人物
ピヨン
ハンター協会十二支んの卯、古文書ハンターのピヨン。第13代会長選挙での司会と立候補、暗黒大陸へ向かう情報班での任務、言語と解析ソフトの技能を解説。
ピヨンは、漫画『HUNTER×HUNTER』に登場する古文書ハンターで、ハンター協会の最高幹部組織である十二支んの卯を務める。言語学者と通訳を兼ね、複数の言語を操るほか、言語解析のソフトを自分で組めるプログラマーでもある。暗黒大陸への航海に備えて編成された情報収集の班に加わり、渡航準備では古代語の資料をソフトへ組み込む作業を担当した。初登場は原作第318話で、2011年版のテレビアニメでは第136話にあたる。
作中では第13代ハンター会長選挙の場面で多く描かれる。投票の立会人や集会の司会を務めながら自身も立候補し、票を自分へ集めようと画策する一面も見せた。パリストン=ヒルの議事進行や汚職には遠慮なく口を挟み、遅刻や臨時に雇われるハンターの扱いを名指しで批判している。念能力を使う場面は描かれていないが、アイザック=ネテロの手合わせ相手を務めた経歴があり、王位継承編では十二支んの内部に限って自分の能力を明かした。

ピヨン 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

会議へ出席するピヨン

会長選挙で動く十二支ん
基本情報
| 所属・役割 | ハンター協会に所属し、十二支んでは卯を担当する。肩書きは古文書ハンター、言語学者、通訳、プログラマー。暗黒大陸への航海に備えて作られた情報収集の班に配属された。 |
|---|---|
| 初登場・登場媒体 | 原作第318話(単行本第30巻)で初登場。2011年版のテレビアニメでは第136話にあたる。 |
| 状態 | 生存。作中で死亡は描かれていない。 |
| 能力・関係 | 念能力を使う場面は描かれていないが、王位継承編で十二支んの内部には開示した。アイザック=ネテロの手合わせ相手を務めた経歴があり、ヒソカ=モロの採点では総合力77点で、カンザイ、ギンタ、イルミ=ゾルディックの点数には届かない。 |
| 会長選挙での動向 | 第13代ハンター会長選挙の第1回投票でクルックと並んで9位。第4回投票の結果公表後に候補資格を失い、第8回以降は会場の司会を担当した。 |
| 専門技能 | 複数の言語を操り、通訳もこなす。言語解析のソフトを自作し、暗黒大陸の文明との接触に備えて古代語のデータをそのソフトへ組み込んだ。 |
人物像
ピヨンは平均的な背丈の若い女性で、髪はオレンジがかったミディアムの長さに整えられている。うさ耳の飾り、ミニスカート、ふわふわとした丸い尻尾、腕を覆う長いアームウォーマー、首輪を組み合わせた衣装をまとう。右の肩甲骨にはウサギの頭を象ったタトゥーが入っている。
性格はのんびりとしており、話し方も砕けている。会議の最中でも携帯電話やノートパソコンを手放さず、十二支んの中では機械に最も明るい。一方で駆け引きにも長け、パリストンの汚職を軽い調子で話題に持ち出す。選挙を行わずに自分が会長になるとパリストンが言い出した際には、はっきりと怒りをあらわにし、遅刻を咎め、ヒソカ=モロの問いかけも素っ気なくあしらった。無視されることを嫌い、自分の話に注意が向かないと大声を上げる。会長選挙でレオリオ=パラディナイトが演説を渋ったときにも、怒鳴って場に引き戻している。
生年月日、年齢、血液型、身長、体重、出身地はいずれも明らかにされていない。判明している身上は、十二支んの卯、古文書ハンター、言語学者、通訳という肩書きにとどまる。
作中での動向(選挙編)
アイザック=ネテロの死後、その遺言に従って十二支んは新しい会長を選ぶ仕組みを決めるために集まった。ピヨンはパリストン=ヒルの遅刻を仕事のためだと説明しつつ、遅刻そのものを批判し、彼が会議を仕切ることにも反対したが押し切られた。選挙を省いて自分をそのまま会長にせよという提案には十二支ん全員が強く反発し、弱い立場のハンターの代弁者を自任する彼に対しては、臨時に雇われるハンターを食い物にしていると指摘した。ジン=フリークスの立候補にも不満を示している。チードル=ヨークシャーに求められて選挙規則の案を書き、マーメン=ビーンズが無作為に引く箱へ入れたが、選ばれたのは全ハンターが候補者にも有権者にもなるというジンの案で、彼女は不満を漏らした。
8月8日の投票では、未のギンタ、寅のカンザイとともに立会人を務めた。投票に来たヒソカ=モロにジンの所在を問われ、その場を離れているが2回目の投票には戻ると答えている。このときヒソカは彼女の力量を77点と見積もった。第13代ハンター会長選挙の第1回投票で、ピヨンはクルックと並んで9位につけ、票を自分へ集めようと画策した。第3回投票の前の会合では、任務の難度がどうであれパリストンは自分に都合のよい演説をしてみせるだろうと述べている。
第3回投票の後は棄権が増えたため、パリストンの提案で全ハンターがハンター協会の本部に集められた。ピヨンは司会を担当し、質疑応答ではレオリオ=パラディナイトにマイクを渡した。レオリオはジンに、なぜゴン=フリークスに会いに行かないのかと問い、亥であるジンの答えに激昂して殴りかかった。ピヨンはこの騒ぎを逃さず、討論の映像はハンター向けのサイトで見られると声を張り上げて宣伝している。第4回投票の結果が公表されると、彼女は候補者の資格を失った。
第8回投票の冒頭では、会場に集まった606人のハンターに向けて、出席者数によって定足数95パーセントという第3の規則を満たしたと告げ、残る4人の候補による演説、質疑応答、投票という段取りを説明した。まず失格となった候補のうち、辰のボトバイ=ギガンテとハッカーハンターのイックションペ=カットゥーチャに演説をさせ、その後、新しい会長が決まるまで誰も退出できないこと、長引いても差し支えない用意があることを告げた。続けて丑のミザイストム=ナナから演説を始め、チードルの演説があまりに簡潔だったことには面食らい、考え込んでいた新人ハンターのレオリオには怒鳴って我に返らせた。レオリオの雄弁な演説と拍手の後にパリストンへ順番を回し、聴衆に携帯電話をしまうよう頼んだが、当のパリストンは演説中の使用を認めてしまう。
演説が終わると質疑応答に移り、続けて投票の手順を説明し、投票が済み次第ビーンズがその場で集計すると伝えた。結果を実況したピヨンは、首位を続けていたパリストンがレオリオに抜かれたこと、それでも過半数に届かず再投票になることを伝えている。会場の一部のハンターだけが感じ取った異様なオーラに彼女は気づかないか意に介さず、最後に残った2人へ締めの言葉を求め、パリストンはレオリオに会長になったら何をするのかと尋ねた。ピヨンに促されてレオリオが構想を語り直し、もう一問答えたところで、子の席から緊急動議が出る。この急な展開に戸惑うピヨンをよそに、パリストンはハンター十ヶ条の第8条と第9条に基づく採決を求めた。割り込んだチードルの提案をピヨンは認めたが、それはレオリオに退けられ、その場に奇跡的な回復を遂げたゴンが現れる。父子の再会に沸く会場へ、彼女は静まるよう叫んだ。9回目の最終投票で勝ったのはパリストンだったが、就任の挨拶でチードルを副会長に指名したうえ自ら会長を降り、十二支んを驚かせた。
作中での動向(王位継承編)
映像を見終えた後、ビーンズは故会長が2枚のDVDを残していたと打ち明けた。パリストンとジンを欠いたまま見るかどうかを議論する中、ピヨンはパリストンなら見つけられるだろうがジンは電話に出ないと述べている。場をまとめたチードルは、パリストンとジンの双方から十二支ん脱退の申請が出ており、それを受理したこと、そしてV6がビヨンド=ネテロを追うよう名指しで要請してきたことを明かした。2枚目のDVDでは、故会長が暗黒大陸のこと、息子のこと、若い頃に自分がそこへ渡ったときのことを語り、これは命令ではないと念を押したが、見終えた十二支んはこれを命令と受け止めた。
その後の進め方をめぐる議論の間、ピヨンは携帯電話とノートパソコンに気を取られ、話を聞いていなかった。会議の最中にビーンズが受けた電話の相手はビヨンド本人で、彼は場所を伏せた地点で一同と会い、V5には自分を捕らえたと連絡するよう求めた。ビヨンドはこれを見返りを伴う取引としての芝居だと位置づけている。独房の外からチードルとビヨンドのやり取りを見ていた十二支んは、いずれ自分たちが彼を解放して暗黒大陸へついて来るという予言に動揺した。国際渡航許可庁長官から送られた契約書にビヨンドが署名する場面を、ミザイストムを除く十二支んが見守り、ハンター協会が彼とともに暗黒大陸へ向かうことが決まった。
チードルが招集した会議では、新しい亥と子の紹介に続き、新たに設けられたV6と5大厄災、そして今回の任務の難度が示された。難度はAで、キメラ=アントのBを上回る。質問を促されたクラピカが、ネテロ側の内通者を何人まで特定できているのかと真っ先に尋ね、一同を驚かせた。ミザイストムはクラピカを外へ呼んで短く話し合い、二人は席に戻っている。続けて十二支んが渡航の準備状況を報告し、ピヨンは暗黒大陸の文明と接触した場合に備えて古代語のデータを自分たちのソフトへ組み込んでいると述べた。乗客名簿を取り戻したうえで、その復元を優先する方針も確認された。
ピヨンは情報収集を担う班に配属され、他の面々と同じく自分の能力を明かすことに同意した。彼女は知らなかったが、クラピカは導く薬指の鎖で嘘を見分けており、その結果ピヨンは潔白だと判明している。あらかじめ録画された映像では、申のサイユウが自分の念能力を説明するのを、十二支んがそろって熱心に聞いていた。ブラックホエールの出航に際しては、他の3人の十二支ん、サンビカ=ノートン、トキャリーヌ、そしてもう一人のハンターとともに船の第3層で会合に加わっている。暗黒大陸へ向かう航海の4日目には、ボトバイ、ミザイストム、クルック、ギンタとともに第3層の政治区画にいる姿が描かれた。
能力・特徴・関係
十二支んの一員であるピヨンは、アイザック=ネテロの手合わせ相手を務められるだけの実力を持つ。カンザイは、ノヴを含む熟練の専門ハンター2人よりも彼女が上だと見ていた。ハンター協会の中で彼女が握る権限も最上位に近い。ヒソカの採点では総合力77点で、その場にいた多くのプロハンターを上回る一方、カンザイ、ギンタ、イルミ=ゾルディックの点数には届かなかった。
念能力そのものを使う場面はまだ描かれていない。ネテロの手合わせ相手だったという経歴が、念の習熟度を示す数少ない手がかりである。王位継承編で十二支んが互いの手の内を明かし合った際には、彼女も自分の能力を打ち明けたが、その内容は読み手には伏せられたままになっている。
言語の扱いが彼女の本領で、複数の言語を操り、通訳もこなす。古文書ハンターとしての仕事に加え、言語解析のソフトを自分で組めるだけのプログラミングの腕もあり、暗黒大陸で未知の言語に出会った場合の備えは彼女の担当となった。人物関係では、パリストンへの不信をあらわにする一方、チードルの依頼で選挙規則の案を書くなど、協会の実務では他の十二支んと足並みをそろえている。
「ぴょん」という語は、漫画では弾む音を表す効果音として使われ、ウサギが跳ねる様子を示す擬音にも用いられる。北米で刊行された翻訳版では、当初は日本語名のローマ字表記をそのまま用いた綴りが当てられていたが、第346話(単行本第33巻)から別の綴りに改められた。