JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 1|2|3 / 人物

エリナ・ペンドルトン

えりな・ぺんどるとん

第一世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 1からPart 3の家系情報まで

# エリナ・ペンドルトンエリナ・ペンドルトンは、第1部『ファントムブラッド』に登場するジョナサン・ジョースターの幼なじみで、後に妻となる女性である。結婚後の名はエリナ・ジョースターで、ジョージ・ジョースター2世の母、ジョセフ・ジョースターの祖母に当たる。少女時代にはディオの暴力へ尊厳で抵抗し、成人後は看護師として負傷したジョナサンを支える。

新婚旅行中に夫を失いながら、見知らぬ赤ん坊と胎内の子を救い、第2部へ続くジョースター家を一人で運ぶ。戦闘能力を持たない人物でありながら、慈愛、自尊心、家族を守る判断によって三世代の物語を結ぶ。

少女期の外見

少女時代のエリナは明るい髪を長く伸ばし、リボンや帽子を合わせた上品な服装で描かれる。裕福な家庭の令嬢としてドレスを着る一方、野外で遊び、籠や人形を持って町を歩く日常がある。体格は同年代のジョナサンやディオより小さいが、侮辱を受けた時の姿勢と視線には強い意志が現れる。成人後は看護師の制服、新婚旅行のドレス、老年期の落ち着いた衣装へ変化する。

年齢ごとの外見を一つの画像で代用せず、少女、看護師、母、祖母という時期を分けて扱う。漫画とアニメで髪や服の配色は異なるため、色を本編の固定設定として断定しない。

性格

エリナは他者への慈愛と、自分の尊厳を守る強さを併せ持つ。助けてくれたジョナサンへ好意を寄せるが、単に守られるだけの人物ではない。ディオに無理やり唇を奪われた後、口を泥水で洗い、相手が自分の心まで支配できないことを行動で示す。大人になってからは看護を学び、負傷者へ実務的な助けを与える。

ジョナサンの死が迫る船内でも、悲しみだけに留まらず、生き残れる人を連れて脱出する。第2部では孫ジョセフを厳しく育て、人種差別的な扱いを受けるスモーキーを一人の人間として迎える。身分、国籍、血縁だけで生命の価値を変えない一貫した倫理がある。

ジョナサンとの出会い

エリナは町の少年たちから人形を奪われ、からかわれている時にジョナサンと出会う。ジョナサンは紳士として女性を守ろうとし、相手の少年へ立ち向かう。戦いには勝てなくても、傷つきながら助けようとした行動がエリナの心へ残る。二人は野原や木の下で時間を過ごし、名前を並べて刻むなど、少年少女の恋を育てる。

ジョナサンにとってエリナとの関係は、ディオに家庭と友人関係を奪われていた時期の数少ない安らぎとなる。ディオはその幸福を見つけ、ジョナサンの精神を傷つける目的でエリナへ接近する。

ディオによる侮辱

ディオはエリナを待ち伏せし、周囲の少年に見せ付ける形で強引に口づけする。狙いは恋愛感情ではなく、ジョナサンの「最初」を奪い、二人の関係を壊すことにある。エリナは泣いて屈服する代わりに、地面の泥水で自分の口を洗う。汚れた水を選ぶ行為は、ディオとの接触の方が自分にとって耐え難いという拒絶である。

ディオは自分が侮辱されたと感じて彼女を殴り、周囲へ圧力をかける。その後エリナとジョナサンは疎遠になるが、彼女の意思がディオへ服従したわけではない。事件はディオの暴力性、ジョナサンの怒り、エリナの自尊心を一度に示す。

七年後の再会

少女期の事件から七年が過ぎ、エリナは看護師としての道を歩む。インドで看護に携わった後、故郷へ戻り、ジョースター邸の火災で重傷を負ったジョナサンと再会する。彼女は火傷と負傷の治療を続け、身体だけでなく父と家を失った心も支える。ジョナサンはディオと石仮面の脅威を追うため再び戦いへ向かうが、回復期にはエリナの看護が必要だった。

エリナは波紋や吸血鬼の戦闘へ同行しないため、ジョナサンが経験した全てをその場で目撃したわけではない。それでも戦いから戻った彼を生活へ迎え、長く中断していた二人の関係を再び結ぶ。

看護師としての役割

エリナは超常の治癒能力ではなく、当時の看護技術と継続的な世話でジョナサンを回復させる。波紋使いではなく、負傷を一瞬で消す力も持たない。傷の手当て、安静、食事、精神的な支えという時間のかかる回復を担う。第1部では石仮面、吸血鬼、波紋という大きな力が衝突するが、生き残った人間が日常へ戻るには看護が必要になる。

エリナの職業は慈愛を抽象的な性格説明で終わらせず、他者の生命へ具体的に働きかける技能として示す。後に船内で赤ん坊を守る判断にも、負傷者と生存者を見分ける冷静さが表れる。

結婚

ウインドナイツ・ロットでディオを倒した後、ジョナサンとエリナは結婚する。エリナは結婚によってエリナ・ジョースターとなり、二人は新婚旅行でアメリカへ向かう。蒸気船の中では幼い頃を振り返り、長い別離と戦いの後に得た穏やかな時間を過ごす。しかしディオは首だけの状態で生存し、ワンチェンと共に船へ潜入している。

幸福な新婚旅行は、ジョナサンの身体を奪おうとする最後の襲撃によって中断される。エリナはこの時すでに妊娠しており、本人だけでなく次世代の生命も危険へさらされる。

蒸気船での最後

ディオはジョナサンの身体を奪うため首へ接近し、船内の乗客をゾンビへ変える。致命傷を負ったジョナサンは船を爆発させ、ディオを道連れにする決断を下す。エリナは夫のそばへ残ろうとするが、ジョナサンは死亡した女性が抱いていた赤ん坊を救うよう頼む。彼女は愛する夫と共に死ぬ選択ではなく、託された生命と胎内の子を生かす選択を受け入れる。

ディオが持ち込んだ防爆構造の棺へ入り、爆発と沈没から逃れる。ジョナサンとの別れは、自分の幸福を失っても次の世代を守るというエリナの役割を決定する。

救出した赤ん坊

船内で救出された赤ん坊はエリザベスと名付けられ、後のリサリサとなる。エリナが実母として出産した子ではなく、沈没船の生存者として助けた養育対象である。救助後は波紋使いストレイツォに託され、リサリサは波紋法を学んで成長する。エリナの胎内にいたジョージ・ジョースター2世は後にリサリサと結婚し、二人の間にジョセフが生まれる。

蒸気船で救った一人の赤ん坊が、息子の妻、孫の母になることで家系は血縁と救命の両方から結ばれる。第1部の判断が第2部の主人公と師匠を同時に成立させる。

ジョージ・ジョースター2世の母

エリナは船の事故後にジョージ・ジョースター2世を出産し、ジョナサンのいない家庭で育てる。ロバート・E・O・スピードワゴンジョースター家を支え、生活と安全へ協力する。ジョージは英国空軍の軍人となり、成長したエリザベスと結婚する。しかしディオの配下だったゾンビが軍上官へ紛れ込み、波紋を訓練していないジョージを殺害する。

リサリサは夫の仇を波紋で倒すが、人間の殺人と誤解されて国外へ逃れる。エリナは息子を失い、義理の娘とも離れながら、残された孫ジョセフを引き取る。

ジョセフの養育

ジョセフは父ジョージの死と、母リサリサの逃亡によって、祖母エリナに育てられる。エリナは真相を伏せ、両親は亡くなったと伝える。石仮面と吸血鬼の因縁から孫を遠ざけ、普通の生活を与えようとする保護の判断である。ジョセフは生まれつき波紋を使えるが、幼い頃から正式な修行を受けたわけではない。

エリナは礼儀と歴史を教え、乱暴な行動を叱りながらも深く愛する。ジョセフの機転、家族への情、年長者へ反発しながら守ろうとする性格は、祖母との生活の中で育つ。

ニューヨークでの生活

1938年、エリナはジョセフと共にロンドンからニューヨークへ移る。スピードワゴンの支援を受け、新しい都市で生活を始める。ジョセフがスモーキー・ブラウンを助け、警官と衝突した時も、エリナは人種で相手を見下さず家へ迎える。レストランで差別的な対応を受けるスモーキーを守り、一緒に食事を取る。

老年期にも少女時代と同じ自尊心があり、自分や仲間の尊厳を踏みにじる相手へ沈黙しない。ストレイツォが吸血鬼となって現れ、スピードワゴンの死が伝えられると、過去の因縁が再び家族へ迫る。エリナは戦場へ向かわないが、ジョセフが守ろうとする家族と生活の中心にいる。

リサリサの真実

柱の男との戦いの中で、リサリサがジョセフの母エリザベスであることが明らかになる。エリナは長年その事実を知りながら、ジョセフを危険から遠ざけるため秘密を守ってきた。秘密は家族を支配する目的ではなく、軍とゾンビの事件で追われたリサリサ、幼いジョセフの生命を守るためである。それでもジョセフにとっては、自分の出生と母の生存を後から知る大きな変化となる。

エリナの選択は完全な正解として単純化できず、守るための沈黙が家族の記憶へ与える代償も含む。

スージーQとの家族関係

戦いを生き延びたジョセフはスージーQと結婚し、新しい家庭を築く。エリナは孫の結婚と次世代の誕生を見届け、ジョースター家の祖母として家系へ残る。スージーQはリサリサの使用人としてジョセフと出会い、エリナとは別の経路から家族へ加わる。第3部の空条承太郎やホリィへ続く血統は、エリナが蒸気船から胎内のジョージを守ったことで維持された。

エリナ本人が第3部の旅へ参加するわけではなく、Part 3との関係は家系と過去の言及を通じたものになる。

能力と戦闘参加の区分

エリナは波紋、スタンド、吸血鬼の力を持たない。看護技術、観察、道徳的な判断を超常能力として扱わない。ディオへ抵抗する場面でも、物理的に勝つのではなく、自分の尊厳を渡さない行動を選ぶ。蒸気船ではジョナサンが戦い、エリナは救命と脱出を担う。

戦闘力の有無だけで貢献を測ると、ジョースター家を現実に存続させた行為が見えなくなる。

名前と表記

出生名は「エリナ・ペンドルトン」、ジョナサンとの結婚後は「エリナ・ジョースター」である。英字表記は「Erina Pendleton」と「Erina Joestar」を時期に応じて使い分ける。OVAなど一部の海外媒体では「Elena」と表記される場合があるが、原作漫画の日本語正規名はエリナである。旧姓と婚姻後の姓は別人を示す別名ではなく、一つの記事へ統合する。

物語上の役割

エリナは、ジョナサンの紳士としての愛を受け取り、それを次の世代の生命へ渡す人物である。ディオが奪おうとした尊厳を少女時代に守り、ディオが沈めた船から二人の子どもを救う。息子と夫を失った後も家族を育て、ジョセフへ生活、教育、歴史をつなぐ。第1部の悲劇を第2部の出発点へ変え、さらに第3部以降のジョースター家が存在する条件を作る。

戦いの勝者ではなく、生存者として物語の時間を継続させる中心人物である。