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スター・ウォーズ

エピソード4 / 新たなる希望 完全ガイド

エピソード4 / 新たなる希望のあらすじ、登場人物、舞台、制作背景、評価、見る順番。

公開: 1977年5月25日(米) / 1978年6月30日(日) 監督: ジョージ・ルーカス 配給: 20世紀フォックス 上映時間: 121分
エピソード4 / 新たなる希望 完全ガイド 公式ポスター

作品データ

作品
スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
原題
Star Wars: Episode IV – A New Hope
公開
1977年5月25日(米) / 1978年6月30日(日)
監督
ジョージ・ルーカス
制作
ルーカスフィルム
配給
20世紀フォックス
上映時間
121分
公式予告編は
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📖 全41章 / 約19K字 🔄 最終更新 2026年5月26日 ✍️ Anna Movies 編集部

エピソード4/新たなる希望は、1977年に公開されたアメリカのSF映画で、『スター・ウォーズ』シリーズの第1作である。砂漠の惑星に暮らす青年ルーク・スカイウォーカーが、囚われの姫を救い出し、銀河帝国の巨大兵器デス・スターに立ち向かう冒険を描く。後の続編や前日譚を含む一大サーガの原点であり、現代SF映画の金字塔として位置づけられる作品である。

00作品概要

『エピソード4/新たなる希望』のあらすじ、登場人物、舞台、制作背景、評価、そして観る順番までを解説する。

反乱軍と帝国の戦いが幕を開ける記念すべき第一作。初めてスター・ウォーズに触れるなら、最も入りやすい一本だ。

製作はルーカスフィルム、配給は20世紀フォックス。製作費はおよそ1100万ドル、上映時間は121分におよぶ。スター・ウォーズ・サーガすべての出発点となった作品である。

公開順では最初の作品にあたるが、物語の時系列では旧共和国が倒れてから約19年後の出来事だ。直前に位置するのは『ローグ・ワン』、その先に続くのが『帝国の逆襲』である。

編集、美術、衣装、録音、作曲、視覚効果の各賞を受賞。さらに米国国立フィルム登録簿にも、その初年度である1989年に選定された。映画史に刻まれた里程標といえる。

オープニング・クロールの全文から、全編のあらすじ、登場する主な要素、制作の舞台裏、公開と興行の記録、そして特別篇での変更点まで幅広く網羅する。なお、結末のネタバレを含む点に注意したい。

作品概要

概要

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(Star Wars: Episode IV – A New Hope)は、ジョージ・ルーカスが監督・脚本を手がけ、1977年5月25日に米国で公開されたアメリカのスペースオペラ映画である。公開当時の題名は単に『スター・ウォーズ』であり、「エピソード4/新たなる希望」という副題が画面に加えられたのは、1981年の再公開からだった。それでも本作は、のちに九部作へと拡張されるスカイウォーカー・サーガの出発点であり、シリーズ全体の文法を決定づけた一作として知られている。

舞台は、銀河帝国が圧政を敷く時代。反乱同盟軍は帝国の巨大兵器デス・スターの設計図を奪取するが、これを運ぶレイア・オーガナは、ダース・ベイダーに捕らえられる寸前、ドロイドのR2-D2に設計図と救援メッセージを託す。やがてR2-D2は相棒のC-3POとともに砂漠の惑星タトゥイーンへ降り立ち、農場で暮らす青年ルーク・スカイウォーカーと、世を離れて隠遁していた老ジェダイのオビ=ワン・ケノービを巻き込んでいく。そうして物語は、銀河規模の戦いへと広がっていく。

本作が画期的だったのは、単なる空想科学の見世物にとどまらず、神話の構造を宇宙へ持ち込んだ点にある。辺境で燻る若者が導き手と出会い、故郷を失い、ならず者を仲間に引き入れ、囚われの姫を救い、巨大な要塞へ最後の一撃を放つ——古典的な英雄譚の骨格を、当時最先端の特撮と音楽で語り直したのだ。商業的にも記録的な成功を収め、映画産業のブロックバスター戦略、関連商品の展開、視覚効果と音響技術の進歩、そしてフランチャイズという発想そのものを大きく塗り替えた。

本記事は、結末を含む全編の内容に踏み込む。未見で物語の驚きを味わいたい向きは、まず本編を鑑賞してから読み進めることを勧める。

概要

オープニング・クロール

映画は漆黒の宇宙に浮かぶ一文「遠い昔、はるか彼方の銀河系で——」から幕を開ける。スター・ウォーズのロゴが遠ざかると、黄色い文字が画面奥へと流れていく、あの有名なオープニング・クロールへと続く。1977年の公開時にはまだエピソード番号は存在せず、以下の副題と前文が加えられたのは1981年の再公開以降である。クロールは世界の歴史を逐一語りはしない。観客が物語へ入り込むために最低限必要な状況だけを、簡潔に提示している。

反乱軍の宇宙船が、隠された基地から出撃し、邪悪な銀河帝国に対して最初の勝利を収めた。

戦闘のさなか、反乱軍のスパイたちは帝国の究極兵器〈デス・スター〉の極秘設計図を盗み出すことに成功した。それは惑星をまるごと破壊できるほどの力を秘めた、装甲に覆われた宇宙ステーションである。

帝国の不吉な追っ手から逃れながら、レイア姫は自らの宇宙船で母星へと急ぐ。盗み出された設計図を携えて——それは民を救い、銀河に自由を取り戻すことのできる鍵だった……。

オープニング・クロール

03あらすじ

以下は、結末までを含む全編のあらすじである。物語は大きく四つの流れに沿って展開する。設計図をめぐる逃走、ルークの旅立ち、デス・スターへの潜入とレイア救出、そしてヤヴィンの戦いだ。

あらすじ

タンティヴIVの拿捕

物語は前置き抜きに、いきなり宇宙空間から幕を開ける。惑星タトゥイーンの上空を、反乱同盟軍の小型外交船タンティヴIV(CR90コルベット、別名ブロッケード・ランナー)が逃走している。その背後から、画面を埋め尽くすほど巨大なインペリアル・スター・デストロイヤーが追いすがる。砲火の応酬ののち、スター・デストロイヤーはトラクター・ビームでタンティヴIVを捕らえ、格納庫へと引き込む。閉ざされたエアロックがブラスターで焼き破られ、白い装甲のストームトルーパーが雪崩れ込む。反乱軍兵士たちも応戦するが、次々に制圧され、廊下は瞬く間に帝国の支配下に置かれる。

混乱する船内を、対照的な二体のドロイドがさまよっている。神経質に状況を実況する金色のプロトコル・ドロイドC-3POと、寡黙で行動的な青白いアストロメク・ドロイドR2-D2だ。C-3POが「もう終わりだ」と嘆くなか、R2-D2は重要な任務を帯びていた。反乱軍の指導者であり、オルデランの王女、そして帝国元老院議員でもあるレイア・オーガナが、奪取したデス・スターの完全な技術設計図をR2-D2のメモリーに収め、さらにオビ=ワン・ケノービへ宛てたホログラムの救援メッセージを記録させたのだ。

任務を託されたR2-D2は、不安がるC-3POを連れて脱出ポッドに乗り込み、船を離れて眼下のタトゥイーンへと降下していく。砲手は逃げるポッドに照準を合わせるが、生体反応がないと確認した士官が「撃つな、生命体は乗っていない」と発砲を止める。このひとつの判断ミスが、設計図を帝国の手から取り逃がすことになる。

やがて、黒い甲冑と機械的な呼吸音をまとった長身の人物——ダース・ベイダーが、制圧された廊下を歩いて現れる。反乱軍士官を片手で締め上げて情報を問い質し、口を割らないと見るや投げ捨てる。その冷酷さが、多くを語らずとも彼の危険性を物語る。捕らえられたレイアは「これは外交使節船です。私はオルデランへ向かう途中の元老院議員です」と毅然と抗議するが、ベイダーは彼女を反乱軍のスパイと断じ、奪われた設計図の在処を吐かせるべく拘束する。物語が始まってわずか数分、観客は善悪の構図と、帝国が振るう圧倒的な暴力を否応なく理解させられる。

タンティヴIVの拿捕

タトゥイーンのドロイドたち

灼熱の砂漠に不時着したC-3POとR2-D2は、進むべき方向をめぐって早々に仲違いする。R2-D2は「秘密の任務がある」と頑なに別の方角へ進み、呆れたC-3POは反対側の砂丘へと歩き去っていく。世界規模の戦争の発端が、口論する二体のドロイドの当てのない放浪へと一気に縮小する——この緩急の切り替えこそが、壮大な世界観を持つ本作の入口を親しみやすいものにしている。

砂上をさまようC-3POは、遠くに動く装軌車を見つけて救助を求める。一方、峡谷を進んでいたR2-D2は、廃品を漁って暮らす砂漠の小柄な種族ジャワに気絶させられ、捕獲されてしまう。ジャワたちはドロイドやスクラップを回収し、修理しては売り歩く商人だ。巨大な装軌車サンドクローラーの内部には、捕らえた無数のドロイドがずらりと並んでいる。やがてさまよっていたC-3POも同じく回収され、二体はここで再会する。

サンドクローラーは、水分農場を営むラーズ家へ商売に立ち寄る。農場主オーウェン・ラーズと、その甥である青年ルーク・スカイウォーカーがドロイドを物色し、C-3POと赤いアストロメクのR5-D4を選ぶ。ところがR5-D4は、起動した直後に部品(モチベーター)が破裂して故障してしまう。C-3POの口添えもあり、ルークは代わりに隣にいたR2-D2を購入する。こうして二体のドロイドは、ラーズ農場へと引き取られていく。

ルークがR2-D2の煤を落として整備していると、機体内部に記録されたレイアのメッセージの断片が偶然投影される。「助けて、オビ=ワン・ケノービ。あなただけが頼りなのです」——その短い言葉を繰り返す美しい王女の立体映像に、ルークは強く心を奪われる。R2-D2は、メッセージの相手が近隣に住む隠者ベン・ケノービではないかと示唆する。だが夕食の席でルークが叔父オーウェンに尋ねると、話ははぐらかされ、父について深入りするなと釘を刺されてしまう。砂漠の双子の夕日を見つめるルークの姿は、ここではないどこかへ行きたいという閉塞感を静かに語る。そしてその夜、R2-D2はメッセージの主を探して農場を抜け出してしまう。

タトゥイーンのドロイドたち

ベン・ケノービとフォース

翌朝、R2-D2が姿を消したことに気づいたルークは、C-3POを連れ、ランドスピーダーで砂漠へと追跡に出る。広大なジャンドランドの荒野でようやくR2-D2を見つけ出すが、その直後、砂漠の先住民タスケン・レイダー(サンド・ピープル)に襲われ、殴り倒されて気を失ってしまう。

意識を取り戻したルークの前に現れたのは、隠者として暮らす老人ベン・ケノービだった。ベンはクレイト・ドラゴンの鳴き真似でタスケンを追い払い、ルークを救い出したのだ。やがてベンは、自らがかつてジェダイの騎士であったオビ=ワン・ケノービだと明かす。隠れ家でオビ=ワンは、ルークの父もまた自分と並ぶ優れたパイロットであり、ジェダイだったと語り、長く銀河を守ってきたジェダイの存在と、彼らを狩り滅ぼした帝国の影について話し始める。

オビ=ワンは、ルークの父の形見だというライトセーバーを手渡し、その光刃を初めて見せる。そして、ルークの父はダース・ベイダーという名のかつての教え子に裏切られ、殺されたのだと説明する(この語りは後のプリクエル三部作で覆され、本作の解釈に新たな重みを与えることになる)。続いてオビ=ワンは、生命が生み出し、銀河のすべてを結びつける神秘的なエネルギー、フォースについてルークに語り聞かせる。

やがて、R2-D2が記録していたレイアの完全なメッセージが再生される。そこには、かつてクローン大戦をともに戦った旧友オビ=ワンへの呼びかけと、R2-D2に収めた設計図をオルデランの父ベイル・オーガナのもとへ届けてほしいという切実な依頼が込められていた。オビ=ワンはルークに、ともにオルデランへ渡り、ジェダイの道を学ぶよう促す。だが農場の責任を背負うルークは、「帝国と戦うなんて無理だ」と一度はこれを断り、せめて宇宙港のある街まで送ろうと申し出るのだった。

ベン・ケノービとフォース

故郷の喪失

宇宙港へ向かう途中、一行は焼き払われたジャワのサンドクローラーの残骸に行き当たる。周囲にはジャワの死体が散乱していた。襲撃はタスケン・レイダーの仕業に見せかけられているが、弾痕の位置や足跡の正確さから、オビ=ワンはこれをストームトルーパーによる偽装と見抜く。帝国はドロイドの行方を追っている。やがてサンドクローラーの売却記録から、ドロイドを買い取った農場へたどり着くはずだ——そう悟った瞬間、ルークは血の気を失い、叔父夫婦の身を案じてランドスピーダーで全速力の帰路につく。

オビ=ワンの制止も聞かず農場へ駆け戻ったルークが目にしたのは、焼け落ちた我が家と、無惨に殺された叔父オーウェン、叔母ベルーの亡骸だった。育ててくれた家族も、帰る場所も、留まる理由も、すべてを一度に失う。打ちのめされて立ち尽くしたルークは、やがてオビ=ワンのもとへ戻り、「一緒にオルデランへ行く。ジェダイになりたい」と告げる。憧れていた旅立ちは、もはや夢の実現ではない。取り返しのつかない喪失を背負っての選択へと変わっている。明るい冒険活劇の表層に深い痛みを潜ませるこの構成こそが、本作の物語を単純な娯楽以上のものにしているのだ。

故郷の喪失

モス・アイズリーとミレニアム・ファルコン

一行は、無法者の巣窟として知られる宇宙港の街モス・アイズリーへ足を踏み入れる。検問所でストームトルーパーがドロイドの素性を問いただすと、オビ=ワンはフォースによる暗示——ジェダイ・マインド・トリック——を用い、「このドロイドたちはお前が探しているものではない」と兵士の認識を操作。一行は難なく検問を通り抜ける。観客がフォースの実用的な力を初めて目の当たりにする場面だ。

やがて一行は、雑多な異星人と無法者がひしめく薄暗い酒場(モス・アイズリー・カンティーナ)に入り、輸送手段を探す。軽快なバンドの演奏が流れるなか、ルークが粗暴な前科者たちに絡まれると、オビ=ワンが一閃のライトセーバーで相手の腕を切り落とす。老人の正体と実力を、その一瞬で示してみせる。そして一行は、ウーキー族のチューバッカに導かれ、その相棒である密輸業者ハン・ソロと交渉に入る。

ハンは自船ミレニアム・ファルコンを「ケッセル・ランを12パーセクで駆け抜けた船だ」と誇り、帝国の妨害をかいくぐってオルデランまで運ぶ代わりに高額の報酬を提示する。先払いを渋るルークに対し、オビ=ワンが資金の工面を約束し、取引は成立する。一方、酒場を出ようとしたハンは、ジャバ・ザ・ハットが差し向けた賞金稼ぎの一人グリードに銃を突きつけられるが、テーブルの下から先んじて発砲し、グリードを始末する(どちらが先に撃ったかという描写は、後の改訂版で幾度も編集が変えられた有名な論点である)。

資金を得るため、ルークがランドスピーダーを売り払う一方、帝国軍はドロイドの足取りを発着場(ドッキング・ベイ94)まで追ってくる。ストームトルーパーとの銃撃戦のなか、ハンとチューバッカの操るファルコンは強引に発進し、追撃するスター・デストロイヤーとTIEファイターを振り切ってハイパースペースへ跳躍する。船内では、ルークがオビ=ワンの指導のもと、フォースを感じ取る訓練——遠隔球レメディエーターを使った目隠し稽古——を始め、師弟の関係が形を取り始める。

モス・アイズリーとミレニアム・ファルコン

オルデランの破壊

場面はデス・スターの内部へ移る。司令官グランド・モフ・ターキンを中心に、帝国の高官たちが会議を開いている。ターキンは、皇帝が帝国元老院を恒久的に解散させたことを告げ、これからは恐怖と力によって銀河を直接統べると宣言する。デス・スターの安全性を侮った一人の将校がベイダーを嘲ると、ベイダーはフォースで遠隔から首を絞めて黙らせる(「圧倒的な力に対する貴官の信仰心が足りないようだ」)。やがてターキンに制止され、その手を緩める。帝国の内部にも力学と緊張が渦巻いていることがうかがえる場面だ。

ターキンは反乱軍の秘密基地の所在を吐かせようと、捕らえたレイアを兵器の試射に立ち会わせる。レイアは観念したふりをして、見せしめの標的にする惑星の名を偽って告げる。だがターキンは容赦しない。その場で彼女の故郷である平和な惑星オルデランへ照準を合わせ、デス・スターのスーパーレーザーを発射する。オルデランは閃光とともに完全に粉砕され、数十億の命が一瞬で消滅する。レイアは母星と同胞を目の前で失い、しかも告げた基地は、そもそも偽りだった。

遥か遠方を航行するファルコンの船内。オビ=ワンが突然胸を押さえ、苦しげに椅子へ崩れ落ちる。「フォースに大きな乱れを感じた……まるで無数の声が一斉に恐怖の悲鳴を上げ、突如かき消されたかのようだ。何か恐ろしいことが起きた」と彼は呟く。フォースという概念が、物語の出来事と登場人物の感情のレベルで結びついた瞬間である。約束されたはずの目的地を知らぬまま、ファルコンはオルデランへと進んでいく。

オルデランの破壊

デス・スターへの曳航と潜入

ファルコンがオルデランの座標に到達すると、そこにあるはずの惑星は影も形もなく、無数の岩塊が漂う広大な破片帯が広がっているだけだった。ハンは航路計算の誤りを疑うが、オビ=ワンは「オルデランは破壊されたのだ」と静かに告げる。そこへ一機のTIEファイターが現れ、近くに浮かぶ小さな衛星のような物体へと向かっていく。追ううちに、目標が衛星ではなく完成間近の宇宙要塞デス・スターであることに気づくが、時すでに遅く、トラクター・ビームに捕らえられ、振り切れないまま内部の格納庫へと曳き込まれてしまう。

拿捕を察したルークたちは、ファルコンの船底に設けられた密輸用の隠し区画に身を潜め、乗り込んできた臨検の兵士たちをやり過ごす。隙を突いて、ルークとハンは見張りのストームトルーパー二名を倒し、その装甲を奪って変装する。チューバッカを「捕虜」に見せかける偽装で管制ブースを制圧すると、R2-D2をデス・スターのコンピュータ網へと接続する。

R2-D2が引き出した情報から、トラクター・ビームの動力源が七つの端子に分かれていること、そしてレイア・オーガナがこの基地の監房区画21に囚われ、処刑を待つ身であることが判明する。オビ=ワンは「動力は私一人で切りに行く。フォースが共にあらんことを」と告げ、単身でトラクター・ビームの停止へ向かう。当初は脱出さえできればよいと考えていたハンも、ルークが持ち出した王女の身代金という餌に釣られ、しぶしぶレイア救出作戦に加わる。

デス・スターへの曳航と潜入

レイア・オーガナ救出

ストームトルーパーに変装したルークとハン、そして捕虜役を装うチューバッカが監房区画へ潜入する。詰所の士官に怪しまれて銃撃戦となり、ルークは独房を開けて寝台に横たわるレイアを見つける。突然現れた背の低いストームトルーパー——ヘルメットを脱いだルークを一瞥すると、レイアはこう切り返す。「君、ちょっと背が低くないかい、ストームトルーパーにしては」。救われる立場で登場しながら、瞬時に状況を読んで皮肉を返してみせる。受け身のヒロインではなく、反乱軍を率いる指導者としての強さが、この一言に凝縮されている。

警報で封鎖された監房区画は増援に包囲され、一行は袋小路に追い込まれる。ハンが「もっとマシな救出計画はないのか」と毒づくと、レイアは自らハンのブラスターを奪い、壁のメンテナンス用シャフトを撃ち抜いた。「ゴミ捨て場へ飛び込みな、操縦士さん」と叫び、一行をダクトへ追い込む。四人はゴミ圧縮機の汚水へと落下していく。

圧縮機の汚泥には、触手を持つ生物ダイアノガが潜んでいた。ルークは水中へ引き込まれ、間一髪で逃れる。だが直後、ダイアノガが姿を消すと同時に左右の壁が動き出し、一行を生きたまま押し潰そうとする。ルークはコムリンクでC-3POへ連絡を試みるが、当のC-3POとR2-D2は別室で兵士の捜索をやり過ごしている最中で、応答できない。壁が肉薄するなか、ようやく連絡を受けたR2-D2がデス・スターの制御系へ割り込み、区画21の全圧縮機を緊急停止させる。歓喜の絶叫を上げる一行——緊張と笑いを高速で往復するこの場面は、完璧でない即席チームが失敗と機転で生き延びるという本作の魅力を、そのまま象徴している。

レイア・オーガナ救出

オビ=ワン・ケノービの最期

ゴミ圧縮機を脱した一行は廊下を駆け、混乱に乗じて格納庫のファルコンを目指す。途中、追撃を振り切ろうと、ルークとレイアは深い縦坑をグラップリングフックで跨ぎ越える。ハンとチューバッカは別ルートに回り、多数のストームトルーパーを引きつける。

一方、トラクター・ビームの動力を無事に切ったオビ=ワンは、格納庫近くの通路でダース・ベイダーと対峙する。「またお前と会うとはな、オビ=ワン。最後に会ったとき私はまだ教えを受ける身だった。だが今は私が達人だ」。ベイダーがそう告げると、二人のライトセーバーが交わる。後年の作品のような高速の剣戟ではない。緩やかで重いその立ち合いは、かつての師弟の間に長い因縁が横たわっていることを感じさせる。

格納庫へ走り込んだルークたちが、その対決を目撃する。オビ=ワンはルークと視線を交わすと、戦いを止めて静かに剣を立て、ベイダーの一閃に自ら身を委ねる。斬られたその肉体は、衣だけを残して忽然と消え去る。彼は死んだのではない。フォースと一体化し、肉体を超えてルークを導く存在となったのである。「ベン!」と叫ぶルークの耳に、「逃げろ、ルーク。逃げるんだ」というオビ=ワンの声が直接届く。

悲嘆をこらえ、ファルコンで離脱した一行を、四機のTIEファイターが追撃する。ルークとハンは砲座に就き、迫る敵機を一機ずつ撃ち落とす。辛くも全機を退け、彼らは追跡を振り切ったと安堵する。だが帝国は、意図的に彼らを逃がしていた。ファルコンには発信機が仕掛けられ、ターキンとベイダーは反乱軍の秘密基地へ案内させる算段だったのである。レイアもそれを察してはいるが、設計図を届けることを優先する。

オビ=ワン・ケノービの最期

ヤヴィン4と最後の作戦

ファルコンが目指すのは、赤く巨大なガス惑星ヤヴィンの第4衛星。密林に覆われたこの星の古代遺跡に、反乱同盟軍の秘密基地が築かれている。R2-D2が運び続けたデス・スターの設計図はただちに解析され、致命的な弱点が浮かび上がる。要塞の表面に開いた、幅わずか2メートルの熱排気口。ここにプロトン魚雷を撃ち込めば、シャフトを伝って主炉心で連鎖反応が起こり、デス・スターは内部から崩壊するというのだ。だが排気口は、防御の薄い長大な谷(トレンチ)の奥にある。激しい対空砲火を浴びながら超低空でトレンチを突き抜け、コンピュータでも至難とされる精密射撃を成功させねばならない。「不可能に近いが、これしかない」——ドドンナ将軍がそう作戦を説明する。

報酬を受け取ったハンは、追われている借金を返すと言い、チューバッカとともに基地を去ろうとする。「お前なら残ってくれると思った」と落胆するルークに、ハンは「死んでも金は使えない。お前も馬鹿な真似はよせ」と背を向ける。ルークは反乱軍のレッド中隊にレッド・ファイブとして加わる。出撃前の整列では、タトゥイーン時代の幼なじみで、先に反乱軍へ身を投じていたビッグズ・ダークライターと再会し、互いの健闘を誓い合う。デス・スターはヤヴィンを回り込み、衛星の基地を射程に収めるまで、残り三十分と迫っていた。

ヤヴィン4と最後の作戦

ヤヴィンの戦い

三十機ほどのXウィングとYウィングが出撃し、ヤヴィンの戦いの火蓋が切られる。基地の管制室では、迫るデス・スターまでの距離が刻々と読み上げられ、緊張が高まっていく。まず谷へ突入するのはYウィングのゴールド中隊。だが両壁の対空砲に加え、ベイダー自ら率いるTIEファイター部隊に背後から狩られ、リーダーもろとも全滅する。続くレッド中隊の攻撃も命中せず、魚雷は排気口の表面で爆発するばかりで、要塞には傷ひとつ与えられない。パイロットは一人また一人と撃墜され、反乱軍の戦力は見る間に削られていく。

ついにルークの番が来る。僚機のウェッジは被弾して離脱を命じられ、ビッグズもベイダーに撃墜され、トレンチを進むのはルークとR2-D2だけとなる。背後にはベイダー機を含む三機のTIEが迫る。照準コンピュータに頼ろうとするルークの耳に、亡きオビ=ワンの声が静かに響く。「フォースを使え、ルーク。私を信じろ」。ルークは照準装置のスイッチを切り、機械ではなくフォースへの信頼に身を委ねる。計器が外れたことに管制室は動揺するが、当のルークは落ち着き払っていた。

ベイダーがルークを照準に捉え、「フォースは……この者と共にある」と呟いて引き金にかけた、まさにその瞬間だった。戦線を離れたはずのハン・ソロのファルコンが、太陽を背に急襲する。僚機を撃ち抜かれて制御を失ったベイダーのTIEアドバンストは、回転しながらトレンチの外へ弾き飛ばされ、宇宙の彼方へと消えていく(死亡せず、続編へ生き延びる)。「やったぞ坊主! さあ家に帰してやる!」とハンが叫ぶ。好機を得たルークは、オビ=ワンの声に導かれるまま、二発のプロトン魚雷を熱排気口へ正確に撃ち込む。デス・スターが基地を射程に収める寸前、要塞は内部から白く膨れ上がり、巨大な爆発とともに完全に消滅する。生還した戦闘機がヤヴィン4へ帰投し、ルークとレイアは抱き合って勝利を分かち合う。

ヤヴィンの戦い

表彰式

ヤヴィン4の古代寺院、その大広間で勝利を讃える盛大な表彰式が始まる。反乱軍の将兵がずらりと整列するなか、白い式服に身を包んだレイアの待つ祭壇へ、ルークとハン、そしてチューバッカが肩を並べて進んでいく。レイアはルークとハンの首に英雄の勲章を掛け、二人は破壊からの生還に沸く群衆へと向き直る。かたわらには、磨き上げられ修復されたC-3PO、そして新しい部品で輝くR2-D2の姿もある。ジョン・ウィリアムズの高鳴る音楽が響くなか、画面は希望に満ちた反乱軍の表情でしめくくられる。

とはいえ、この勝利ですべてが終わったわけではない。破壊されたのはデス・スターという一つの兵器にすぎず、銀河帝国そのものは依然として健在、ダース・ベイダーも生き延びている。邦題『新たなる希望』が指し示すのは、すべてが解決したという意味ではない。それまで絶望的な戦いを強いられてきた反乱軍に、ようやく未来へ踏み出すだけの希望が芽生えた——そういう意味だ。本作は一本の冒険として満足のいく結末を迎えつつ、来たるべき帝国の反撃と、ルーク・スカイウォーカーの修行の物語へと続く扉を、しっかりと開いたまま幕を下ろす。

表彰式

16登場要素

本作に登場する、あるいは言及される主な要素を分類して紹介する。固有名詞の数々はシリーズ全体を読み解く手がかりとなるが、初見ですべてを覚える必要はない。

主要登場人物

本作の人物関係はシンプルだが、シリーズ全体を支える強度を持つ。誰が何を求め、誰の選択で物語が動いたのか。その軸で見ていくと、続編以降の関係もぐっと入りやすくなるはずだ。

主要登場人物

ルーク・スカイウォーカー

砂漠の惑星タトゥイーンの水分農場で育った青年。物語の幕開けの時点では、まだ英雄ではない。退屈な日常に苛立ち、友人たちが先に外の世界へ飛び立っていくことに焦りを募らせている。特別な血筋を引く選ばれし者というより、「ここではないどこかへ行きたい」と願う一人の若者。だからこそ観客は、自然と彼に自らを重ねてしまう。

叔父夫婦を失い、オビ=ワンと出会い、フォースの存在を知る。こうしてルークは、遠い銀河の歴史のうねりへと巻き込まれていく。物語の終盤、修行を積んだ一人前のジェダイには程遠いにもかかわらず、彼は照準コンピュータを切り、フォースを信じるという選択を下す。未熟なまま、それでも一歩を踏み出す。その姿こそ、『新たなる希望』という題名にふさわしい。

ルーク・スカイウォーカー

レイア・オーガナ

オルデランの王女にして、反乱同盟軍を率いる指導者。物語の冒頭から自らの意思で動く人物として描かれ、設計図をR2-D2に託すと、ベイダーやターキンの尋問にも屈しない。救出される側として現れながら、その瞬間から状況を的確に読み、ルークやハンに指示を飛ばして脱出経路を切り開いていく。

故郷オルデランの破壊は、彼女個人にとって計り知れない喪失である。それでもレイアは、反乱軍の責任者として立ち続ける。彼女を単なるヒロインとして眺めていては、本作がはらむ政治的な重みを見落としてしまうだろう。

レイア・オーガナ

ハン・ソロとチューバッカ

ハン・ソロはミレニアム・ファルコンを操る密輸業者で、報酬と生き延びることを何より優先する現実主義者だ。反乱軍の理念に、はじめから共鳴していたわけではない。だからこそ、クライマックスで戦線へと引き返し、仲間とともに戦う道を選ぶその決断が、単なる援軍以上の重みを帯びる。

相棒のウーキー族、チューバッカは人間の言葉を話さない。それでも、ハンとの厚い信頼だけでその人柄はしっかりと伝わってくる。スター・ウォーズが描く多彩な種族の姿を、説明ではなく関係性そのものとして見せる存在である。古びてクセの強いファルコンもまた、二人の暮らしと誇りを背負ったもう一つの「居場所」として描かれていく。

ハン・ソロとチューバッカ

オビ=ワン・ケノービ

タトゥイーンにひっそりと身を隠して暮らしていた老ジェダイ。ルークに父の形見であるライトセーバーとフォースの存在を伝える導き手であり、彼の世界の見方そのものを変える人物だ。すべてを語り尽くさず、「この銀河にはまだ知られざる歴史がある」と観る者に感じさせる語り口が、物語に豊かな余白を生んでいる。

ベイダーとの対決で、彼はみずから斬られ、肉体だけを残して姿を消す。これは単なる敗北ではない。フォースと一体化し、別の形でルークを導く存在へと変わることを意味している。終盤に響く「フォースを使え」という声が、その継承を静かに証明してみせる。

オビ=ワン・ケノービ

ダース・ベイダーとグランド・モフ・ター…

ダース・ベイダーは、黒い装甲と重い呼吸音とともに現れる帝国の執行者だ。身体をデイヴィッド・プラウズが、声をジェームズ・アール・ジョーンズが演じ、軍人でありながらフォースの神秘を背負った異形の存在として強烈な印象を残す。その正体の多くは、本作の時点ではなお謎に包まれたままだ。

グランド・モフ・ターキンは、デス・スターを率いる指揮官である。惑星の破壊を戦術ではなく恐怖政治の道具として使う、冷徹な男だ。ベイダーですら一定の敬意を払う相手として描かれ、官僚的な支配と神話的な闇という、帝国の二重の恐ろしさを体現している。

ダース・ベイダーとグランド・モフ・ター…

舞台と用語

双子の太陽を戴く辺境の砂漠惑星タトゥイーン。この地こそ、ルークが広大な銀河へ憧れを募らせる理由そのものである。ジャワやタスケン・レイダー、水分農場、そして無法者たちがひしめくモス・アイズリー——こうした要素が、帝国の政治的思惑よりも先に、この星で生き抜くことの過酷さを観客へと伝えていく。

デス・スターは惑星を一撃で消し去る宇宙要塞であり、帝国の支配思想をそのまま形にした存在である。対するヤヴィン第4衛星の反乱軍基地は、密林の奥に身を潜めたささやかな希望の拠点として、鮮やかな対比を描く。フォースとジェダイは本作でその全貌を語られることはなく、信頼と直感を通じてほのめかされる神秘のまま留め置かれている。説明を尽くさずに残されたこの余白こそが、初めて観る者を細かな理屈ではなく、登場人物たちの選択そのものへと引き込んでいくのだ。

24制作

本作の制作は、後の映画産業を一変させるほどの困難と挑戦の連続だった。以下では、企画から音楽に至るまでの主要な経緯を整理する。

企画と脚本の変遷

ジョージ・ルーカスは『THX 1138』に続く『アメリカン・グラフィティ』の成功で発言力を得ると、子ども時代に親しんだ連続活劇『フラッシュ・ゴードン』を下敷きに、宇宙を舞台にした冒険映画を構想する。だが既存キャラクターの版権交渉は不調に終わる。そこでルーカスは、誰のものでもない神話的な宇宙活劇を一から創り出す道を選んだ。1973年には「The Star Wars」と題した粗筋(トリートメント)が書き上げられ、そこから脚本の改稿が始まっていく。

脚本はその後数年にわたって何度も全面的に書き直され、主人公の名前や設定、勢力の構図は草稿ごとに大きく入れ替わった。物語の骨格を支えたのは、黒澤明『隠し砦の三悪人』の「無力な脇役の視点から事件を語る」構造だ。これは二体のドロイドへと受け継がれている。加えて、神話学者ジョーゼフ・キャンベルが体系化した英雄神話の旅(モノミス)も色濃い影を落とす。連続活劇、西部劇、第二次大戦の空戦映画、時代劇、剣戟、宗教的モチーフ。こうした既知の型を未知の宇宙へ移し替えることで、ルーカスは子どもにも大人にも届く普遍性を狙った。

20世紀フォックスのアラン・ラッド・ジュニアが企画を強く後押しし、社内の懐疑論を押し切って製作が承認される。当初から予算は逼迫し、最終的な製作費はおよそ1100万ドルにまでふくらんだ。ルーカスは監督報酬の上乗せを求めない代わりに、続編の製作権と関連商品(マーチャンダイジング)の権利を自社ルーカスフィルムに確保する契約を結ぶ。当時は軽んじられたこの判断こそが、後にスター・ウォーズを一作品の枠を超えた巨大フランチャイズへと育てる決定的な礎となった。

企画と脚本の変遷

キャスティング

主要キャストの選考は、友人でもある監督ブライアン・デ・パルマと合同で開いた公開オーディションを通じて進められた。無名に近い若手のなかから、マーク・ハミルがルーク、キャリー・フィッシャーがレイアに抜擢される。ハリソン・フォードは当時、俳優業が振るわず大工仕事で生計を支えていたが、オーディションで他の候補者の相手役としてセリフを読むうちに、ハン・ソロ役を射止めた。台詞回しの自然さを重んじたフォードが、書きにくい説明的なセリフをルーカスに突き返したという逸話も知られている。

物語に重みを与えるベテラン勢として、オビ=ワン・ケノービ役には名優アレック・ギネスが起用された。ギネスは出演条件として興行収入の歩合契約を結んでおり、世界的な大ヒットの結果、生涯にわたって多額の報酬を得ることになる。グランド・モフ・ターキンには、ホラー映画で知られる名優ピーター・カッシングが配された。足に合わない長靴を嫌い、多くの場面を足元が映らない範囲でスリッパのまま演じたという。

ダース・ベイダーは、長身で体格の良いデイヴィッド・プラウズがスーツの中で身体を演じ、威圧的な声は別途ジェームズ・アール・ジョーンズが吹き込んだ。ジョーンズは公開当初、クレジットを辞退している。仮面の造形に加え、身体・声・剣技を複数の人物が分担するこの構造こそが、ベイダーという存在を一人の俳優を超えた象徴へと押し上げた。C-3POをアンソニー・ダニエルズ、R2-D2を小柄な俳優ケニー・ベイカー、チューバッカを長身のピーター・メイヒューが演じ、いずれも続く三部作以降も同じ役を担い続けた。

撮影とロケ地

本編の撮影は1976年、チュニジアでのロケからスタートした。砂漠の惑星タトゥイーンの風景は、トズール、ネフタ、ジェルバ、マトマタなど各地で撮影され、ラーズ家の地下住居には実在の洞窟式ホテルが使われている。ところが撮影初日から、数十年ぶりという季節外れの豪雨や砂嵐に見舞われた。ロボットや小道具は次々と故障し、スケジュールは初日から遅れをきたす。砂漠の追加撮影には、アメリカ・カリフォルニアのデスヴァレーも用いられた。

ヤヴィン第4衛星の密林に眠る遺跡はグアテマラのティカル国立公園で、室内シーンの大半はイギリス・ロンドン近郊のEMIエルストリー撮影所のサウンドステージで撮影された。広大なセット、不調の続くロボット、限られた予算と日程。現場は常に逼迫していた。仕上がりつつあるラッシュ(編集前の素材)に確信を持てなかった20世紀フォックスの首脳陣は、一時は製作の打ち切りすら検討したと伝えられる。それでもルーカスとスタッフ、キャストは撮影を完遂し、長く困難なポストプロダクションへと移っていった。

視覚効果とILM

ルーカスが思い描いたのは、高速で縦横に飛び回る宇宙戦だった。だが、それを映像化できる技術は当時どこにも存在しない。そこでルーカスは若い技術者やアーティストを集め、倉庫の一角に視覚効果専門のスタジオ、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)を立ち上げた。中心となったジョン・ダイクストラらが開発したのが、コンピュータ制御のモーションコントロール・カメラ「ダイクストラフレックス」である。同じカメラの動きを正確に何度でも再現できるこの装置によって、別々に撮影した多数のミニチュアや背景を、違和感なく一枚の画面に合成できるようになった。

宇宙船や要塞は精巧なミニチュアで、宇宙や地形の広がりはマット・ペインティングで表現された。ライトセーバーの発光する光刃は、フィルムにコマ単位で描き込むロートスコープで生み出されたものだ。当初のILMは予算ばかりを費やして成果が出ず、一時は危機に陥る。だが後半に体制を立て直し、どうにか映像を完成へと漕ぎ着けた。完成までには長大なポストプロダクションを要したが、ここで確立された手法と、この現場で育った人材は、その後数十年にわたって映画産業全体の視覚効果を牽引し続けることになる。後のピクサーへと連なる系譜も、この源流から生まれた。

音楽と音響

ルーカスは当初、既存のクラシック音源を流用するつもりだった。だが、スティーヴン・スピルバーグの紹介でジョン・ウィリアムズと組み、フルオーケストラによる完全オリジナルの劇伴を採用する。演奏を担ったのはロンドン交響楽団だ。ウィリアムズは人物や概念ごとに固有の旋律(ライトモティーフ)を割り当てるワーグナー的な手法を採り、メインタイトルの行進曲、フォースのテーマ、レイア姫のテーマなどが、台詞に頼らず場面の意味と感情を観客へと手渡す。単に背景へ流れるのではなく、作品世界そのものを立ち上げる音楽として、後の映画音楽の基準を塗り替えた。カンティーナで流れる軽妙な楽曲も、劇中の異星人バンドが演奏しているという設定に沿って書き分けられている。

音響デザインもまた革新的だった。サウンド・デザイナーのベン・バートは、身の回りの物音を素材に、誰も聴いたことのない音を作り上げていく。ライトセーバーの唸りは映写機のモーター音とブラウン管テレビの干渉音を合成したもの、ダース・ベイダーの呼吸はスキューバ用呼吸器を録音したもの、ブラスターの発射音は張られた支線をハンマーで叩いた音、チューバッカの咆哮は熊などの動物の声を加工したものだ。古い効果音ライブラリの悲鳴「ウィルヘルム・スクリーム」も劇中で使われ、以後シリーズや他作品での遊び心ある定番となった。こうした音は、キャラクターや兵器の印象を台詞以上に決定づける。その功績はアカデミー特別業績賞として評価された。

音楽と音響

編集

最初の編集版はテンポが悪く、ルーカスが親しい映画作家仲間のスピルバーグやデ・パルマらに見せた試写でも、反応は芳しくなかったと伝えられる。そこから編集を託されたのがマーシャ・ルーカス、ポール・ハーシュ、リチャード・チュウらである。彼らは映画を大胆に組み直し、語り口を引き締めていった。

とりわけクライマックスのヤヴィンの戦いは、第二次世界大戦の実際の空戦記録映画を参考フィルムに用い、緊張と高揚が交互に押し寄せるリズムへと再構成された。デス・スター接近のカウントダウン、トレンチ突入、僚機の撃墜、ベイダーの追撃、フォースへの決断、ハンの帰還、そして命中へ。この一連の流れが画面上で整理され、観客が状況を見失わない「見やすいクライマックス」に仕上げられている。編集が作品の成否を分けた好例として、しばしば映画の教材にも取り上げられるほどだ。

31公開と興行

1977年5月25日、本作はわずか数十館という限定公開でスタートした。フォックスは大ヒットを見込んでおらず、配給規模も控えめだった。ところが封切り直後から熱狂的な口コミが広がり、映画館を取り巻く長蛇の列が連日報じられる社会現象へと発展する。上映館は一気に拡大され、その年の興行を席巻した。以後も1978年、1979年、1981年(このとき画面に「エピソード4/新たなる希望」の副題が加えられた)、1982年と劇場再公開を重ね、1997年には映像を改訂した特別篇として再び劇場にかけられている。

初公開と再公開を合わせた北米興行収入はおよそ3億ドル超。全世界では再公開分を含めておよそ7億7500万ドルに達した。チケット価格のインフレを調整した実質的な動員規模で見れば、本作は今なお映画史上屈指の数字を保っている。

第50回アカデミー賞では、作品賞、監督賞(ジョージ・ルーカス)、脚本賞、助演男優賞(アレック・ギネス)を含む10部門にノミネートされた。受賞は美術賞、衣装デザイン賞、録音賞、作曲賞(ジョン・ウィリアムズ)、編集賞、視覚効果賞の6部門。さらにベン・バートの音響効果に対して特別業績賞が贈られた。作品賞そのものはウディ・アレン監督『アニー・ホール』に譲ったが、技術系部門をほぼ独占したことが本作の革新性を物語る。

1989年、本作は米国議会図書館の国立フィルム登録簿の初年度(第1回)選定作品25本の一つに選ばれ、文化的・歴史的・芸術的に重要な映画として永久保存の対象となった。アメリカン・フィルム・インスティテュート(AFI)の映画史ランキングでも、繰り返し上位に名を連ねている。

特別篇とバージョン違い

本作は、再公開やソフト化のたびに映像へ手が加えられてきた、シリーズでも特にバージョン違いの多い一本である。1997年の特別篇(スペシャル・エディション)では、モス・アイズリーにCGの群衆や生物・デューバックが加わり、撮影当時は未完成でカットされていたハン・ソロとジャバ・ザ・ハットの対面シーンがCGのジャバとともに復元された。デス・スター攻防戦の映像も強化されている。同時に、ハンとグリードの撃ち合いも再編集された。もともとは一方的にハンが先に撃つ描写だったが、ここで「グリードが先に撃つ/ほぼ同時」へと改められている。これはハンというキャラクターの危うさという作品のテーマに関わるとして、ファンの間で今も議論が続く有名な論点、いわゆる「ハンが先に撃った」問題となった。

その後も改訂は続いた。2004年のDVD版ではさらに色調や細部が調整され、2011年のBlu-ray版ではオビ=ワンが発するクレイト・ドラゴンの鳴き真似などが差し替えられた。配信開始後にもグリードの台詞(「マクランキー」)が追加されるなど、変更は幾度も重ねられている。撮影当時の劇場公開版、いわゆるオリジナル・トリロジーを高画質の公式手段で観ることは難しく、ファンによる「非特別篇化(デスペシャライズド)」復元の試みも今なお続いている。自分がいまどの版を観ているのかを意識してみると、スター・ウォーズが半世紀にわたり更新され続けてきた「動く古典」であることが見えてくるはずだ。

特別篇とバージョン違い

33批評・評価・文化的影響

公開当時、本作は映像・音響技術の革新性はもちろん、古典的でわかりやすい英雄譚を未知の世界で語り直した手つきが高く評価された。一方で、単純な勧善懲悪を「子ども向けの娯楽」と切り捨てる批評もあり、物語の素朴さに物足りなさを覚える声も当初は少なくなかった。しかし時を経て評価は定まり、いまや映画史上もっとも影響力のある一作として広く認められている。批評家・観客双方から長く高い支持を保ち、数々の名作選やランキングにも繰り返し名を連ねてきた。

本作が映画産業に残した足跡は計り知れない。夏休みに大作を全国規模で一斉公開し巨額を回収するブロックバスター戦略、玩具・書籍・ゲーム・アパレルなど関連商品でフランチャイズ全体を収益化するビジネスモデル、ILMを起点とする視覚効果産業とコンピュータ映像(のちのピクサーへと連なる系譜)、ドルビーやTHXに象徴される劇場音響の高品質化——そのいずれもが、本作の成功を決定的な転機として花開いた。物語の面でも、神話的な構造をそなえた大型シリーズを次々に生み出す潮流を切りひらいた。スター・ウォーズという名は一本の映画の枠を超え、フォース、ダークサイド、ジェダイ、デス・スターといった言葉とともに、現代大衆文化の共通言語の一部となっている。

舞台裏とトリビア

1977年の公開当時、画面に「エピソード4」の表記はなく、観客はこれを一本の独立した冒険映画『スター・ウォーズ』として受け止めた。エピソード番号と「新たなる希望」の副題が画面に加わるのは、続編公開後の1981年の再公開からである。冒頭に流れる「遠い昔、はるか彼方の銀河系で……」の一文は、本作を歴史でも未来予測でもない「おとぎ話」として宣言する役割を担い、やがてシリーズの代名詞となった。

デス・スターの一場面では、扉をくぐるストームトルーパーが上枠に頭をぶつける小さなアクシデントがそのまま使われており、のちにシリーズ自身がパロディにする有名なネタとなった。「嫌な予感がする(I have a bad feeling about this)」という台詞は、本作以降ほぼすべてのスター・ウォーズ作品に登場する定番の決め台詞となり、「フォースと共にあらんことを(May the Force be with you)」も現実世界の慣用句として定着している。

撮影と長期にわたるポストプロダクションの重圧で、ルーカスは公開直前に胸の痛みを訴えて病院へ運ばれたと伝えられるほど消耗していた。本作が当たる確信を持てなかった彼は、同時期に公開されたスピルバーグ作品とヒットの行方を賭けた——という有名な逸話も残る(結果はルーカスの大勝だった)。報酬の一部と引き換えに確保した続編権と関連商品権は、のちにスター・ウォーズ帝国とも呼ばれる巨大なビジネスの礎となる。デザイン面でも制作裏話は尽きない。ミレニアム・ファルコンの初期案が他のSF作品の宇宙船に似ていたため、公開前に円盤型へと再設計され、不採用となった当初案はレイアの乗艦タンティヴIVへ転用されたという。

35テーマと解釈

中心にあるのは「希望はどこから生まれるのか」という問いだ。反乱軍は弱く、帝国は巨大で、ルークはまだ何者でもない。それでも設計図を守り抜くレイア、故郷を失って旅立つルーク、いったんは背を向けながら戻ってくるハン、信じることを教えて自ら消えるオビ=ワン——その一つひとつの選択が積み重なり、勝利の可能性が生まれる。希望とは約束された運命ではなく、弱い者たちが下す小さな選択の総和として描かれる。これこそが題名『新たなる希望』の核である。

もう一つの軸は継承だ。オビ=ワンが知るジェダイの時代を、ルークは直接には知らない。父の形見のライトセーバー、そして語り継がれるフォースは、武器や能力である以上に、過去から未来へと手渡される記憶として機能する。オビ=ワンの死は終わりではなく、継承の始まりだった。それを証明するのが、終盤に響く彼の声である。

本作はさらに、機械の照準コンピュータを切り、フォースを信じるルークの最後の選択を通じて、技術への過信と、直感・信頼・精神性との対比という主題を提示する。巨大な技術の極致であるデス・スターが、機械に頼らない一人の信念によって崩される——その構図は象徴的だ。こうした主題はすべて、ジョーゼフ・キャンベルの言う英雄の旅、すなわち日常からの召命、師との出会い、試練、喪失、帰還という普遍的な物語構造の上に置かれている。だからこそ複雑な世界設定も観客の負担にはならず、確かな強度を生む。汚れや傷、使い込まれた質感をたたえた「使い込まれた宇宙(used universe)」の美術設計もまた、絵空事を現実として信じさせるこの作品の説得力を支えている。

36見る順番

初めて触れるなら、本作から『帝国の逆襲』『ジェダイの帰還』へと進む公開順が最もわかりやすい。ルークと同じ目線で銀河を知っていけるうえ、ベイダーやフォースにまつわる情報も、本来の驚きに近い順序で受け取れるからだ。

時系列順に見返すなら、『ローグ・ワン』の直後に本作を置きたい。設計図がどれほどの犠牲を経て届いたのかを踏まえると、冒頭の見え方が変わってくる。プリクエル三部作を先に見ていれば、オビ=ワンとベイダーの対峙にもう一段の重みが加わるが、初見ならあえて謎のまま残すほうが、情報の出し方そのものを楽しめるだろう。

37よくある質問

「あらすじだけ知りたい」なら、設計図の逃走、ルークの旅立ち、レイア救出、ヤヴィンの戦いという四つの流れを押さえれば十分だ。「結末・ネタバレを知りたい」なら、オビ=ワンの犠牲、ハンの帰還、そしてルークがフォースを信じる選択までを追うことで、本作がなぜこれほど強い作品なのかが伝わってくる。

「評価・感想を知りたい」なら、古さと、原型としての強さを分けて考えるとよい。最新作の映像密度を期待すれば地味に映るかもしれないが、世界観とキャラクターへの入口としての完成度はきわめて高い。「見る順番で迷う」なら、本作から公開順で旧三部作へと進むのが最も安定する。時系列順は、あくまで復習向きだ。

38参考資料・脚注

作品名、キャラクター名、画像、および各種権利は、それぞれの権利者に帰属する。公開年、興行成績、制作・配信の状況、外部からの評価は変動する場合があるため、鑑賞前に公式サイトおよび各データベースの最新情報を確認されたい。なお本記事の本文は、各種の公開情報をもとに、Anna Movies独自の日本語記事として構成したものである。

関連ページ

『エピソード4/新たなる希望』とゆかりの深い作品、人物、用語、そして鑑賞する順番をここで確認できる。

参照・確認先

公式画像、作品名、キャラクター名などの権利は、すべて各権利者に帰属する。なお、公開年や配信状況、外部からの評価は変動する場合があるため、視聴前に公式サイトや配信元、作品データベースで確認しておきたい。