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人物

カミーラ=ホイコーロ

カキン帝国第2王子カミーラ=ホイコーロの人物像、王位継承戦での動向、迎撃型の念能力と守護霊獣、私設兵となった不可持民との関係を整理する。

No.417まで対応更新 2026.08.13

カミーラ=ホイコーロは、カキン帝国王位継承戦に臨む14人の王子のうちの第2王子である。原作での初登場は第349話。父は国王ナスビ、母は第2王妃ドゥアズルで、この夫妻の2女2男のうち最も年長にあたる。王族が乗り込んだブラックホエール号の第1層を舞台に、母や私設兵を動かしてきょうだいの排除をはかる。公の場では優雅な物腰を保つ一方、身内の始末を語るときには感情の色を見せない。

出身地はカキン王国。カキンの不可持民に私設兵となる道を開き、私有地には軍と同等の待遇を受けられる特別区を築いて彼らの支持を得た。念能力百万回生きた猫」は死後に発動し、攻撃してきた者の命を以て蘇生する。守護霊獣は、ある条件を満たした者を意のままに操る。ベンジャミンの護衛ムッセに撃たれた後もこの能力で息を吹き返し、その拳銃を手に兄の居室へ乗り込んだ末に拘束された。No.413 忠誠の時点では、裁判でV・VIPエリアでの監視・拘留措置が決まり、外出の際は監視員の帯同が必要となっている。

基本情報

カミーラ=ホイコーロの基本情報
役割カキン帝国第2王子。王位継承戦に臨む14人の王子の一人で、上位王子としての政治的影響力と資産を王座争いの足場にしている。
所属と出身カキン帝国。出身地はカキン王国。不可持民に私設兵となる道を開き、私有地の特別区で軍と同等の待遇を与えて支持を得た。
初登場原作第349話。
状態生存。ムッセに撃たれた後も自身の能力で戻り、No.413 忠誠の時点ではV・VIPエリアで監視・拘留され、外出には監視員の帯同が要る。
念能力百万回生きた猫。死後に発動し、攻撃してきた者の命を以て蘇生する迎撃型で、ベンジャミンにも殺害をためらわせている。使用が確認されているのは発と絶。
守護霊獣操作系の強制型で、条件を満たした標的を完全に支配する。寄生型のため本人に制御はできず、これまで目立った動きがなく発動条件も判明していない。
家族父は国王ナスビ、母は第2王妃ドゥアズル。同じ母を持つきょうだいにツベッパとルズールス、養子縁組のうえで同母の兄弟にあたるハルケンブルグ。異母の兄にベンジャミンがいる。
私設兵不可持民14人が乗船し、13人が指定した標的に遅効性の呪いをかけ、1人が除念を担う。兵隊長はサラヘル。

人物像

カミーラは、カキン帝国の第2王子として14人の王子に数えられる。出身地はカキン王国。父は国王ナスビ、母は第2王妃ドゥアズルで、この夫妻の2女2男のうち最も年長の子にあたる。父の前では自分を愛称の「カミイ」と呼び、幼い娘のように振る舞う。参照資料はこれを、継承戦の扱いを自分に有利へ傾けてほしいという期待の表れとも読んでいる。従者のシマヌによれば、カミーラが耳を貸す相手は国王だけである。

外見は、長い金髪を手の込んだ形に結い上げた美女として描かれる。髪の一部は背に垂らし、一部はうなじの上でまとめ、四房が顔の両脇を縁取る。目は大きく澄んだ黒で、まつげが長い。衣装は華美なドレスが基本である。初登場では襟ぐりの開いたドレスにティアラを合わせた。本土での出航セレモニーではマーメイドラインのドレスと凝ったヘアバンドを用い、ブラックホエール号に移ってからは、チョーカーと長く垂れるネックレスを重ねたティーレングスのボールガウンに着替えている。セレモニーの後に母と食事をとる場面では、編み目の凝った黒いタートルネックを着ていた。髪型は場面ごとに変わるが、人前では優雅なまとめ髪にすることが多い。

装いは状況によって崩れる。ベンジャミンを襲いに向かう場面では、ボレロ風の上着を合わせた簡素なドレスに黒いニーハイブーツをはき、髪は結い上げず腰まで下ろしたままだった。裁判の場では、濃い色の差し色が入った明るいドレスの脇に編み込み模様をあしらい、その上から丈の短いジャケットを羽織る。髪の大半は簡素なポニーテールにまとめている。

人前では魅力的で優雅な物腰を保つが、きょうだいの排除を検討するときには感情を表に出さない。この冷たさは兄ベンジャミンと通じるものである。母ドゥアズルには、末弟ハルケンブルグの暗殺を命じている。買い物では、ブランドの高額な限定品をシリーズごとまとめて母に買わせる一方、実物を見てから選びたがる。集めること自体より見た目にこだわる態度がうかがえる。ただし手に入れた服を大切に扱うわけではなく、片づけずに床へ脱ぎ散らかしたままにしている。妹のツベッパは、その強欲さを嫌悪し、継承戦から排除されるべきだと考えている。

自己中心的な言動は繰り返し描かれ、父以外の相手には敬意を示さない。父の面前で兄のベンジャミンを愚かだと言い放つ場面もある。周囲が自分の望むとおりに動くことを当然と考えており、望んだだけで物事が実現しないこの世界を不公平だと感じている。

作中での動向

継承戦以前の背景として、カミーラはカキンの不可持民に私設兵となる道を開いた。私有地には特別区が設けられ、そこでは不可持民が軍と同等の特権を享受できる。この施策によって、彼らの広い支持を得た。参照資料は、この経緯の出典位置を単行本第37巻第389話としている。

公の場に初めて姿を見せるのは、カキンの14人の王子が紹介される場面である。胸の前で手を合わせるしぐさを取り、凝ったドレスとティアラ形の飾りを添えた結い上げ髪で、第2王妃ドゥアズルの娘である第2王子として紹介された。出航前夜の祭りでは、きょうだいたちとビヨンド=ネテロが並ぶ壇上の端から、群衆に薄く笑みを向けている。王族はまもなくブラックホエール号1号船へ移り、新大陸への航海中は第1層に住む。次に描かれるのは第1層の大広間で開かれた出航セレモニーで、別のドレスに着替え、第1王子ベンジャミン、第3王子チョウライ、第5王子ツベッパと並んだ。この席で守護霊獣が初めて姿を見せるが、頭部のはっきりしない、優美な刺胞動物のような姿だった。船は翌日に出港し、汽笛とともに継承戦が始まる。第1層の宴会場での式典は、王子が継承戦の参加資格を得るために全員が出席するものである。

出航セレモニーを離れる前、カミーラは父ナスビに歩み寄り、継承戦でいう「生存」と「脱落」の定義をはっきりさせようとした。ナスビは、同じ問いをすでにチョウライが投げており、返答も一言一句同じだと告げる。その答えは「最後に生き残った一人が正式な王位継承者である」というもので、それをどう解釈するかも戦いの一部だと言い添えた。やり取りの一部を聞きつけたベンジャミンが加わり、王たる者は他人の定義など気に掛ける必要がないと説く。カミーラは、自分は人が望みどおりに動けばよいだけであり、きょうだいは自分の勝利を願って自ら死を選ぶべきだと言い放った。ベンジャミンはうぬぼれが強く王座にふさわしくないと断じ、カミーラは兄を愚かだと呼んで挑発したため、父から兄への敬意を示すよう命じられる。それでも引き下がらず、二人を軽くあしらって立ち去った。腹を立てたカミーラが世界は不公平だと考えるうち、守護霊獣には頭部が生じ始める。

セレモニーを退出したベンジャミンは、カミーラを含む他の王子に自分の兵を張り付けるよう命じた。カミーラは、その護衛を自分の視界に入れず居間の外へ留め置くよう警護に言いつけ、あわせて母ドゥアズルを呼ばせている。その日のうちに1002号室で母と食事をとり、ムセン、コーチパイ、ハリーウェブのノクチルカラインといった衣類の購入について語り合った。話題は前触れなく転じ、まずベンジャミンを、次いでハルケンブルグを殺す計画を口にし、母にはハルケンブルグへ近づくよう命じる。この会話は、同じ1002号室に留め置かれていたベンジャミンの護衛ムッセに聞かれており、ムッセは自らの念能力をカミーラに用いようと考えた。会話を録音したムッセは、ベンジャミン殺害の共謀で逮捕すると告げて銃を向け、それ以上近づかないよう警告する。

ベンジャミンはヒュリコフの機器越しにやり取りを聞き、攻撃せずカミーラを通すよう指示した。カミーラは驚きを見せてヒュリコフを挑発するが、ヒュリコフは自制し、1001号室まで彼女に付き従う。汗をにじませたカミーラはヒュリコフの家族を拷問して殺すと脅したものの、相手は動じなかった。カミーラはバルサミルコ=マイトとヒュリコフの監視下で留置室に入れられている。

能力・特徴・関係

カキンの上位の王子という立場そのものが、大きな政治的影響力と資産をもたらし、王座を争ううえでの利点になっている。兄ベンジャミンを前にしても恐れを見せないだけの自信があり、頭の働きも、ムッセの失踪を口実にベンジャミンの居室へ入り込み、法廷では自ら弁明してみせる程度にはある。痛みへの耐性も高く、腕を折られた際に見せた変化は、わずかな表情の動きと汗の増加だけだった。射撃の訓練を受けており、二人の頭部を続けざまに撃ち抜くことができる。ダブルアクションの拳銃の引き金を短い間に何度も引けるだけの力もある。

念能力者としての力量は高く、死後の念に通じている点が特徴である。能力「百万回生きた猫」は死後に発動し、攻撃してきた者の命を以て蘇生する。この迎撃型の備えがあるため、ベンジャミンでさえ彼女を殺すことをためらう。使用が確認されているのは、少なくとも発と絶である。

装備としては、ムッセの死後、カミーラが彼の拳銃を短い間だけ手にしている。武器として用いるだけでなく、相手に自分を攻撃させて能力を発動させるための手段でもあった。この拳銃は、逮捕にともなって押収されている。

守護霊獣は、他のきょうだいと同じく、卵から孵ってカミーラを守る存在である。寄生型の能力であるため本人に制御はできず、他の守護霊獣とは戦えない、守護霊獣を宿す相手を直接攻撃できない、という二つの本能じみた制約を受ける。能力は操作系の強制型で、ある条件を満たした標的を完全に支配する。世界中の人間を自分の思いどおりに動かしたいというカミーラの傲慢さが、そのまま形になった能力である。ただし今のところ動きはなく、発動の条件も分かっていない。ムッセがカミーラを撃ち殺した場面でも守護霊獣は現れず、ムッセが能力を用いるのを妨げず、その後数日を経ても反応を示さなかった。前者はカミーラが絶の状態にあったため、後者は一時的に死亡していたためとも考えられるが、蓄えた念で動ける守護霊獣もいるため、理由は分かっていない。

血縁は、父ナスビと母ドゥアズルのほか、同じ母を持つきょうだいとしてツベッパとルズールス、生物学上は異母きょうだいで養子縁組のうえでは同母の兄弟にあたるハルケンブルグが挙がる。異母のきょうだいには、ベンジャミン、チョウライ、ツェリードニヒタイソンサレサレカチョウフウゲツモモゼマラヤームワブル、そしてモレナ=プルードが並ぶ。父方の縁者としてはオニオール=ロンポウブロッコ=リーの名が記されている。念系統は資料でも不明のままで、確定した記述はない。

私設兵と不可持民

第2王子カミーラが私設兵を抱えていることは知られているが、その規模ははっきりしない。社会の外に置かれた階層である不可持民には、全員に軍へ加わる機会が与えられた。船に乗り込んだ不可持民は14人で、そのうち何人が王子に割り当てられた15人の従事者枠に数えられるかは判然としない。少なくとも4人は暫定ハンターであり、ハンター協会が後に行う暗黒大陸での任務への貢献と引き換えに乗船を認められているため、王子を助けても従事者枠を消費しないからである。彼らがカキンの軍にも属しているのかは不明で、カミーラの家令であるフカタキが不可持民なのか、私設兵の一員なのかも判然としない。階級の構造も明かされておらず、航海中はそのうちの一人が隊長役を務めている。

ブラックホエール号での私設兵は、暗い色の戦闘服に黒いコンバットブーツという装いで統一されている。上着には胸ポケットが二つあり、その上からベルトを締める。乗船した不可持民はいずれも念能力者で、14人のうち13人は、指定した標的に遅効性の念の呪いをかけられる。呪いが発動するまでの時間は、標的に向けてどれだけ準備を重ねたかで変わるが、妨げが入らなければ標的を確実に死に至らせる。残る一人は除念師で、敵側の呪いを祓う役目を負う。フカタキは彼らの共通能力に通じており、相談を受けるだけの知識を持つ。

不可持民の人選は、思わぬ形で継承戦の別の糸口になった。航海10日目の午前11時45分、クラピカビルは1014号室の主寝室にロンギを招き、まだ念に目覚めていない同輩と同じように、人目を避けて念を開かせる。ロンギはそこで自分がビヨンドの子だと明かした。きっかけは、カミーラの護衛に選ばれなかった自分に対して親が不自然なほど無関心だったことで、独自に調べ始めた異母姉のマカハが先に気づいたのだという。カミーラが不可持民を自ら選んでいたからこそ、選外という結果が不審だった。ロンギはビヨンドが14人の王子の誰かの父ではないかという自説の調査をクラピカに依頼し、ツベッパとの休戦に重ねて、透明言葉で依頼の条件と合意を取り決めた。

兵隊長のサラヘルは、狙った王子が死んだ場合に備えて他の王子のもとに除念師がいるかを調べるようカミーラの兵に指示し、カミーラの手をわずらわせないよう念を押して会合を閉じた。フカタキから、呪いを効かせるには標的の近くにいる時間が鍵だと助言を受けると、カミーラが念の教えを乞うことを望んでいないにもかかわらず、次に開かれるクラピカの念講習会へ出向くと決める。狙いは、カミーラの兵がかけられる呪いのうち最も弱いと見られるワブルに、自分の呪いを試すことだった。

サラヘルの能力ヨモツヘグイは、死後の念で時間をかけて王子を呪い殺す。死後に王子の伴侶となる「死後伴侶」という一族の風習があって初めて使えるため、第2王子の私設兵は担当する王子と異性になるよう割り当てられている。サラヘルは見るからに女性で、ワブル王子も女性であるため、伴侶という関係が成り立たず、この点には以前から矛盾があった。第2回念講習会には、兵隊長でありながら従事者になりすまして参加している。第1回に来ていなかった第2王子側の人間が現れたことで、クラピカはかなり警戒し、何か仕掛けてくるとほぼ確信した。第1王子護衛のバビマイナも同じ想定を立てている。クラピカは、カミーラが一人だけを送ったことに固い決意を読み取り、その性格からして単に念を学びたいわけではないと考えた。センリツから届いた王子たちの秘密を記す手紙に彼女のことは書かれておらず、従事者を送り込まざるを得ない秘密があるのかと思案する。死後の呪いは除念師を天敵とし、第2王子の私設兵がその場にいる状況は、それだけで危険度を押し上げる。

継承戦12日目と特殊戒厳令

継承戦12日目の動きは、解説資料で分単位まで整理されている。特殊戒厳令の発令は12日目の14時15分。棺の場面はその30分前の13時45分にあたる。ナスビの場面にはハルケンブルグの鳴動を示す「ゴゴゴ」という擬音が入っており、その鳴動を用いた人格交換と、ベンジャミンのTSK-17の発症も、ほぼ同じ13時45分に重なる。

TSK-17の発症は感染から約6時間後で、ヒュリコフが感染させたのは、タブレットでハルケンブルグの死亡を確認していた場面、その約6時間前の朝7時45分ごろになる。第413話の最後で、ベンジャミンがV・VIPエリアの自室からカミーラの部屋へ向かう場面は特殊戒厳令の15分前で、戒厳令の準備に入る14時ちょうどにあたる。カミーラ本人は、この14時前後に日課の昼食後のマッサージを楽しんでおり、兄が戒厳令を宣言する寸前だとは知らない。14時00分ごろにベンジャミンがカミーラの方向へ動いたことは確認できるが、迎撃型の能力をどう避けるのか、TSK-17を使うのかなど、具体的な攻撃の方法は決まっていない。

第410話でベンジャミンが軍を率いて司法省へ向かう場面には、発症から30分たったという台詞がある。発症の13時45分から30分後は14時15分となり、「残る王子は4人」という場面は特殊戒厳令の発令直後にあたる。司法省に着いた場面は、発令から40分が過ぎた14時55分になる。ヒュリコフの「鋼の錬金術師」は、標的のそばに一定時間いなければ発動できない能力だった。ヒュリコフは念講習会にも出るが、講習が終われば基本的にベンジャミンの護衛に就く。この能力を持ちながらロンギを「11人いる!」の使い手だと誤認したのは、ベンジャミンの命令で標的がクラピカに固定されており、読み取っている間は発が使えず、一人しか読み取れないためである。TSK-17は初期症状が感染性胃腸炎に酷似するが、実際には別物である。

ベンジャミンの念獣がどのような能力を持つのかは、いまだ不明である。ロンギの説明によれば、あくまで推測ながら、王子それぞれに強いソエモノが付いているという。現時点で3人の王子が死亡している。人格交換の矢を放った場面ではバルサミルコの肉体が椅子に縛られていたが、その肉体では本来のバルサミルコの人格が優先され、もう一つの人格としてハルケンブルグが同居する形になる。ハルケンブルグは睡眠剤でバルサミルコの人格を眠らせ、自分の人格に強制的に肉体を使わせていた。棺の場面で光っている位置は、脱落した王子と連動している。

特殊戒厳令の命令には「第1層、即殺対象は非国王軍私設兵」という文言があった。ベンジャミンの私設兵や王妃所属の兵は正規国王軍の資格を持つため、この対象には含まれない。所在と安否が分からなくなっていたチョウライとルズールスについては、監視していたベンジャミンの私設兵コベントバが主寝室で焦る様子も描かれた。チョウライは脱出の経路がはっきりしている一方、ルズールスは軍の情報網に一切引っかかっていない。第13王子マラヤームには、1013号室で監視にあたるサクエーレへ拘束が命じられ、14時30分までに拘束できなければリハンを送るよう指示が出た。1014号室のクラピカと偽のワブルについては、ベンジャミンはバビマイナからワブルが偽物だと既に聞かされている。

第2回念講習会をめぐる情勢

解説資料の時系列では、継承戦10日目の火曜日に第1回念講習会が終わり、この時点で残る参加者は全員が念に覚醒した。翌11日目の水曜朝には、まずハルケンブルグとバルサミルコが人格を交換する。カイザルが司法省の情報網から得た暴露情報の手紙を、フウゲツが各王子とオイト王妃に配って回り、クラピカのもとにも渡った。ハルケンブルグの肉体は12日目に入ったばかりの深夜に死亡し、バルサミルコの肉体に入ったハルケンブルグの人格が朝8時にベンジャミンへ電話をかけ、朝9時から第2回念講習会が始まる。第1回の終了、手紙の配布、肉体の死亡を経ての第2回という順序である。

この時間帯の後、正午からハルケンブルグの葬送が始まり、遺体が第3層から第2層へ運ばれるタイミングでボークセンがモレナ一味にさらわれる。第2回念講習会は、特殊戒厳令が出される前の出来事にあたる。暴露情報の手紙が配られたことで、各王子側は他の王子に自分の情報を握られているのではないかと疑心暗鬼になっており、講習会はその緊張のなかで開かれた。クラピカは王子ではないが、センリツからフウゲツを経て手紙を受け取っており、オイト王妃に二つのことを伝えている。継承戦が終わらない場合はホイコーロ一族が陥落する、というのがクラピカの見立てである。クラピカ本来の目的は第4王子ツェリードニヒに近づくことにあり、講習会もその過程に置かれている。

第2回念講習会の指導係は3名で、第13王子護衛でハンター協会員のベレレインテ、第1王子警護の私設兵ヒュリコフ、第14王子ワブルの警護を務めながら第1王子の私設兵でもあるバビマイナである。この3名は前回も指導係だった。前回からは、念を開花させた7名も続けて出ている。テンフトリダンジンマオールサトビユウリイラルディアラジオラスの7名である。指導係3名と念を開花させた7名を合わせた10名が、前回から継続する顔ぶれになる。ハルケンブルグの警護兵たちは、ハルケンブルグが死亡を偽装したことで念自体は10日目までに開花したものの、今回は参加していない。

新たに加わった新人は8名で、ギッパー、ガトー、ハピエッチナイペイリズルラトネアスタロッコリー、サラヘルが名を連ねる。指導3名、念開花7名、新人8名を合わせた18名が、第2回念講習会の参加者となる。そこへ急きょ加わろうとしているのがスラッカである。スラッカは第3王子チョウライの警護に就く第2王妃所属の警護兵だが、今回は第1王妃ウンマの命令で、ワブル王子の警護支援として第3王子の警護兵とともに1014号室に付いている。

第4王子護衛のギッパー伍長は、もともと下層でモレナの捜索任務に就いており、ボークセンと交代する形で王子居住区へ上がってきた。第7王子護衛で第2王妃所属のガトーとハピエッチは、前回から参加している第2王妃兵隊長サトビの部下にあたり、第1王子の私設兵が近くで見せた不審な行動の謎を探る際にも名前が挙がっていた2人である。第13王子従事者のナイペイは、8日目の第1回晩餐会で踊りを披露するために1013号室の別空間から抜け、それ以来、本物の1013号室にいた。第10王子カチョウは既に死んでいるにもかかわらず、その従事者は第2回念講習会に参加している。

周辺人物と継承戦の情報

第412話で明らかになったのは、初登場時にクラピカが会った人物と、現在1014号室にいるワブルが実は別人だったという事実である。今いるのはオイト王妃の妹の息子で、性別も女性から男性に変わっていた。オイト王妃は最初の面談で「娘」と言っていたが、第12王子モモゼが亡くなってクラピカと口論する場面では、「息子」に「ワブル」とルビが振られている。以前には「5人兄弟で、兄、姉、妹、弟がいる」とも話していた。このすり替えに気づいたのはビルである。

手掛かりになったのはカキンの発音だった。オイト王妃はカキンの発音でシマヌの名を正しく発音し続けていたが、第3王子から電話が来た場面で、クラピカは口に出すときは「シマノ」と言い、口を動かさず心の中で考えるときは「シマヌ」になっていた。偽のワブルは正室の子ではなく、壺中卵の儀も行っていないため継承戦の資格がない。資格の条件は3つあり、本物のワブルもセレモニーに参加していないため資格を欠く。つまり2人とも資格がないことになる。第1王子私設兵のバビマイナと第3王子私設兵のサカタは、本来女性であるはずのワブルが男性だと確認しており、この2つの王子側には資格がないという事実がはっきり発覚している。クラピカが資格のなさを証明しないのは、証明すれば他の王子側から罪を問われる危険があるためでもある。実際、カチョウの手紙も温存している。

ワブル王子の真実がオイト王妃から判明した場面には「特殊戒厳令48時間前」という表記があり、丸2日前、10日目の14時ごろにあたる。この時間帯は、第1回念講習会の最終日にロンギが自分は詛贄者でありビヨンドの娘だとクラピカへ伝えた後になる。クラピカが口にした「2か月前」は、クラピカとオイト王妃、ワブル王子が初めて顔を合わせた面談の場面を指す。ビヨンドは、拘束室の場面より前の10日目の14時にも、同じ拘束室でカンザイに連れてきてほしい人物を伝えていた。11日目の午前6時00分から8時50分にかけては、第11王子フウゲツがカイザルと司法省に付き添われて第1層を回り、死亡した第10王子カチョウが自分の死に備えて各王子宛てに書いた手紙を届けている。

クレアパトロは第1層の最高裁判官室に属する最高裁判官である。初登場はサイレントマジョリティーによるロベリーの件で、次はベンジャミンとカミーラの裁判に裁判官として現れた。センリツに味方するカイザルが勤める司法省は、名称に「司法」と付くものの、三権のうち行政にあたる機関で、日本の法務省に相当し検察などが在籍する。最高裁判官のクレアパトロは司法の人間であるため、両者は上司と部下の関係にはない。それぞれ行政と司法に属する国のエリートという位置づけになる。

カンザイは頭脳の面での評価が低く、ヒソカの採点で85点、ビヨンドからは本で頭をぶっ飛ばせると言われる程度の実力とされる。サイユウは実はビヨンド側の人間でハンター協会の裏切り者だが、パリストン元副会長を介して仲間になったため、ビヨンド自身はそのことを知らない。当初ビヨンドの監視には十二支んサッチョウも付いていたが、拘束室では10日目と11日目に姿が見当たらない。継承戦の時間制限をめぐる解説では、選択肢のない場合に誓約と制約が成り立たないと説明されていた。セレモニー会場では、ずっと姿を現さないとされてきた第5王子ツベッパの念獣も、このセレモニーで初めて現れている。第411話でベレレインテは、サイレントマジョリティーの能力である黒ぼっこを「マスク姿の女の子」と言い表した。

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