物語 / 出来事
第287期ハンター試験
物語の冒頭に置かれたハンター協会の選抜試験。船上の予備選考に始まり、一次試験から最終トーナメントまで五段階で進み、キルアの失格により8人がハンターとなった。
287th Hunter Exam は、ハンター協会が実施したハンター試験の一回で、物語の冒頭に描かれる出来事である。ゴン=フリークス、クラピカ、レオリオ=パラディナイトの三人は船上の予備選考から加わり、会場でキルア=ゾルディックらと合流した。本試験は五段階に分かれる。地下トンネルの走破とヌメーレ湿原の踏破からなる一次試験、料理を課す二次試験、トリックタワーを舞台とする三次試験、ゼビル島での四次試験、そして一対一のトーナメントによる最終試験である。最終試験でキルアがボドロを殺害して失格となり、残る8人がハンターとなった。
ハンターの資格は多くの利点と高い名声をもたらす。そのため試験中の死亡が珍しくないにもかかわらず、毎年数百万の人々が受験を志す。ハンター協会にはこれだけの人数を試す時間も資源もない。そこで協会はスカウトを雇い、非公式の予備選考によって、本試験に耐えられないと見た志願者をふるい落とさせる。本試験にたどり着けるのは統計上1万人に1人にすぎない。

第287期ハンター試験の受付へ通じる店

第287期ハンター試験の合格者

最終試験の対戦表
基本情報
| 時期・日時 | 物語の冒頭にあたる時期に行われた回。開催の暦日を特定できる記載はない。段階ごとの期限として、三次試験は72時間、四次試験は1週間が定められた。二次試験と三次試験の間には、飛行船での一晩の移動を挟む。 |
|---|---|
| 場所 | 予備選考は船上とドーレ港から続く道筋。一次試験は地下トンネルとヌメーレ湿原。二次試験はビスカ森林公園と、クモワシの卵が採れるマフタツ山の渓谷。三次試験はトリックタワー、四次試験はゼビル島、最終試験はトーナメントの会場である。 |
| 関係者・参加者 | 一次試験の試験官はサトツ。二次試験は美食ハンターのメンチとブハラ。三次試験はトリックタワーの監獄長リッポー、元試験官のトガリ、名前の明かされない第3の試験官。四次試験は明確な試験官を置かず、リッポーが規則を説明し、カラが補足した。最終試験は選考委員会の会長アイザック=ネテロで、秘書のマーメン=ビーンズが補佐した。受験者にはゴン=フリークス、クラピカ、レオリオ=パラディナイト、キルア=ゾルディック、ハンゾー、トンパ、トードー、ポックル、ポンズ、ボドロがいる。 |
| 人数の推移 | ヌメーレ湿原の突破後に約150人。二次試験の通過が42人。三次試験の開始時は40人で、二次試験との間に2人が死亡した。四次試験へ24人が進み、通過は9人。うち6人が新人である。最終的な合格者は8人。 |
| 三次試験で受験者と対した囚人 | ベンドット、連続爆破事件で服役するセドカン、幻影旅団を騙るマジタニ、元心理学者のレルート、解体屋の異名を持つジョネス。試験官の側は、受験者を1時間足止めするごとに刑期を1年短縮すると持ちかけて、囚人に戦いを促した。 |
| 四次試験の得点規則 | 1週間の終了時点で6点分の番号札を所持すること。自分の札が3点、カードに記された標的の札が3点、それ以外の札が1点と数えられる。番号札の197番は島のどこかで失われた。 |
| 結果・影響 | 最終試験でキルアがボドロを殺害して失格となり、残る8人がそのままハンターとなった。試験後、ビーンズが合格者にハンター証の用途を説明している。合格者にはさらに念の習得という秘密の試験が控え、ゴンとキルアはウイングから、クラピカはイズナビから念を学んだ。ポックルは、この回の合格者のうち既に死亡している唯一の人物である。 |
出来事の概要
試験会場の正確な位置は公表されない。志願者に知らされるのは開催都市などおおまかな情報だけで、予備選考を経ずに会場へたどり着くことはできない。実際の場所へ入るには、合格に値すると判断された者を導く役目の人物、あるいは魔獣の案内が要る。スカウトが本試験に値すると見た志願者には、予備選考の次の段階へ向かう特別な道順が伝えられる。そこで十分に力を示した者だけが、本当の試験会場へ導かれた。
この回も同じ仕組みで進み、段階ごとに人数が絞られた。ヌメーレ湿原を抜けて二次試験の会場に着いたのは約150人。二次試験の通過者は42人、三次試験の開始時点では40人、四次試験へ進んだのは24人、最終試験に残ったのは9人だった。試験官も段階ごとに交代する。一次試験はサトツ、二次試験は美食ハンターのメンチとブハラ、三次試験はトリックタワーの監獄長リッポーら、最終試験は選考委員会の会長アイザック=ネテロが担当した。
予備選考の経過と時系列
ゴン、クラピカ、レオリオが参加した予備選考の第一段階は、船の上で行われた。船長はスカウトの一人で、嵐の中を進む船で船酔いに倒れた者を選外とした。荒れた海に耐える気のない乗客には下船の機会を与え、船に残ったのはこの三人だけだった。船長は三人を船橋に招き、ハンターを目指す理由を尋ねる。答えを聞いた船長は、試験会場に最も近い港であるドーレ港で三人を降ろした。その際、力量の足りない志願者には与えられない手がかりを三人にだけ伝えている。この手がかりは、試験の場所まで案内できる案内人の一族へとつながっていく。
船長の指示をたどる途中で、三人は老婆とその従者たちに出会う。老婆は行き会った志願者に一つの場面と二つの「選択」を示し、どちらを選ぶかを問う。例として示されるのは、誘拐された息子と娘のどちらか一方しか助けられないという場面である。この答えようのない問いの正解は、沈黙を守ることだった。誤って答えた者は偽の道へ送られる。沈黙を通せば老婆は隠し通路を明かした。それは船長が指示した場所へ続く、平坦な小道である。試験の本質は、志願者がいつかそうした場面に立たされ、選ばなければならないと自覚する点にあった。
最後に三人を試したのは、姿を人間そっくりに変えられる魔獣キリコの一家だった。息子と娘は変身能力を使い、怪物に襲われる人間の夫婦を装う。怪物の正体は父親のキリコである。怪物がその場から逃げるとゴンはこれを追い、クラピカは行方の分からない妻を捜し、レオリオは夫の手当てにあたった。
ゴンは、キリコに食らいついて離れない高度な身のこなしと、キリコがそっくりな妻と入れ替わったことを察知する鋭敏な感覚を示して合格した。クラピカは、貞潔の誓いを立てた女性だけが入れる入れ墨を妻が持っていたことなど、辻褄の合わない点から真相を見抜き、高い知力と観察力を認められた。レオリオは技量そのものをキリコに見せなかったが、思いやりのある手当てからハンターにふさわしい人物と判断され、同じく合格した。
この試験のあと、キリコは三人を試験会場まで直接運んだ。これは偶然会場を見つけた志願者を通さないための「最後の」試験でもある。会場に入るには合言葉が必要で、このときは息子のキリコがそれを告げた。
一次試験と二次試験の経過と時系列
一次試験の試験官はサトツである。会場に着いた志願者には、本人を識別する番号札が配られた。課題は二次試験の会場までサトツについて行くことで、内容は二つに分かれる。前半は、距離の知らされない地下トンネルを走り続けるサトツに遅れずついて行くもので、体力と精神力の双方が試された。この距離はのちに80kmを超えると示される。後半は長い走行のあとに控えるヌメーレ湿原の踏破である。濃い霧に覆われたこの湿原には、あらゆる手を使って獲物を罠にかける人食いの生き物が潜む。湿原を抜けて二次試験の会場に着いたのは約150人だった。
二次試験の試験官は、美食ハンターのメンチとブハラである。受験者は試験官の求める条件を満たす料理を作るよう指示され、通過できる人数は各試験官が食べきれる量までに限られた。おおらかなブハラと選り好みの激しいメンチは対照的で、ブハラは深く考えずに多くを通し、メンチははるかに厳しく選んだ。第一の課題としてブハラが求めたのは、ビスカ森林公園に生息する「どんな種類でもよい」野生の豚の丸焼きだった。ところが、この公園にいる野生の豚はグレイトスタンプだけである。人の背丈の二倍ある角の生えた巨大な猪で、額に弱点があった。
第二の課題としてメンチが求めたのは寿司だが、メンチはそれがどのような料理かの手がかりを与えなかった。たまたま自国の料理として寿司を知っていたのはハンゾーだけで、意図せずその内容の多くを口にしてしまう。それでもメンチを満足させる料理を作るには足りない。メンチは次第に苛立ちを募らせ、最後には受験者全員を不合格とした。この裁定がアイザック=ネテロの介入を招く。
到着したネテロはメンチと話し、担当分の課題を、マフタツ山の大きく深い渓谷で採れるクモワシの卵を固ゆでにする内容へ変えさせた。これにより全員不合格という当初の判断は無効となり、代わりに42人が二次試験を通過した。
三次試験の経過と時系列
三次試験には三人の試験官がいた。ブラックリストハンターでトリックタワーの監獄長を務めるリッポーは、管制室から受験者の進行を監視する。元試験官のトガリはヒソカとの対決のために戻っており、もう一人の試験官は名前が明かされていない。飛行船で一晩移動したのち、40人の受験者がトリックタワーの屋上に降ろされた。二次試験と三次試験の間には2人が死亡している。塔の底に達するまでの制限時間は72時間。塔に入らず外壁を伝おうとした者は、その土地の生き物に襲われた。屋上には一人ずつしか使えない使い捨ての落とし戸がいくつも設けられ、そこから内部へ入る。
塔の内部には巧妙な罠と障害が網の目のように仕掛けられ、暴風の区画や数字の札を用いる区画など、受験者をさまざまな形で試した。多くの受験者は、通過の見込みを得るために協力を強いられる。試験官の側は、囚人を受験者と戦わせるため、受験者を1時間足止めするごとに刑期を1年短縮すると持ちかけた。
ベンドットについては何も分かっていないが、キルアは風貌から元軍人か傭兵だろうと見ている。彼は最初の一戦でトンパと当たり、トンパは開始の合図の直後に降参して仲間の足を引っ張った。もっともキルアは、トンパが降参しなければ、ベンドットは進行を遅らせるために殺さないまま拷問しただろうと述べている。受験者を試すために使われたセドカンは、連続爆破事件で服役していた囚人である。彼の勝負は、自分と相手が一本ずつろうそくを持ち、理由を問わず先に火が消えた側を負けとするものだった。二本のろうそくは長さが違い、どちらを取るかは相手が選べる。しかし手品まがいの細工により、相手はどちらを選んでも油を染み込ませたろうそくを受け取り、セドカンは普通のろうそくを手にした。
マジタニも受験者を試すために使われた。屈強な風貌の犯罪者で、幻影旅団の一員だと名乗って威圧しようとするが、クラピカに難なく打ち負かされる。背中には蜘蛛の入れ墨があり、胸には殺した人数を示す心臓の印が並ぶ。だがクラピカはこの二つから偽物だと証明した。幻影旅団の構成員は蜘蛛に自分の団員番号を刻むからであり、加えて旅団は把握しきれないほど多くの人を殺しているとクラピカは指摘する。マジタニはその後の対決の焦点にもなり、規則にしたがって双方が時間を賭け合う形で決着がついた。
レルートは、依頼人の苦しみを楽しんだ元心理学者である。しばしば意図的に依頼人を自殺へ追い込んでいた。トリックタワーではレオリオと戦闘によらない勝負で対し、たやすく操って50時間を失わせている。勝負は賭けの連続で、負けた側は賭けた分だけ持ち時間を失う。双方が50時間を持って始め、先にゼロになった側がその回の負けとなった。リッポーが受験者を試すために使ったもう一人の囚人が、解体屋の異名を持つジョネスである。ジョネスはザバン市で最悪の大量殺人犯とされ、素手で少なくとも146人を殺した。その手は骨から肉を剥ぎ取り、石を握り潰すほどの力を持つ。トリックタワーではキルアと戦うことになり、切り裂ける肉が手に入ると期待した。しかしキルアは即座に心臓を抜き取り、本人の目の前で握り潰す。キルアは後に、被害者の数にもかかわらずジョネスは素人の殺し屋にすぎないと述べている。
四次試験と最終試験の経過と時系列
四次試験では、残った24人が船でゼビル島へ運ばれた。各人には、他の受験者の誰かの番号札の番号を記したカードが渡される。課題は、1週間の終了時点で6点分の番号札を持っていることで、自分の札が3点、標的の札が3点、それ以外の札が1点と数えられた。それまでの段階と違い、この試験は早く終えることができない。時間切れまでは、札を奪われることも奪い返すこともあり得た。
四次試験には明確な試験官が置かれなかった。三次試験のリッポーが規則を説明し、船での移動中にカラが補足の情報を伝えている。加えて、試験の間は複数の試験官がそれぞれの受験者を密かに追っていた。ただしカラは、最終試験で試験官たちが集まる場面には姿を見せていない。この段階を通過したのは9人で、うち6人が新人である。番号札の197番は島のどこかで失われた。
第五段階の最終試験は、一対一の戦いによるトーナメントである。各試合の勝者は合格してハンターとなり、敗者はトーナメントに残って別の機会を得る。したがって最後に残った9人のうち、ハンターになれないのは1人だけとなる。勝つには相手に負けを認めさせる必要があった。他の受験者を殺した者は自動的に失格となり、残りはそのままハンターとなる。
最終試験の試験官は、選考委員会の会長であるアイザック=ネテロである。秘書のマーメン=ビーンズが補佐した。ネテロはトーナメントの前に残った受験者一人ひとりと面接し、残っている受験者の中で最も興味を引かれるのは誰か、最も戦いを避けたいのは誰か、という二つを尋ねた。組み合わせはこの面接の結果から決められている。かなり偏った対戦表で、どの受験者にも最低2回の勝機があり、多い者には5回の勝機が与えられた。
9人から8人を合格させる一対一の方式であるため、行われる試合は8試合と見込まれた。しかしキルアがボドロを殺したことでキルアは自動的に失格となり、残る8人はそのままハンターとなった。行われなかった試合は最後の一戦で、キルアと、レオリオとボドロの試合に敗れた側との対戦になるはずだった。
関係者・結果・影響
この回の合格者は8人となった。試験の終了後、ビーンズが合格者にハンター証の使い道を説明している。合格した者には、さらに念の習得という秘密の試験が控えていた。表向きの五段階を通過しただけでは終わらない要件である。
ゴンとキルアに念を教えたのはウイングである。ウイングは拳法の一派の師範代で、主な弟子はズシ。二人とは天空闘技場で出会い、やがて念を教えることになる。当初は指導を断り、念の目的について嘘まで伝えていたが、二人が天空闘技場の200階に上がったことで考えを改めた。他の念能力者による洗礼の儀式で、二人が死ぬか重傷を負いかねないと気づいたためである。その後の数か月にわたって念の基礎を教え、二人がハンターとなるための秘密の最終条件を満たしたと告げた。もっともウイングは、二人の計り知れない素質をいくらか恐れてもいる。ウイングの師はビスケット=クルーガーで、彼女は後にゴンとキルアの二人目の師にもなった。
クラピカの師はイズナビである。クラピカはブラックリストハンターの仕事を探している最中にイズナビと出会った。イズナビはクラピカがハンターだと知ると、念を教えようと申し出る。のちにイズナビは、クラピカが緋の眼を発動させたときに特質系になれることを見抜いた。
受験者のその後についても記録がある。ポンズとポックルは、この回の受験者で死亡した者のうち、試験中には死亡しなかった二人である。またポックルは、この回の合格者のうち既に死亡している唯一の人物にあたる。
映像化における差異と他作品との比較
TVアニメ2011年版では、一次試験の最中にゴンとキルアが、トンネルの終点にどちらが先に着くかを競う小さな勝負を行う。負けた方が勝った方に食事をおごるという取り決めだった。この勝負は引き分けとされ、ゴンは互いにおごり合うことにする。この場面は原作漫画には存在しない。
二次試験の描き方も異なる。TVアニメ2011年版で受験者が作る料理は豚の丸焼きの一品だけで、メンチとブハラの二人がこれを審査する。受験者は丸焼きを整然とした形で提出し、主要人物がそれぞれ丸焼きに工夫を加える様子も描かれる。提出の順は、トードー、ハンゾー、画面に映らない数人、レオリオ、ゴン、最後にクラピカで、背景ではまだ調理を続ける受験者も見える。これに対し原作漫画では、受験者は豚の丸焼きと寿司の二品を作り、それぞれを一人の試験官が審査した。原作のメンチは、ブハラが料理を受け取る横に座っているだけで審査には加わらず、前半の終了を告げる。原作では受験者が一斉にブハラへ料理を差し出す点も違う。
ネテロが現れる経緯にも違いがある。TVアニメ2011年版では、メンチが全員を不合格にしたことをサトツがネテロへ電話で伝える場面があり、メンチはネテロの到着に驚く。原作漫画で電話に出ているのはメンチ自身だが、どちらがかけたのか、何のための電話かは分からない。なお、先行する漫画『遊☆戯☆王』でペガサスが主催する大会の予選段階との類似も指摘されている。