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2011年版 第107話
2011年版アニメ第107話「リターン×ト×リタイア」を解説。モラウ対レオル、パームの潜入、ノヴの離脱、キルアとイカルゴの合流を整理する。
2011年版アニメ第107話「リターン×ト×リタイア」は、2013年12月4日に放送されたキメラアント編の一話で、原作No.253後半からNo.255前半を基にする。
地下教会のモラウ対レオル、宮殿地下へ潜入したパーム、治療を終えたキルアという三本の状況が動く。題名の帰還と離脱は、キルアの復帰だけでなく、ノヴが突入戦へ参加できなくなる変化も指す。

第107話でレオルが地下教会へ発生させるイナムラ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

モラウの友人グラチャンが持つイナムラ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

負傷したキルアが目覚める地下診療所 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

キルアのそばで回復を待つイカルゴ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

治療中のキルアを見守り続けるイカルゴ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 2011年版TVアニメ |
|---|---|
| 話数 | 第107話 |
| 副題 | リターン×ト×リタイア |
| 放送日 | 2013年12月4日 |
| 原作対応 | No.253後半〜No.255前半 |
地下教会を満たしたイナムラ
レオルはレンタルポッドで借りた能力イナムラを発動し、閉鎖された教会へ大量の水を生む。サーフボードと銛を組み合わせ、水上の速度と高低差を自分の戦場へ変えた。
モラウは能力を見た瞬間、友人グラチャンの技だと気づく。借用の経緯を知らなくても、レオルが他者の能力を自分の功績のように使う態度へ怒り、単なる討伐以上の理由で倒すと決める。
レオルは渦を作ってモラウを水中へ引き込み、呼吸を奪おうとする。しかしモラウは煙を足場にして一度離脱し、巨大な肺活量を持つ自分へ水攻めを選んだ相手の計算を逆用する。
二度目に沈んだモラウが姿を消すと、レオルは逃走を疑う。水面の複数箇所に泡が出るため位置を絞れず、相手が苦しんでいるという前提のまま時間を使ってしまう。
二酸化炭素で閉じた勝負
レオルの視界が曇り、身体へ痛みが出る。毒を受けたと考えるが、原因はモラウが大量に吐き出して教会内へ増やした二酸化炭素だった。水と閉鎖空間が、レオル自身の退路も奪っている。
酸素不足で意識を失うとイナムラが解除され、レオルは消えた水の中へ沈む。モラウは相手の能力そのものを上回る水流を作らず、能力を維持する本人の呼吸と判断を攻撃した。
この勝利には海のハンターとして鍛えた肺、煙を操る能力、閉鎖空間の把握が同時に使われる。単一の必殺技ではなく、自分の身体特性まで戦術へ組み込むモラウの経験が差になった。
レオルは借りた能力の出力を使いこなしても、元の持ち主や対戦相手が積み上げた経験までは得ていない。便利な能力の取得と、その場の条件を最後まで読む力が別であることを示す戦いである。
パームが宮殿で感じた壁
宮殿地下へ潜入したパームは、自分の能力を使って監視の隙を探し、中央階段へ近づく。王を直接見るという任務を進めるには、地下の安全圏から地上へ出なければならない。
階段へ達した時、パームはノヴを崩壊させたものと同質の邪悪なオーラを感じ、身体が進まなくなる。勇気の不足ではなく、王直属護衛軍の念が生存本能へ与える圧力が物理的な壁として働く。
一度オーラが消えたため動けるように見えるが、直後に別の巨大な気配が現れる。潜入者は敵の配置を完全には把握できず、通路が開いた瞬間でも安全になったとは限らない。
地上へ出られないパームの状況は、討伐隊にも共有されていない。彼女は連絡がなければ自決も選ぶ覚悟で潜入しており、仲間が救助へ動けば作戦全体を危険にさらす難しい位置にいる。
キルアとイカルゴの再出発
キルアは地下診療所で目を覚まし、二日眠っていたと知る。傷口を心配するイカルゴと看護師をよそに、突入計画へ遅れた時間を取り戻すため、すぐ身体の状態を確かめる。
退院費を持っていないためゴンへ電話し、送金を頼む。連絡によって討伐隊の現状も聞き、パームの行方とノヴの状態を知る。個人の回復が、再びチームの情報網へ接続される場面である。
医師が驚くほど回復したキルアは、イカルゴへ一緒に来るよう告げる。助けてもらった借りを返すためではなく、すでに友達だと思っていたから仲間へ紹介するという言葉が、イカルゴを動かす。
イカルゴは蟻の集団で望む姿を得られず孤立していた。キルアの友人という位置を与えられ、討伐隊へ加わる。救助した側とされた側が上下関係にならず、互いを支える関係へ変わる。
ノヴ離脱後も残る作戦
ゴンたちはパームの状況を話し合い、シュートはピトーの円が地下倉庫まで届かないと見る。ただし安全に隠れられることと、地上の出口を通って帰れることは別である。
ゴンがモラウへ連絡すると、ノヴは突入戦へ参加できない状態だと伝えられる。精神的な損耗は回復を待てる種類ではなく、予定していた前衛を一人失ったまま決行日が近づく。
それでもノヴが宮殿内へ設置した出口は機能する。本人が戦場から離れても、先に完成させた移動経路は討伐隊の侵入と退避を支えるため、離脱が作戦全体の失敗を意味するわけではない。
第107話はレオルを倒して戦力を減らす一方、パームの孤立とノヴの不参加という損失を加える。キルアとイカルゴの合流で人数は補われても、役割は同じではなく、計画の再調整が必要になる。
三つの戦場をつなぐ共通点
モラウ、パーム、キルアは別々の場所にいるが、三者とも予定外の条件へ対処している。モラウは友人の能力を使う敵と水中で戦い、パームは想定を超えるオーラで進路を止められ、キルアは二日間の離脱後に新しい仲間を伴って戻る。事前計画を守ることより、残った能力と情報で役割を更新することが共通する。
レオル戦でモラウが作る二酸化炭素は、煙の人形のように視認できる必殺技ではない。レオルは水流と泡へ注意を向け、呼吸している空気の変化を見落とす。相手に見せた現象を囮にし、生命維持に必要な環境を静かに変えるため、能力解除へ気づいた時には反撃する余裕が残っていない。
パームが階段で止まる場面は、ノヴの離脱を別の人物の身体で反復する。護衛軍のオーラは熟練者の意志を即座に壊すほど強く、精神論で越えられる壁ではない。それでも潜入任務は失敗と確定せず、彼女が地下で得た位置と生存の可能性が討伐隊の未解決事項として残る。
キルアがイカルゴを誘う時、過去の敵対を条件にしない。イカルゴが助けた行為を見て友人だと決め、討伐隊へ紹介する責任も自分で引き受ける。ゾルディック家で友達を否定されてきたキルアが、別の孤立した存在へ所属の入口を渡すため、二人の合流は戦力以上の変化になる。
ノヴは突入当日に前線へ立てなくても、出口を設置するという最も危険な準備を終えている。参加と不参加を当日の戦闘だけで評価すれば、その貢献を見落とす。第107話は、直接戦う者、潜入を続ける者、経路だけを残す者の仕事を並べ、チームが同じ形の勇気だけで成立しないことを示す。
理解を深める補足
レオルの能力は他者から借りる条件があるため、元の持ち主との関係が戦闘の背景へ入り込む。モラウはイナムラの水だけでなく、友人の技を敵が使う事実へ反応する。能力が使用者の個性から独立した道具ではなく、誰がどう得たかまで対戦相手の判断を変える。
モラウが勝った後も、討伐隊の問題は減る一方ではない。敵の一体を排除しても、宮殿内部ではパームが動けず、ノヴは前線から離れ、突入時の人員構成が変わる。局地戦の勝利と作戦全体の安定を区別する必要がある。
キルアの回復速度はゾルディック家で鍛えた身体の強さを示すが、医療を不要にするものではない。二日間眠り、診療所で処置を受け、費用を支払ってから出る。仲間の送金を頼む場面により、個人の耐久力だけで復帰した英雄像を避けている。
イカルゴが涙を流すのは、討伐隊へ採用されたからだけではない。自分が一方的に救った相手だと思っていたキルアから、すでに相互の友人だと告げられたためである。所属を望みながら姿への劣等感を抱えた彼にとって、条件なしの呼びかけが新しい自己評価の入口になる。
要点の再確認
モラウはレオルがグラチャンの能力を使う理由を問い詰めるより、技の条件を観察して倒すことを優先する。怒りを持ちながら戦術を崩さず、感情を攻撃の勢いではなく集中へ変えている。
パームの能力で逃げ道を探せても、護衛軍のオーラを消すことはできない。潜入向きの念と正面突破の力が別であるため、得意な情報収集を終えた後に地上へ戻る段階が最大の危険になる。
キルアは友達なら互いに支えるものだとイカルゴへ伝える。この言葉はゴンとの関係で学んだ価値を別の相手へ渡すもので、友情を受け取る側から作る側へ変わった成長が見える。
次の展開への接続
題名のリターンとリタイアは単純な人数の増減ではない。キルアはイカルゴを伴って戻り、ノヴは身体を戦場へ置けなくても出入口を残す。参加の形が変わった二人を通じ、討伐隊は戦闘員だけでなく準備、救助、移動を担う役割の集合だと分かる。
本話の位置づけ
局地戦、潜入、治療という別々の進行を一話へまとめることで、宮殿突入が一人の勝敗では決まらないと分かる。誰かが予定から外れても、別の人物が同じ役割を完全に代替できるわけではなく、残した成果を使って計画を組み直す必要がある。
2011年版 第107話が残したもの
第107話は、能力の派手さより環境と身体条件を読むモラウの戦術、そして戦える者だけで役割を組み直す討伐隊を描く。
キルアの帰還は戦力増加に加え、イカルゴを仲間へつなぐ出来事である。一方、パームとノヴの状況は個人の勇気だけで解決できない。
突入前の作戦は予定どおりの人員では行えない。それでも残された出口、情報、信頼を組み合わせて決行へ進む点が本話の転換になる。