールスは軍の情報網に一切引っかかっていない。

第13王子マラヤームについては、1013号室で監視するサクエーレに王子の拘束が命じられ、14時30分までに拘束できなければリハンを送るよう指示が出ている。クラピカと偽ワブルがいる1014号室について、ベンジャミンはバビマイナから、ワブルが偽物であることをすでに聞いている。

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