人物
フェイタン=ポートォ
幻影旅団の団員No.2フェイタン=ポートォについて、流星街での来歴、ヨークシン編以降の行動、変化系の念能力「許されざる者」「太陽に灼かれて」をまとめる。
フェイタン=ポートォは、盗賊集団・幻影旅団の団員No.2である。出身地は流星街、身長は155cm、体重は45kg。団員からは「フェイ」とも呼ばれる。蜘蛛の刺青は腹部に2の数字を刻むが、体のどこに彫られているかは明かされていない。原作の初登場は第71話、映像化作品ではTVアニメ1999年版第51話と2011年版第41話にあたる。旅団では拷問と尋問を担い、腕力の序列は団員中五番目に置かれる。念系統は変化系で、「許されざる者」と「太陽に灼かれて」の二つを使う。
小柄ながら戦闘力は団員のなかでも突出し、キメラ=アントの師団長ザザンや複数の陰獣を倒している。ザザンを倒した後は、クロロ=ルシルフルが戻るまで旅団の事実上の頭を務めた。ヨークシン編ではフランクリン=ボルドーやフィンクス=マグカブと組み、地下オークションの襲撃とマフィア掃討にあたる。グリードアイランド編ではゲームへ侵入して現実の島まで渡り、王位継承編ではブラックホエールの船内でカキン帝国のマフィア一家と対峙した。

フェイタン=ポートォ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

フェイタン=ポートォ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

受けた痛みを返すフェイタンの許されざる者

地下競売へ侵入するフェイタンとフランクリン
基本情報
| 所属・役割 | 幻影旅団の団員No.2。盗賊であり、団内では拷問と尋問を担当する。ザザンを倒した後は、クロロ=ルシルフルの復帰まで事実上の頭を務めた。腕力の序列は団員中五番目。 |
|---|---|
| 初登場 | 原作第71話。映像化作品ではTVアニメ1999年版第51話、2011年版第41話。 |
| 状態 | 生存。王位継承編でもブラックホエールの船内で行動している。 |
| 念系統・念能力 | 変化系。「許されざる者」で受けた痛みを力へ変え、「太陽に灼かれて」は小さな太陽を生んで相手を焼き尽くす。準備の際には放出系の応用でオーラを体から切り離す。 |
| 体格・出身 | 身長155cm、体重45kg。出身地は流星街。 |
| 武器 | 傘に仕込んだ両刃の細身の剣。傘は臙脂色で黒い髑髏が描かれ、握りのボタンで先端を弾丸のように撃ち出せる。 |
| 主な関係 | クロロ=ルシルフルへ生涯の忠誠を誓った創設メンバーの一人。任務ではフィンクス=マグカブと組み、どちらが多く殺したかを競い合う。 |
| 手配・記録 | A級の賞金首。流星街の生まれであるため公的な記録に一切残らず、身元をたどることはほぼ不可能とされる。 |
人物像
フェイタンは小柄で細身ながら筋肉質の体つきをしている。髪は黒く中ほどの長さで、目は灰色、肌は青白い。黒っぽいだぶついた衣服をまとい、口元は旅団の紋章である髑髏をあしらったバンダナで覆う。「許されざる者」を発動すると服装そのものが一変し、上着状の衣装の前面には逆さの十字架が三つ並ぶ。蜘蛛の刺青には腹部に団員番号の2が入るが、彫られた場所は示されていない。TVアニメ1999年版では、髪が濃い青、目が金色に描かれた。
拷問の技術に長けたフェイタンは、旅団の尋問役を務める。普段は口数が少なく、話す言葉は文法も崩れている。怒りが極まると、世界の共通語とは異なる出自不明の言語を話し始める。クロロ=ルシルフルには強い忠誠を示すが、何より優先するのは旅団そのものの存続であり、「蜘蛛」への忠義が厚い。ほかの団員と同じく自分が死ぬ可能性にも無頓着で、非人道的な大量殺戮をためらわない。クルタ族の虐殺では仲間とともに手を下し、子どもを含む無抵抗の人々への拷問と遺体の損壊にも加わった。
その残虐さの背景には、親しい友人サラサが惨殺され、下手人への復讐心を抱えたことがある。むごたらしい死は彼の感覚を麻痺させ、同種の行為への抵抗を奪った。若い頃は友人や流星街の子どもたちに優しく接する一面も描かれる。団員のなかではフィンクス=マグカブと特に親しく、任務では組んで動き、どちらが多く殺したかを競い合う。キメラ=アントとの戦いの後には、シャルナーク=リュウセイとともにフィンクスをからかい、その間ずっと彼らしくない表情を浮かべていた。
尋問役としてのフェイタンは、あるとき自分が痛めつけた相手を「最も気の毒だった」と評しており、わずかに同情を見せることもある。それでも基本は苦痛を与えること自体を楽しむ加虐的な性格で、ゴン=フリークスを拷問する際には爪を剥ぐところから始めようとした。ザザンを倒したときには、死にゆく相手を嘲りながら高笑いしている。嗜好は読み物にも及び、陰獣の一人 Owl を痛めつけた後には、猟奇的な題材でも知られる実在の画家トレヴァー・ブラウンの画集を読んでいた。
流星街で育ったことは、彼の人間関係の土台にもなっている。そこで結ばれた絆は「水より薄く、しかし血より濃い」と形容される。幻影旅団は流星街の防衛にとって重要な戦力であり、キメラ=アントが街を襲ったときに現地へ向かった団員の一人がフェイタンだった。
来歴:流星街での日々と幻影旅団の結成
フェイタンの出身地である流星街は、世界からはじき出された人々が集まるゴミの街である。そこに住む者は公的な記録に一切残らず、街の存在を知る者自体もごく少ない。作中への登場からおよそ十五年前、フェイタンはフィンクス=マグカブとともに、ビデオテープを抱えて走るクロロ=ルシルフルを見つけ、バイクで進路をふさいだ。新しい映像が見られると期待して返却を迫ったが、クロロは二人を出し抜き、以前に拾っていた別のカセットを渡してその場を収めた。
その後フェイタンはフィンクスとともに、クロロが吹き替えを付けた「清掃戦隊カタヅケンジャー」の上映会へ足を運び、終演後には次の上映でイエロー役を担当したいと自ら申し出た。舞台での声当てには誇りと喜びを感じ、仲間との稽古そのものを楽しんでいる。ところがオレンジ役を務めた共演者が森で遺体となって見つかると、フェイタンはウボォーギンとほかの共演者六人とともに、クロロへ生涯の忠誠を誓った。
親友サラサの惨たらしい死は、下手人への渇きにも似た復讐心を彼に残した。シーラを除く仲間たちと同じく、フェイタンは生まれ変わった旅団でクロロに従う道を選び、頭として仰いだうえで悪辣な盗賊団としての闇に身を置く。三年後には、フランクリン=ボルドー、マチ=コマチネ、パクノダ、ノブナガ=ハザマ、ウボォーギン、シャルナーク=リュウセイ、クロロとともに幻影旅団の結成に立ち会った。創設メンバーとしてクルタ族の虐殺にも加わっている。またある時期には、見物しようとした複数の団員を「許されざる者」の解放で危うく死なせかけた。
作中の役割:ヨークシン編の地下オークション襲撃
8月31日、フェイタンはフランクリン=ボルドー、ノブナガ=ハザマ、マチ=コマチネとゴルドー砂漠を歩き、ヨークシンへ向かった。全員が集まるのは何年ぶりかとノブナガに問われると、三年二か月ぶりだと即答し、その間にNo.4とNo.8が入れ替わったことも付け加える。ヒソカ=モロの名が出ると、自分は彼が好きではないと述べ、なぜクロロ=ルシルフルが好き勝手を許すのかと疑問を口にした。ノブナガがヒソカの能力と強さを持ち上げると、クロロがヒソカを恐れているような言い草だとして謝罪を求める。ノブナガとフランクリンが衝突した際には、マチとともにすばやくその場を離れた。
クロロの狙いを気にするマチに、フェイタンは競売へ世界で最も危険で高価なゲームが出ると話した。廃ビルに全団員が集まると、クロロは地下オークションの出品物をすべて奪うという方針を告げる。翌日の夕方、フェイタンはフランクリン、シズク=ムラサキと市街を歩き、シズクが腕相撲でゴン=フリークスに負けるのを見て、弱すぎると咎め、なぜ利き腕を使わなかったのかと問いただした。もう一度やると言い張るシズクには、いまは仕事中であり、欲しいものは競売から奪えばよいと言い聞かせている。
襲撃当日、フェイタンはフランクリンとともにスーツに蝶ネクタイという装いで競売会場へ潜入し、着席したマフィアたちの前で壇上に立った。歓迎の言葉に続けて全員がここで死ぬと告げると、フランクリンが「俺の両手は機関銃」で場内を制圧する。出席者が全滅すると、フェイタンは自分のする事が何もなかったと不満を漏らした。シズクが後始末を進める間、床にまだ息のあるマフィアがいることに気づく。相手はマフィアが必ず家族を捜し出して拷問すると言い残したが、フランクリンがすぐにとどめを刺し、フェイタンは家族とは何かと嘲るように尋ねた。
金庫室が空だと分かると、フェイタンは競売人を拷問して情報を引き出し、相手が死ぬまで続けた。判明したのは、陰獣の一人 Owl が金庫室に入り、手ぶらで出たにもかかわらず品物をすべて移していたことだった。気球で離脱する団員たちに、クロロは残りの陰獣をおびき出すため派手に暴れろと指示する。数十人のマフィアがゴルドー砂漠まで追ってきて気球を撃ち落とすと、フェイタンはシズクに後始末の必要はないと告げた。ウボォーギンが単身で相手取る様子に、団員たちは力量の差を口にする。敵が殲滅されると、フェイタンは陰獣が四人到着したと仲間へ知らせた。ウボォーギンの絶叫がヤマアラシを殺した際には、ほかの団員と同じく間に合うように耳をふさいでいる。
ウボォーギンがクラピカに捕らえられると、フェイタンはシャルナーク=リュウセイ、マチ、シズク、ノブナガとともに車を奪って追跡した。相手の車を視界に捉えた矢先、Owl がボンネットへ降り立ち、「不思議で便利な大風呂敷」で車を包み込む。ノブナガを除く全員が回避に成功し、フェイタンはそれを彼の位置取りの悪さだと評した。さらに五人の陰獣が現れると、フェイタンとシズクは鎖でウボォーギンを捕らえた者が陰獣ではないと考える。ならば本人たちに聞けばよいとして、彼は戦闘態勢に入った。陰獣を全滅させた団員たちは、ウボォーギンを連れ去ったのがノストラード組だと知る。
作中の役割:ヨークシン編のマフィア掃討と離脱
仲間が救出へ向かう間、フェイタンは捕らえた Owl を連れて拠点へ戻り、拷問の末に競売品の回収に成功した。その夜、痛めつけられた Owl のそばで本を読む彼に、シャルナークがウボォーギンの帰還を尋ねる。フェイタンはまだ戻っていないと答え、簡単に死ぬ男ではないと請け合った。しかしクロロ=ルシルフルは、鎖使いが相手ではウボォーギンでも隙を突かれると指摘し、夜明けまでに戻らなければ方針を変えると団員へ伝えている。
9月3日、拠点にいたフェイタンのもとへ、ノブナガ、マチ、フィンクス=マグカブ、パクノダがゴン=フリークスとキルア=ゾルディックを捕らえて戻った。彼はゴンをシズクが腕相撲をした少年だと見抜き、忘れたことを思い出させようとしても無駄だとフランクリン=ボルドーへ忠告する。ノブナガに腕相撲で負け続けたゴンが逆上して形勢を覆すと、フェイタンはすかさず取り押さえた。鎖使いを知っているかと問い、すでに答えたと返されると拷問の支度に入るが、ノブナガに止められ、双方が練を高め合う。団内での私闘は禁じられていると諭された二人は、コイン投げで決着をつけた。投げに負けたフェイタンは、しぶしぶゴンを解放する。
団員たちが二人の少年を帰す方向へ傾くと、フェイタンはゴンとキルアをからかった。ノブナガがゴンを旅団へ入れるために引き止めようとした際には、クロロが認めるはずがないと断じている。その後、クロロとノブナガを除く団員の会合に出席し、鎖使いを見つけるためノストラード組を狙うというシャルナークの新方針を聞いた。フィンクスと組んだフェイタンは、セメタリービルへ来て暴れろというクロロの指示を伝える。マフィアを一人始末したフィンクスから残りの団員の動きを問われると、皆こちらへ向かいながら護衛も片付けていると答え、クロロが虐殺を派手に見せたがっていることも付け加えた。
二人がマフィアの集団へ歩み寄ると、写真でフェイタンの顔を知る者が声を上げたが、彼は即座にその首をはねた。団員たちは警官隊と二千人を超えるマフィアを短時間で殺戮する。十老頭が死ぬと、旅団は行く手を阻む者を殺しながら競売そのものを掌握した。さらにコルトピ=タノフメールの能力でフェイタンを含む数人の死を偽装し、競売品の複製を作って、仕切り直された競売で贋物を売りさばく。拠点へ戻った団員たちは、この首尾を祝った。
9月4日、クロロが市を離れると決めたのに対し、ノブナガは鎖使いを追うべきだと主張した。フェイタンは動かずにいたことを問い詰めたが、追跡しなかった理由をノブナガが説明すると矛を収めている。人質の交換が済んだ後、パクノダはクロロを連れずに戻り、フェイタンを含む六人へ六発の「記憶弾」を撃ち込んで、直後に倒れた。
作中の役割:グリードアイランド編
9月6日、フェイタンはフィンクス=マグカブとサザンピース・オークションに現れ、その場にいたゴン=フリークスとキルア=ゾルディックを見て驚いた。逃げ出した二人をたやすく追いつめると、殺すつもりはないと告げ、クラピカを殺せば死後に発動する念が働きかねないため手を出せないことも明かす。フェイタンが目配せをすると、フィンクスはそれ以上話すべきでないと察し、クロロ=ルシルフルが除念師を探しているのだから待てばよいと自分に言い聞かせた。フィンクスは自分たちは競売を楽しみに来ただけで、ほかの団員はもう帰ったと二人へ告げる。パクノダについて問われると、彼女は死んだが二人に感謝していたと答え、フェイタンとともに背を向けて立ち去った。
この競売に足を運んだことで、二人はバッテラがグリードアイランドの複製を大量に買い集め、選考会で参加者を選んでいると知る。同じ日のうちにソフトを運ぶ車を襲い、護衛を殺してゲームを拠点へ持ち帰った。フェイタンが先にゲームへ入ると、マチ=コマチネ、フランクリン=ボルドー、シズク=ムラサキ、シャルナーク=リュウセイが関心を示し、フィンクスは彼らを誘ってから自分も入る。シャルナーク、シズク、コルトピ=タノフメールもゲームへ入り、グリードアイランドが現実の世界に存在する場所かもしれないと気づくと、計画を立ててフェイタンたちと合流することにした。
ゲーム内でフェイタンとフィンクスはラターザを殺してカードを奪った。どちらが多くプレイヤーを殺せるか競おうというフィンクスの提案には、カードを先に奪うよう念を押したうえで応じている。手持ちのカードは少なかったが、二人の攻撃的な立ち回りは爆弾魔たちにも警戒された。合流した団員たちは船で現実のグリードアイランドへ渡るが、たちまち Eta に探知される。浜辺で一行を迎えたのはゲームマスターのレイザーで、侵入者は歓迎しない、正規の方法で来いと言い渡し、「排除」のカードでアイジエン大陸の六か所へ飛ばした。その後、旅団は新入りのカルト=ゾルディックの助けで除念師アベンガネを見つけ、ヒソカ=モロを介してクロロの心臓から「律する小指の鎖」を外す取引を持ちかける。フィンクスはヒソカに、相手の言い値をいくらでも払うから必ずやり遂げろと念を押した。
作中の役割:キメラ=アント編と王位継承編
キメラ=アントの危機に際し、フェイタンはフィンクス=マグカブ、ボノレノフ=ンドンゴ、シャルナーク=リュウセイ、カルト=ゾルディック、シズク=ムラサキとともに流星街へ向かった。道中では、侵攻がどのように起きたのか、そして一部の団員がなぜこの街に来たのかが話題になる。住人たちは、女王を自称する存在が近くに巣を作って被害を広げており、いまは寄合が対応にあたっていると告げた。進展がないと見た旅団は自分たちで片を付けることにし、フィンクスは今日中に女王を始末すると請け合う。団員たちは巨大な巣へ正面から歩いて入った。別行動に驚くカルトには、彼にも他人へ見せたくない能力があるはずだとフィンクスが指摘し、最初に女王を殺した者が代理の頭になるとも告げる。
分かれて進んだフェイタンはザザンと遭遇し、女王はどこかと尋ねた。目の前にいると返されると、その冗談は面白くないと言い放って相手を怒らせる。彼は傘を取り出して開き、注意をそらした隙に仕込んだ剣で横から斬りつけた。ザザンは傷こそ負わなかったが、衣服は裂かれる。小僧呼ばわりされ、隠し事が好きなのかと問われると、フェイタンは巨大な尾針を見咎め、緩い服の下に隠しているのはそちらも同じだと返した。斬り結びが始まると、彼は攻撃をすべて捌きながらも次第に守勢へ回る。張り合えるようになってから出直せと笑うザザンに、フェイタンは体がなまっているだけだと認め、いい稽古になると言ってのけた。
ほかの団員が見守るなか、フェイタンの回避はカルトが目で追えないほど速くなる。フィンクスが動きがよくなってきたと評すると、ボノレノフはまだ本調子ではないと付け加えた。フェイタンは傘を拾い上げ、残像を連ねてザザンの死角へ回り込む。ザザンは背後からの一撃を尾針で辛うじて受け止め、相手が速さを増していることに気づいた。彼は笑みを浮かべて柄のボタンを押し、傘の先端をザザンの顔面へ撃ち出す。しかし弾は皮膚をかすめただけで、フェイタンは硬い皮膚だと言い残した。激昂したザザンは自ら尾針をもぎ取り、より大きな姿へ変形する。殺すと凄まれた隙を突いてフェイタンは背中へ飛び乗り、硬を乗せた剣で斬りかかったが、頑丈になった体に触れた瞬間に剣は砕けた。絶を解く前にオーラの塊を浴び、衣服を裂かれて血を吐く。フィンクスとシャルナークがカルトへ状況を説明する間も、ザザンは自分の体は壊れないと言い放ち、強烈な拳を叩き込んだ。連続する攻撃のなかで、フェイタンは左腕を折られる。ボノレノフと代わるかとフィンクスに軽口を叩かれた瞬間、彼は激発し、母語を口にしながら「許されざる者」を発動した。ほかの団員は一斉に走って逃げ、前に見物しようとしたとき危うく殺されかけたとカルトへ説明する。
装飾の多い衣装をまとったフェイタンを見て、ザザンはいつ着替えたのかと訝しみ、力量が跳ね上がったことに気づいた。受けた痛みは返すと告げた彼は、それを小さな太陽へ変えてザザンの頭上へ昇らせる。「太陽に灼かれて」がザザンを焼き殺す間、フェイタンは相手を嘲りながら高笑いを続けた。能力が切れると、熱は弱いほうだった、もっと痛めつけられていれば相手はもっと早く死ねたはずだと述べている。その後、団員たちはキメラ=アントに変えられた流星街の住人と出会う。住人たちは殺してくれと懇願したが、フィンクスは拒み、流星街の人間としての気概を見せろと迫った。フェイタンは剣を抜き、ほかの団員も得物を構えて変わり果てた住人たちを難なく片付け、街へ戻る。
キメラ=アントの掃討後、団員たちはさらに現れるアントに備えて流星街に留まるつもりでいたが、シャルナークのもとへノブナガ=ハザマから助けを求める連絡が入った。クロロ=ルシルフルからでなかったことに落胆したフィンクス=マグカブが待つのは性に合わないとこぼすと、シャルナークとフェイタンは片思いの娘のようだとからかい、怒ったフィンクスが投げつけた瓦礫から、負傷した二人は逃げ出す。王位継承編では、ブラックホエールの航海二日目に、フェイタン、フィンクス、フランクリン=ボルドー、ノブナガが第5層でブオール一家の三人と対峙した。四人はカキン帝国の三つのマフィア一家について話させ、フィンクスはボスと下働きの間に仲介役がいると見当をつける。フランクリンが上前をはねる人物を呼び出すよう命じると、相手は次の会合が土曜に予定されていると答えた。
能力・特徴・関係
フェイタンの得物は、傘に仕込んだ両刃の細身の剣で、中国の剣や仕込み杖に近い形をしている。柄は傘の握りと同じ形で、濃い紫の包帯が巻かれている。傘そのものは臙脂色で、黒い髑髏が描かれる。この傘は剣を隠すだけでなく、開いて相手の注意を一瞬そらし隙を作る、先端で突く、握りのボタンで先端を弾丸のように撃ち出すといった使い方ができる。
流星街の生まれであるため、フェイタンの存在はどのデータベースにも記録されておらず、彼についての情報を得ることはほぼ不可能である。A級の賞金首であり、殺しが日常の一部となった職業的な殺人者として実戦経験も厚い。戦闘力は団員のなかでも際立ち、極端な速さ、高い膂力、剣術、そして強力な念能力の組み合わせによって、キメラ=アントの師団長や複数の陰獣を倒してきた。精神の強さと非情さゆえにためらいなく動き、相手の死角から攻める戦い方を好む。一方で全力を出す機会が少なく、実戦の序盤では力を出し切れないことが多い。レイザーは彼を大した男だと評し、カルト=ゾルディックは自分がフェイタンの水準に及ばないと認めた。ヒンリギ=ビガンダフノも、自分やカキンのマフィアでは旅団に太刀打ちできないと述べている。
熟達した念能力者であるフェイタンは、説明のつかない手段で周囲の情報をつかむ、いわゆる第六感を備える。倉庫を案内していたマフィアが消えたことも、その感覚で察した。腕相撲の序列は旅団内で五番目だが、ノブナガ=ハザマを腕相撲で破った直後のゴン=フリークスを取り押さえるだけの力はある。速さと反射も旅団で上位に位置し、ゴンの背後へ瞬時に回り込んで拘束した。ウボォーギンが轟音を放った際に警告がなかったと問われ、団員たちは音が届く前に耳をふさげる速さだとウボォーギン自身が答えた場面や、「不思議で便利な大風呂敷」に包まれる直前に車から飛び出した場面もその表れである。複数のマフィアの首を一瞬ではねたこともあり、クラピカは0.5秒続く攻撃であれば旅団は余裕をもって避けると見ていた。
ザザン戦では、なまっていると自称し、ほかの団員も本調子ではないと見ていたにもかかわらず、カルトが目で追えない速度で動き、複数の残像を作りながら高速の攻撃をかわし続けた。あらゆる方向から攻め、打ち合いの直後にすぐ体勢を立て直して休みなく攻撃を続ける機動力も持つ。ザザンの攻撃をほとんどかわしながら汗一つかかず、片腕と肋骨を折られてなお戦い続けた。頭の回転も速く、フィンクス、ノブナガとともにエイ=イ一家の目的と手口を突き止めている。剣の腕も高く、ザザンの攻撃の多くを剣で受け流し、動きの隙を突いて必殺の一撃を狙う。腕の立つ暗殺者であるカルトでさえ数え切れないほどの速さで、幾重にもフェイントを重ねられる。拷問の技術も戦闘技術と同様に高く、Owl から情報を引き出したときのように尋問の手段として、またゴンに対して行おうとしたように報復の手段としても用いる。「許されざる者」でザザンを殺した手口も、その延長にあった。念系統は変化系である。「太陽に灼かれて」は、見物のために残っていれば複数の団員が命を落としかねない威力を持つ。この能力を準備する際には放出系の応用でオーラを体から切り離しており、三つの系統を同時に扱えること自体が技量の広さと確かさを示す。発のほかにも、周と硬を組み合わせて使う応用や堅といった高度な技術を修めている。