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人物

コルト

コンドルに似た姿を持つキメラ=アントの師団長コルト。女王への絶対的な忠誠、念の習得、女王の死後に討伐隊へ協力し最後の子を育てるまでの経緯。

No.417まで対応更新 2026.08.13

コルトは、コンドルに似た姿を持つキメラ=アントである。キメラ=アントの女王に仕えた師団長の一人で、飛行できる兵を率いて人間を捕らえ、巣へ食料として運ぶ役目を担った。転生する前は、クルトという人間の子供だった。女王の死後は師団長の任を離れ、女王が遺した最後の子を育てる道を選んでいる。

メルエムの誕生によって女王が瀕死となると、コルトは王直属護衛軍に救命を拒まれ、白旗を掲げて討伐隊のもとへ飛んだ。女王を救うことはできなかったが、彼が明かした巣の内情は討伐隊にとって重要な情報源となった。東ゴルトー共和国での一件の後もモラウ=マッカーナーシと接触し、害意のないキメラ=アントとともに魔獣として扱う方針を伝えられている。

基本情報

コルトの基本情報
所属・役割キメラ=アントの女王に仕えた師団長の一人。女王の死後は師団長の任を離れ、女王が遺した最後の子であるカイトの養育者となった。
初登場・登場媒体原作第188話(単行本第18巻)。2011年版アニメでは第77話。
状態生存。東ゴルトー共和国での一件の後もモラウ=マッカーナーシと言葉を交わし、女王の最後の子を育てている。
能力・関係生まれつきオーラを見る力を持ち、ラモットに殴られて精孔が開いた後は念能力者となり、短期間で凝を使いこなした。成人した人間を抱えたまま飛べる腕力を備える。巣では軍師ペギーと組んで統制にあたり、部下にラモットがいた。
人間だった頃の前身女王に最初に捕食された少年クルト。妹レイナを守ろうとした性質を受け継ぎ、レイナの記憶が無意識のうちに残っている。
討伐隊との関わり女王の救命を求めてモラウ=マッカーナーシ、ノヴ、アイザック=ネテロと直接交渉し、以後は巣の内情を伝える情報源となった。

人物像

背中には鷲のような翼があり、足はキメラ=アントの鉤爪で、猛禽の足に似た形をしている。顔立ちと髪は他の雄の個体よりも人間に近いが、口はくちばしの形である。腹部から胴にかけては筋肉質で、腕と脚は他のキメラ=アントと同じく節に分かれている。性格はクルトと同じく極めて生真面目で、女王への献身は絶対的だった。その忠誠は女王が死んだ後も揺らいでいない。

他の多くのキメラ=アントと違い、コルトは効率と任務の完遂だけを重んじ、それ以外の振る舞いを認めなかった。兵が個としての自我を持つことにも関心を示さず、むしろ女王のための食料調達を脅かすものとみなし、行動の基準を常に巣に置いた。一方で彼には彼なりの規範があり、子供は女王の栄養にならないとして大人だけを捕らえる。最初の襲撃では、母親が他の女性の子をかばって飛び出した場面で子供を見逃した。襲撃で子供を捕らえたラモットには、その子を助けるよう命じている。

感情を表に出すことはほとんどないが、女王が息を引き取ったときには涙を流し、亡骸の中に赤子を見つけたときにも涙している。同胞への情も皆無ではなく、ペギーカメ型の個体がメルエムに殺された際には動揺を隠せなかった。王が誕生し、指揮の権限が王へ移るはずになった後も、彼は女王への忠誠を保つ。メルエムと王直属護衛軍が女王や他の個体をほとんど顧みないこと、ネフェルピトーが女王をモノ呼ばわりしたことに強い衝撃を受け、以後は王と護衛軍を悪とみなすようになった。善悪をほとんど問題にしてこなかった彼の来歴を思えば、これは異例の判断である。

ハンターに直接掛け合って助力を求めることにも、ためらいはなかった。女王の死後はその娘を育てると決め、母に向けたものと同じ情愛を注いでいる。二度と人間を食べないという条件を受け入れ、討伐隊の庇護のもとに入った。命を落としかねない一撃を自ら受けて念を習得しようとしたのも義務感の強さゆえで、力を得た後もそれを巣のために使う道を選んだ。2011年版のアニメには、女王の死より前に彼がレイナの名を口にし、その相手を守ると述べる場面がある。

作中での動向

コルトの忠誠心と、誰かを守ろうとする性質は、女王が最初に食べた人間から受け継いだものである。その人間は、妹レイナを守ろうとした少年クルトだった。コルトにはレイナの記憶が残っているが、それは完全に無意識のもので、彼自身の自覚には上らない。作中では、飛行する兵隊を率いてNGLの人間の集落を襲い、できるだけ多くを拉致して巣へ食料として運ぶ場面で初めて姿を見せる。捕獲数を誇る別の師団長には、数よりも質が重要だと返した。女王は師団長を集め、王を産むことに専念するため一日に50人の人間を運ぶよう求めている。

ヂートゥから、自分の兵1体とザザンの兵3体が人間に殺されたと知らされたコルトは、ペギーが遺体を調べている場所へ向かった。ペギーは1体が人間の持つ未知の力によって殺されたと結論づける。コルトはそれを聞き、キメラ=アントにも同じ力を身につけられるはずだと応じた。ペギーがその力で女王が狙われる可能性を指摘すると、彼は激昂し、そうなれば全力で女王を守ればよいと言い返す。このとき彼はレイナを守ると誓ったが、ペギーに名を指摘されると口にしていないと否定した。続けてコルトは、人間の銃器を奪って恐怖を与えることを提案する。上位のキメラ=アントでなければ銃を有効に扱えないことを、人間の側は知らないからである。ペギーが去った後、彼はなぜあの名を呼んだのかと自問した。

襲撃の後、部下のラモットが、NGLでのキメラ=アント出現を調べていたゴン=フリークスキルア=ゾルディックに戦いを挑んだ。コルトはラモットが致命傷を負うまで姿を隠しており、その時点で飛び込んで彼を助け、巣へ運び帰る。二人を食うと息巻くラモットには、並外れた知能を持つ獲物として女王のために残すのであれば殺してもよいと告げた。部下が食い下がると、指揮官への反抗だとして脅している。ラモットはこのとき、ヂートゥともう一人の師団長が兵を放任し、自分たちも遊びで狩っては死体を巣に持ち帰らないこと、外征する師団長のうち女王の命令を守り通しているのはコルトだけであることを明かした。

コルトは二人を問いただした。もう一方の師団長は遊びの狩りを認め、ヂートゥは両隊とも割り当てを果たしており余暇に殺しているだけだと主張する。珍しい獲物の噂を尋ねられたもう一方の師団長は、話は聞いたが自分では見ていないと答え、そうした獲物は女王のために取っておくと宣言したうえで、ラモットをなだめるにはそう言えばよいと勧めた。ペギーに対してコルトは、ラモットは危篤だが怒りと意志の強さが彼を生かすだろうと述べている。兵の個人主義への懸念は二人に共通していたが、ヂートゥは取り合わなかった。運んだ人間の数を数えているのかと問われたヂートゥは、数えていないと認める。交代制のため全師団長を一堂に集めることはできず、コルトは女王を煩わせないよう一人ずつ話をつけると申し出た。骨の折れる仕事だと評したヂートゥには、その状況を作っている一因だと食ってかかっている。

その夜、部下からラモットの様子がおかしいと合図が入った。ペギーとともに駆けつけたコルトは、ラモットが念に目覚めたことを知る。人間が特殊な力を使えるなら自分たちにも同じことができるという彼の見立ては、これで裏づけられた。二人の人間の攻撃が引き金になったと見抜いた彼は、ラモットに自分を殴るよう頼む。ラモットはお前が嫌いだから手加減しないと警告したが、コルトは効果を得るには強い一撃が必要だろうと考えて許し、そのまま殴られて倒れた。意識を取り戻すと、ザザンの隊が珍しい獲物を捕らえていたことを思い出し、新しい力の研究に使うよう提案する。自分は回復のために残り、ペギーとラモットが倉庫へ向かった。まもなくネフェルピトーが師団長と兵長を集めてラモットに精孔を開かせたが、その頃コルトはすでに立ち上がり、自らのオーラの流れを制御し始めていた。

女王の死と討伐隊への協力

巣から遠く離れて遠征していたレイケイの隊が、続いてチオーナの隊が消息を絶った。コルトとペギーはこの事態を話し合い、気の進まないコルトもネフェルピトーに報告する。ネフェルピトーは王直属護衛軍が巣を守ると宣言し、失踪への対処は二人に委ねた。ペギーとコルトは、残る28名の師団長と32の兵の編成に取りかかる。半数以上は統制を欠いており、念を覚えたことでいっそう反抗的になっていたため、コルトは彼らを囮として使うことに決めた。それでも討伐隊は続く2週間でさらに18の部隊を退け、キメラ=アントは巣に籠もることを選ぶ。

さらに一週間の後、王が母の腹を突き破って生まれ、女王は瀕死となった。女王に駆け寄ったペギーは、王の尻尾の針で即座に首を刎ねられる。王はコルトに針を拭くよう命じたが、コルトは衝撃で動けなかった。代わって申し出た別の師団長も王に首を刎ねられ、命令が繰り返されると、コルトは死んだ師団長のハンカチを拾って従った。王が三人の護衛軍を伴って去った後、彼はタコ型の個体とともに女王の容態を見る。ネフェルピトーを追いかけて救命を頼んだものの、護衛軍はもう用はないとして彼の願いを退けた。

手立てを失ったコルトは、白旗を掲げてモラウ=マッカーナーシとノヴの潜伏先へ飛んだ。彼は女王の命を救ってほしいと頼み、王がすでに生まれたことを警告する。女王が死ねばコロニーはまとまりを失い、まず師団長が、続いて下位の個体が王を模して交尾のために外へ散ると彼は説明した。モラウはアイザック=ネテロに会わせることを承知したうえで、殺されるかもしれないと警告したが、コルトはためらわずに行くと答える。ネテロは救援を手配し、自分のオーラは王と比べてどうかと尋ねた。コルトは、護衛軍の誰かに先に殺されるので王のもとまで辿り着けないと答えている。

4時間後に巣へ戻ると、師団長の大半がすでに去っており、コルトはそれに安堵した。李博士の一団を招き入れた彼は、自分の臓器を使ってほしい、血もすべて取ってよいと申し出る。しかし世代の異なるキメラ=アントは互いに別の種のようなもので、人工臓器が働くのを祈るほかないと李博士は説明した。口をきけるようになった女王が息子の様子を尋ねると、コルトは王は健在で薬草を採りに出ていると答える。女王は、王は戻らなくてよい、自分が思い描いた姿を完成させてほしいと言った。コルトは女王に、あなたは我々の導きであり、あなたを失えば皆が道を見失うと訴え、もう一度臓器を使うよう李博士に頼んだが、再び断られる。女王は王の名を明かし、そのまま息を引き取った。

コルトは泣き崩れ、女王もレイナも守れなかった、自分は誰も救えないと己を責めた。だが女王の亡骸の中に、指ほどの大きさしかない赤子がいることに気づき、これを守り育てると誓う。その場面の後、涙を流したモラウは、二度と人間を食べないのであれば自分がコルトたちを守ると宣言した。それから一か月ほどの間に、コルトは王直属護衛軍が東ゴルトー共和国の全人口を選別するだろうという見立てをハンター側に伝えている。選別の前夜には、ネフェルピトーが円を解いた理由を探ろうとしたキルア=ゾルディックが彼に連絡を取った。コルトはネフェルピトーがカイトを蘇生させたときにも同じことをしていたと思い出し、あの護衛軍は治療の能力を使っている間は操作も円も行えないと推論した。

能力・特徴・関係

師団長であるコルトは、平均的な人間や兵隊蟻より強い。アイザック=ネテロ、モラウ、ノヴが巣を脅かし始めたとき、彼とペギーは全師団長への一時的な指揮権を与えられた。知能は人間だった頃の前身を上回っており、村への襲撃を自ら率い、他の師団長に指示を出す立場に立っている。人間が念を使えるならキメラ=アントも特殊な能力を持てるはずだという推測も、ラモットの念を目覚めさせたのがハンターの攻撃だという見立ても、いずれも当たっていた。一方で、他の師団長も自分と同じく女王に忠実だと思い込んでいたため、彼は時として相手の言い分に乗せられやすかった。

腕力の面では、成人した人間を抱えたままでも難なく飛べる。念を知る以前から、反抗的なラモットを一睨みで黙らせるだけの威圧も備えていた。体の頑丈さも相当で、念を得たラモットの全力の一撃を受けても短い時間気を失っただけで、後に残る傷は負っていない。多くの上位個体と同じく、彼は生まれつきオーラを見ることができた。荒々しいやり方で精孔を開かれてからは本格的な念能力者となり、短い期間で凝を使いこなすまでになっている。

機転の速さも彼の持ち味で、念を解放する方法を推し量ったことや、女王の死がもたらす結果を交渉材料にしてハンターに救命を承知させたことに表れている。コロニーの軍師であるペギーは、戦術の面でコルトのほうが上だと認めていた。反抗的な兵を逆に使ってネテロたちに当てる策も彼が立てたものだが、相手はそれを読んでいた。それ以前にも、上位の個体でなければ扱えない人間の武器をあえて奪い、ジャイロの兵に心理的な揺さぶりをかけている。ゴンとキルアの力量を測るためにラモットを単独で戦わせたのも、彼の判断だった。

人間だった頃の名クルトと、キメラ=アントとしての名コルトは、日本語表記では最初の一音だけが異なる。ローマ字にしても最初の文字は変わらない。東ゴルトーの一件が終わった後、コルトはモラウと言葉を交わしている。モラウは、彼と害意のないキメラ=アントたちが保護のために魔獣として分類されることを伝えた。コルトが幼いキメラ=アントの子をレイナと呼んで話したところ、当の本人は怒り、自分の名はカイトだと述べた。

原作と映像化の差異

2011年版のアニメは、コルトを中心とした場面をいくつか加えている。アニメ版では、女王が産んだ個体のうち人間の特徴を備えて生まれた最初のキメラ=アントが彼であることが明言された。原作ではこの点は述べられておらず、コルトは人間の農村への食料調達の襲撃を率いる場面で初めて登場する。アニメでは彼が言葉を話せること自体が女王の関心を引き、襲撃の場では母子を見逃して代わりに男性の村人を連れ去る。ラモットの不服従を叱責する場面も加えられている。

またアニメでは、殺した人間をすべて女王の食料として渡していた唯一の師団長がコルトだと述べられる。他の師団長に組織立った行動を促す場面や、彼らの働きぶりを見て回る場面も、原作より多く描かれた。ゴンが訪ねてきた時点で彼がまだカイトのそばにいたという描写も、アニメ版のものである。

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