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単行本第17巻『三つ巴の攻防』
『HUNTER×HUNTER』単行本第17巻を解説。レイザーとのドッジボール決着、『一坪の海岸線』獲得、ゲンスルー組・ツェズゲラ組・ゴン組の攻防を整理する。
単行本第17巻『三つ巴の攻防』は2003年6月4日に発売され、No.164からNo.175までを収録する。レイザーとのドッジボール後半から、グリードアイランド攻略をめぐる三陣営の対立までが描かれる。
ゴンはキルアとヒソカの助力でレイザーを場外へ送り、『一坪の海岸線』を獲得する。ゲンスルー組が迫る中、ツェズゲラ組が時間を稼ぎ、ゴンたちは決戦用の修行と作戦へ入る。

単行本第17巻『三つ巴の攻防』の書影 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ジャンケングーでレイザーへ挑むドッジボール戦 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

規則上の場外へレイザーを押し出す最終攻防 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ジンとの過去をゴンへ語るレイザー 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

カードをめぐりツェズゲラ組を追うゲンスルー組 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 漫画単行本 |
|---|---|
| 巻数 | 第17巻 |
| 巻題 | 三つ巴の攻防 |
| 発売日 | 2003年6月4日 |
| 収録 | No.164〜No.175 |
ドッジボール後半の人数戦
レイザーと十四人の悪魔を相手にした試合は、外野と内野の人数を減らしながら終盤へ進む。ボールを受け止める力だけでなく、誰を内野へ戻すかが勝敗を左右する。
ゴン側にはゴレイヌ、ビスケ、キルア、ヒソカらがいるが、全員の能力を同じ役割へ使わない。交代、捕球、反射、強打を分けてレイザーの球へ対応する。
ゲームのカードを奪う直接戦闘ではなく、スポーツ形式の規則に従う必要がある。相手を傷つけても、ボールと場外の条件を満たさなければ勝利にならない。
レイザーが放つ本気の球
レイザーは放出系の高い出力を球へ乗せ、受けた者を場外まで吹き飛ばす。ゲームマスターとしての権限だけでなく、本人の念能力が試合の中心にある。
十四人の悪魔へ分けていたオーラを戻すと、本体の出力も変わる。人形の人数を減らしたから単純に弱くなるのではなく、配分を本体へ集中できる。
捕球を選べば正面から力を受け、避ければ後方の味方や場外条件へ影響する。ゴンたちは威力を知ったうえで、最後に止める役割を組み直す。
キルアの手が負った代価
ゴンはジャンケングーを最大限に打つため、キルアにボールを固定させる。キルアはオーラで手を守りながらも、繰り返す衝撃で皮膚と組織を傷める。
ゴンはキルアならできると信じ、キルアも他の人物へ役割を渡さない。信頼が成功条件になる一方、身体の損傷を言わずに引き受ける危うさもある。
ビスケは負傷を見抜き、二人の連携を評価しながら無制限には続けられないと理解する。必殺技の威力は補助役の安全を含めて測る必要がある。
ゴン、キルア、ヒソカの三人
最後のレイザーの球を止めるため、ゴンが正面で受け、キルアが後ろから支え、ヒソカが伸縮する愛で補助する。互いの力を一列に重ねる。
ヒソカはゴンを育てたい思惑を持ち、無条件の仲間ではない。それでも試合の目的が一致する間は、能力を正確に使って勝利へ貢献する。
三人の協力は信頼関係が同じだから成立したのではない。ゴンの意志、キルアの献身、ヒソカの興味という異なる動機が、一回の捕球へそろう。
レイザーを場外へ出す決着
ゴンは捕球後の反撃でレイザーを場外へ送り、試合を終わらせる。単に強い球を当てるだけでなく、相手が戻れない規則上の位置へ動かす。
レイザーは敗北を認め、ジンとの過去をゴンへ話す。かつて犯罪者だった自分をジンが捕らえ、ゲーム運営を任せたことで現在の役割を得た。
ジン本人は島にいないと明かされるが、仲間へ与えた影響が父の人物像を伝える。ゴンは居場所を得られなくても、父が作った関係へ一歩近づく。
一坪の海岸線の獲得
イベントをクリアした一行は指定ポケットカード『一坪の海岸線』を得る。入手難度が高く、ゲーム攻略者同士の交渉を大きく動かすカードである。
一枚を得ただけでは参加者全員へ行き渡らないため、複製能力とカード化の時間を考える。共同攻略の約束をどう履行するかが次の問題になる。
イベント参加者にはそれぞれ目的があり、ゴン組だけの所有物として処理できない。攻略時の協力と、獲得後の配分を別々に管理する必要がある。
ゲンスルーが突きつけた宣戦
ゲンスルーはカード収集を進めたゴン組とツェズゲラ組へ、保有カードを渡すよう迫る。交渉の形を取りながら、拒否すれば命を奪う能力と仲間を持つ。
ゲンスルー、サブ、バラの三人は長期間ほかのプレイヤーを欺き、カードと人数を減らしてきた。攻略知識だけでなく、対人戦の準備を終えている。
ゴンは脅しへ即座に従わないが、正面から戦えば現在の力では不利である。怒りを決戦へ変えるには、能力情報と地形を使う作戦が必要になる。
ツェズゲラ組が稼ぐ三週間
ツェズゲラは自分たちがゲンスルー組を引きつけ、ゴンとキルアへ三週間の修行時間を与える。カードを守りながら逃げ、現実世界との出入口も利用する。
逃走は敗北ではなく、決戦可能な戦力を残すための役割である。プロハンターとして追跡者の行動を読み、戦う場所と時機を相手に選ばせない。
ただしゲンスルーも移動呪文と監視を使い、時間稼ぎを察知する。三週間は保証された休息でなく、ツェズゲラ組が危険を引き受けて作る猶予である。
ビスケが組み立てる対爆弾魔訓練
ビスケはゴンとキルアへ、基礎能力の底上げと個別の戦い方を教える。ゲンスルーの能力へ対抗するには、触れられる距離と発動条件を理解する必要がある。
短期間で総合力を逆転するのでなく、相手が予測しない地形、道具、役割分担へ勝機を作る。修行は作戦を実行できる精度へ身体を合わせる過程になる。
ゴンはゲンスルーと自分で戦う意思を持ち、危険な試みを考える。ビスケは意志だけで許可せず、勝敗と生存を分けて具体的な手順へ落とす。
ヒソカと旅団、カルトの合流
ドッジボールを終えたヒソカは、除念師アベンガネを見つけた旅団と再び合流する。ゲーム参加の目的は攻略賞品ではなく、クロロと戦える状態を作ることにある。
旅団にはキルアの弟カルトが加入している。家族から離れて行動する点はキルアと共通しても、加わった組織と目的は異なる。
ゴン組、爆弾魔、旅団は同じゲーム内にいても、争うカードも相手も一致しない。複数の目的線が接近し、巻題の三つ巴とは別の緊張も残す。
バッテラが契約を終えた理由
ツェズゲラ組が現実へ出ると、依頼主バッテラはグリードアイランド攻略の契約を打ち切る。ゲームをクリアして得る治療系カードを必要とした相手が亡くなり、目的そのものが失われた。
巨額の報酬と多数の雇用は、ゲームへの好奇心ではなく個人的な願いに支えられていた。資金力があっても、現実の時間を止めることはできない。
契約終了でツェズゲラ組はカードを守り続ける外部理由を失う。ゲンスルー組とゴン組が最終的な収集競争の中心へ残り、攻防の形が変わる。
三つ巴が決戦へ収束する巻末
ツェズゲラ組の離脱後、ゲンスルー、サブ、バラはゴン、キルア、ビスケへ迫る。三対三に見えても、能力、経験、作戦の役割は左右で異なる。
ゴン組は逃げ切るだけでなく、攻略を完了するため相手のカードを必要とする。爆弾魔を避け続ければ安全でも、ゲームの目的へ届かない。
第17巻はスポーツ形式の共同戦から、命を賭けた分断戦へ移る。レイザー戦で作った連携を、今度は三人が別々の相手へ応用できるかが問われる。
レイザー戦で変わったゴンの目的
試合開始時の目的はカード獲得だが、レイザーがジンと深く関わると知るほど、ゴンは父へ自分の力を届けるような感覚を持つ。勝利の意味が攻略以上へ広がる。
レイザーもジンが息子を自分のもとへ向かわせると理解し、本気で球を返す。手加減して道を譲るのではなく、ジンが信頼した相手として試す。
勝利後に居場所は分からないと告げられても、ゴンは関係者から父の判断を知る。情報量の少なさと体験の価値は別である。
カード複製に必要な交渉
『一坪の海岸線』は希少度が高く、通常の交換だけでは多数の協力者へ渡せない。クローンなどの呪文カードを使う時機と、指定ポケットへ入れる順番が重要になる。
共同攻略へ参加した者が全員同じ成果を求めるとは限らず、別のカードや情報で精算する方法もある。約束を曖昧にすれば次の対立を招く。
カード化には島内の規則があり、現実の物品のように自由な複製はできない。ゲーム知識を持つ者が戦闘後の配分を設計する。
三陣営の強みと不足
ゲンスルー組は対人能力と大量のカード、ツェズゲラ組は経験と依頼主の現実拠点、ゴン組は成長速度とビスケの指導を持つ。どの陣営も全条件を独占していない。
ツェズゲラ組は追跡を引き受けられても、依頼終了で戦い続ける理由を失う。ゴン組は決戦の意思を持っても、正面の総合力では劣る。
三つ巴は固定した均衡ではなく、時間稼ぎ、契約終了、修行完了によって形を変える。巻末では一陣営が離れ、三対三の決戦へ収束する。
決戦を分ける三つの相手
ゴンはゲンスルー、キルアはサブ、ビスケはバラを担当する。最強者を一人へ集中させず、三人を分断して連携と爆弾の支援を止める。
対戦相手の選択は単純な強さ順ではない。ゴンは能力条件を知るゲンスルーへ地形作戦を用意し、キルアは自分の新しい技術を試す。
ビスケは本来の身体と実力を隠しており、バラ側は外見から誤った評価をする。決戦前の情報差が、それぞれ異なる勝ち筋を作る。
勝利後に必ず残る精算
レイザー戦に勝っても、キルアの手の負傷、協力者へのカード配分、ヒソカと旅団の別目的が残る。大きな勝利を得た直後ほど、代価と約束を処理しなければ次へ進めない。
ツェズゲラの時間稼ぎも、依頼契約が消えれば同じ形では続かない。ゴン組が修行できた成果は残るが、守ってくれる陣営は盤上から離れる。
第17巻は各陣営の勝敗を一度で決めず、得たカード、失った時間、変わった目的を次の局面へ運ぶ。その積み重ねが最後の三対三を必然にする。
単行本第17巻『三つ巴の攻防』が残したもの
第17巻は、レイザー戦の共同勝利から、爆弾魔との三対三の決戦準備へ移る巻である。
ゴンの強打はキルアとヒソカの補助で完成し、『一坪の海岸線』獲得とジンの過去につながる。
ツェズゲラ組の時間稼ぎと契約終了を経て、ゲンスルー組とゴン組の攻防が避けられない段階へ入る。