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人物

ヂートゥ|最速の師団長、念能力とモラウ戦の敗因

キメラ=アント師団長ヂートゥを解説。圧倒的な速度、モラウとナックルとの戦闘、8時間の鬼ごっこ、クロスボウ、紋露戦苦、シルバに倒された最期を整理する。

No.420まで対応更新 2026.09.08

ヂートゥはチーター型のキメラ=アント師団長で、銃弾が髪へ触れてからでも回避できる速度を持つ。本人は『スピードキング』を名乗り、相手を倒すこと以上に、自分の速さへ追い付けない姿を見せつけることを好んだ。身体能力は師団長の中でも突出していたが、戦況を読み直す前に次の勝負へ進む性格が弱点になった。

モラウとナックルに最初の戦いで退けられると、ヂートゥはシャウアプフの助力で念能力を作り、再戦を挑んだ。8時間の鬼ごっこへ相手を閉じ込めても、モラウに心理を読まれて敗北する。新しいクロスボウも通用せず、王宮襲撃の夜にはゼノへ勝負を迫った直後、上空から降下したシルバに押し潰されて死亡した。

基本情報

ヂートゥの基本情報
所属・役割キメラ=アントの師団長。師団長のなかで最速。女王が繁殖能力を失った後は巣を離れ、のちにレオルの仲介で東ゴルトー王宮の王の側へ戻った。
初登場・登場媒体原作第189話。TVアニメ2011年版では第78話。
状態死亡。東ゴルトー王宮の外でゼノ=ゾルディックに勝負を迫った直後、上空から落ちてきたシルバ=ゾルディックに押し潰された。
能力・関係念の制御と能力の考案にはシャウアプフの助けを要した。能力は、相手を隔絶した空間へ引き込む8時間の鬼ごっこ、クロスボウと爪の具現化、紋露戦苦の三つ。モラウ=マッカーナーシとは二度戦い、因縁の相手となった。
戦闘の特徴速さで押し切る戦法。額の髪に銃弾が触れてからかわし、走りながら人間の指を切り落とす。一方で作戦を立てず、分析力と周囲への注意を欠く。
別名スピードキング(自称。単行本第21巻・第216話)。

速さだけでは勝てなかった理由

ヂートゥの速度は誇張ではない。警官隊の銃撃を至近距離でかわし、走りながら人間の指を切り落とし、ナックルの攻撃範囲から離脱できる。相手に触れさせない能力だけを比べれば、討伐側にとって危険な師団長だった。問題は、速さで作った時間を観察と判断へ使わなかったことにある。

8時間の鬼ごっこでは、ヂートゥに触れられなければモラウが空間から出られない。圧倒的に有利な規則だが、本人は待ち続けることに耐えられず、モラウが眠ったように見せた誘いへ近づいた。能力の制限時間より短い集中力を見抜かれ、自分から捕まる距離へ入った。

クロスボウと爪を作った二度目の能力も、速度との相性を十分に詰めていない。モラウは矢より本人の脚が速い矛盾を指摘した。ヂートゥは能力を増やすたび戦い方を改善したのではなく、直前の敗北を覆す新しい遊びを求めたため、同じ判断不足を繰り返した。

人物像

外見は人型のチーターに近く、背が高く細身。腕と脚は第二世代のキメラ=アントに多い節に分かれた造りで、胸と腿は白い体毛に覆われる。頭髪は首にかかる長さの紫で、両目の下にはチーターと同じ二本の紫の筋が走った。口元は猫科の動物のように前へ突き出しており、身に着けているのは裾を切り落とした青い短パン一枚だけである。

性格は単純で、自信家かつ傲慢。自分の速さに自ら感心してみせることが多い。他のキメラ=アントのような大きな目的は持たず、仲間内で最も速い存在でいられればそれで満足だった。戦いも力を誇示する機会として楽しむ。パタ市で警官隊に囲まれた際には、撃ち込まれた銃弾を最後の瞬間まで引きつけてかわし、その場の全員の指を食いちぎったうえで、翌日はもっと速い相手を連れてこいと言い残している(第218話)。念を教わってからは新しい能力を次々に考え出す一面も見せたが、その多くは効率的とは言えなかった。モラウ=マッカーナーシとは初戦を機に因縁が生まれ、モラウはヂートゥの愚かさがあるからこそ自分は勝てると公言した。

作中での動向

巣にいた時期は師団長として兵隊を率いた。ザザンと言葉を交わした後、正体の分からない武器で兵隊が殺されていることをコルトに報告する。人間狩りを趣味にしている点については、のちにレオルと名乗る師団長ともどもペギーとコルトから問いただされ、割り当ては満たしており狩りは空き時間だけだと答えた。ただし正確な数は把握していないことも自ら匂わせている。ネフェルピトーの指示を受けたラモットにより、他の師団長とともに念を目覚めさせられた。メルエムの誕生にも師団長の一人として立ち会っている。

女王が瀕死に陥ると、これからどうすべきかを思案する。繁殖能力を失った以上は女王が助かるかどうかは問題にならないとレオルに指摘され、その見方に同意した。巣を出た彼は「スピードキング」を名乗り、NGL国境検問所の人間を食い荒らす。さらに東へ進んで国境を越え、ロカリオ共和国に入ると、見つけた都市を餌場と呼んで喜んだ。パタ市で暴れ回り、駆けつけた警官隊の銃弾を軽々とかわして指をもぎ取り、鈍すぎて相手にならないと言い放つ。翌日また来るからもっと速い者を用意しろと告げ、ミエラ山の方角へ走り去った。

その途上、砂漠の道で煙幕を背に立つ男に出くわす。ナックル=バインの拳をかわし、モラウの攻撃も避けたヂートゥは、二人に連打を浴びせ、前日の相手より少しはましだが反撃の機会もないまま死ぬだろうと告げた。拳が軽いとナックルに返されると笑い、負けを認められないだけだと決めつけてさらに殴りつける。速度を上げたところで、身体は追いつけないまま二人の目と狙いが自分を捉え始めたことに気づき、かえって戦いを楽しみ始めた。反応に身体が追いつかない以上は無駄だと言い、どうやって倒すつもりかと問うと、ナックルは知恵と経験だと答え、三人を煙が包む。相手も同じ煙の中に立っていることから毒ではなく単なる煙幕だと見抜いたが、複数のナックルが飛びかかってきた瞬間に硬直し、その隙を本物に殴られた。

打撃そのものに痛みはなかったものの、殴られた跡に現れた見覚えのない存在に戸惑い、正体を明かせと迫る。ナックルは煙の中へ消え、追おうとしたところをモラウに足を払われ、モラウもまた姿を隠した。煙が晴れると、その場に残っていたのはヂートゥだけだった。彼はこの存在を振り切ろうと全力で走ったが、どれだけ速く動いても離れないと悟る。木の下で息を整えながら、念をさらに学び、速さだけではない力を得ようと決めた。ハンター協会が差し向けたハンターからは逃げ切り、翌朝はフラッタの警告のおかげでナックルとシュート=マクマホンの待ち伏せを避けている。

王宮での再戦と最期

その後、レオルと名を改めた旧知の師団長と合流する。レオルは、王直属護衛軍から与えられた任務を手伝う見返りに、体に憑いたものを取り除くと持ちかけた。標的がハンターだと聞いたヂートゥは、あの手合いは厄介だと応じる。忠誠と引き換えにシャウアプフが念能力を用意するので王宮へ向かえ、というのがレオルの指示だった。ヂートゥは借りができたと認めつつ、いつもうまい場所を持っていくと軽口を叩く。かつては百獣の王だったというレオルの返答には、王座を取り戻すつもりなのは見え透いていると内心で考えた。王宮に着くとヒナがそれを取り除き、シャウアプフが念能力を授けた。

新たな力を得たヂートゥは、ペイジンを見張っていたモラウの前に再び現れ、現実から切り離された自作の空間へ二人ごと移動する。制限時間は8時間、その間に自分を捕まえてみろと告げた。ところがモラウは追いかけず、周囲を調べて砂時計を壊そうと試み、それが叶わないと分かると5時間休むと宣言する。苛立ったヂートゥは相手が追ってくるまで挑発を続けると決めたが、4時間ほどで飽きて本を読み始めた。やがて立ち上がったモラウに終わりだと告げられ、自分の足首とモラウの煙管が煙の縄でつながれていることに気づく。走って引きちぎろうとしても縄は切れず、モラウは縄を手繰り寄せた。追い詰められた彼はその場で新しい能力を作り出し、クロスボウと爪を具現化する。

放った矢はモラウに煙管で難なく弾かれ、自分の足より遅い武器を持っても意味がない、おまえは愚かさゆえに負けるのだと言われた。激高して爪で突き刺した相手は煙の分身であり、背後に現れた本物のモラウが肩に触れて、二人はペイジンへ戻される。能力の条件により鬼ごっこは二度と使えなくなったが、本人は気に留めない。モラウともう一度戦いたい一心で、別の能力をもらうために王宮のシャウアプフのもとへ戻った。繭から新たな力を得て出てきたのは、討伐隊が王宮を襲撃する直前である。

襲撃の夜、龍星群を無傷でやり過ごし、フラッタに化けたイカルゴとブロヴーダに出くわすと、新しい能力を試すと言って立ち去る。モラウを探したものの監獄ロックの中には入れず、代わりに見つけたゼノ=ゾルディックを王宮の外まで追って勝負を迫った。露骨に嫌がる相手には、自分もあんたが望みだったわけではないと言い返す。問答は無意味だと判断したゼノに背後を見ろと促されると、即座に嘲る言葉を返した。その直後、上空から落ちてきたシルバ=ゾルディックに押し潰されて死亡する。

能力・特徴・関係

キメラ=アントであるため素の身体能力は常人を大きく上回り、師団長という立場はさらに上の実力を裏づける。師団長だった間は配下を指揮する権限を持っていたが、女王の死後にどれだけ影響力を保っていたかは判然としない。走りながら人間の指を切り落とし、頭蓋を噛み砕くだけの膂力があり、手加減をやめてからはナックルとモラウにも連打で出血させた。念を身につけたラモットの一撃を受けても、目立った傷や後遺症は残っていない。

最大の特徴は常識外れの速さと反射である。額に垂れた髪に銃弾が触れてからかわし、経験を積んだハンター二人を身体の反応が追いつかないまま何度も殴った。ただし相手は戦闘開始から一分ほどで目では追えるようになっている。戦いも狩りも速さで押し切るのが基本で、不意を突けたかどうかに関係なく、プロハンターでさえその速さには順応しづらい。体術も相応に達者で、速さと合わせてナックルとモラウを同時に相手取れた。

念については、ザザンやラモットのように独学で扱えるようにはならず、制御と能力の考案にシャウアプフの助けを要した。例外として、モラウとナックルとの戦いでは無意識のうちに凝を使っている。弱点はいずれも思慮の浅さに由来する。速さを過信して作戦を立てず、相手をよく見ないうえ、分析力がほとんどなく、周囲への注意も払わない。これらの欠点がなければ、はるかに危険な相手になり得た。モラウとの因縁も、その愚かさに付け込まれる形で決着している。

念能力とその弱点

確認できる念能力は三つある。相手を隔絶した空間へ引き込み、8時間の鬼ごっこを強いるもの。小型のクロスボウと先端の爪を具現化するもの。そして紋露戦苦である。前の二つは正式な名称が示されておらず、内容に沿った呼び名で区別されている。いずれも結果として本人に不利へ働いており、考案時の洞察と熟慮の不足がその一因に挙げられる。

鬼ごっこは最長8時間という設定のために、本人が狙った速さと切迫感の勝負ではなく忍耐比べになり、気の短い性格とも噛み合わない。追い詰められて具現化したクロスボウと爪も、相手に触れられて鬼ごっこを終わらせないための策だった。しかし矢は自分の速度よりはるかに遅く、速さに慣れた相手には容易に防がれるため、狙いは果たせなかった。

名称の由来と声の担当

自称の「スピードキング」は、1970年に発表されたイギリスのロックバンドの楽曲名と重なる。のちに戦うモラウの能力「紫煙機兵隊」も、同じバンドに由来する。英語版の翻訳では紋露戦苦に別の題名が与えられ、戦場の死角とチーターの舞を組み合わせた呼び名になった。TVアニメ2011年版では、セドカンと同じ声優が日本語版の声を担当している。英語版吹き替えを務めたセドリック・エル・ウィリアムズは、自身の演技がソニック・ザ・ヘッジホッグから着想を得たものだと語った。

よく検索される疑問

ヂートゥの念能力は何?

相手を隔絶空間へ入れて8時間の鬼ごっこを行う能力、クロスボウと爪を具現化する能力、使用前に死亡して詳細不明の紋露戦苦が確認されている。

モラウはどうやって捕まえた?

煙で作ったロープを地面へ隠し、眠ったふりでヂートゥの接近を待った。退屈に耐えられない性格を利用し、ロープを足へ絡めて触れる条件を満たした。

ヂートゥを倒したのは誰?

シルバ=ゾルディックである。ヂートゥがゼノへ勝負を迫って注意を向けた瞬間、上空から降下したシルバの一撃を受けて死亡した。

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