人物
シュート=マクマホン
ハンター協会の未確認生物ハンター、シュート=マクマホン。モラウ=マッカーナーシの弟子でナックル=バインの相棒。操作系の暗い宿を使い、東ゴルトー王宮でモントゥトゥユピーと戦った。
シュート=マクマホンは、ハンター協会に所属する未確認生物ハンターである。モラウ=マッカーナーシの弟子であり、同門のナックル=バインと組んで行動する。念の系統は操作系で、体から切り離した手を操る戦法と、打撃を当てた相手の身体の一部を奪う暗い宿を主力とする。原作では単行本第20巻・第200話で初登場し、2011年版アニメでは第86話から登場する。キメラ=アント討伐隊の一員として東ゴルトー共和国の王宮突入に加わり、王直属護衛軍のモントゥトゥユピーと戦った。
臆病さを長く弱点とし、敵を攻める好機を前にしても踏み込めない場面が続いた。その慎重さは衝動的なナックル=バインを補い、二人は対照的な相棒として噛み合う。数千人が殺される状況を前にしても、数十億の命を守るために作戦を優先する冷徹さを見せた。単行本第25巻・第266話のモントゥトゥユピー戦では、自分より弱いはずのゴン=フリークスの戦いぶりに触発され、臆病さと重傷を越えて力を出し切る。戦闘後は瀕死の状態からノヴの念空間へ運ばれ、のちに病院で療養する姿が描かれた。

シュート=マクマホン 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

切り離された手でユピーの攻撃を避けるシュート

暗い宿を発動するシュート
基本情報
| 所属・役割 | ハンター協会に所属する未確認生物ハンター。モラウ=マッカーナーシの弟子で、ナックル=バインの相棒。キメラ=アント討伐隊の一員として東ゴルトー共和国での作戦に加わった。 |
|---|---|
| 初登場 | 原作は単行本第20巻・第200話。2011年版アニメでは第86話。 |
| 状態 | 生存。東ゴルトー王宮での戦闘で瀕死の重傷を負ったが、ノヴの念空間へ運ばれて手当てを受け、その後は病院で療養している。 |
| 念系統・主要能力 | 操作系。三つの手を体から離して操り、狙って飛ばす投射体としても、打撃を当てるための陽動としても使う。主力は打撃を当てた相手の身体の一部を奪う暗い宿で、ほかに小さな物を右手の上の平面的な刻印に変える能力を持つ。 |
| 主な関係 | ナックル=バイン(相棒)、モラウ=マッカーナーシ(師)、メレオロン(王宮突入時の同行者)、ゴン=フリークスとキルア=ゾルディック(対戦を経て共闘し、覚悟を得るきっかけとなった相手)。 |
| 年齢 | 単行本第20巻・第205話の時点で28歳。 |
| 身体的特徴 | 左腕は肩から先の大部分を失っており、残った左肩に赤い星の入れ墨がある。切り離して操る手はいずれも左手。 |
| 作中の主な戦い | キルア=ゾルディックとの一騎討ち、ナックル=バインと組んで行ったカイトの身体の封印、東ゴルトー王宮でのモントゥトゥユピー戦。 |
人物像
ハンター協会の未確認生物ハンターとして活動し、モラウ=マッカーナーシに師事する。年齢は単行本第20巻・第205話の時点で28歳。アイザック=ネテロ、師のモラウ=マッカーナーシ、ノヴが進めるキメラ=アント討伐の任務には、自ら志願して加わった。以後は同門のナックル=バインと二人一組で動き、討伐隊員として一連の作戦を通して行動する。ハンターの資格に伴う各種の便宜を受けられる立場でもある。
長身で痩せた体つきをしており、眉がなく、疲れた印象の黒い目と青白い肌が目を引く。髪は短く後ろへ撫でつけ、左側だけ長い一房を包帯でできた留め具で束ねて垂らす。髪の色は原作では濃い緑、2011年版アニメではピンクで描かれる。服装は包帯を重ね合わせたような上衣の上に着物風の外衣をまとい、左側の袖だけが大きく垂れる。外衣の色も原作では黄、2011年版アニメでは紫と異なる。腰には白い縄を巻く。左の袖の下では肩から先の大部分を失っており、残った左肩には赤い星の入れ墨がある。
臆病な性格で、敵を攻める好機が訪れても、それを生かすことを恐れる場面が多い。この慎重さはナックル=バインの衝動的な言動と釣り合い、相棒として互いの欠点を補う。単行本第20巻・第211話では、人を傷つけるのは好きではないと自ら述べている。一方、単行本第28巻・第231話では、数十億の人命を救うためなら数千人が死ぬこともやむを得ないと判断し、感情に流されかける相棒を押しとどめた。
自分については、危険と好機に向き合うことを恐れ、誰にも傷つけられないよう安全な檻に閉じこもり、自分の言葉すら押し殺していたと語る。その在り方を嫌いながら、自力では変えられずにいた。師や仲間からの助言も、恐れを知らない者の言葉として撥ね付けてきたという。その檻を破ったのは、力では自分に及ばないはずのゴン=フリークスだった。
作中での動向(討伐隊への合流まで)
討伐への同行を志願したシュートは、ナックル=バインと組み、アイザック=ネテロが選んだ二人の暗殺者候補を相手に、割った将棋の駒の片方を一か月守り抜く課題を与えられ、NGL国境近くの町で待機した。ゴン=フリークスとキルア=ゾルディックがパーム=シベリアと会った日、二人は酒場で課題の条件を確認し合う。シュートは自分の駒の片割れを手のひらに吸収しながらどう動くかを相棒に尋ね、先に仕掛けて叩き潰すという答えを聞いた。
約12日後、ナックル=バインがゴン=フリークスとキルア=ゾルディックと戦うのを離れた場所から観察し、相棒がすでに二人に情を移していると見抜く。相棒が口を滑らせた場合に備えて帰り道での待ち伏せを決めるが、標的が杖を突きながら歩き、周囲に人影もない好機を前にして怖じ気づき、そのまま見送った。期限前夜には相棒を甘いと諫め、非難されてまで敵を助ける理由を問う。NGLへ行きたくないなら駒を渡してしまえばよい、もっとも相手は受け取らないだろうとも言った。ナックル=バインからは、この一か月影に潜んでいただけの人間が、誰も見ていない所でだけ偉そうにするなと言い返される。高鳴る胸を抑え、シュートは翌日には戦うと宣言した。
約束の時刻になると、シュートはキルア=ゾルディックとともに林へ入り、ナックル=バインとゴン=フリークスから離れた。大きく息を吸って練を見せ、人を傷つけるのは好きではないと相手に警告する。内心では、自分の能力は打撃を与えたときにしか発動しないため、傷つけても構わない相手にしか使わないのだと考えていた。能力を起動しながら、敬意ゆえに戦わなければならない時があることを君たちが教えてくれた、とキルア=ゾルディックに語りかける。相手は能力の正体を見抜けず、ヨーヨーを取り出して先手を譲った。
シュートは浮かせた拳を全方位から浴びせて相手のヨーヨー捌きを試し、その手際に感心する。次いで一気に距離を詰め、顔の左側への一撃で相手を突き飛ばした。暗い宿はキルア=ゾルディックの左目を奪って視界を欠けさせ、その混乱に乗じてシュートは死角から攻めかかる。二度目は回避され、先の一撃はまぐれだったかと訝った。続く乱打の中で死角に一発を当て、退く速さを称賛する。突進してくる相手を拳で止めにかかるが、弾かれたうえに電撃を放とうとする気配を察して跳び退いた。結局、シュートとナックル=バインはそれぞれの相手を下し、翌日には四人でNGL国境へ向かう。
師と合流した二人は、キメラ=アントの女王の死を見届け、その後に放棄された巣を探索した。再会の二日前には、念を使えない状態のゴン=フリークスとキルア=ゾルディックの様子を観察している。合流の場でシュートとナックル=バインはカイトをゴン=フリークスに引き渡し、かつての師はもう彼の知る人物ではないと警告した。シュートは自分の能力を説明したうえで、天上不知唯我独損によって念を封じられていてもカイトは十分な強敵だと注意を促す。操られたカイトに殴られるままでいるゴン=フリークスを、シュートは黙って見守った。
作中での動向(東ゴルトーでの準備)
一行は列車で東ゴルトー共和国へ向かう。怒りが消えたように見えるゴン=フリークスについてシュートが漏らすと、モラウ=マッカーナーシはバネのように巻き上がっているのだと説明した。一行は食事処で食卓を囲む。その夜、念を封じていた念獣が消え、ナックル=バインはゴン=フリークスに念の具合を試させた。モラウ=マッカーナーシは自分をネフェルピトーに見立てて殴れと迫り、迷いがあると告げて覚悟と力を示すよう挑発する。ゴン=フリークスが放ったジャジャン拳のグーの殺気に、シュートは震え上がった。合格と認められた後、ナックル=バインとシュートは恐るべき王直属護衛軍の一角モントゥトゥユピーを討つ役を負い、選別の夜まで指定の組に分かれて行動する。
選別がすでに始まっているだろうとキルア=ゾルディックが伝えると、数千人が殺される間ただ待つのかとナックル=バインが荒れ、シュートに当たった。シュートは、ここで失敗すれば数十億が死ぬと返し、代案を持たない相棒を言葉で追い込む。ある夜、ナックル=バインはヂートゥの接近を感じ取り、王と接触して強力な念能力を得られては困ると考えて迎撃を決めた。シュートは同行に応じつつ、まずモラウ=マッカーナーシへ連絡するよう求める。相棒がヂートゥを野放しにしていると報告すると、師は用件だけ聞いて電話を切った。翌朝二人は待ち伏せたが、ヂートゥは進路を変える。追おうとする相棒を止め、居場所を知らせたのが飛行するキメラ=アントだと二人は気づいた。
後日ゴン=フリークスから電話が入り、ナックル=バインは選別を止めた自分たちの働きを誇った。ただし、その動きに応じてモラウ=マッカーナーシとノヴが被害の拡大を防ぐために動いたため、二人が消耗して護衛軍と戦えなくなる恐れがあり、増援を呼ばない限り残る四人で当たることになると付け加える。キルア=ゾルディックの意見を求めようとしたが連絡が付かず、双方の現在地の中間にある町で落ち合うことにした。合流してもなお、キルア=ゾルディックとは連絡が取れないままだった。
合流地点では、首輪を着けた犬の群れが二人のハンターの後を付いてきており、ナックル=バインが餌をやったからだとシュートが説明した。相棒は取り乱し、涙ぐみながら、助けを拒む相手は見捨てるほかなかったと言う。本人の知らないところで、この感情の発露はメレオロンに好印象を与えた。やがて師団長であるメレオロンが名乗り出て、四人はキルア=ゾルディックからの連絡を受ける。モラウ=マッカーナーシからは、ノヴが戦線に戻れる状態ではないものの、王宮の出口をすべて押さえたと伝えられた。
攻撃の二日前、ナックル=バインが主導する作戦会議にキルア=ゾルディックとイカルゴも加わり、各自の役割を確認したうえで、進行はキルア=ゾルディックが引き取った。パーム=シベリアの救出を主張するゴン=フリークスに対し、シュートは、彼女の覚悟を思えば案じること自体が侮辱だと答える。仮に捕らえられているなら侵攻と同時に罠へ飛び込むことになる、という見方でもキルア=ゾルディックと一致した。討伐隊はペイジンに集まった群衆に紛れ、ノヴの念空間へ集結する。
作中での動向(王宮突入と戦闘)
攻撃の十時間前、モラウ=マッカーナーシと弟子たち、メレオロンは、自分たちの姿を晒さず、かつ周囲の状況から遮断もされずに王宮へ最も近い部屋へ入る方法を検討した。護衛軍の動向を見張る役はノヴが引き受ける。六時間前、シュートは、誰よりも不安なのは自分なのだから他人を気遣っている場合ではない、人類の命運が自分たちの手に懸かっていると自らに言い聞かせた。十分前、討伐隊は東ゴルトー王宮へ動き出し、玉座の間に最も近い中央階段脇の入口から突入すると決める。ナックル=バイン、シュート、メレオロンの標的はモントゥトゥユピーだった。
作戦開始の直前にキルア=ゾルディックとイカルゴが戦闘をこなしていることに、シュートは驚く。王が本当に自分を傷つけたのかと考え込む相手には、残り三分だと告げ、今それを考える意味があるのかと問うた。一分前に出口へ歩み、モラウ=マッカーナーシの合図でナックル=バインとメレオロンに続いて突入する。角を曲がった討伐隊が見たのは想定外の光景だった。ゼノ=ゾルディックの龍星群によるオーラの破片が降り注ぎ、それが何であるか分かったのはキルア=ゾルディックだけである。ネフェルピトーの円は感じられず、別の場所にいるはずのモントゥトゥユピーが中央階段に立っていた。
シュートは、姿を消しているナックル=バインとメレオロンが誤って狙われないよう、その場で一瞬動きを止めた。ゴン=フリークスが護衛軍へ突っ込むのを見て呆然としたが、神の共犯者で気配を絶ったまま二人が破片にやられている場合に備えた動きだと理解する。仲間の覚悟に涙し、そこで自分の覚悟も定まった。モントゥトゥユピーの体がわずかに右へ押されたのを見て、ナックル=バインが殴って天上不知唯我独損を発動させたと分かり、ハンターたちの不安は解けた。
直後、ネフェルピトーの不気味な円に包まれてシュートは硬直し、その隙を突いたモントゥトゥユピーの破壊的な一撃で右脚に重傷を負う。切り離した手で護衛軍の注意を引き、モラウ=マッカーナーシを先へ通した。追い詰められた中で自分の力を見出したシュートは、自分の手の上に乗り、右目を覆う。猛攻は一時モントゥトゥユピーを守勢に回らせ、その間にモラウ=マッカーナーシへ煙管を返した。数秒のうちに致命的な傷を負いながら、自分の命を顧みずに攻め続け、暗い宿でモントゥトゥユピーの片目を奪う。とりわけ危険な一撃は自分の手で自分を殴り飛ばしてかわしたが、直後に地へ倒れ、死の淵に立たされた。
とどめを刺される前にナックル=バインが姿を現し、護衛軍を引き付ける。シュートは気を失えば暗い宿が解けてしまうため、飛び、次いで這ってでもその場を離れようとした。相棒が離れすぎるとモントゥトゥユピーは引き返し、シュートを見つけたが、もはや脅威ではないと見て殺さずに立ち去る。戻って助け起こしたナックル=バインは、その考えを察して激怒し、仇を討つと誓った。シュートは止めるべきだと感じながら、見下すような目を向けられた屈辱を訴え、自分の代わりに殴ってくれと頼む。相棒は承諾していったん去るが、すぐに引き返し、護衛軍が凄まじい爆発を起こす直前にシュートを抱えて離脱した。
作中での動向(戦闘後と選挙編)
ナックル=バインが仇を討つ前に、シュートは意識を失った。気を失っている間にノヴが自分の念空間の一室へ運び、そこで手当てを受けさせている。
選挙編では、病院で傷の療養にあたる姿が描かれ、傍らにはメレオロンが付き添っていた。のちにナックル=バイン、パーム=シベリア、メレオロン、イカルゴとともに、ゴン=フリークスから送られてきたコクチハクチョウの群れの写真を眺める場面がある。
能力・特徴・関係
念の系統は操作系で、三つの手を体から離して操ることを得意とする。手は狙って飛ばす投射体としても、打撃を当てて暗い宿を発動させるための陽動としても使う。もう一つの能力では、小さな物を右手の上の平面的な刻印へと変えられる。この二つの手技には作中で示された正式な名称がない。左腕を失った不利は、これらの念能力によって実質的に補われている。
腕力の正確な程度は明らかでないが、掌打でキルア=ゾルディックを押し返す程度はある。ただしその一撃は相手に後を引く損傷を残さなかった。速さと反応も鋭く、キルア=ゾルディックがわずかに気を取られた隙に距離を詰めた。もっとも、兄の暗示の影響下にない相手には続く攻撃をかわされている。相手の手に電気が集まるのを見て取り、能力が届く前に退いた場面もある。自分の手に乗ったときは特に速く、数の多いモントゥトゥユピーの攻撃を避けては逸らし、一度は護衛軍の体に触れた。平衡感覚にも優れ、高速で向きを変え続ける手の上に片脚だけで立ち続けられる。
格闘の技量そのものの程度は示されていないが、近距離での戦いに長け、主力の暗い宿を当てる手段としても、それが生む死角を突く手段としても用いる。絶の扱いにも秀で、感覚の鋭いゴン=フリークスとキルア=ゾルディックに、一か月近く気づかれないまま尾行を続けた。標的に悟られず追跡する技術は特に高い。観察眼も鋭く、キルア=ゾルディックの電撃を放たれる前に察知したのはその一例である。
戦績としては、王直属護衛軍のモントゥトゥユピーを短い間とはいえ単独で相手取り、ほぼ致命的な傷を負いながら食い下がった点が大きい。ナックル=バインの助けを得て、操られたカイトの身体を封じてもいる。自分の力への自信のなさは長く足枷だったが、ゴン=フリークスの姿が自分自身の覚悟を見つけさせ、命を顧みずに護衛軍へ向かわせた。王宮での戦いでは直感に従って右目を覆い、追い詰められた昂ぶりと相まって力が増している。人間関係では、相棒のナックル=バイン、師のモラウ=マッカーナーシ、ともに突入したメレオロンとの結び付きが深い。
名前の由来と描写上の補足
名前は日本の野球でよく投げられるシュートという球種に由来する。ナックル=バイン、パーム=シベリア、ジャイロも同じ流儀で名付けられている。浮かせて操る手はいずれも左手であり、偶然にも失ったのは左腕だった。能力名に含まれるラフレシアは、腐った肉に似た匂いで知られる寄生性の顕花植物の属である。2011年版アニメでは、小甲虫型のキメラ=アントと声を担当する人物が共通する。