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人物

ビンセント

カキン帝国王立軍の高位兵士で、第一王子ベンジャミン=ホイコーロの私設兵。ワブル=ホイコーロの護衛に就き、侍女サンドラを殺害した末、クラピカとビルに拘束されて服毒死した。

No.417まで対応更新 2026.08.13

ビンセントは、カキン帝国王立軍に属する高位の兵士であり、第一王子ベンジャミン=ホイコーロの私設兵の一人である。ベンジャミン直々の命令を受け、短い期間だけワブル=ホイコーロの護衛を務めた。原作での初登場は第358話。カキンの王立士官学校を卒業してベンジャミンの軍に加わった。ワブルの居室では王妃オイト=ホイコーロの侍女サンドラを殺害し、クラピカビルに取り押さえられた末、奥歯に隠していた錠剤で服毒して死亡した。

この死は王位継承編の情勢を大きく動かした。左耳のイヤホン越しに室内の音を聞いていたバルサミルコ=マイトとベンジャミンは、そこで起きたことの大半を把握し、クラピカの能力について推測を立てる。ワブルの護衛にはバビマイナが後任として入り、ビンセントの死をめぐる交渉は決裂した。のちにムッセが死んだ際、ベンジャミンはムッセの能力を受け継ぐとともにビンセントの名も挙げ、自分を通じて生き続けるよう求めている。

基本情報

ビンセントの基本情報
所属・役割カキン帝国王立軍の高位兵士。第一王子ベンジャミン=ホイコーロの私設兵で、ベンジャミンの命令により一時期ワブル=ホイコーロの護衛を務めた。
初登場第358話(単行本第34巻)。
状態死亡。クラピカとビルに床へ押さえつけられた後、奥歯に仕込んでいた自殺用の錠剤で服毒した。
経歴カキンの王立士官学校を卒業し、第一王子ベンジャミンの軍に加わった。
能力・関係念能力者。所有する念能力として虚空拳が挙げられるが、発動に移る直前にオーラを吸い取られたため、作中で使う場面はない。念系統は不明。上官はバルサミルコ=マイトで、死後はバビマイナがワブルの護衛を引き継いだ。

人物像

頭を剃り上げ、ジッパー付きのジャケットとパンツ、暗色の戦闘用ブーツというカキン軍の標準的な装備を身に着けていた。左耳にはイヤホンを着けており、これが最期の場面で室内の状況を上官へ伝える経路になった。

物腰は落ち着いており、ほとんどの発言の末尾に短い肯定の返事を付け加える口癖があった。その一方で、王妃オイト=ホイコーロの侍女を自衛と称して殺害しながら悔恨をまったく見せず、この冷淡さから社会病質的な傾向が指摘されている。服毒して自ら命を絶った直後には、上官のバルサミルコ=マイトが、ワブル暗殺未遂の罪を自白せずに済むよう死を選んだ勇気ある行動だと称賛した。

生年月日、年齢、血液型、身長、体重、出身地はいずれも作中で明かされていない。判明しているのは、ベンジャミン私設兵という立場と、クラピカに拘束されたのち服毒して死亡したという結末である。

作中での動向

第一王子の兵の一人として、カキンの王立士官学校を卒業し、ベンジャミンの軍に加わった(第373話)。ブラックホエールの出航直前には、ベンジャミンの下で働く他の十三人の兵とともに、船内での行動と手順に関するバルサミルコ=マイトの説明を受けている。その後ベンジャミンは十四人の兵に対し、護衛を務めるだけでなく他の王子を探ることも命じ、王子たちの守護霊獣とハンターの能力について報告するよう求めた。攻撃を受けた場合や誰かに敵意があると疑った場合には自衛の権利が認められ、相手を殺害することも全面的に許可されていた。

ワブルの居室を訪れたビンセントは、部屋に入るなり侍女サンドラを殺害した(第363話)。クラピカに対しては、ナイフで襲いかかられて選択の余地がなかったこと、相手が毒の入った小瓶を持っていたことを述べ、自衛の権利を行使したにすぎないと主張する。ワブルの安全にとって最大の危険は自分だという指摘は否定し、居合わせた二人の護衛に「協力」を持ちかけた。その中身は、王妃と王子、そして残る侍女を殺すことだった。

これに対しクラピカは即座に鎖でオイトを刺す。ビンセントは要求を呑んで寝返ったのかどうか判断がつかず戸惑った。好機であったにもかかわらずビルが突進してきたため、自衛のために拳銃を撃つが、ビルはオーラで銃弾を通さない。ほかに手がなくなり念能力の発動に移ろうとしたところで、オーラをクラピカの鎖に吸い取られてしまう。反撃できないまま、二人のハンターに床へ押さえつけられた。

押さえつけられてなお無実を主張したが、オイトは自分が不利な証言をすると告げ、クラピカも証言台に立たせたうえで自白させる能力を使うと請け合った。逃げ道を失ったビンセントは、奥歯に仕込んでいた自殺用の錠剤を使って死亡する(第364話)。バルサミルコ=マイトは、自ら命を絶ったビンセントを、肝が据わっていていつ死んでもよい覚悟ができていたと評した。

遺体をクラピカとビルが動かした際に左耳のイヤホンが見つかり、その場で壊された。しかしそれまでの通信で、バルサミルコ=マイトとベンジャミンは室内で起きたことの大半を知り、クラピカの能力について推測を重ねる。ワブルの護衛はバビマイナが引き継ぐことに決まった。三人の王子から立て続けに電話を受けたクラピカは、そのうちの一人がベンジャミンだったことから第一王子がビンセントの死を把握していると悟り、すでに戦争状態にあるのではないかと危ぶむ。のちにシマヌは、ビンセントの死をめぐって交渉が決裂し、ベンジャミン側は敵にどう死ぬかを選ばせることにしか関心がないと説明した。

能力・特徴・関係

軍事訓練を受けており、侍女を一瞬のうちに、しかも冷酷に殺害してのけた。殺害後に相手を襲撃者に仕立て上げた手口は、先を見越して段取りを組める人物であることを示している。装備は、サンドラを殺して襲撃者に見せかけるために使ったナイフ、同じ目的でビルとクラピカに示した毒の小瓶、銘柄も口径も分かっていない拳銃、そして奥歯に隠した自殺用の錠剤である。

念能力者であり、所有する念能力として虚空拳が挙げられる。ただし念系統は不明で、発動に移る直前にオーラを吸い取られたため、作中で能力を使う場面はない。上官のバルサミルコ=マイトは、念に関する知識でハンターに及ばないと見ていた。一方ベンジャミンは、念能力さえ使えれば、ハンター二人を相手にした二対一の状況でも一瞬で敗れることはないと確信していた。

ベンジャミンの能力である星を継ぐものは、忠誠を誓った念能力者が死んだときにその能力を受け継ぐものである。ムッセの死後、ベンジャミンはムッセの能力を継承したうえでビンセントの名も口にし、自分を通じて生き続けてほしいと述べた。虚空拳は、これまでに三人の念能力者のものとなった唯一の念能力であり、能力を創り出した者ではない二人の念能力者が同時に所有した唯一の例でもある。

単行本のおまけでの扱い

単行本第35巻のおまけでは、ビンセントがオイトを殺そうとした理由が本編と変えられている。そこでの動機は、オイトが日本のお笑い芸人・澤部佑に似ていると評したことで、オイト自身は褒め言葉のつもりで口にしていた。澤部佑は「そこ曲がったら、櫻坂?」の司会を務めており、この番組はアイドルグループ櫻坂46のメインのバラエティ番組にあたる。冨樫 義博がこのグループのファンであることが背景にある。

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