人物
イルミ=ゾルディック
ゾルディック家の長男で操作系の暗殺者イルミ=ゾルディックの人物像、ギタラクルとして臨んだ第287期ハンター試験、幻影旅団の団員No.11としての動向、針を用いる能力をまとめる。
イルミ=ゾルディックは、シルバ=ゾルディックとキキョウ=ゾルディックの長男にあたる一流のプロ暗殺者である。第287期ハンター試験には、ギタラクルと名乗る姿で参加した。ハンター試験編では副次的な敵役、第13代会長を選ぶ選挙編では中心的な敵役にあたる。のちにヒソカ=モロの依頼を受け、ウボォーギンの後任として幻影旅団へ加わり、団員No.11となった。
生年月日は1976年、年齢は26才、血液型はA型。身長185cm、体重68kg、出身地はパドキア共和国で、第287期ハンター試験に合格している。念系統は操作系で、念を込めた針を主な得物とする。状態は生存。ただし生年には1975年ごろとする記載もあり、資料間で一致していない。

イルミ=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

イルミ=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

変装を解いて姿を現すイルミ

イルミの針で操作された針人間

ヒソカへ殺気を向けるイルミ
基本情報
| 所属・役割 | ゾルディック家の暗殺者、ハンター、盗賊、幻影旅団の団員No.11。所属はゾルディック家、ハンター協会、幻影旅団。 |
|---|---|
| 初登場・登場媒体 | 原作 第6話(変装した姿)、第26話(素顔)。映像ではTVアニメ1999年版 第8話と第20話、2011年版 第3話と第15話が同じ順で対応する。 |
| 状態 | 生存 |
| 能力・関係 | 念系統は操作系。念を込めた三種類の針を使い分け、外見の改変、洗脳、死体の操作、針人間の使役を行う。ヒソカ=モロとは、本人が「ギブ・アンド・テイク」と呼ぶ相互利用の関係を結ぶ。 |
| 家族 | シルバ=ゾルディックとキキョウ=ゾルディックの長男。キルア=ゾルディック、ミルキ=ゾルディック、カルト=ゾルディック、アルカ=ゾルディックの兄にあたる。 |
| 生年月日・体格・出身地 | 生年月日1976年、年齢26才、血液型A型、身長185cm、体重68kg、出身地はパドキア共和国。 |
| ハンター試験 | 第287期ハンター試験に合格。受験時はギタラクルを名乗り、最終試験でキルア=ゾルディックの棄権による不戦勝を得てハンター証を取得した。 |
| 戦闘力の評価 | ヒソカ=モロによる総合評価は95点で、十二支んの大半より上位に置かれている。 |
| 人気投票 | 第1回のキャラクター人気投票で520票を集め、6位に入った。 |
人物像
イルミはほとんど表情を動かさない。髪は非常に長い漆黒で、後ろへ撫でつけた髪のうち一房だけはまとめずに垂らしている。目は大きく黒く、瞳孔がない。ギタラクルに変装するときは大きな丸頭の針を多数刺し、顔の骨格と筋肉、さらに声までを判別できないほど作り替える。蜘蛛の刺青は腹部に11の数字が入っているが、体のどこに彫られているかは明かされていない。少年期の髪は肩までの長さで、シャツの上に長袖を重ね、灰色のズボンをはいていた。
表情の乏しさとは対照的に、話し方はどこか楽しげで、上の空のような調子を帯びる。冷淡で容赦がなく、思考は極端に冷たい。判断の基準はもっぱら自分の利害に置かれる。それでいて弟のキルア=ゾルディックには、歪んだ、過保護な形の愛情を抱く。その愛情は、弟の生存と従順さを確保するために念能力で弟自身を操るところまで及んだ。イルミと父は、キルアを支えるものは闇だけであり、他者を殺すことでしか喜びは得られないと信じ込ませて育てた。弟を守る手段として、勝てる確信のない戦いからは逃げ出すよう仕向ける針を、キルアの脳に埋め込んでもいる。
イルミはゾルディック家のほとんどの構成員を大切に思っており、アルカ=ゾルディックの力を扱うためなら自分の命を落としても構わないと考える。その一方で、身内の任務のあいだは家族を殺すことが許されないと述べながら、アルカを家族の一員とはみなさず、殺すことに抵抗がないとほのめかした。ツボネは、アルカの力を意のままにしようとする不穏な野心が暗殺者としての本道から彼を逸らせたとみている。無関係の人間に能力を使うことにも躊躇がなく、針で他人を操るたびに軽々と大量殺人を犯している。
ヒソカ=モロとは、ある時期からイルミ自身が「ギブ・アンド・テイク」と呼ぶ独特の関係を結んだ。ヒソカがクロロ=ルシルフルを探ろうとしたときには、幻影旅団のアジトで影武者を務めて助けている。ただしヒソカからキルアを殺してもよいかと問われたときには恐ろしい一面を見せ、今ここで死にたいのかと返した。その物腰と殺気は、キルアと親しいゴン=フリークスを脅威とみなして殺すかどうか迷ったイルミに対し、ヒソカが見せた反応とよく似ている。ただし程度ははるかに小さかった。互いに利のある関係でありながら、イルミはいずれどちらかが相手を殺すことになると考え続けた。そのため、ヒソカが殺された場合には報酬を受け取るという条件で契約を結び、これを「婚約指輪」「婚前契約」と謎めいた言い方で呼んでいる。旅団に加わったあとも忠誠は薄く、団員全員がブラックホエールに乗っていることを十二支んのミザイストム=ナナへ明かした。
作中での動向
イルミはパドキア共和国で生まれた。シルバとキキョウの長子で、生まれたときから暗殺の技を仕込まれて育つ。父とともにキルアを一流の暗殺者へと鍛え上げてもいる。幼少期のある時点で念を習得した。弟の成長と行動を管理するため、シルバの命令でキルアの脳に念の針を差し込み、勝てる確信のない戦いからは逃げるよう仕向けた。第287期ハンター試験より前にヒソカとも協力関係を結んでいるが、その経緯は詳しく語られていない。ヨークシン編のおよそ三年前には、幻影旅団の団員No.8を仕事に見合わない額で暗殺した父に呼び出され、兄弟そろって旅団には近づくなと戒められた。その額の低さは、シルバが標的に与える最大級の賛辞でもあった。
キルアがゾルディック家の屋敷を飛び出したあと、イルミは母に命じられ、弟を見張るためハンター試験へ送り込まれた。試験の序盤にはギタラクルの名で短く姿を見せるが、その外見は無数の針で大きく歪められている。最初に登場するのは、トンパが下剤入りのジュースを勧めようかと思案する場面である。ヒソカが審判役を買って出て遅れたときには、無線機と発信機で二次試験会場までの道筋を教えた。二次試験ではメンチの短気のせいで危うく落ちかけ、三次試験は通過者のなかに名を連ねる。ゼビル島での四次試験の前、試験官のリッポーは残る25人の候補者それぞれに、別の候補者のプレート番号を与えた。ギタラクルはヒソカに電話して助力を申し出るが、ヒソカはこれを断っている。
四次試験では標的のゴズを見つけたところで、ギタラクルを標的とするスパーに遠距離から狙撃され、妨害を受ける。しかし弾はゴズに当たり、ゴズは致命傷を負った。ギタラクルはスパーを殺し、そののちヒソカのもとへ出向いてスパーのプレートを渡す。残りの期間は穴を掘り、四次試験が終わるまでそのなかで眠って過ごした。最終試験は勝った者から抜けていき、負けた者に次の機会が与えられる勝ち抜き方式で、一勝すればハンター証が与えられる。キルアは初戦の相手に同情して勝ちを譲ったため、二戦目でギタラクルと当たることになった。試合が始まると、イルミはキルアに正体を明かす。
イルミは、受験の理由が暗殺の依頼に必要なハンター証の取得だけではなく、独りで出て行ったキルアを案じる母の意向を受けて弟を見張ることにもあったと述べた。そして、暗殺者としての訓練から抜け出せない以上、キルアは決して良いハンターにはなれないと告げる。キルアの生きる目的は他者を殺すことだけで、何も望まない人形にすぎないとまで言い、混乱しきった弟に、ハンターになって何を求めるのかと問うた。キルアは、試験から得たいものはない、人を殺すのをやめたい、試験で出会ったゴンと友達になりたいと答える。イルミは、自分と父が冷血な暗殺者として育てた以上それは不可能だと断じ、ゴンのそばにいれば本性ゆえにいずれ傷つけるか殺すことになるとも言い切った。
この言い分に憤ったレオリオ=パラディナイトが、ゴンはもうキルアを友達だと思っていると告げると、イルミは動揺し、ゴンの殺害を考え始める。だが試験中に殺せば規定に触れると気づき、アイザック=ネテロに、キルアとの試合のあとでゴンを殺した場合は失格になるのかと尋ねた。ネテロは、その時点で合格したハンターとみなされる以上、どの規定にも触れないと答える。そこでイルミはキルアに、自分と戦わなければゴンを殺すと告げた。これは引っかけの問いで、頭の針のせいでキルアは勝てない相手には向かっていけない。針の作用によってキルアは棄権し、イルミは不戦勝でハンター証を手に入れた。
試験後の衝突とヨークシン編での動き
眠りから覚めたゴンは、キルアが試合に敗れ、さらに受験者を殺したために失格になったことをサトツから聞かされる。ゴンはイルミにキルアへ謝るよう求めるが、イルミにはその言い分が理解できない。ゴンはイルミを兄として失格だと言い放ち、イルミは兄であるのに資格が要るのかと問い返した。いっそう怒ったゴンは片手でイルミを持ち上げ、その腕をへし折る。ゴンが来る前からこの件を関係者と話し合っていたネテロは、いまはキルアの行為の性質を検討しているところだと述べた。出された結論は、キルアの失格は妥当であるものの、翌年の試験を受ける資格は残る、というものだった。イルミは、居場所を教えない限りゴンがつきまとうと察し、キルアはククルーマウンテンへ帰ったと明かした。
その後、イルミはヒソカとこの件について話している。キルアの居場所を明かしてよかったのかとヒソカに問われると、あの場所はすでによく知られており、ゴンに教えても害はないと答えた。イルミはゴンを危険視し、殺しておくのが得策だと持ちかける。これに対しヒソカは、ゴンは自分の手でしか死なないと釘を刺した。
ヨークシンでのサザンピース・オークションの時期には、イルミがクロロ=ルシルフルと旧知の間柄であることが明らかになる。イルミはマハ=ゾルディック、カルト=ゾルディックとともにクロロに雇われ、幻影旅団に賞金を懸けたマフィアン・コミュニティー マフィアの十老頭の暗殺を請け負った。任務を果たしたあとは、今度はヒソカに雇われ、ヒソカに変装して旅団のアジトへ潜入する。イルミはカルトを使ってアジトの団員たちの注意を逸らし、その隙にヒソカと入れ替わった。のちにキルアはラモットとの戦いの最中、自分を操るためにイルミが脳へ仕込んだ針の存在に気づき、これを抜き取る。ほどなくシルバとゼノ=ゾルディックは、キルアがイルミの針を外したことを察知した。
選挙編でのアルカ=ゾルディックをめぐる追跡
次期会長を決める選挙の場に、イルミはギタラクルの姿で現れる。ヒソカとは、キメラ=アントの危機のあいだに起きたこと、ネテロ会長の死、始末したいと考えている弟妹のアルカ、そしてキルアの現状について語り合った。キルアの回想では、イルミはカスガという使用人を使ってアルカの願いを叶える力を試し、その結果カスガと、ほかに66人以上が死んでいる。イルミは飛行船のバーでもヒソカと同席し、アルカの能力の規模とそれに伴う規則を説明した。ゴンを治すというキルアの願いが不首尾に終われば、ゾルディック家やヒソカを含む数万人が死にかねないという内容である。イルミが恐れたのは、キルアが誰か別の人間に願わせ、自分が代償を払う危うい方法をとることだった。そのうえで、キルアが安全な形で願わないならアルカを殺すのを手伝ってほしいとヒソカに頼んだ。
キルアがアルカと使用人たちを乗せた車でゴンの入院先へ向かう途中、イルミは電話をかけ、針を抜いたのかと尋ねる。キルアがそれを認めると、イルミは行動に移すと告げた。自分を殺すつもりかと問われると、身内の任務では家族同士の殺し合いは禁じられていると答え、アルカを家族とは見ていないこと、そして殺す意思があることをにじませる。キルアはただちに挑戦を宣言した。するとイルミは乗用車一台とトラック二台の運転手を操り、キルアの車を崖から突き落とす。離れた場所から見ていたヒソカがやりすぎだと評すと、イルミはキルアがアルカの能力の規則を隠している以上ほかに手はないと返し、使用人たちの始末を頼んだ。ヒソカがキルアを殺してよいかと尋ねた瞬間、イルミは一瞬だけ濃密な殺気を放つ。イルミはこれを、居場所をキルアに悟らせるためのわざとの挑発かと疑ったが、ヒソカは冗談だと答えた。
イルミはパラスタ空港のそばでヒソカと合流する。キルアが8機の飛行船を使って逃げたことも把握していた。ヒソカは病院を襲おうと持ちかけるが、イルミはキルアの友人たちがうろついているので得策ではないと退け、代わりに自分の針人間に仕事をさせる。キルアとモラウ=マッカーナーシは、まず針人間を捕らえ、そのうえでイルミを狙う計画を立てた。キルアは他のハンターたちに助けを求め、兄を売り渡すつもりだった。先に動いたのはイルミで、ヒソカは取り逃がした者を狩る役に回る。テラデイン=ニュートラル、ブシドラ=アンビシャス、ルーペ=ハイランドが送り込んだハンターたちを片づけたあと、二人は電話で話した。ヒソカは飛行船の航路と行き先を記した地図を見つけたと伝え、改竄したものなら送ると申し出る。しかしイルミは襲撃者の一人から同じ地図を得ており、キルアとアルカがどの船に乗ったかはすでに分かっていると答えた。
イルミは飛行船がすぐには着陸しないと読み、キルアとアルカの降りる場所へ向かう前に、残る襲撃者を始末するヒソカへ加勢することにした。着陸地ではヒシタを捕らえて操る。キルアがそれに気づいたのは、すでにアルカとともに車へ乗り込んだあとだった。姿を現したイルミはアルカを引き渡せと告げる。そこへツボネも到着し、自分が覗き魔の正体だと明かした。ツボネによれば、ミルキ=ゾルディックは映像を送ってイルミに協力しており、スコープからの映像でゾルディック家の面々が一部始終を見ている可能性がある。スコープを決して外さないのは、キキョウ=ゾルディックの命令によるものである。
そのときアルカがツボネの中指と薬指の爪を求め、願いを叶える状態に入った。ツボネはキルアに願いを言うよう促し、同時にイルミは、ゴンを救うためならキルアは罪のない数十人を犠牲にしかねないと言い放つ。イルミは家族の内部で殺すことは禁じられていると述べ、一族全体の安全のためなら自分は死んでも構わないと言い切った。キルアはイルミの死ではなく、ツボネの左手が治ることを願う。そのあとイルミは、キルアを危険にさらさずゴンを治す方法があると確信したと告げつつ、なお弟が情報を隠していると考え続けた。離れた場所から様子をうかがい、アルカの能力を自分が操れたらどうなるかと思案する。ナニカがゴンを癒やすあいだの見張りはツボネに頼んだ。やがて他のハンターたちとともに巨大な力を感じ取り、あれを手に入れて操ってみせると独りごちて笑った。
王位継承編と幻影旅団への加入
イルミはふたたびキルアとアルカをつけ狙い、病院へ近づく。病室に着くと、アルカの能力の規則を分析した。そのうえで、自分がアルカをうまく制御できるようになれば、常に部屋へ閉じ込めるのではなく最低限の自由は保証すると請け合う。キルアはこれを拒み、自分がアルカを守ると告げた。焦れたイルミがアルカを渡せと迫ると、キルアはナニカを起こし、イルミが家へ帰るよう願う。イルミは即座にゾルディック家の屋敷へ送り返され、家族全員を驚かせた。この一件でイルミは、アルカの能力ごと手中に収めるためにキルアを操りたいという欲を強める。ほかの家族はみな手を引き、キルアとアルカを行かせた。
ヒソカの依頼を受けたイルミは幻影旅団へ加わり、ブラックホエールに乗り込んでこの手品師の捜索を始める。航海四日目、旅団はティア5のテーブルに集まった。そのティアでヒソカを見つけられなかったと報告したあと、クロロはイルミに自己紹介を促す。イルミはこれに応じ、ヒソカとの関係の性質と、彼を殺すために依頼を受けて旅団へ入ったことを説明した。二人の鬼ごっこは本気であるため、イルミはヒソカの居場所を知らされていない。シャ=ア一家がテーブルを空けるよう求めて現れると、旅団は争わずに立ち去り、そのまま散開した。クロロは、次に集まるのは誰かがヒソカの首を取ったときだと宣言している。
イルミとカルトは、ほかの旅団員より上のティア3への立ち入りに成功する。しかし危険な密航者がいるという緊急放送のあと、船のビスタ区画で軍に追い詰められた。二人は兵士たちに従い、ミズリ伍長がイルミのポケットから身分証を取り出すと、兵士は二人を最上級の賓客と認め、なぜこの区画にいるのかと尋ねる。イルミは、ここに用があると答えた。兵士は準戒厳令下の状況を説明して送り返させてほしいと食い下がるが、イルミは断り、用があるとくり返す。そこへボトバイ=ギガンテとミザイストム=ナナが割って入り、ボトバイはイルミをハンターだと見抜いた。ミザイストムが幻影旅団は乗船しているのかと問うと、イルミはあっさり肯定し、自分も団員であることをほのめかしてカルトを驚かせる。イルミは自分を正直者だと言いながら、守秘義務があるのでこれ以上は答えられないと付け加えた。
ミザイストムはそれを了解し、二人にティア3の居住区を提供すると申し出る。この十二支んの意図を取り違えたイルミは、シャワー付きの独房を一つ求めた。誤解を正されたあと、イルミとカルトはミザイストムについて行くが、彼が別の急用で去ったため、ボトバイとギンタに引き継がれる。航海七日目には、フィンクス、ノブナガ、フェイタンがオウ=ケンイとタハオを交えて現状を話し合った。フィンクスは二人にモレナ=プルードの居場所の確認を頼み、旅団側は他の団員へ連絡を取りながら殺し屋を追うことにする。航海十日目には、オニオール=ロンポウがヒンリギ=ビガンダフノにヒソカはティア4にいないと確認し、そのティアの捜索を旅団に許してよいと伝えている。
能力・特徴・関係
イルミは念を込めることで用途の変わる三組の針を持ち、これを使い分ける。最もよく使うのは丸頭の針で、大きさはさまざま、柄は黄色で軸は銀色である。この針は他人や自分自身の外見を変えることを可能にする。死体を操ることにも使えるが、その効果がどこまで及ぶのかは分かっていない。TVアニメ1999年版では、この用途の針は水色で描かれた。二組目は頭部に打ち込むと対象を洗脳する針で、金色の縫い針のような姿をしている。三組目はめったに使わない針で、通常のものより軸がはるかに細く長く、柄は球形の黄色である。標的の頭蓋に突き刺すと、その相手を針人間に変えて自在に操れる。
道具としては、ゾルディック家専用無線機も挙がる。同家の暗殺者たちはこれで互いに連絡を取り、殺しの契約を果たしたことを報告する。イルミはハンターという立場に伴う利点をすべて享受しており、加えてゾルディック家の一員として莫大な富と有能な配下を自由に使える。その家名だけで、事情を知る者を怯えさせるには十分である。幻影旅団に加わったことで、いまやAクラスの賞金を懸けられた盗賊でもある。ヒンリギ=ビガンダフノは旅団全体と比べたときの自分たちの劣位に触れ、自分もカキン帝国のマフィアも旅団には太刀打ちできないと述べた。
ヒソカはイルミの総合的な力を95点と評価し、十二支んの大半より上に置いた。訓練の成果として、毒への強い耐性、電気への高い耐性、優れた敏捷性と腕力、そして武器を用いる戦闘と徒手格闘の高度な技術を備える。暗殺技術の面では熟達した暗殺者であり戦闘者でもあり、素人同然のハンター20人を超える分隊を、誰一人緊急ボタンを押せないまま単独で全滅させた。キルアを襲おうとするならヒソカであっても殺すと脅したこともある。
腕力では、ほかの念能力者の頭蓋でも難なく針で貫ける。素手で地面に大きな穴を数秒のうちに掘ったこともある。身体能力の全容は明らかになっていないが、速さについては、人混みを走り抜けながら気づかれずに複数の標的へ針を刺せる程度には速い。この速さによって、助けを呼ぶ間も与えずハンターの一団を殺している。持久力の面では、上り階段や沼地を含む起伏の激しい地形での80キロメートル超の長距離走を、汗ひとつかかずに走り切った。痛みへの耐性も並外れており、ゴンに腕を折られても顔色を変えず、そのあとも苦痛による動揺を見せなかった。
洞察力にも優れる。アルカの力については、キルアの願いが余計な代償なしに叶えられた仕組みを完全に理解し、そこから正確な予測を導き出した。投擲の技術も高く、複数の針を同時に、あるいは立て続けに寸分違わず投げられる。念系統は操作系で、その練は数百メートル離れた場所からでも感じ取れるほど不気味である。気は極めて強力で、常人に注ぎ込めば一生消えない障害を残す。これまでに使うところが確認されている技は、纏、発、絶、練の四つにとどまる。
映像化での差異と制作の背景
TVアニメ1999年版では、三次試験の直後にボーナスステージが設けられている。候補者は船内で三日間の部屋を確保するため、宝を集めることを求められた。
1999年の同人誌『週刊冨樫帝国』で、冨樫 義博はイルミの造形について語っている。着想の元は、特徴的な目をした猫の姿でキャラクターを描くねこぢるの漫画だという。第1回のキャラクター人気投票では、イルミは520票を集めて6位に入っている。