人物
カルト=ゾルディック
ゾルディック家の末子で、ヒソカ=モロの後任として幻影旅団の団員No.4となったカルト=ゾルディック。紙の扇を操る念能力、兄キルアを取り戻すという動機、各編での動きをまとめる。
カルト=ゾルディックは、シルバ=ゾルディックとキキョウ=ゾルディックの五番目の子で、ゾルディック家の子供では最年少にあたる一流の暗殺者である。出身はパドキア共和国、生年月日は1990年、年齢は12才、身長150cm、体重31kg、血液型はA型。属性はゾルディック家の一員であり、同時に幻影旅団の団員No.4でもある。生まれた時から兄たちと同じく暗殺の訓練を受け、家業の任務に加わってきた。旅団へはヒソカ=モロが抜けた席を埋める形で入り、盗賊としてA級の賞金首に数えられる。初登場は原作第41話、映像作品ではTVアニメ1999年版第34話とTVアニメ2011年版第23話である。
旅団に加わった動機は、兄キルア=ゾルディックを連れ戻すことにある。念系統は操作系で放出系に寄り、紙を操って白扇と紙吹雪を武器に用いる。絶の練度が高く、姿を消して標的や仲間を観察する役目を担うことが多い。無口で従順だが、旅団に入ってからは口数が増えた。状態は生存で、王位継承編ではブラックホエールに乗り込み、兄イルミ=ゾルディックとともにヒソカの捜索に加わる。旅団に加入した人物としては最年少で、団員No.2の座を早くに狙いながら実力差を突きつけられ、雌伏する立場に置かれている。ただし年齢の記載は一致しない。参照した資料はハンター協会公式参考書を典拠に初登場時点を10才、誕生をおよそ1989年としており、上記のプロフィールと食い違う。

カルト=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

カルト=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

カルト=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ゾルディック家の末子カルト

カルトが加入した幻影旅団
基本情報
| 所属・役割 | ゾルディック家の一員で、幻影旅団の団員No.4。職業は盗賊で、以前はゾルディック家の暗殺者、そしてグリードアイランドのプレイヤーだった。旅団に加わった人物としては最年少にあたる。 |
|---|---|
| 初登場・登場媒体 | 原作第41話。映像作品はTVアニメ1999年版第34話とTVアニメ2011年版第23話。 |
| 状態 | 生存。王位継承編ではブラックホエールに乗船し、旅団の一員としてヒソカ=モロの捜索に加わっている。 |
| 能力・関係 | 念系統は操作系で放出系寄り。紙を操り、白扇と紙吹雪を武器に蛇咬の舞を使う。絶の練度が高い。暗殺任務では兄イルミ=ゾルディックと組むことが多く、旅団入りの目的は兄キルア=ゾルディックを取り戻すことにある。 |
| 家族 | 父はシルバ=ゾルディック、母はキキョウ=ゾルディック。兄にイルミ=ゾルディック、ミルキ=ゾルディック、キルア=ゾルディック、姉にアルカ=ゾルディックがいる。祖父はゼノ=ゾルディック、高祖父はマハ=ゾルディック。ミザイストム=ナナはカルトをゾルディック家の五男と呼ぶ。 |
| 武器・道具 | 紙製の折り畳み扇である白扇。周を乗せれば鋼を容易に切断する。ゾルディック家専用無線機も携え、暗殺の契約を果たした報告に用いる。 |
| 身体データ | 身長150cm、体重31kg、血液型A型、生年月日1990年、年齢12才、出身地はパドキア共和国。 |
人物像
外見は肩までの黒髪とピンクの瞳が特徴で、2011年版のTVアニメと原作キメラ=アント編では髪をボブカットに切りそろえている。口の左側にほくろがある。ふだんの装いは濃い色の振袖に黄色い帯を腰で締め、足元は草履という組み合わせで、キメラ=アント編の振袖は黒地に白と紫の縁取りが入る。幼いころは兄姉と同じセーターとズボンを身につけていた。全体に女性的な風貌で、そのために少女と取り違えられたことがある。蜘蛛の入れ墨は腹部に4の数字が入るが、体のどこに彫られているかは明かされていない。
性格は寡黙で従順であり、言いつけられたことを黙々とこなす姿が目立つ。母キキョウ=ゾルディックとの関係は良好である。感情の制御も利いており、取り乱す場面はほとんどない。一方、旅団に加わってからは以前より言葉数が増えた。落ち着いた物腰の裏には残忍な面もあり、キメラ=アントとの戦いでは勝負を長引かせて相手をいたぶる悪癖を見せている。
内面には粘り強さがある。旅団の他の団員との圧倒的な力の差を思い知らされた場面では、痛みや辛抱には慣れていると自分に言い聞かせ、そのうえで兄を取り戻すと誓った。流星街の出身ではないにもかかわらず、キメラ=アントから同街を守った団員の一人でもある。姉アルカ=ゾルディックに嫉妬しているが、その理由は作中で明かされていない。
作中での動向
カルトはパドキア共和国で生まれ、シルバ=ゾルディックとキキョウ=ゾルディックの五番目にして末の子として育った。兄たちと同様に、生まれた時点から暗殺術の訓練を受けている。念を習得したのはグリードアイランド編での登場より前で、とりわけ絶に高い習熟度を得た。ヨークシン編のおよそ3年前には、幻影旅団の団員No.8を暗殺したばかりの父に兄弟ともども呼び出され、旅団には近づくなと戒められた。父はこのときの報酬を仕事に見合わない安さと評しており、それは標的に与える最大級の賛辞にあたる。
ハンター試験編では、カナリアの守る門を突破しようとするゴン=フリークスを茂みから覗き見る場面で初めて姿を見せる。キルア=ゾルディックの監禁が解かれた知らせを受けて母が立ち去った後もその場に残り、ゴン、レオリオ=パラディナイト、クラピカの様子を黙って観察し、母に二度目に呼ばれてようやく去った。次に描かれるのは、キキョウがキルアの出立を止めようとする場面である。キルアが母を退けて歩き出す間、カルトは完全に無視されたまま静かに見送っている。
ヨークシン編では、マフィアン・コミュニティーが旅団に懸賞金をかけた際、キルアが、父から以前イルミ、キルア、ミルキ=ゾルディック、カルトの四人に旅団へ近づくなと言い渡されたことに触れる。カルト自身は高祖父マハ=ゾルディックと兄イルミに同行し、旅団に高額の賞金を懸けた十老頭の暗殺に加わった。その後は旅団のアジトで囮役を務め、イルミがヒソカと入れ替わるのを助けている。ヒソカは、気づかれずに抜け出してクロロ=ルシルフルと戦うため、自分に変装する役をイルミに依頼していた。
旅団が除念師を求めてグリードアイランドに滞在していた時期、カルトはヒソカの後任として加入した。本人の説明では、除念師アベンガネの発見には自分の能力が役立ったという。完璧な絶を使っていたにもかかわらず気配はヒソカに察知され、その際に大きな素質があると評価されている。
キメラ=アント編と選挙編での動向
キメラ=アント編では、シャルナーク=リュウセイ、フェイタン=ポートォ、ボノレノフ=ンドンゴ、シズク=ムラサキ、フィンクス=マグカブとともに旅団の故郷である流星街へ戻り、変異したキメラ=アントと、自称「女王」が人間を蟻に変えている事態を知る。ザザンの宮殿を襲撃する段になると、女王を倒した者が事実上の頭になると聞いて色めき立った。カルトは紙片を使って他の団員の様子を探っており、フェイタンが女王を見つけたと察すると、先に自分が仕留める手立てを考える。しかしそこへ、少女と見なして声をかけてきたキメラ=アントに邪魔された。急いでいると断って戦闘に入り、扇は紙製でも侮れず、普通の人間でも名刺で割り箸を切れると告げたうえで、しばらく甚振ってから仕留めている。
戦いの後、カルトは獲物で遊ぶ癖を直さなければならないと自省し、フェイタンとザザンが戦う場所へ向かった。フェイタンの技量と速度に感嘆しつつ気圧され、それでも動きが鈍いと評する他の団員の言葉に苛立ちを覚える。ここで、旅団に入った目的が兄を取り戻すことにあったと明かされた。すぐに団員No.2の座まで上がれると見込んでいたものの、旅団の戦闘力を目の当たりにして自分の技量では届かないと認め、何年かかっても耐え続けると誓う。フェイタンに助勢を申し出て断られ、フェイタンが念能力を使う際には見物したがったが、範囲が広く無差別だから離れていろと他の団員に忠告された。旅団員たちを常軌を逸していると内心で評したのもこの時期である。最後は残った変異体の掃討に加わり、フィンクスがシャルナークとフェイタンに石を投げる旅団の和んだ一幕を見届けている。
選挙編に正式な出番はないが、若いころのイルミの短い回想に姿が現れる。カルトは兄ミルキ、姉アルカとともに散歩に出て写真家と出会い、ミルキは写真家ムーナを謀ってアルカの願いに3度「ノー」と言わせた。アルカへの嫉妬が語られるのもこの編である。
王位継承編での動向
王位継承編では、カルトはブラックホエールに乗り込み、ヒソカの捜索を始める。4日後には旅団全員が食堂に集まり、クロロが捜索の不首尾についての報告を聞いた。一同はヒソカが第5層にはいないと結論づけたが、上の層は別の二つのマフィアの一家が押さえている。そこへシャ=ア一家の一団が割り込み、頭が無礼な調子で場所を空けるよう求めた。短いやり取りの後、旅団側が席を譲る。クロロはヒソカの首を持ってくるよう命じ、それから祝おうと告げて、一同は分かれた。
まもなくカルトとイルミは第3層の展望区画にいたが、危険な密航者に関する緊急放送の後で軍に追い詰められる。放送を聞かなかったのかと兵士に詰め寄られると、カルトは眠っていて気づかなかったと答えた。兵士の一人がイルミの懐から身分証を取り出し、二人を最上級の賓客と判断して自ら護衛すると申し出るが、イルミはここに用があると言って断る。そこへ十二支んのボトバイ=ギガンテとミザイストム=ナナが現れ、やり取りに割って入った。ミザイストムが幻影旅団は乗船しているかと尋ねると、イルミは率直に認め、自分も団員であることをほのめかす。兄の発言にカルトは驚いたが、イルミは自分は正直者だと返しただけだった。
ミザイストムは二人に第3層の居住区を用意し、自ら案内を始めたが、別の急用のためにボトバイとギンタへ引き継いだ。航海7日目には、フィンクス、ノブナガ=ハザマ、フェイタンがオウ=ケンイとタハオを交えて情勢を話し合った後、フィンクスがモレナ=プルードの居場所の確認を頼み、同時に他の団員へ連絡して殺し屋を追う。10日目には、オニオール=ロンポウがヒンリギ=ビガンダフノにヒソカが第4層にいないことを確かめたうえで、その層の捜索を旅団に許可してよいと伝えた。
能力・特徴・関係
主な武器は白扇と呼ばれる紙製の折り畳み扇で、そのまま打撃に使うほか、蛇咬の舞の媒体にもなる。周を乗せると恐るべき刃物と化し、鋼を容易に切断する。扇さばきの巧みさから、鉄扇術の使い手ではないかとの見方もある。このほかゾルディック家専用無線機を携える。一家の暗殺者同士が連絡を取り合い、殺しの契約を果たしたことを報告するための道具である。
一家の暗殺任務に頻繁に加わる子として、毒と電気への高い耐性、優れた敏捷性と腕力、そして高度な暗殺技術を身につけている。ゾルディック家の一員である以上、莫大な資産と有能な配下も自由に使える立場にあり、家名を知る者にとってはその名だけで威嚇になる。ただし腕力や身体能力の全容は明らかにされていない。旅団に加わるに足る力と見なされた結果、A級の賞金首である盗賊にも数えられた。一方でヒンリギ=ビガンダフノは旅団全体と比べたときの見劣りを指摘し、自分たちカキン帝国のマフィアでは旅団に太刀打ちできないと述べている。
身体能力の描写としては、ゾルディック家の暗殺者として試しの門を開けられるが、開けられる扉の枚数は不明である。屋敷の敷地を数分で走り抜ける速さを見せ、鉄の縄が当たる前に切り落とすこともできた。フランクリン=ボルドーとボノレノフの注意をそらすと、窓から飛び出して即座に姿を消している。隠形と偵察にはとりわけ長けており、ゴン、クラピカ、レオリオを一切気づかれずに見張った。ボノレノフとフランクリンの前にも接近を悟らせずに現れ、数秒で消えたが、これはゴンにも、暗殺者として非凡なキルアにもできなかった芸当である。気配を捉えたのはヒソカだけで、そのヒソカも絶の技量は称賛した。
扇を用いた戦闘そのものにも習熟しており、迫る鋼の縄を届く前に三度斬った。扇があおる風は紙吹雪を舞い上げるほどの強さになる。暗殺者としての腕は世界でも屈指と評され、標的を仕留める際は兄イルミと組むことが多い。歩調を変えて複数の残像を作り出すリズムエコーも会得しており、動作の間はまったく物音が立たない。アイザック=ネテロによれば、これは音を立てずに歩く暗殺術の上位版にあたる。カルトが用いた際には少なくとも二つの残像が残った。
念系統は操作系で放出系に寄る。その習熟度によって非常に若くして旅団に入ったが、本人は自分を旅団で最も弱い団員と考えている。周では扇で鋼の縄を断ち、絶ではヒソカの称賛を受けた。絶の会得ぶりは完璧と評され、マチ=コマチネとノブナガはヒソカがあっさり見抜いたことに驚いたが、ヒソカ自身はドッジボールの後で感覚が研ぎ澄まされていたためだと説明している。能力としては紙を操り、扇と紙吹雪を武器に変える。グリードアイランドで除念師を突き止められたのも自身の能力によるが、それが監視用の紙人形によるものか別の能力かは分かっていない。
媒体ごとの描写と周辺の記録
原作と映像作品では描写に差がある。2011年版のTVアニメでの初登場は、キキョウについてキルアの様子を見に行く場面で、これは原作にない。原作での初登場は、カナリアがゴンの侵入を阻もうとする傍らで茂みから様子をうかがう場面である。2011年版ではさらに、カナリアが倒れた後キキョウに呼ばれるまでの間にゴンと短い言葉を交わすが、これも原作にはない。逆に旅団の注意をそらす場面は2011年版では描かれず、フィンクスがフェイタンの攻撃からカルトを庇う場面は2011年版だけに存在する。
呼称や表記にも異同がある。公式データブックには、名前の英字表記として「Calltt Zaoldyeck」という別の綴りが併載されている。英語版の翻訳では念能力の名から「咬」にあたる部分が外され、蛇の舞にあたる名称に変わった。またミザイストムはカルトをゾルディック家の五男と呼んでいる。女性だと受け取られる誤解は比較的よく見られ、1999年版のブラジル版吹き替えと字幕でも誤って女性として扱われた。
出身の扱いも一様ではない。カルトは流星街の生まれでない数少ない団員の一人で、ほかにはボノレノフ、ヒソカ、兄イルミがいる。それにもかかわらず、2011年版の語りはカルトを流星街の住人として数えている。またクルタ族の虐殺に加わっていないと確認できる団員は四人おり、カルトのほかシズク、ヒソカ(数に入れる場合)、イルミが該当する。いずれも虐殺から何年も経ってから旅団に加わったためである。
着想と周辺の記録も残る。1999年の同人誌「週刊冨樫帝国」で、冨樫 義博はカルトの造形が妻・武内直子の『美少女戦士セーラームーン』に登場する蛍を基にしていると明かした。『地獄少女』の主人公とも外見が似ており、2011年版では両者の声を同じ能登麻美子が担当している。攻撃の描写は高橋留美子の『犬夜叉』に登場する神楽のそれと通じる。第1回の人気投票では91票を集めて14位に入った。1999年版では、ネオン=ノストラードや天空闘技場のエレベーターガールと声優が共通する。
衣装についての考察もある。振袖は1500年代半ばに、中流・上流階級の男女双方の子供が着る衣服として生まれた。厳密に女性用の着物と見なされるようになったのは20世紀ごろで、それ以前にも性別による違いはあった。帯の締め方も性別によって異なり、男性は腰の位置で締め、女性は胸の下で締める。したがってカルトの装いは、初登場時に現実の基準では非常に古風なバッスルドレスをまとっていた母の趣味に沿ったものだという見方がある。