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人物

リハン

カキン帝国王室軍の高位兵士でベンジャミン=ホイコーロの私設兵。サレサレの守護霊獣を解析して捕食し、のちツベッパの護衛へ移った経緯と、念能力「異邦人」の特性をまとめる。

No.417まで対応更新 2026.08.13

リハンは、カキン帝国王室軍の高位兵士で、第1王子ベンジャミン=ホイコーロの私設兵の一人である。王位継承編では、ベンジャミンの命令で他の王子の居室へ護衛として入る役目を負い、第8王子サレサレ=ホイコーロの警護を経て、第5王子ツベッパ=ホイコーロの警護へ移された。肩書きは護衛だが、立場としてはベンジャミン私設兵であり、第5王子ツベッパを監視する側に立っている。

持ち味は観察と分析にある。居合わせた短い時間から守護霊獣の正体と能力を割り出し、サレサレの守護霊獣に対しては自分なら対処できると強い自信を見せた。念能力異邦人」は、標的の能力を正しく読み切るほど強く働く仕掛けで、実際にサレサレの守護霊獣を捕食する成果につながっている。継承戦12日目には、第13王子マラヤームの拘束が14時30分までに済まなかった場合の切り札として、ベンジャミンがその名を挙げた。

基本情報

リハンの基本情報
所属・役割カキン帝国王室軍の高位兵士で、ベンジャミン=ホイコーロの私設兵。第8王子サレサレ=ホイコーロの護衛を経て、第5王子ツベッパ=ホイコーロの護衛に移り、同王子を監視する立場にある。
初登場第358話で姿を見せ、第374話で名前が判明した。名前が示される話は単行本第36巻に収録されている。
状態生存。
念能力異邦人。術者がターゲットを定めて念を発動すると術者の体内で異邦人が育ち始め、ターゲットの能力に関する術者の解析と理解が正しいほど、その能力を凌駕する「捕食者」つまり天敵として成長しやすい。
能力が通じない相手威力は術者がターゲットの能力を未知の状態でどれだけ正しく予想できるかで決まるため、強化系や放出系のシンプルな攻撃に対しては無力である。
経歴と念の習熟カキンの王室軍学校を卒業して第1王子の軍に加わった。軍事訓練を受けた念能力者で、少なくとも「発」を使える。ただし上官のバルサミルコ=マイトは、念の知識ではハンターに及ばないと見ている。
上官と同僚兵隊長バルサミルコ=マイトの指揮下にあり、ツベッパの部屋へ移った後は、しばらく潜んでからハルケンブルグの守護霊獣を仕留めるよう指示された。同じベンジャミン私設兵のウショウヒには、警備シフトの交代を持ちかけている。
作中での戦果航海3日目までにサレサレの守護霊獣の解析をほぼ終え、約54時間後に守護霊獣と分身をまとめて捕食した。その後の2日間は念を使えない状態に置かれた。
継承戦12日目の扱い第13王子マラヤームを14時30分までに拘束できない場合、ベンジャミンがリハンを送るよう命じた。守護霊獣を捕食して隔離空間を解くという狙いは考察にとどまり、実際の投入と結果は確認されていない。

人物像

参照資料によると、リハンは髪を弁髪のように結い、細く切れ長の目をしている。服装はジッパー付きの上着とズボン、暗い色の戦闘用ブーツというカキン軍の標準的な装いで、左耳にイヤホンを着けている。第1王子の兵として、カキンの王室軍学校を卒業してベンジャミンの軍に加わった。軍事訓練を受けており、洞察に優れ、物事を筋道立てて分析する人物として描かれる。

念については、リハン自身が念能力者であり、少なくとも「発」を使える。ただし上官の兵隊長バルサミルコ=マイトは、念の知識という点ではリハンをハンターほどではないと見ていた。その一方で、守護霊獣の近くに短い時間いるだけで、その性質と能力を見抜く鋭さを備えている。サレサレの守護霊獣への対抗についても、自分ならやれるという構えを崩していない。

公表されている個人情報は乏しい。生年月日、年齢、血液型、身長、体重、出身地はいずれも明かされておらず、確認できる属性は「ベンジャミン私設兵、第5王子ツベッパを監視中」という一行にとどまる。人物をつかむ手がかりは、軍での経歴、継承戦での言動、そして念能力の性質にほぼ限られる。

収録の経緯にも特殊な点がある。第372話に描かれたリハンの台詞は週刊掲載時には抜け落ちており、のちに単行本へ収録される際に加えられた。参照資料が示す原作の位置は、名前が判明する場面が単行本第36巻第374話、ベンジャミンの私設兵という位置づけが単行本第35巻第363話、サレサレの護衛への配属が単行本第36巻第372話、ツベッパへの配置転換が単行本第37巻第386話、王室軍学校の卒業が単行本第36巻第373話である。

作中での動向

出航前夜、リハンはベンジャミンの他の13名の私設兵とともに、兵隊長バルサミルコ=マイトの説明を受けた。バルサミルコが伝えたのは、ブラックホエール号の構造、行動の指針、そして航海中にカキンの王子たちの安全を確保するために設けられた措置である。

出航セレモニーから戻った翌日、ベンジャミンは私設兵たちに、それぞれの王子の護衛として、現行の警護班と交代で勤務につくよう命じた。命令の柱は、王子を守ることと、見聞きしたことをすべて自分へ報告することの二つである。新たに見つかった念獣の脅威が正体不明である以上、任務は高度で危険なものになると釘を刺し、ハンターと念獣の能力を見極める際は細心の注意を払うよう助言した。そのうえで、正当防衛の名目で敵を排除する実力行使も認めている。リハンの担当は第8王子サレサレとなった。

航海2日目、サレサレは二人の愛人をからかいながら、8日目の日曜の晩餐会で世界を変えるつもりだと仄めかしていた。リハンは背後のやり取りに加わらず警護に徹し、頭の中では手持ちの知識を点検している。部屋の中で王子の念獣を見られるのは自分だけであり、自分を警戒している5人の護衛と愛人たちは害にならないと見切っていた。そのうえで、念獣の能力か出現の型を完全に把握して攻撃さえかわせれば、仕事は5秒で片づくと結論づけている。

続けてリハンは念獣そのものへ意識を向け、それがサレサレの性欲と強く結びついていることに気づいた。念獣は終日そばにいるものの、姿を隠す場面が3つあったことを思い返し、消える瞬間を狙えば能力を計算に入れずに済むという段取りを立てる。サレサレが自分の演説を館内放送に乗せると決めて話を締めくくったとき、リハンは口に出さずに反対し、世界を変えられないことを先に王子へ詫びた。

航海3日目、解析の大半が終わる。サレサレの守護霊獣は拡散誘導型の操作系で、強制力は弱いが多人数を動かせるという見立てだった。吐き出される白い煙を吸った量に応じてサレサレへの好意が増し、十分に吸った者の頭上には分身が現れ、その分身がさらに分身を生んで好意を伝染させていく。増殖するのは、ハーレムを望むサレサレの性質に沿って味方を増やすためだとリハンは推測した。約54時間後、コロアブデの頭上に小さな分身が現れた時点で必要な情報がそろったと判断し、能力を発動して守護霊獣と分身をまとめて飲み込んでいる。

能力・特徴・関係

念能力「異邦人」は、術者がターゲットを定めて念を発動すると、術者の体内で異邦人が育ち始めるという仕組みである。ターゲットの能力に関する術者の解析と理解が正しいほど、その能力を凌駕する「捕食者」、つまり天敵として成長しやすい。裏を返せば、威力は術者がターゲットの能力を未知の状態のまま正しく予想できるかに左右されるため、強化系放出系のシンプルな攻撃に対しては無力である。

任務を果たした後、リハンは2日間念を使えない状態に置かれた。そこで上官に成功を伝え、無防備になった王子を仕留められるよう、自分の警備シフトをウショウヒのものと入れ替えてほしいと願い出ている。続けてウショウヒと直接話した際には、フウゲツの守護霊獣に転移の能力があるとほぼ確認できた、と相手から告げられた。参照資料は、この捕食の場面を第381話に置いている。

ツベッパの部屋へ移された後、バルサミルコはリハンに、しばらく息を潜めてからハルケンブルグの守護霊獣を仕留めるよう指示した。その際、第9王子の能力を取り違えているかもしれないと警告するが、異邦人にかかる条件のためにそれ以上は口にできない。手がかりとして、シカクが操作系だったことだけを思い出させている。リハンの側は、ツベッパの守護霊獣が姿を見せない以上は自分の能力が無駄になっているという不満を抱え、しかもそれがハルケンブルグの守護霊獣より危険でないという保証はないと考えていた。

マオールの精孔が完全に開いたことに気づいたリハンは、クラピカに異邦人を使いたいと望んだ。ただし、クラピカが抱える未知の能力の多さを思えば効き目は出ないだろうという見当もついている。バルサミルコが慎重に過ぎるのはシカクの自殺が尾を引いているためだと考え、その場で感じ取った途方もないオーラでは防御そのものが成り立たなかったと振り返った。シカクがベンジャミンの命と引き換えに自分の命を差し出したのではないかとも考えたが、王子の性格を思えばあり得ないとして退けている。

航海10日目、リハンはマオールとロンギがツベッパにクラピカの停戦受け入れとその条件を報告する場に立ち会っていた。彼はツベッパたちがワブルと結託していると見て取り、すぐに相手はクラピカだと言い直している。ツベッパが停戦条約の受諾を知った直後、その背後に大量のオーラが集まり、守護霊獣がリハンの方を向いて現れ、鳴き声を上げながら体から煙を噴き出した。条約が結ばれた直後という符合から、リハンはツベッパの念獣には何らかの条件が絡んでいると見ている。

継承戦12日目までの経過と関係者

継承戦10日目の火曜日に第1回念講習会が終了し、この時点で残りの参加者が全員念に覚醒した。翌11日目、水曜の朝には、まずハルケンブルグとバルサミルコが人格を交換する。同じ朝、カイザル司法省の情報網から得た暴露情報の手紙をフウゲツが各王子とオイト王妃へ配り、クラピカのところにも渡された。続いてハルケンブルグの肉体が12日目になったばかりの深夜に死亡する。バルサミルコの肉体に入ったハルケンブルグの人格が朝8時にベンジャミンへ電話をかけ、朝9時から第2回念講習会が始まった。第1回の講習会が終わり、暴露情報の手紙が王子たちに渡り、ハルケンブルグの肉体が死亡した後という順序になる。第2回念講習会は、特殊戒厳令が出される前の出来事である。

第2回念講習会が開かれているのがこの時間帯で、この後の正午からハルケンブルグの葬送が始まる。遺体が第3層から第2層へ運ばれるタイミングで、ボークセンモレナ一味にさらわれた。講習会そのものも、暴露情報の手紙によって各王子側が他の王子に自分の情報を握られているのではないかと疑心暗鬼になった、緊張した状況の中で行われている。

クラピカは王子ではないが、センリツからフウゲツ経由で手紙を受け取っていたため、オイト王妃に二つのことを伝えていた。一つは継承戦に望みができたということ、もう一つはあることの許可を求めたことである。クラピカ本来の目的は第4王子ツェリードニヒに近づくことにあり、この二つの申し出もその線上に置かれている。先行きについては、継承戦が終わらない場合には「ホイコーロ一族が陥落する」とも推測していた。細かい場面では、ベレレインテサイレントマジョリティーの能力である黒ぼっこを「マスク姿の女の子」と表現している。

さらに前の時点を追うと、ワブル王子の真実がオイト王妃から判明した場面には「特殊戒厳令48時間前」という表記があり、丸2日前、10日目の14時頃にあたる。これは第1回念講習会の最終日に、ロンギが詛贄者(ソエモノ)であり、ビヨンドの娘であることなどをクラピカに伝えた後の時間である。クラピカが口にした「2か月前」は、クラピカとオイト王妃、そしてワブル王子が初めて顔を合わせた面談の場面を指す。ビヨンドも、拘束室の場面より前、10日目の14時に同じ拘束室でカンザイに連れてきてほしい人物を伝えていた。その人物のひとりであるクレアパトロは、第1層・最高裁判官室の最高裁判官である。初登場はサイレントマジョリティーでのロベリーの件で、次にベンジャミンとカミーラの裁判の場面に裁判官として現れた。センリツの味方をしているカイザルが勤める司法省は、名称に「司法」と付くため一見司法機関に思えるが、国の三権のうち法を運営する「行政」の機関で、日本の法務省にあたり、検察などが在籍する。最高裁判官のクレアパトロは司法の人間であり、両者は上司関係にはあたらない。国のエリートである点は共通するが、行政と司法に分かれて属する人物ということになる。

拘束室に関わる面々にも整理が要る。カンザイはあまり頭は良くなく、ヒソカ評価で85点、ビヨンドから「本で頭をぶっ飛ばせる」と言われるほどの実力とされる。一方、サイユウは実はビヨンド側の人間で、ハンター協会の裏切り者である。ただしパリストン元副会長を経由してビヨンドの仲間になっているため、ビヨンド自身はサイユウが仲間であることを知らない。さらに、当初はビヨンドの監視に十二支んサッチョウも付いていたが、拘束室で10日目と11日目に姿が見当たらない。

第2回念講習会の顔ぶれ

指導係は3名で、第13王子護衛のハンター協会員ベレレインテ、第1王子警護の私設兵ヒュリコフ、そして第14王子ワブルの警護をしながら第1王子の私設兵でもあるバビマイナが務めた。この3名は前回も指導係として参加している。

前回から続けて参加しているのは、ほかに念を開花させた7名である。テンフトリダンジン、マオール、サトビユウリイラルディアラジオラスがこれにあたり、指導係3名と合わせて10名が前回からの継続組となる。なお、ハルケンブルグの警護兵たちは、ハルケンブルグが死亡を偽装したことにより念自体は10日目までに開花していたが、今回は参加していない。

新たに加わった新人は8名で、ギッパー、ガトー、ハピエッチナイペイリズルラトネアスタロッコリーサラヘルである。指導3名、念開花7名、新人8名を足した合計18名が第2回念講習会に参加している。さらにそこへ、スラッカが急きょ参加しようとしているという展開が加わった。

スラッカは第3王子チョウライの警護をしている、第2王妃所属の警護兵である。ただし今回は、第1王妃ウンマの命令によって、ワブル王子の警護サポートとして第3王子の警護兵とともに1014号室についていた。目立つ動きを見せたのはその配置の延長にある。

新人の顔ぶれには、それぞれ経緯がある。第4王子護衛のギッパー伍長は、もともと下層でモレナの捜索任務に就いており、ボークセンと交代する形で王子居住区へ上がってきた。第7王子護衛で第2王妃所属のガトーとハピエッチの2人は、前回から参加している第2王妃兵隊長サトビの部下にあたり、以前、第1王子の私設兵が近くで見せた不審な行動の謎を探っていた際にも名前が出ていた。第13王子従事者のナイペイは、8日目の第1回晩餐会で踊りを披露するために1013号室の別空間から抜け、それ以来、本物の1013号室にいた人物である。第10王子カチョウはすでに死んでいるにもかかわらず、第10王子の従事者も今回参加している。

ワブルの秘密と周辺勢力の動き

第2回念講習会で最も注目されたのは、第2王子の兵隊長であるサラヘルの参加である。兵隊長でありながら従事者になりすまして講習会に入り込み、その目的はハンター協会の除念師をあぶり出すことにあった。第2王子の私設兵たちの能力は死後の呪いで、時間をかけて王子を呪い殺すため、除念師が天敵になるからである。第1回の念講習会に来ていなかった第2王子側の人間が現れたことで、クラピカはかなり警戒し、何か仕掛けてくるとほぼ確信していた。第1王子護衛のバビマイナも同じ展開を想定している。サラヘルの能力は、死後の念を使って王子を呪い殺すというものであり、これはサラヘルの一族が「死後に王子と伴侶となる」特殊な民族という経緯があるために使える。

その能力ヨモツヘグイは「死後伴侶(シゴハン)」という風習に由来し、死後伴侶とは死んで王子と伴侶になる風習を指す。そのため第2王子の私設兵たちは担当する王子と異性になるよう割り当てられているが、サラヘルは見るからに女性であり、ワブル王子も女性なので伴侶という関係が成り立たず、以前からこの点には矛盾があった。

継承戦の資格については、作中の台詞に「資格を有するのは、国王ナスビ=ホイコーロの正室の子であることと、ブラックホエール号に乗船し、出航セレモニーに参加した者に限ります」とある。ここから条件は、国王ナスビの正室の子であること、ブラックホエール号に乗船していること、出航セレモニーに参加していること、の三つになる。ワブル王子はブラックホエール号に乗船しており、セレモニー会場への参加もコマで確認できる。継承戦の時間制限の解説では、選択肢のない場合は誓約と制約が成り立たないという整理も示されていた。実際、セレモニー会場では、ずっと姿を現さないとされてきた第5王子ツベッパの念獣も初めて現れており、王子たち自身には視認できないものの、確かに顕現していた。

412話で明らかになったのは、初登場時にクラピカが会った人物と、現在1014号室にいるワブルが別人だったという事実である。実際にはオイト王妃の妹の息子であり、性別も女性から男性に変わっていた。オイト王妃は最初の面談で「娘」と言っていたが、第12王子モモゼが亡くなってクラピカと口論している場面では、「息子」に「ワブル」とルビが振られている。発音にも伏線があり、カキンの発音を身につけているオイト王妃はずっと「シマヌ」と正しく発音していたのに対し、第3王子から電話が来た場面でクラピカが口に出すときは「シマノ」、心の中で考えるときは「シマヌ」となっていた。すり替えに気づいたのはビルである。オイト王妃が以前「5人兄弟で、兄、姉、妹、弟がいる」と発言していた点も、妹の息子という事実と符合する。

偽のワブルは正室の子ではなく、壺中卵の儀も行っていないため継承戦の資格がない。本物のワブルもセレモニーに参加していないため資格がなく、結果として2人とも資格を持たないことになる。現時点では、第1王子私設兵バビマイナと第3王子私設兵サカタが、本来女性であるはずのワブルが男性であることを確認しており、この二つの王子側にはワブルに資格がないという事実がはっきり発覚している。それでもクラピカが資格のないことを証明しなかったのは、証明が身を危うくするからである。第2王子私設兵がいる状況ではなおさら危険であり、きちんと証明してしまえば他の王子側から罪を問われる恐れも生じる。実際、クラピカはカチョウの手紙も使わずに温存している。

特殊戒厳令とリハンへの投入命令

特殊戒厳令の発令は、継承戦12日目の14時15分だと判明した。棺の場面はその30分前なので13時45分になる。ナスビの場面に「ゴゴゴ」というハルケンブルグの鳴動の擬音があったことから、その鳴動を使った人格交換と、ベンジャミンのTSK-17の発症もほぼ同じ時刻で、この2つの場面もおおよそ13時45分と分かる。TSK-17の発症は感染から約6時間後なので、ヒュリコフが感染させたのは、タブレットでハルケンブルグの死亡を確認していた場面、約6時間前の朝7時45分頃ということになる。413話の最後、ベンジャミンがベリービップエリアの自室からカミーラの部屋へ向かう場面は特殊戒厳令の15分前で、準備段階の14時ちょうどにあたる。

同じ時計に沿って前後を並べ直すこともできる。410話でベンジャミンが軍隊を引き連れて司法省へ向かう場面には、発症から30分経ったという台詞がある。13時45分の発症から30分後は14時15分となり、「残る王子は4人」というあの場面は特殊戒厳令が発令された直後だったことになる。その後に司法省へ着く場面は、発令から40分経過した14時55分である。

ヒュリコフの「鋼の錬金術師(コンボマスター)」は、標的のそばに一定時間いなければ発動できない能力だった。ヒュリコフは念講習会にも参加しているが、講習会が終われば基本的にはベンジャミンの護衛にあたっている。この能力を持ちながらロンギを「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の能力者だと誤認していたのは、今回の標的がベンジャミンの命令でクラピカだったためで、能力の説明にあるとおり、読み取っている間は「発」が使えず、対象も1人しか読み取れない。

ベンジャミンの念獣の能力はいまだ不明である。ただしロンギの説明では、あくまで推測として、王子それぞれに強いソエモノがいるとされる。現在は3人の王子が死亡している。TSK-17は初期症状が感染性胃腸炎に酷似しているが、実際には別のものである。人格交換の矢を放つ場面ではバルサミルコの肉体が椅子に縛られていたが、その肉体では今、バルサミルコ本人の人格が優先され、もう1つの人格としてハルケンブルグが同居している。ハルケンブルグは睡眠剤でバルサミルコの人格を眠らせ、自分の人格に強制的に肉体を使わせていた。棺の場面では、光っている場所が敗退した王子と連動している。

ベンジャミンが出した特殊戒厳令の命令には「第1層、即殺対象は非国王軍私設兵」という一文があった。ベンジャミンの私設兵や王妃所属の兵は正規国王軍の資格を持つため、この対象には含まれない。所在と安否が分からないままなのがチョウライとルズールスで、監視していたベンジャミンの私設兵コベントバが主寝室で焦る様子も描かれた。チョウライは脱出経路がはっきりしているのに対し、ルズールスは軍の情報網に一切引っかかっていない。第13王子マラヤームについては、1013号室で監視しているサクエーレに王子の拘束が命じられ、14時30分までに拘束できなければリハンを送るようベンジャミンが命令している。守護霊獣を捕食して隔離空間を解除するという目的は考察であり、実際の投入と結果は未確認である。クラピカと偽のワブルがいる1014号室について、ベンジャミンはバビマイナからワブルが偽物であることをすでに聞いている。

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