本文へ移動
ANNA MOVIESHUNTER×HUNTER

物語 / 単行本

単行本 第1巻

『HUNTER×HUNTER』単行本第1巻「出発の日」を解説。ゴンの旅立ち、クラピカとレオリオとの出会い、隠された試験会場、第一次試験序盤を整理する。

No.417まで対応更新 2026.08.13

単行本第1巻「出発の日」は1998年6月4日に発売され、No.1からNo.8までを収録する。くじら島で暮らすゴンが父ジンと同じハンターを志し、ハンター試験へ向かう旅の始まりを描く。

一冊の中でゴンは育ての親ミトの条件を越え、クラピカレオリオキルアと出会う。試験会場へ着くまでにも選別があり、正式な第一次試験は果ての見えない長距離走から始まる。

基本情報

単行本 第1巻の基本情報
媒体漫画単行本
巻数第1巻
巻題出発の日
発売日1998年6月4日
収録範囲No.1〜No.8

森の主を釣るという条件

ゴンは十一歳でハンター試験を受けたいとミトへ願い出る。ミトはまだ早いと考え、沼に住む巨大な「森の主」を釣り上げることを許可の条件にする。

森の主は大人が何人も挑んで失敗する相手であり、単なる家事の課題ではない。ゴンは生き物の動きと天候を読み、長い時間をかけて釣り上げる。

条件達成によって、ゴンの自然環境への感覚と粘り強さが最初に示される。力だけでなく、相手を観察して待つ能力が後の試験にもつながる。

父ジンを追う旅立ち

ゴンがハンターを目指す理由は、幼い頃に死んだと聞かされていた父ジンが生きており、優れたハンターだとカイトから知ったためである。

子どもを置いてまで続ける仕事がどれほど魅力的なのか、自分の目で確かめたいと考える。父へ会うことと、ハンターという生き方を知ることが一つの目的になる。

ミトはジンへの複雑な感情を抱えながら、約束を果たしたゴンを送り出す。出発は家族との絶縁ではなく、帰る場所を残したうえでの選択である。

船長が行った最初の選別

くじら島を出た船は嵐に遭い、多くの受験希望者が船酔いで倒れる。ゴンは風と鳥の動きから嵐を予測し、クラピカとレオリオも甲板で対応する。

船長は単なる運送人ではなく、試験委員会から候補者を見極める役割を任されている。三人へ志望理由を尋ね、危険時の行動を観察する。

試験は会場で番号札を受け取ってから始まるのではない。目的地へ向かう船上ですでに、体力、判断、志望の本気度が選別されている。

クラピカとレオリオの衝突

クラピカは幻影旅団に滅ぼされたクルタ族の同胞を弔い、奪われた緋の眼を取り戻すためハンターを目指す。言葉遣いと誇りを重んじ、軽い扱いを許さない。

レオリオは金が目的だと言い切り、高額な費用を動かせる資格を求める。表面の主張だけを聞けば、クラピカとは価値観が正反対に見える。

呼び方を巡る争いは甲板の決闘へ進むが、船員が海へ落ちると二人は同時に救助する。口論の下にある他者を見捨てない性質が、ゴンを含む三人の関係を作る。

老婆が出した究極の選択

港へ着いても、案内された試験会場は本物ではない。三人は一本杉へ向かう途中、老婆から家族のどちらを救うかという二者択一の問題を出される。

レオリオは答えのない問いに怒り、クラピカは沈黙が正解だと見抜く。現実に同じ状況が起きた時、決めた答えどおりに動ける保証はない。

試されるのは計算の速さではなく、問いの前提を疑い、選べない事実を受け入れる判断である。会場へ着く前の選別は、力とは異なる能力を要求する。

凶狸狐一家の案内

一本杉の家では、人を襲う魔獣「凶狸狐」と遭遇する。ゴンたちは夫婦を救うように見える状況へ入り、それぞれ別の相手を追う。

クラピカは顔の入れ替わりを見抜き、ゴンは個体ごとの声と動きの違いを覚える。レオリオは傷ついた者の治療を優先し、医学の知識を示す。

一家は試験会場への案内人であり、三人の観察力と人格を確かめていた。合格した三人は魔獣の飛行で、隠された会場へ運ばれる。

地下会場で出会ったキルア

試験会場には多数の受験者が集まり、ゴンたちはトンパから飲み物を渡される。新人潰しを狙う下剤入りのジュースだが、ゴンは味の異常へ気づく。

同年代のキルアは毒への耐性を持ち、平然と飲み切る。ゴンは危険な経歴を知らないまま興味を持ち、二人は競争するように会話を始める。

年齢の近さだけでなく、試験を恐れず面白がる感覚が二人を結ぶ。キルアとの出会いにより、ゴンの旅は大人に付いていくだけのものではなくなる。

サトツを追う第一次試験

第一次試験官サトツは、受験者を連れて地下通路を走り始める。距離も目的地も教えず、一定の速度を保ったまま脱落者が出るまで進む。

単純な長距離走に見えるが、終点を知らない状態で体力と精神を配分しなければならない。周囲の受験者による妨害や会話も集中を削る。

ゴン、キルア、クラピカ、レオリオは、それぞれの速度と目的を保って進む。第一巻の後半は、出会った仲間が同じ試験の中で個別の強みを見せる構成になる。

詐欺師の沼とヒソカの選別

地下道を抜けた先には、霧と擬態生物が待つ「詐欺師の沼」がある。試験官の姿や声をまねる生物が現れ、誰を信じて走るかが問題になる。

ヒソカは受験者の集団を襲い、自分にとって生かす価値があるかを勝手に選別する。公式試験とは別の危険が、参加者の内側から生じる。

第1巻は沼の通過途中で終わり、試験の規模と危険を広げたまま次巻へ続く。故郷を出た目的は変わらないが、ゴンが越えるべき相手は急速に増えていく。

ミトが隠していたジンのこと

ミトはゴンを育てる中で、ジンを死んだことにしていた。危険な道へ憧れさせず、島で暮らしてほしいという保護の思いがある。

一方、ゴンはカイトとの出会いで事実を知り、父に捨てられた怒りより、ハンターという仕事への好奇心を抱く。親子で同じ出来事の受け止め方が違う。

旅立ちの日、ミトはジンの情報をすべて教えて送り出すのではない。ゴン自身が探す余地を残すことが、最初の目標を形作る。

カイトから受け取った認識

幼いゴンは森でキツネグマに襲われ、カイトに救われる。カイトはジンを探してくじら島へ来た弟子であり、父が生きている事実を初めて伝える。

ゴンが育てたコンとの関係や自然への接し方を見て、カイトは命と野生の厳しさを教える。ハンターへの憧れは、華やかな冒険だけから生まれたものではない。

ジンを見つけることがカイト自身の最終試験であると知り、ゴンは父が簡単には会えない人物だと理解する。追跡の難しさが、目標の大きさになる。

三人が語った志望理由

船長の問いに、ゴンは父を探すため、クラピカは同胞の眼を取り戻すため、レオリオは金を得るためと答える。目的は一致していない。

目的が違うからこそ、互いの言葉に反発し、表面の説明では分からない背景を知る。レオリオの金への執着にも、治療費を払えず友人を失った経験がある。

仲間になる条件は同じ理想を持つことではない。危険な場面で他者を助ける行動と、それぞれの目的を軽んじない姿勢が関係を支える。

トンパが狙う新人潰し

地下会場で親切に話しかけるトンパは、長年試験へ参加しながら合格より新人の脱落を楽しんでいる。情報提供者の顔で警戒を解く。

下剤入りのジュースは、試験開始前に体調を崩させる手段である。直接殴って失格になるより、事故や体調不良に見せて競争相手を減らす。

ゴンは味の違いに気づき、キルアは毒への耐性で効かない。トンパの経験に対して、二人の育った環境が予想外の防御になる。

第一巻が残した沼の危険

詐欺師の沼では、霧が視界と集団を分断する。試験官サトツから離れれば、擬態生物やほかの受験者の攻撃へ対処しなければならない。

ヒソカは試験の規則を守って順位を競うのでなく、自分の基準で相手を傷つける。試験官もすべての受験者を個別に保護しない。

第1巻は、公式の課題と非公式の危険が同時にあることを示して終わる。ゴンが合格するには自然、規則、人間の三種類を読み続ける必要がある。

単行本 第1巻が残したもの

単行本第1巻の要点は、ゴンがジンとハンターの魅力を確かめるためくじら島を出発し、試験へ向かう過程で後の仲間と出会ったことである。

収録八話は、森の主、船長、老婆、凶狸狐、サトツという異なる選別を重ね、試験会場へ着くこと自体が試験だと示す。

クラピカ、レオリオ、キルアとの出会いによって、父を追う個人的な旅は、互いの目的を抱えた仲間と進む物語へ広がった。

巻題「出発の日」は島を離れた一日だけでなく、ゴンが父の後を追う長い探索の始点を表す。出発後もミトとのつながりは、帰る場所として残り続ける。

試験官へ会う前の選別は、自然を読む感覚、答えのない問いへの沈黙、魔獣を見分ける観察力を試す。腕力だけでは会場の所在さえ得られない。

レオリオの金、クラピカの復讐、ゴンの父探しは互いに置き換えられない目的である。それでも危険な時に助け合えるため、三人は同じ道を進める。

キルアは第一巻の途中から現れ、ゴンにとって初めて同じ年頃で競い合える相手になる。試験攻略の仲間である前に、互いの違いを面白がる友人関係が始まる。

詐欺師の沼へ入った時点で、受験者は試験官、魔獣、ヒソカを同時に警戒する。第一巻は世界の入口を示しながら、安全な案内役が一人もいない緊張を残す。

No.1からNo.8までの各課題は、ゴン一人の才能だけでなく、出会った人物が別の角度から危機を解く構成になっている。仲間の違いが試験突破の幅を作る。

第一巻ではハンターの職種全体はまだ説明し切られない。ゴンが知らない世界を読者も同じ順序で知るため、試験の一段ごとに視野が広がる。

サイト内検索

百科事典・主要解説を検索

入力すると候補が表示されます。