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世界 / 組織・集団

ベンジャミン私設兵

カキン帝国第1王子ベンジャミンの私設兵。正規国王軍の資格による監視配置、隊長バルサミルコと担当王子の割り当て、ヒュリコフの念能力、特殊戒厳令前後の動きをまとめる。

No.417まで対応更新 2026.08.13

ベンジャミン私設兵は、カキン帝国第1王子ベンジャミン=ホイコーロが抱える私設兵の集団である。構成員は正規国王軍の資格を持つため、王室警護兵の名目で下位王子の居住区へ立ち入ることができる。この二重の立場が、他陣営を間近で監視する働きと、継承戦そのものへ介入する働きを同時に成り立たせている。一覧は隊長バルサミルコ=マイト曹長から始まり、以下の面々が担当王子または居室ごとに割り振られている。

継承戦12日目、ベンジャミンはTSK-17を発症し、同じ日に1014号室の乳児をめぐる報告も私設兵からベンジャミン側へ届いた。ただし、感染経路の全容と「呪い返し」の説明は確定しておらず、ベンジャミン自身の念獣の能力も明らかになっていない。同日14時15分に発令された特殊戒厳令では、第1層の即殺対象が非国王軍私設兵とされたため、正規国王軍の資格を持つこの集団は対象から外れている。第2回念講習会には、ヒュリコフバビマイナが指導係として加わった。

基本情報

ベンジャミン私設兵の基本情報
構成員・メンバー隊長はバルサミルコ=マイト曹長。ウショウヒ、オラーウ、カンジドル、ビクト、コベントバ、リハン、バビマイナ、ヒュリコフ、サクエーレが担当先とともに記録され、ムッセ、シカク、ビンセントの名も確認できる。
目的・役割・活動正規国王軍の資格に基づき王室警護兵として下位王子の居住区に入り、担当王子の監視と報告にあたる。ベンジャミンの命令を受けて王子の拘束や念能力の解析も担い、念講習会には指導係を送り込んでいる。
監視の担当先ウショウヒが第8王子、オラーウが第6王子、カンジドルが第7王子、ビクトが第9王子、コベントバが第3王子、リハンが第5王子を受け持ち、バビマイナは1014号室に付く。第13王子の1013号室にはサクエーレが入る。
ヒュリコフの念能力「鋼の錬金術師(コンボマスター)」は、標的のそばに一定時間とどまって能力を解析する。標的から離れては発動できず、一度に対象にできるのは1人だけで、解析中は自身の「発」を使えない。
状態特殊戒厳令の即殺対象である非国王軍私設兵には含まれない。継承戦12日目14時15分の発令前後も各王子の居室で監視を続け、チョウライとルズールスが所在不明になった場面では監視役が対応に追われている。
初登場・原作での確認範囲原作413話までの展開を扱う範囲で、隊長と各員の担当先、ヒュリコフの能力、特殊戒厳令発令前後の配置まで確認できる。
特殊戒厳令下の命令ベンジャミンは1013号室で監視するサクエーレに第13王子マラヤームの拘束を命じ、14時30分までに拘束できなければリハンを送ると付け加えた。
ワブルに関する報告バビマイナは1014号室の乳児が男性であることを確認し、入れ替えの情報をベンジャミン側へ伝えた。ベンジャミンはこの報告で、ワブルが偽物であることをすでに把握している。

組織の概要

この集団の要は、構成員が正規国王軍の資格を有する点にある。資格があるために王室警護兵の職務を割り当てられ、他の王子の居住区へ正面から入って常駐し、監視に就くことができる。私設兵としてベンジャミンの指示で動きながら、制度上は国王軍の兵として扱われる。この二面性が、他陣営の内情を拾う働きと継承戦へ介入する働きを一つの部隊にまとめている。

立場の違いは、ベンジャミンが発した特殊戒厳令の文面にも表れた。命令には「第1層、即殺対象は非国王軍私設兵」という一項がある。ベンジャミンの私設兵と王妃所属の兵は正規国王軍の資格を持つため、この即殺対象には含まれない。第1層で排除されるのは、他の王子が抱える私設兵だけという構図になる。

413話では、TSK-17と1014号室の乳児に関する情報がベンジャミン側へ届いた。ただし、感染経路の全容と「呪い返し」の説明は確定していない。ベンジャミンの念獣の能力も、この時点ではまだ明らかになっていない。ロンギの説明によれば、あくまで推測の域を出ないものの、王子それぞれに強いソエモノがついているという。

構成とメンバー

私設兵の一覧は、隊長バルサミルコ=マイト曹長から始まる。以下は担当先ごとの割り当てで、ウショウヒが第8王子、オラーウが第6王子、カンジドルが第7王子、ビクトが第9王子、コベントバが第3王子、リハンが第5王子を受け持ち、バビマイナは1014号室に付く。第5王子はツベッパ、第3王子はチョウライにあたる。カンジドルが詰める従事者エリアの先には、第7王子ルズールスの居室がある。

ヒュリコフの項に記されるのは「鋼の錬金術師」である。担当欄には呼称が添えられており、ハルケンブルグには「遊戯王」と「表裏一体」、サレサレには「殺人を無罪にする方法」、ワブル名義の乳児には「迎撃型」が並ぶ。

個別に名前を確認できる構成員には、ムッセ、リハン、シカク、ウショウヒ、ビンセントがいる。413話の場面では、これに加えてコベントバ、カンジドル、サクエーレ、バビマイナ、ヒュリコフがそれぞれの持ち場に描かれ、王子居住区の広い範囲をこの集団が押さえている状況が分かる。

バビマイナは、第14王子ワブルの警護を担当しながら第1王子の私設兵でもある。1014号室の乳児が男性であることを確認し、入れ替えの情報をベンジャミン側へ伝えた。ベンジャミンはこの報告により、ワブルが偽物であることをすでに把握している。警護先の陣営に組み込まれた立場を、そのまま情報源へ転じた例である。

役割・活動・歴史

部隊の中心任務は、担当王子の居室に張り付いて動静を追うことにある。加えて念講習会にも指導係として人を出しており、第1王子側は指導の場と監視の場の両方に人員を置いた。ヒュリコフは講習会に出席しつつ、閉会後は基本的にベンジャミンの護衛へ戻る運用だった。

特殊戒厳令の下では、監視から実力行使への切り替えも命じられた。第13王子マラヤームについて、ベンジャミンは1013号室で監視に就いていたサクエーレへ王子の拘束を命令し、14時30分までに拘束できなければリハンを送ると付け加えている。

監視の網から標的が抜けた例もある。チョウライは発令直前、シュウ=ウ組長の通路から連結ブリッジを抜けて第2層へ移ったとベンジャミンの部下が報告しており、15分前の場面ではすでに1003号室にいない。監視していたコベントバは主寝室で焦る様子を見せた。ルズールスは15分前には1007号室の主寝室で護衛のバショウらといたが、その後に所在と安否が分からなくなる。チョウライの脱出経路がはっきりしているのに対し、ルズールスは軍の情報網にまったく引っかかっていない。

王子居住区の通路は王立護衛軍が監視しており、特殊戒厳令の準備段階で抜け出すのは本来ほぼ不可能である。それにもかかわらず、15分後の発令時に所在と安否が不明になっていた点は不自然に映る。継承戦全体としては、この時点で3人の王子が死亡した段階にあり、棺の場面では光っている場所が敗退した王子と連動していた。

私設兵が張り付く1014号室には、クラピカと偽のワブルがいる。ここには第3王子チョウライの警護に就く第2王妃所属の警護兵スラッカが、第1王妃ウンマの命令によりワブル王子の警護サポートとして、第3王子の警護兵とともに加わっている。クラピカは王子ではないが、センリツからフウゲツ経由で手紙を受け取り、オイト王妃へ二つのことを伝えていた。一つは継承戦に望みができたこと、もう一つは、あることの許可を求めたことである。クラピカ本来の目的は、第4王子ツェリードニヒに近づくことにある。

ヒュリコフの念能力とTSK-17

ヒュリコフの「鋼の錬金術師(コンボマスター)」は、対象の近くに一定時間とどまって能力を解析する力である。標的のそばに一定時間いなければ発動できず、一度に対象にできるのは1人だけで、解析している間は自身の「発」を使えないという制約が付く。

解析役を担いながら、ヒュリコフはロンギを「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の能力者だと誤認していた。ベンジャミンの命令で標的がクラピカへ向いていたためである。読み取っている最中は「発」が使えず、1人しか読み取れないという制約が、そのまま誤認につながっている。

毒の運用もこの能力と結び付く。TSK-17の発症は感染から約6時間後にあたるため、逆算するとヒュリコフが感染させたのは、タブレットでハルケンブルグの死亡を確認していた場面、朝7時45分ごろになる。TSK-17は初期症状が感染性胃腸炎に酷似するが、実際には別のものである。

第2回念講習会と参加者

第2回念講習会の指導係は3名である。第13王子護衛のハンター協会ベレレインテ、第1王子警護の私設兵ヒュリコフ、そして第14王子ワブルの警護をしながら第1王子の私設兵でもあるバビマイナで、いずれも前回から続けて指導にあたっている。ベレレインテは、サイレントマジョリティーの能力である黒ぼっこを「マスク姿の女の子」と表現した。前回から継続する参加者には、念を開花させた7名、テンフトリダンジンマオールサトビユウリイラルディアラジオラスがいる。指導係と合わせて10名が継続組である。

新たに加わった新人は8名で、ギッパー、ガトー、ハピエッチナイペイリズルラトネアスタロッコリーサラヘルが並ぶ。指導3名、念開花7名、新人8名の合計18名が第2回念講習会に参加し、そこへスラッカが急きょ加わろうとしている。ハルケンブルグの警護兵たちは、ハルケンブルグが死亡を偽装したことで念自体は10日目までに開花していたが、今回は参加していない。第10王子カチョウはすでに死亡しているのに、第10王子の従事者は出席している。

新人の顔ぶれには、それぞれ経緯がある。第4王子護衛のギッパー伍長は、もともと下層でモレナの捜索任務に就いており、ボークセンと交代する形で王子居住区へ上がってきた。第7王子護衛で第2王妃所属のガトーとハピエッチは、前回から参加している第2王妃兵隊長サトビの部下で、以前に第1王子の私設兵が近くで見せた不審な行動の謎を探った際にも名前が挙がった2人である。第13王子従事者のナイペイは、8日目の第1回晩餐会で踊りを披露するため1013号室の別空間から抜け、それまで本物の1013号室にいた。

最も警戒されたのは、第2王子の兵隊長サラヘルの参加である。兵隊長でありながら従事者になりすまして講習会へ入り込み、狙いはハンター協会の除念師をあぶり出すことにあった。第2王子の私設兵たちの能力は死後の呪いで、時間をかけて王子を呪い殺すため、除念師が天敵になる。クラピカは、第1回に来ていなかった第2王子側の人間が現れる時点で警戒を強め、何か仕掛けてくるとほぼ確信していた。第1王子護衛のバビマイナも同じ想定を立てている。

サラヘルの能力は、死後の念を用いて王子を呪い殺すものである。サラヘルの一族が死後に王子と伴侶になる特殊な民族であるという経緯から成立する。ヨモツヘグイは「死後伴侶(シゴハン)」の風習に由来し、死んで王子と伴侶になるという内容を持つ。そのため他の第2王子私設兵は担当王子と異性になるよう割り当てられているが、サラヘルは見るからに女性でワブル王子も女性であり、伴侶の関係が成り立たない点に以前から矛盾があった。

ワブルの入れ替わりと継承戦の資格

412話で明らかになったのは、初登場時にクラピカが会った人物と、1014号室にいるワブルが別人だったという事実である。1014号室にいるのはオイト王妃の妹の息子で、性別も女性から男性へ変わっていた。オイト王妃は最初の面談で「娘」と言っていたが、第12王子モモゼが亡くなってクラピカと口論した場面では「息子」に「ワブル」とルビが付いている。オイト王妃は以前、5人兄弟で兄、姉、妹、弟がいるとも語っていた。すり替えに気づいたのはビルである。

入れ替わりは発音からも読み取れる。カキンの発音では「シマヌ」であり、オイト王妃は一貫して「シマヌ」と発音していた。第3王子から電話が来た場面で、クラピカがシマヌの名を口に出して呼ぶときは「シマノ」となり、心の中で考えているときは口で発音しないため「シマヌ」のままだった。

継承戦の資格は、作中のせりふから三つに整理できる。国王ナスビ=ホイコーロの正室の子であること、ブラックホエール号に乗船していること、出航セレモニーに参加していることである。411話の時点では、ワブル王子は乗船しており、セレモニー会場への参加もコマで確認できるとされていた。会場では、姿を現さないとされてきた第5王子ツベッパの念獣もこのセレモニーで初めて現れており、王子自身には視認できないものの確かに顕現していた。継承戦の時間制限の解説では、選択肢のない場合に誓約と制約が成り立たないとも語られている。

入れ替わりが判明した後は、資格の判断が反転する。本物のワブルはセレモニーに参加しておらず資格がなく、偽のワブルは正室の子でもなく壺中卵の儀も経ていないため資格がない。2人とも資格を欠くことになる。第1王子私設兵バビマイナと第3王子私設兵サカタは、本来女性であるはずのワブルが男性であることを確認しており、この二つの王子側には資格がない事実がはっきり発覚している。

クラピカが資格の不在を証明しなかった背景には、危険の見積もりがある。第2王子私設兵がいる状況ではより危うく、きちんと証明すれば他の王子側から罪を問われる恐れもある。実際、クラピカはカチョウの手紙も温存している。ワブル王子の真実がオイト王妃から明かされたのは特殊戒厳令の48時間前、すなわち丸2日前の10日目14時頃で、第1回念講習会の最終日にロンギが詛贄者(ソエモノ)でありビヨンドの娘であることをクラピカへ伝えた後にあたる。クラピカが口にした「2か月前」は、クラピカとオイト王妃、ワブル王子が初めて顔を合わせた面談を指す。

特殊戒厳令の時系列と周辺の状況

継承戦10日目の火曜日に第1回念講習会が終了し、この時点で残りの参加者が全員念に覚醒した。翌11日目の水曜日朝には、ハルケンブルグとバルサミルコが人格を交換する。同じ朝、カイザル司法省の情報網から得た暴露情報の手紙を、フウゲツが各王子とオイト王妃へ配り、クラピカのもとにも渡った。12日目に入ったばかりの深夜にハルケンブルグの肉体が死亡し、バルサミルコの肉体に入ったハルケンブルグの人格が朝8時にベンジャミンへ電話をかけ、朝9時から第2回念講習会が始まる。

第2回念講習会は、特殊戒厳令が出される前の出来事である。手紙によって各王子側が互いに情報を握られているのではないかと疑心暗鬼になり、緊張した空気の中で開かれた。講習会の後、正午からハルケンブルグの葬送が始まり、遺体が第3層から第2層へ運ばれるタイミングでボークセンがモレナ一味にさらわれる。人格交換の矢を放つ場面では、バルサミルコの肉体が椅子に縛られていた。現在のバルサミルコの肉体は本人の人格が優先され、もう1つの人格としてハルケンブルグが同居する。ハルケンブルグは睡眠剤でバルサミルコの人格を眠らせ、自分の人格で肉体を動かせる状態にしていた。

特殊戒厳令の発令は、継承戦12日目の14時15分である。棺の場面は発令の30分前にあたるため13時45分になる。ナスビの場面には「ゴゴゴ」というハルケンブルグの鳴動の擬音があり、その鳴動を使った人格交換とベンジャミンのTSK-17発症も、ほぼ同じ13時45分ごろに置かれる。413話の最後で、ベンジャミンがV・VIPエリアの自室からカミーラの部屋へ向かう場面は発令15分前、特殊戒厳令準備の14時ちょうどである。

続く時刻も逆算できる。410話でベンジャミンが軍隊を引き連れて司法省へ向かう場面には、発症から30分経ったというせりふがある。13時45分の30分後は14時15分となり、「残る王子は4人」という場面は発令の直後だったことになる。司法省に着いた場面は発令から40分後の14時55分である。継承戦が終わらない場合はホイコーロ一族が陥落すると、クラピカは推測している。

周辺の人物も整理できる。クレアパトロは第1層の最高裁判官室に就く最高裁判官で、初登場はサイレントマジョリティーによるロベリーの件、次にベンジャミンとカミーラの裁判へ裁判官として現れた。センリツの側に立つカイザルが勤める司法省は、名称に反して日本の法務省にあたり、検察などが在籍して法を運営する行政の機関である。クレアパトロは司法に属するため、両者は上司と部下の関係ではない。カンザイヒソカ評価で85点、ビヨンドから本で頭をぶっ飛ばせると言われる実力である。サイユウはビヨンド側に付いたハンター協会の裏切り者だが、パリストン元副会長を経由して加わったため、ビヨンド自身はそれを知らない。ビヨンドの監視に就いていた十二支んサッチョウは、拘束室で10日目と11日目に姿が見えない。ビヨンドは10日目の14時、拘束室でカンザイに連れてきてほしい人物を伝えていた。

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