人物
ゼノ=ゾルディック
ゾルディック家の先代当主ゼノ=ゾルディックの人物像と出自、ヨークシン編とキメラ=アント編での動き、放出系の念能力と円の広さをまとめる。
ゼノ=ゾルディックは、『HUNTER×HUNTER』に登場する一流の暗殺者である。念の扱いにも極めて長けた使い手で、参照資料ではゾルディック家の先代当主に位置づけられる。シルバ=ゾルディックの父であり、キルア=ゾルディックら兄弟の祖父にあたる。属性はゾルディック家の一員。出身地はパドキア共和国、生年月日は1933年、年齢は69才、血液型はA型、身長161cm、体重58kg。念系統は放出系で、オーラで龍を象る技を戦いの主軸に据える。
老齢だが、思考の速さも戦いでの動きも衰えていない。冷静な戦術家であり、殺しはあくまで仕事で、感情を挟まず、見返りのない危険は冒さない。ヨークシン編では十老頭の依頼を受け、シルバとともに幻影旅団の頭目クロロ=ルシルフルと戦った。キメラ=アント編ではアイザック=ネテロに雇われて東ゴルトー王宮へ降下し、キメラ=アントの王を王直属護衛軍から引き離す役目を担う。その作戦中に一般人のコムギを傷つけたことで契約への意欲を失い、王を戦いの場へ送り届けたところで手を引いた。

ゼノ=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ゼノ=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ゼノ=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ゼノ=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ゼノ=ゾルディック 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 所属・役割 | 参照資料ではゾルディック家の暗殺者。先代当主を務め、現当主シルバ=ゾルディックの父にあたる。 |
|---|---|
| 初登場・登場媒体 | 原作第42話。映像はTVアニメ1999年版 第35話、2011年版 第24話。 |
| 状態 | 参照資料では生存。 |
| 念系統 | 放出系。トガシ展で公式に確認される以前は、変化系と見られていた。 |
| 主な念能力 | 龍頭戯画、牙突、龍星群、オーラの奔流を叩き込む放射。使用が確認された技術は纏、練、円、発。 |
| 円の広さ | 半径100メートルの円を展開でき、その気になれば300メートルまで広げられると発言。最大半径300mの円は円の範囲を比べた整理で5位にあたり、現役ではトップクラス。 |
| 家族・関係 | マハ=ゾルディックの孫。子は、名前の明かされていない同業の暗殺者との間に生まれたシルバひとりで、キルア=ゾルディックら孫の祖父にあたる。 |
| 生年月日・年齢・血液型 | 1933年生まれ、69才、A型。参照資料は生年をおよそ1932年、初登場時点の年齢を67才と記しており、生年の表記は一致しない。 |
| 身長・体重・出身地 | 身長161cm、体重58kg。出身地はパドキア共和国。 |
人物像
参照資料によれば、ゼノは中背の老人で、頭上に立ち上がる白灰色の髪と、口の両脇から長く垂れるフーマンチュー髭が目を引く。衣服には「一日一殺」と「生涯現役」の文字が交互に掲げられる。多くの場面で、両手を後ろに組み、背を丸めた姿勢で描かれる。
年齢を重ねても、機知に富む語り口と思考の速さ、戦闘での身のこなしは衰えていない。老人でありながら手強い戦術家であり、念の技量も高い。つねに冷静で、独特の実利主義を崩さない。効率のよい暗殺者であることに満足を覚え、それが唯一の自負といえる。殺しは仕事であって感情は入り込まず、見返りがあるときにしか命を賭けない。孫のキルアには大きな期待を寄せ、その力量を信頼する。アイザック=ネテロには深い敬意を抱き、二人は互角だと言われれば即座に否定して、ネテロのほうがはるかに強く経験も豊かだと述べる。
暴力をためらわず殺しにも迷いがないが、手を下すのは契約の遂行に必要なときに限られ、無関係な者を傷つけることは何としても避ける。キメラ=アント編でコムギを巻き添えにした後は、王を仕留める契約への意欲を失った。王とネテロの戦いがそれ以上一般人を害さないことを見届けてから、その場を去っている。長い経歴で初めて無関係な者を傷つけて動揺し、意欲をなくした経緯に、参照資料は彼の名誉を重んじる一面を見ている。一方で、老人にありがちな自慢話の癖からは抜け出せていない。目新しい経験をするたびに得意げに語り、シルバを辟易させる。息子のシルバとは持ちつ持たれつの間柄で、孫のなかではキルアを特に買っているが、ミルキ=ゾルディックの頭の良さを一言添えつつ褒めるなど、他の孫との関係も悪くない。アルカ=ゾルディックを殺すというイルミ=ゾルディックの主張には、シルバやキキョウ=ゾルディックと同じく同意せず、その力を制御下に置くことだけを望む。
作中での動向
ゼノはパドキア共和国に生まれ、生まれたときから暗殺者として鍛えられ、ゾルディック家の先代当主を務めた。子は、名前の明かされていない同業の暗殺者との間に生まれたシルバひとりである。祖父はマハ=ゾルディック。ゾルディック家の者として幼いころから暗殺術を仕込まれ、あらゆる種類の毒への強い耐性と、電気への高い耐性を身につけた。長い経歴のなかで、報酬を伴わずに人を殺したことは一度もないと本人は見積もる。キルアによれば、かつて東ゴルトー共和国への潜入をこなしていた。ハンター協会会長ネテロとは古い知り合いで、ゼノが赤子のころから互いを知る間柄である。
作中で最初に姿を見せるのは第42話、ミルキに命じてキルアを拷問部屋から解放させる場面である。ミルキはキルアが反省していないと言い返すが、ゼノはそれは承知していると答え、父が話をしたがっていると本人へ伝える。キルアが去った後、ゼノはミルキにキルアの素質をどう見るか尋ねた。ミルキの答えは、キルアはゾルディック家の歴史でも屈指だが、感情が表に出てしまうため暗殺者としては失格だというものだった。ゼノはもっともな指摘だと評する。ミルキはさらに、蚊型の爆弾という新しい発明を持ち出して祖父の関心を引こうとするが、欠点が多いと自ら認める。ゼノは彼を、天才であり同時に愚か者でもあると評した。
ヨークシン編での依頼と潜伏する旅団の捜索
幻影旅団がマフィアの構成員を大量に殺害した後、ゼノとシルバは十老頭から旅団の暗殺を依頼される。二人はゼンジが招集した暗殺者の会合に出席した。集まった者たちが色にちなんだ符牒を名乗り始めると、ゼノは遊びのようだと笑う。二人が名乗ると、それは色ではなく本名だとゼノが断りを入れた。ある暗殺者が二人を、めったに表に出ない悪名高いゾルディック家の者だと気づくと、ゼノは自分たちは特に身を隠しているわけではないと応じる。そして同業のよしみで30パーセント引きにすると言い添え、名刺を渡した。二人は会場の見取り図を断り、単独で動く。
競売の夜、幻影旅団はマフィアへの襲撃を開始する。セメタリービルにいた構成員たちは騒ぎ出し、預けた武器を返せと要求した。シルバが注意を引いたところでゼノが名乗り、この建物のなかにいる男がすでに暗殺者の何人かを殺していると告げる。武器を返したところで自分なら七秒とかからず全員を殺せる、相手にも同じことができる、だからおとなしくしていろ、というのがゼノの勧めだった。二人は旅団の痕跡を求めて建物を捜索し、まもなく暗殺者の死体を見つける。ゼノは下手人の腕前をどう見るかと息子に尋ね、円で居場所を探ると決めるが、疲れるとこぼした。
シルバは半径100メートル(約328フィート)は必要だろうと見積もるが、ゼノは300メートル(約984フィート)でも造作ないと返す。技を構えながら、報酬が仕事に見合っていないとぼやいた。居場所を突き止めた二人は、広い部屋でクロロ=ルシルフルと対峙する。入るなり、シルバは相手が他人の能力を奪うと父へ警告した。戦端が開かれ、シルバの蹴りをクロロがかわした直後、ゼノがその横に現れて手刀を突き出す。クロロは攻撃をよけるが、一撃が頬をかすめて血がにじんだ。シルバの拳を防いだところへ、ゼノがオーラの奔流を叩き込む。
クロロ=ルシルフルとの交戦と撤収
クロロが毒を塗った刃でシルバの腕を切ると、ゼノは息子の無事を確かめ、相手の念能力を声に出して分析し始める。クロロは特質系で、能力を奪うには四つか五つの条件を満たす必要がある、というのがその結論だった。毒のナイフからは、二人を同時に相手にしている間はその条件を満たせないと見抜く。クロロはナイフを捨て、戦闘態勢に入った。ゼノはシルバに、自分が押さえ込んだら自分ごと標的を殺せと指示する。ゼノが凝を発動すると、その力量を見たクロロは盗賊の極意に頼り、不思議で便利な大風呂敷を選んで具現化した。ゼノは、効果を知らないうちは厄介だと考える。だが近づくとクロロが後退するのを見て、時間稼ぎだと察した。
ゼノは龍頭戯画と牙突を組み合わせ、離れた位置から攻撃してかわした先まで追わせる。そこから、奪った能力を使うには本を開いたままにしておく必要があること、あの外套は近距離向きか反撃向きの能力であることを推し量った。シルバが練を放った隙を突き、片手の牙突でクロロを壁に縫い止める。一気に距離を詰めて脚を押さえ、拳を連打した。そしてシルバに攻撃を命じ、シルバは巨大なオーラの球を二つ放って会場の一階に大きな爆発を起こす。
もっとも、クロロとゼノはシルバの無線機によって間一髪で命拾いする。ゾルディック親子が旅団の頭目を仕留める直前、シルバのゾルディック家専用無線機が鳴り、シルバはわざと狙いを外した。イルミからの連絡で、十老頭が殺されたと知らされたためである。ゼノは埃を払って歩き去りながら、互いに危ないところだったと口にする。依頼主が死んだ以上クロロはもう標的ではないと告げ、なおも食い下がるクロロには、ゾルディック家は面白半分で人を殺したり命を賭けたりはしないと返した。自分とクロロが立ち合えばどちらが勝つかと問われると、おそらく自分が勝つが、クロロが殺すつもりで戦えば話は別だと答える。そして親子は建物を後にした。
キメラ=アント編と選挙編での動向
キメラ=アント編では、ゼノはネテロに雇われ、討伐隊がキメラ=アントの王を王直属護衛軍から引き離す作戦を支援する。人的被害を最小限に抑えて任務を果たすためである。選別の日の午前零時のおよそ三分前、ゼノとネテロは東ゴルトー王宮の真上を飛ぶ龍から飛び降りた。まだ雲の上にいるうちに、ゼノはオーラの龍を作って降下の勢いを和らげる。零時十秒前、ネフェルピトーとシャウアプフが二人を感知した。ゼノの牙突がネフェルピトーの円に触れ、双方が互いの力量を測り合う。護衛軍が戦闘に備えて円を引っ込めると、ゼノは龍星群で龍を砕き、無数のオーラの破片を王宮へ降り注がせた。降り注いだ龍の雨は王宮を貫き、大きな被害をもたらす。
混乱に乗じ、ゼノとネテロは円で王を西の塔の二階に捉える。だが客間に踏み込んだ二人は、龍星群で瀕死の重傷を負った盲目の少女を王が必死に抱きかかえる光景を前に、立ちすくむ。割って入れば人としての何かを失うと感じ、二人はその場を見守った。コムギが王宮にいるとは知らなかったゼノは、引き受けた仕事はこんな話ではなかったとネテロを責める。先に動いたのは王で、別の場所で戦うと決めた。王はネフェルピトーのオーラに怯んだ二人の隙をついて悠々と間を通り抜け、二人は王がさらに強大だと思い知る。ゼノとネテロは南の出口から王を追った。王は二人の意図を承知していると明かし、別の場所へ運ばれることを受け入れる。ゼノはオーラに小細工を一切加えず、龍頭戯画でメルエムとネテロを兵器の試験場へ運び、その上空で龍を消した。
立ち去ろうとしたゼノは、ネフェルピトーと対峙しに向かうゴン=フリークスと孫のキルアに出くわす。ゼノはキルアが変わったことをすぐ見抜いた。雇われた仕事のほかは何も知らないと言い、部屋に入ってから自分たちで決めろと謎めいた言い方で伝える。言い足りないことを胸にしまったまま、ゼノは跳び去った。外壁の外にいたところをヂートゥに見つかり、勝負を挑まれる。ヂートゥは監獄ロックへ入れないためにゼノへつきまとい、ゼノは自分が準備運動の相手と見られていると理解した。ゼノは自分の心境を説明しようとするが、ヂートゥは新しい能力の話でさえぎる。ひどく自分本位だと評しつつ、受けない限り解放されないと察した。
ゼノはヂートゥに背後を見るよう告げる。かつての師団長は、相手から目を離さないことを学んだと言って笑った。その直後、父を迎えに降りてきたシルバの一撃で押しつぶされる。ゼノは、どちらにしても結果は変わらなかったと言う。あのキメラ=アントを生かしておきたかったのかとシルバに問われると、気にしていないと答えた。龍に乗って王宮を離れながら、ゼノはキルアがイルミの針を脳から抜いたことをシルバへ伝える。さらに、時間が凝縮したような不思議な経験をしたと語り、シルバを戸惑わせた。
選挙編にゼノ本人は登場しない。ただしキルアの口から、シルバと同じくゼノもアルカを制御するために手元へ置きたがっていること、そしてキルアを危険にさらしたくないと考えていることが語られる。この時点での家族との距離について、参照資料は、ゼノがシルバとイルミの双方と互いに利のある関係を保ち、孫のなかではキルアを最も高く評価しているとまとめている。
能力・特徴・関係
念への卓越した習熟、暗殺者としての訓練、長年の活動で積んだ経験、そして冷静で分析的な頭脳が、ゼノを極めて強力な戦闘者にしている。裏社会に通じた者なら、その名を聞くだけで震え上がる。武装したマフィアの一団を殺すのに七秒とかからないと本人は言い切り、幻影旅団の頭目クロロ=ルシルフルでさえ、自分を倒すには全力と殺意が要るはずだと述べた。実際の戦いでもクロロを守勢へ回らせている。王直属護衛軍のネフェルピトーは、円を通じてその力を感じ取り、対戦を強く望んだ。察知の鋭さも際立ち、キルアがイルミの針を脳から抜いたことを見抜いている。なお、ゾルディック家の暗殺者は専用の無線機で互いに連絡を取り、殺しの契約を果たしたことを報告する。
ゾルディック家の暗殺者として、ゼノは世界屈指の殺し屋に数えられる。膂力は並外れており、自分の背丈より大きな瓦礫も難なく持ち上げる。ネフェルピトーの円の触手一本分にあたる、少なくとも二千メートルの高さでオーラの龍から跳び降りても、無傷で着地した。速度と反射も抜きん出ており、武器や銃を持つ人だかりを7秒以内に殺し切れる。速さではクロロやシルバと渡り合う。反応は、クロロの蹴りを受け止めながら空いた手で拳を連打できるほど速い。跳躍にも優れ、ひと跳びで長い距離を移動する。二キロメートルの自由落下からも危なげなく着地した。
知性も高く、鋭い頭の働きを裏づけるだけの経験を備える。戦闘では極めて分析的で、クロロのような天才型の相手の行動を先読みし、即座に的確な対策を立てる。徒手空拳ではクロロを上回る可能性がある。手刀の一撃で血を流させ、後には脚をつかんで体勢を崩し、極めて速い連打で追い詰めた。
念系統は放出系で、離れた場所でオーラを保つ力に優れる。数キロメートル離れてもオーラの構築物が消えずに残った例がある。作り出した龍は戦いに用いるだけでなく、自分や他人を直線に長時間運ぶ移動手段にもなり、戦闘では甚大な効果を上げる。念の理論にも通じ、クロロが特質系であること、能力を奪うのに四つか五つの条件が要ることを即座に見抜いた。円の広さも際立つ。念の熟達者の円が半径50メートル(約164フィート)程度であるのに対し、ゼノは半径100メートル(約328フィート)に円を展開でき、その気になれば300メートル(約984フィート)まで広げられると述べた。最大半径300mの円は円の範囲を比べた整理では5位にあたり、現役の使い手のなかではトップクラスにある。使用が確認されている技術は纏、練、円、発に限られる。トガシ展で念系統が公式に確認される以前は、変化系と見られていた。
媒体ごとの描写と作品外での言及
公式のデータブックには、名前の綴りが Zeno Zaoldyeck と記された例もある。ゼノは、原作で読者に、映像で視聴者に直接語りかける唯一の人物である。そこではアイザック=ネテロの過去、ゾルディック家との縁、厳しい戦いの最中に時間の感覚が圧縮される現象について、聞き手のいる取材のような調子で語る。その中で、自分は故会長ほど強くはないとはっきり述べている。もっとも、画面の外にいるシルバやイルミへ話している可能性もあり、そう考えれば取材めいた会話の形も説明がつく。ゼノは自分とネテロを、陰と陽になぞらえた。
英語版の翻訳では、龍頭戯画の別称が Long-Tou Xi-Hua と表記される。これは技名の漢字を中国語の文字として読み、Lóngtóu Xīhuà とローマ字に直し、さらに綴りを整えたものである。同じ字は lóngtóu hūhuà とも読め、その場合は主導する芝居という意味になる。
媒体による描写の違いもある。ゼノの並外れた円の広さは、原作でも2011年版でも言及されるだけで、実際には描かれていない。これに対し、1999年版では画面上に登場した。また1999年版のグリードアイランド編には、台詞のない出演がある。
作品外との関わりも指摘されている。牙突は『幽☆遊☆白書』の飛影が使う邪王炎殺黒龍波に似ている。『僕とロボコ』第210話では、ロボコが作る相関図にゼノの顔だけの絵が登場し、そこでゼノはロボコへの愛情を龍星群になぞらえる。同作の第257話では、ロボコが天空闘技場の審判にコーヒーを出す場面で龍星群を真似ている。
人気投票の結果も記録されている。第2回でゼノは228票を集めて9位に入った。第3回では51票で26位となり、ウボォーギン、レイザーと同順位だった。