JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 6 / 人物

ウェザー・リポート/ウェス・ブルーマリン

うぇざーりぽーと/うぇすぶるーまりん

第一世界線main_manga_and_tv_anime

ネタバレ範囲: Part 6最終話まで

# ウェザー・リポート/ウェス・ブルーマリンウェザー・リポートは、第6部『ストーンオーシャン』に登場する記憶喪失の囚人であり、天候を操る同名のスタンドを持つ。本名はウェス・ブルーマリンで、出生名はドメニコ・プッチ、エンリコ・プッチの双子の弟である。プッチのホワイトスネイクに過去の記憶をDISCとして奪われた後、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所の秘密部屋でエンポリオやアナスイと暮らす。

空条徐倫のDISC搬送を助け、脱獄後もプッチを追うが、記憶が戻ると封じられていたヘビー・ウェザーが発動する。兄弟の出生、ペルラとの恋、差別による暴力、記憶の喪失が一つの能力へ結び付き、第6部の「運命」と責任を担う人物である。

基本情報

ウェスは1972年6月5日生まれで、2011年から2012年の物語時点では39歳である。アメリカ国籍でイタリア系の血を引き、身長はアニメ設定で192センチメートルとされる。刑務所での囚人番号はMA152403、罪状は殺人未遂、刑期は六年である。収監へ至った具体的な事件は作中で示されない。

記憶を失った後は自分の本名を知らず、スタンド名と同じ「ウェザー・リポート」を名乗る。仲間からは「ウェザー」と呼ばれる。出生名、養母から与えられた名、記憶喪失後の名が異なるため、記事では時期に応じて呼び分ける必要がある。

外見

ウェザーは長身で鍛えられた体格を持つ。短い角の付いた平らな毛皮帽子をかぶり、矢印形の切り抜きがある暗色の全身服を着る。手首と足首には白い毛皮を配し、腰には大きな「W」のバックルを付ける。帽子を外したウェスの髪も上部が平らで、後ろへ長く伸びる。

プッチが緑色の赤ちゃんと融合した後、ウェザーの左肩にも星形の痣が現れる。この痣はジョースター家の血を直接引く証ではなく、双子であるプッチとの精神的な連動によって生じる。

記憶喪失時の性格

記憶を奪われたウェザーは寡黙で、表情の変化が少ない。口をあまり開かずに話すため、相手の顔へ極端に近づいて声を伝える。つま先立ちで歩き、テレビを見ないのにテレビ番組表を読むなど独特の習慣を持つ。エンポリオからは幽霊のような人物と説明されるが、危険にいる他者を見捨てない。

徐倫がDISCを中庭へ届けようとすると、相手の素性をほとんど知らない段階で同行する。無重力と真空の攻撃では自分の雲のスーツを犠牲にし、徐倫が反撃する時間を作る。冷静な判断力があり、周囲の水、空気、鏡面、音を観察して敵の位置を探る。

記憶回復後の性格

記憶DISCが戻ると、ウェザーはウェスとしての怒りと自己破壊的な性格も取り戻す。プッチへの復讐を生存より優先し、アナスイへ兄を殺した後は自分も殺してほしいと頼む。無関係な看護師の体内へ水を集めて殺し、街の女性へ電気を流して自分をマッサージさせるなど、記憶喪失時には見せなかった残酷さを表す。本人はヘビー・ウェザーへ巻き込まれる人々を気の毒に思いながら、一部では現象を楽しんでいることも認める。

それでも悪を判断する基準は失わず、自分が悪だと知らない悪を最も危険だと断じる。記憶が人格を完全に作り替えたのではなく、抑えられていた憎悪、罪悪感、死への願望が一度に戻った結果と考えられる。

出生と取り違え

ウェスは裕福なプッチ家で、エンリコ・プッチの二卵性双生児として生まれる。出生名はドメニコ・プッチである。同じ病院で自分の子を失った女性が、悲しみから乳児のドメニコを連れ去り、亡くなった赤ん坊と入れ替える。プッチ家では弟が死んだと信じられ、連れ去られた子は別の家庭でウェス・ブルーマリンとして育つ。

養父は黒人男性だが、ウェス本人は養母から生まれた白人である。出生の真相を知らないまま成長したため、後に出会うペルラを実の妹とは認識できない。

ペルラとの恋

青年期のウェスはジュースの配達員として働く。ある日、少女の鞄を盗んだ男を止め、雇用上の不利益を恐れず被害者を助ける。少女はペルラ・プッチであり、二人は出会って約二週間で交際を始める。ウェスとペルラは自分たちが実の兄妹だと知らない。

神学校へ進んでいたエンリコは、告解で乳児の取り違えを知り、ウェスが双子の弟だと突き止める。兄妹関係を明かせば家族と告解の秘密を壊すと考え、ペルラを傷つけず交際だけを終わらせようとする。プッチは私立探偵へ依頼するが、その選択がさらに大きな悲劇を生む。

私立探偵と差別暴力

プッチが雇った探偵組織は、実際にはクー・クラックス・クランと結び付いている。組織はウェスの養母が黒人男性と結婚していた経歴を調べ、ウェスを黒人の血を引く人物だと誤認する。ペルラがウェスへキスする場面を見た構成員は、人種差別を理由に二人を襲う。ウェスは木へ吊るされ、死亡したように見える。

ペルラは彼を木から下ろすが、わずかな脈が残っていることに気付かず、崖から身を投げる。プッチは妹を守るつもりで依頼したが、差別組織の性質を知らず、結果としてペルラを死なせる。ウェスは自分が生き残り、愛した相手が死んだ事実へ絶望する。

スタンドの発現と自殺未遂

プッチがDIOから得た「矢」に刺されてホワイトスネイクを発現すると、双子の精神的な結び付きによってウェスにも能力が現れる。ウェスはペルラを失った後、自分、プッチ、世界への憎悪を抱き、自殺を繰り返し試みる。崖から飛び降りても風が身体を戻し、海へ入っても波が岸へ押し上げる。銃を使おうとすると内部へ水が入り、発射できない。

天候を操るスタンドが無意識に本体を守るため、本人は死ぬことさえできない。四日目には空からカタツムリが降り始め、後のヘビー・ウェザーへつながる大規模な異変が発生する。プッチはウェスへ出生の真相を告げ、ホワイトスネイクで記憶DISCを抜き取る。

記憶DISCとウェザー・リポート

記憶を失ったウェスは過去の憎悪とヘビー・ウェザーを封じられ、「ウェザー・リポート」として生きる。どのような経緯で殺人未遂罪を受けたかは不明だが、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所へ収監される。刑務所内ではエンポリオの幽霊の部屋へ出入りし、ナルシソ・アナスイと行動する。自分の記憶を奪った者がホワイトスネイクの本体だと知り、過去を取り戻すことを望む。

記憶がなくても善悪の判断と他者を助ける性質は残り、徐倫の仲間へ加わる。プッチが記憶を奪った行為は危険な能力を抑えた一方、ウェスが自分の人生を理解して選択する権利も奪っている。

サヴェジ・ガーデン作戦

徐倫は承太郎のスタンドDISCをスピードワゴン財団へ渡すため、中庭へ向かう。ウェザーはエンポリオから紹介され、風雨でピアノと水たまりを動かし、廊下の敵を確認する。ラング・ラングラーのジャンピン・ジャック・フラッシュは、触れた徐倫を無重力にし、その範囲へウェザーも巻き込む。空気が拡散して真空へ近づくと、ウェザーは雲を密集させて二人の身体を覆う宇宙服を作る。

雲の内部へ酸素を保ち、気圧差、飛来物、出血から徐倫を守る。自分のスーツを失っても徐倫の攻撃機会を確保し、ラング・ラングラー撃破へ貢献する。負傷後も中庭の徐倫を救うため、遠隔地から毒性を持つヤドクガエルを降らせる。

天候操作能力

スタンド「ウェザー・リポート」は、気温、湿度、気圧、風、水分など大気の状態を操作する。雨と風を起こすだけでなく、空気の層で弾丸を逸らし、摩擦熱で物を燃やし、雲を固めて身体を覆える。雨を局所へ降らせてF・Fへ水分を供給し、光を雲の切れ目から当て、空気袋で衝撃を和らげる。毒ガエルを運ぶ現象のように、生物を含む極端な気象も再現する。

能力の規模と応用範囲は非常に広いが、記憶喪失時のウェザーは無意識のヘビー・ウェザーを使わない。スタンド名と人物名が同一であるため、人物記事では「ウェザー」、能力記事では「スタンドのウェザー・リポート」と区別する。

脱獄後とボヘミアン・ラプソディー

プッチが刑務所を離れると、ウェザーはアナスイと脱獄して追跡する。星形の痣を得たことで徐倫やDIOの息子たちの方向を感じ取り、北へ進む。ウンガロのボヘミアン・ラプソディーは、物語や絵画の登場人物を現実へ出し、人を既存の物語へ巻き込む。ウェザーはゴッホの肖像へ新しい架空人物「プット・バック」を描かせる。

プット・バックには、現実へ出たすべての物語人物を元へ戻す役割を与える。敵本体へ届かない距離でも、能力が従う物語の規則そのものを書き換えて無力化する。天候操作だけでなく、状況の因果を読み、解決条件を作る判断力が表れる戦いである。

記憶の回復

オーランドの病院へ到着したウェザーへ、ドナテロ・ヴェルサスが地中から記憶DISCを投げ渡す。ヴェルサスはプッチに従うふりをしながら、危険なウェザーを復活させて混乱を起こそうとする。DISCが戻ると、ウェスは出生、ペルラ、リンチ、プッチとの対決をすべて思い出す。同時に封印されていたヘビー・ウェザーが無意識に発動し、オーランド一帯へ虹が現れる。

人格の急変にアナスイも警戒するが、ウェスの目的は一貫してプッチを殺すことへ集中する。

ヘビー・ウェザー

ヘビー・ウェザーは、大気中で太陽光の屈折角を操作し、虹へ肉眼では自覚できないサブリミナル効果を持たせる能力である。虹やそこから現れるカタツムリへ触れた人間は、自分がカタツムリへ変わると認識する。精神が身体へ影響し、皮膚と動作が実際にカタツムリ化したように変化する。動きは遅くなり、塩や乾燥へ弱くなり、カタツムリを捕食する生物にも襲われる。

現象は広範囲へ拡大し、ウェス本人が一人ずつ標的を選ばなくても進行する。プッチは能力が光を視覚へ入れることで働くと知り、自分の視力を一時的に封じて影響を避ける。単純な変身能力ではなく、天候、光、認識、身体反応が連鎖する心理攻撃である。

プッチとの決戦

ウェスとアナスイは、近くへ来たプッチを捜す。プッチはカタツムリの群れへ身を隠し、ウェスの脚を切断する。アナスイはダイバー・ダウンで自分の脚を一時的に接続し、ウェスの接近を助ける。プッチは光の反射でアナスイのカタツムリ化を進め、視覚を封じてヘビー・ウェザーを回避する。

ウェスは飛び散った自分の血を凍らせ、鋭い氷の障害へ変えてプッチを囲む。身体へ氷片を受けても防御せず、気圧と冷気で兄を追い詰める。あと一撃という時、徐倫たちの車が偶然戦場へ突入し、二人を分断する。プッチは生じた隙にウェスの胸を貫く。

死とDISCの継承

ウェスは2012年3月19日、プッチの攻撃で死亡する。死の直前、自分のスタンドをDISCへしてプッチから奪い返し、徐倫たちへ残す。アナスイは、記憶のない時期に仲間と過ごした数日がウェザーを救ったと語る。後にエンポリオがプッチとの最終戦でDISCを自分へ挿入し、ウェザー・リポートを発現させる。

エンポリオは純酸素を密閉空間へ満たし、時間加速で代謝が進むプッチを酸素中毒へ追い込む。ウェス本人は復讐を完遂できなかったが、残した能力が兄を倒す。世界が一巡した後の別の歴史では、彼に対応する人物がヒッチハイカーとしてアイリンたちの車へ乗る。この人物とウェスが同じ人生を送ったとまでは断定できないが、仲間が別の形で出会う結末に含まれる。

物語上の役割

ウェザーは、記憶が人格と能力へどう影響するかを最も直接的に示す人物である。過去を失った状態では穏やかな協力者となり、過去を取り戻すと正義感と同時に憎悪も復活する。プッチは秘密を守るため弟の記憶を奪うが、そのDISCが戻ったことで世界規模の災害を起こし、最後には自分を倒す能力を残される。双子の連動は、プッチのスタンド発現と星形の痣をウェスへ伝え、二人が離れても運命から切り離されないことを示す。

ペルラの死は差別組織の暴力とプッチの秘密主義が重なった結果であり、単一の人物だけへ原因を還元できない。それでもウェスは兄を責任の中心と見定め、死後のDISCによって決着を次の世代へ託す。

関連項目

- 空条徐倫- エンリコ・プッチ- ペルラ・プッチ- ナルシソ・アナスイ

- エンポリオ・アルニーニョ- ウェザー・リポート(スタンド)- ヘビー・ウェザー- グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所