人物
ポックル
ポックルは第287期ハンター試験合格者の幻獣ハンター。毒矢、七色弓箭、NGL調査、キメラ=アントに念の知識を奪われた最期を解説する。
ポックルは、第287期ハンター試験に合格した幻獣ハンターである。試験では弓と毒矢を使い、標的を殺さず行動不能にする。合格後に念を学び、色ごとに異なる性質を持つ念矢「七色弓箭(レインボウ)」を開発した。作中で確認できるのは、炎を起こす赤の弓と、七色の中で最速の橙の弓である。
ポンズ、バルダー、ペクバとNGLへ入り、キメラ=アントの調査中に兵隊蟻と交戦した。念矢で下級兵を倒す力はあったが、パイクとザザンの一団には及ばず捕獲される。ネフェルピトーに脳を刺激され、念の系統と修行法を敵へ話した後、食料として処理された。本人の死だけでなく、人間側の技術が敵軍へ伝わる転換点となった人物である。

ポックル 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

七色弓箭の赤の弓を放つポックル

NGLへ入ったポックルの幻獣調査隊
基本情報
| 職業 | 幻獣ハンター |
|---|---|
| 資格 | 第287期ハンター試験合格 |
| 武器 | 弓、毒矢 |
| 念系統 | 放出系、変化系寄り |
| 念能力 | 七色弓箭(レインボウ) |
| 最期 | NGLでキメラ=アントに捕らえられ死亡 |
弓と毒を使うハンター試験
ポックルは受験番号53番として第287期ハンター試験へ参加した。一次試験の長距離走、湿原、料理、軍艦島を通過し、第4次試験へ進む。大柄な戦士ではないが、野外で距離を取り相手を追う技術を持っていた。
第4次試験ではキュウを標的とし、木陰から矢を当てる。矢先の薬は刺されると一週間ほど身体を動かせなくするが、命を奪わない。合格に必要なプレートを得るため、殺傷力を調整した狩猟道具を選んでいる。
その後ゲレタに狙われ、プレートを奪われるが、ゴンたちの取引により点数を満たして最終試験へ進んだ。自力だけで全局面を支配した受験者ではない。それでも長い試験を生き残り、最終局面へ残る基礎能力があった。
最終試験ではハンゾーに敗れ、次の対戦へ回る。最後はキルアがボドロを殺して失格になったため、ポックルは合格者となった。勝利で決めた合格ではないが、試験規則の中で失格せず残った結果は正式な資格である。
幻獣ハンターになった理由
試験時から、未確認生物を発見して保護する幻獣ハンターを志望していた。弓、毒、追跡は人間との決闘より、危険な生物を遠距離から観察し捕獲する仕事へ向く。相手を殺さず止める毒矢も目的に合う。
合格後、裏試験として念を習得した。師匠、修行期間、最初に覚えた技法は描かれていない。ハンター試験の仲間と再会するまでの間に、実物の弓をオーラで再現する発へ進んでいる。
ポンズらと調査隊を組んだことから、単独だけでなく役割分担も行う。ポンズは蜂による伝令、ポックルは射撃、ほかの二人も生物調査へ参加する。未知の巨大昆虫という依頼が、NGLへ向かうきっかけになった。
NGLは機械文明を拒み、通信と武器の持ち込みが難しい。念の弓なら現地で実物の装備を失っても射撃できる。自然環境で目立つ機械を使わず、多様な生物へ属性を変えられる七色弓箭は職業に沿う。
七色弓箭の構えと系統
七色弓箭では、左手の親指と中指の間に弦状のオーラを張り、右手で矢を作る。人差し指で狙いを定め、実物の弓を引く動作で射出する。長年の射撃姿勢を念の発動型へ移した。
身体から離れた矢を飛ばすため放出系が中心になり、色ごとの性質や弦の弾性には変化系が関わる。ポックルは放出系で、変化系側へ寄る位置とされる。得意系統と隣接系統を組み合わせた設計である。
赤の弓は命中後に炎を起こし、刺突と燃焼を与える。橙の弓は七色の中で最速で、逃げる相手や速い標的へ優先する。二種だけでも、火力と命中速度を状況に合わせて切り替えられる。
残る五色の効果は明かされていない。青は水、紫は毒など、色の印象から能力を補うことはできない。七種類を全て完成させていたのか、披露前に死亡しただけなのかも不明である。
NGLで遭遇したキメラ=アント
調査隊はNGLへ入り、巨大化した虫と人間が消える地域を追った。そこで人間の特徴を取り込み、武器と言葉を使うキメラ=アントの兵隊に遭遇する。通常の幻獣調査より、組織的な捕食者との戦闘へ変わった。
ポックルは赤の弓で兵隊蟻を燃やし、念矢が下級個体へ通用することを示す。2011年版アニメでは、ポンズを追う兵を射抜く場面が補われる。原作の戦闘描写と追加場面は分けても、射手として仲間の退路を作る役割は共通する。
パイクとの対戦では矢を当てても決定打にならず、相手の外皮と身体能力が予想を上回る。撤退を選ぶが、ザザン一行が合流して包囲される。単体への射撃能力があっても、複数の上位個体に囲まれれば射線と逃げ道を失う。
ポンズは別方向へ逃げて救援を送り、ポックルは捕らえられた。仲間四人の連絡も崩れ、調査結果を組織へ持ち帰れない。未知生物の力量を測る最初の接触が、そのまま調査隊の壊滅になった。
骨の山へ隠れた判断
巣へ運ばれた後、ポックルは兵隊蟻が食べ残した骨の山へ身を隠した。周囲の監視を避け、呼吸と気配を抑えて脱出の機会を待つ。すぐ処理されず生き残れたのは、念の絶と狩人としての隠密があったためである。
しかしネフェルピトーの円と観察から逃れられない。ピトーはポックルを人間の念能力者として価値があると見抜き、食料にする前に知識を引き出す。隠れ場所は兵隊から一時的に逃れるだけで、護衛軍級の感知を破れなかった。
骨の隙間で見つかった姿は、ハンター試験で獲物を追った射手が、より強い捕食者の獲物へ変わったことを示す。弓を構える距離もなく、両手と移動を封じられ、七色弓箭の長所を使えない。
この場面を臆病と見るのは適切でない。敵の巣で戦える状態ではなく、情報を持ち帰るには生存と脱出が最優先だった。正しい撤退を選んでも、相手の感知範囲と速度がそれを許さなかったのである。
念の知識を奪われた最期
ピトーは頭蓋へ針を差し込み、脳へ直接刺激を与えて回答を引き出した。ポックルは意思で秘密を渡したのではなく、身体を操作される状態で六つの念系統、能力開発、適性について説明させられる。
それまでキメラ=アントは、ラモットが受けた攻撃をきっかけにオーラへ目覚め始めていた。ポックルの体系的な説明により、ピトーは個体ごとの資質と発の開発を理解し、兵隊へ念を授ける儀式を進める。
情報を引き出された後、ポックルは兵隊の食料として処理される。死亡の瞬間を正面から描かず、残酷な命令と結果で示す。第287期試験の合格者が、名前を持つ敵の成長資源へ変えられた。
彼の敗北がキメラ=アント全軍の戦力増加へつながったため、物語への影響は登場時間以上に大きい。七色弓箭の未公開能力も本人と共に失われ、人間側は能力の全貌すら知らないまま脅威だけが増した。
ポックルの実力をどう見るか
ポックルは試験合格者で念能力者だが、カイト、モラウ、討伐隊のような上位ハンターではない。兵隊蟻を倒せても師団長補佐級へ決定打を欠いた。経験と情報が足りない調査段階で、相手の成長速度が早すぎた。
一方、能力は試験時の弓術、幻獣ハンターの用途、自分の系統へ一貫している。カストロのように資質から遠い技へ過剰投資した例ではなく、射程と属性を増やす合理的な発である。敗北だけから設計を低く評価できない。
赤と橙の弓を使い分けるため、完成していれば多様な獣へ対応できた可能性がある。しかし未判明の色を強さの根拠へ使わず、確認された戦果と限界で見る必要がある。
ポックルは、プロハンターになれば未知を安全に調査できるわけではないと示す。試験、念、職業技能を得ても、最初の情報がない生物には敗れる。彼が失った知識を受けて、後続の討伐隊は敵を念能力者として扱うことになる。
ハンター試験からNGLまでをつなぐもの
ポックルの歩みは、試験合格が冒険者としての完成を意味しないことを端的に示す。第287期試験では、弓の射程、姿を隠して待つ忍耐、矢尻へ仕込んだ薬物を組み合わせ、自分より正面戦闘に優れる相手にも勝機を作った。最終試験でも相手の性格を読みながら戦い、派手な怪力ではなく狩人としての技量で合格をつかんでいる。
その後に念を習得し、放出系の七色弓箭へ進んだのは自然な発展だった。手にした武器を捨てて別人のように戦うのではなく、引き絞る、狙う、属性の異なる矢を選ぶという従来の経験をオーラへ置き換えている。ハンター試験で見せた実物の弓と、NGLで使った念の弓は、技術の断絶ではなく同じ専門性の二段階である。
一方でNGLでは、調査対象そのものが既知の幻獣から大きく外れていた。キメラ=アントは捕食した生物の性質を受け継ぎ、兵隊長級になると通常の武器だけでは止めにくい。ポックルは能力で複数の兵隊を倒したものの、ネフェルピトーの円と身体能力を見抜く前に捕捉された。情報不足の調査へ少人数で入る危険が、そのまま結末へつながった。
骨の下へ隠れた判断は、恐怖で何もできなかった行動ではない。負傷した状態で王と護衛軍がいる巣へ運ばれた以上、逃走経路も敵の規模も分からず、気配を消して生存機会を待つほかなかった。だが、念能力者を探していたピトーには微かな気配まで拾われる。最善に近い選択をしても、相手との能力差が覆らない場面だった。
さらに重いのは、本人の死だけでなく、念の四大行を敵へ説明させられたことである。ピトーは脳へ直接干渉し、得た知識を師団長たちの覚醒へ利用した。ポックルが修行で身につけた知識は、意思と無関係にキメラ=アント側の戦力へ変換される。ここから人類側は、個体の強さだけでなく、情報が奪われる速度とも戦うことになる。