ロカカカ密売組織
ろかかかみつばいそしき
ネタバレ範囲: Part 8『ジョジョリオン』最終話まで
# ロカカカ密売組織ロカカカ密売組織は、第8部『ジョジョリオン』でロカカカの果実を輸入、栽培、研究、販売する岩人間中心の犯罪組織である。杜王町の表社会へ溶け込み、前半は田最環が率いる密売班、後半は透龍が支配するTG大学病院の研究班として活動する。等価交換で傷や病を移せる果実を独占し、富と社会的な優位を得ることが目的であり、人間の患者を実験材料として扱う。
東方常敏との取引、吉良吉影と空条仗世文による枝の奪取、定助による構成員の撃破が重なり、二つの班と指導者を失って崩壊する。
組織の名称
作中で全構成員が統一された正式組織名を名乗る場面は少ない。資料では「ロカカカ組織」「ロカカカ密売組織」「Locacaca Organization」などと呼ばれる。田最環の一団だけを指す時はダモカン組、病院の医師たちを指す時は研究チームと区別できる。両班は人員と活動場所が異なるが、岩人間の利益とロカカカの独占という目的でつながる。
本項は特定の一班だけでなく、透龍を頂点に杜王町で動いたネットワーク全体を扱う。
成立と長期活動
岩人間は人間社会の職業や戸籍を利用し、長い時間をかけて資産と地位を得る。ロカカカの特殊な治療効果は、通常医療で救えない患者や富裕層へ高値で売れる。組織は果実の産地、輸送経路、栽培方法を秘密にし、買い手が自由に入手できない市場を作る。透龍は1941年の時点で幼いルーシー・スティールの近くに現れ、ロカカカへ関わる行動を取っている。
第8部の現在よりはるか以前から、岩人間が果実の価値を理解し、人間社会へ根を張っていたことが示される。
岩人間を中心とする構成
主要な構成員の多くは岩人間であり、人間とは異なる生態と長い休眠周期を持つ。岩へ擬態して自然の中へ隠れ、社会では建築家、警備員、医師などの職業へ就く。各自がスタンド能力を持ち、密輸の隠蔽、追跡者の排除、研究施設の防衛へ使う。血縁家族を中心とする人間社会より、利益と生存に基づく機能的な関係を選ぶ傾向がある。
ただし構成員の性格と忠誠は同一ではなく、班ごとの指揮系統と個人の利害が存在する。
透龍の位置
透龍はワンダー・オブ・Uで明負悟の姿を作り、TG大学病院の院長として組織を導く。表向きは高齢の医療権威であり、病院の研究費、人員、患者情報へ合法的にアクセスできる。本人は若い姿のまま康穂へ近付き、組織の頂点にいることを隠す。追跡者へ厄災を向ける能力により、命令系統の中心を調べようとする行為そのものを危険へ変える。
田最環が前面で密売を行う間も、透龍は長期的な研究と社会進出を進めていたと整理できる。
ダモカン組
ダモカン組は田最環を中心に、八木山夜露、大年寺山愛唱、エイ・フェックス兄弟らが動く密売班である。名称は田最が経営するダモカンクリーニングに由来する。海外からロカカカを持ち込み、秘密の顧客へ販売し、栽培に必要な枝と果実を管理する。追跡や処刑は構成員のスタンドへ分担され、一般の犯罪組織より証拠を残しにくい。
東方フルーツパーラーの物流と信用を利用するため、東方常敏を人間側の協力者として引き入れる。
田最環
田最環はダモカン組の指揮を執り、密売経路と構成員の行動を管理する。ビタミンCで触れた者の身体を柔らかくし、尋問と処刑へ用いる。表社会ではクリーニング店を営み、鳩へ近付いて東方家の内部へ入る機会を作る。吉良と仗世文が枝を奪った件を執拗に追い、地震後も関係者の行方を調べ続ける。
東方家を襲撃した際に定助と対決し、ソフト&ウェットの反撃で死亡する。
八木山夜露と愛唱
八木山夜露は建築家として東方家の設計へ関わり、屋敷と果樹園の構造を知る。アイ・アム・ア・ロックで触れた相手へ同種の物体を引き寄せ、定助と憲助を殺そうとする。大年寺山愛唱はスタジアムの警備員として動き、ドゥービー・ワゥ!で呼吸を追う竜巻を発生させる。二人は社会的な職業を隠れ蓑にしながら、果実へ近付く者を監視する。
定助、康穂、つるぎとの戦闘で相次いで敗れ、密売班の防衛網が削られる。
エイ・フェックス兄弟
エイ・フェックス兄弟は、双子に見える二人の岩人間である。一人はショット・キーNo.1で左手へ触れた物へガスを移し、もう一人はショット・キーNo.2で毒ガスを発生させる。吉良吉影と空条仗世文を追い、ロカカカの枝を取り戻そうとする。二つの能力を連携させれば、接触と吸入の両方から相手を追い詰められる。
彼らとの戦いは枝の接ぎ木、地震、定助の誕生へつながる過去の核心に位置する。
東方常敏との取引
常敏は東方フルーツパーラーの事業を広げ、家族の病を克服する利益も求めて組織と取引する。人間でありながら、ロカカカの輸送と販売へ実務上の協力を行う例外的な関係者である。組織へ完全に忠誠を誓うのではなく、果実を自分と東方家のために確保しようとする。田最たちも常敏を仲間として信頼せず、人間社会の物流を使う窓口として扱う。
利害がずれた時には互いを切り捨て得るため、協力関係そのものが東方家へ危険を持ち込む。
吉良と仗世文の枝の奪取
吉良吉影は母ホリーの病を治すため、仗世文と共に組織のロカカカへ近付く。二人は果実を盗むだけでなく、枝を別の木へ接ぎ木して将来の収穫を可能にする。独占を支える栽培資源を奪われたため、ダモカン組は二人を重大な敵として追う。追跡中に2011年の大地震が起こり、地面の等価交換とロカカカの作用が重なる。
吉良と仗世文の身体が融合して東方定助が生まれ、組織の秘密を追う主人公へつながる。
TG大学病院の研究班
病院側では、透龍のほか、羽伴毅、アーバン・ゲリラ、プアー・トムらが研究と回収を担う。医師や職員の肩書を持つため、患者の身体、治験、薬品開発へ合法的な外見で接近できる。ダモカン組が闇市場で完成した果実を売るのに対し、研究班は成分を薬へ加工し、広い医療市場へ進出しようとする。岩人間だけの秘密商売から、人間社会の制度を通じた支配へ規模を拡大する計画である。
病院という治療の場所が、患者へ代価を押し付ける実験施設として反転する。
ロカカカ6251
研究班はロカカカの成分から「ロカカカ6251」と呼ばれる薬剤を開発する。果実を直接食べずに等価交換の効果を利用し、病院で医薬品として供給する構想を持つ。治癒した部位の代わりに別の組織が岩化する代価は残り、無条件の万能薬ではない。効果と危険を理解しない患者へ投与すれば、治療の名目で身体を実験へ使うことになる。
組織は代価を倫理的に解決するより、技術を独占して利益と地位を得ることを優先する。
ホリーへの実験
吉良・ホリー・ジョースターはTG大学病院で治療を受けるが、岩人間たちは彼女へ繰り返し実験を行う。脳や身体の状態が悪化しても、研究材料として観察を続ける。医師という立場への信頼を利用し、本人と家族が全容を把握できない環境を作る。吉良が果実を奪おうとした動機には、母を組織の手から救う目的がある。
ホリーの病状は、ロカカカ研究が人類の救済ではなく、他者へ代価を負わせる支配として進められた証拠になる。
新ロカカカ
吉良と仗世文が接ぎ木した枝からは、接触した二人の間で等価交換を起こす新ロカカカが実る。従来の果実が同じ身体の別部位へ代価を移すのに対し、新ロカカカは別人へ損傷を移せる。完全な治癒に近付く可能性があるため、組織、東方家、定助の全員が枝と果実を求める。透龍はこの仕組みを社会的な権力へ変えようとし、常敏はつるぎの病を治すため確保しようとする。
一本の枝の成熟時刻が終盤の争奪を決め、組織の残存戦力を東方邸へ集中させる。
人間社会を利用する方法
組織は地下へ隠れるだけでなく、人間の制度の中で信用を獲得する。建築家なら家の構造、警備員なら施設の出入り、医師なら患者の身体へ合法的に触れられる。クリーニング店や病院は金の流れを隠し、構成員が日常生活へ溶け込む拠点となる。敵が正体へ気付いた時には、契約、診療、家屋の設計など過去の接点がすでに弱点へ変わっている。
岩人間の擬態能力と職業上の権限を組み合わせることが、組織の長期的な強さである。
目的
表面上の目的は、希少なロカカカを独占販売して巨額の利益を得ることである。透龍は医薬品として普及させ、岩人間が人間社会の上位へ立つ未来を見ている。人間を全滅させる単純な侵略ではなく、人間が必要とする治療を握って依存させる構想に近い。等価交換の代価を誰が負うかを決める権利が、金銭以上の支配力を生む。
組織内でも個人の利益が混じるため、壮大な種族目的と密売人の欲望が完全に一致するわけではない。
崩壊
定助たちは八木山夜露、大年寺山愛唱、田最環を倒し、ダモカン組を実質的に壊滅させる。病院の研究班もプアー・トム、アーバン・ゲリラ、羽伴毅を失い、最後に透龍が東方邸で敗れる。ワンダー・オブ・Uの厄災は使用者の死後にも残るが、定助のゴー・ビヨンドによって破られる。新ロカカカの枝と果実も争いの中で失われ、組織が研究を継続できる体制はなくなる。
岩人間という種族全体が絶えたわけではないが、杜王町で確認された密売組織は指導者と主要班を失って解体する。
記事分類上の注意
台帳上の旧IDには「character」が含まれるが、対象は一人の人物ではなく組織である。公開記事では組織として分類し、透龍や田最環の人物経歴をすべて重複掲載しない。ロカカカの植物自体、新ロカカカ、ロカカカ6251は別のアイテム記事で性質を扱う。岩人間の記事は種族全体の生態を説明し、本項は杜王町で活動した犯罪ネットワークへ範囲を限定する。
英語名と日本語の便宜名は同じ対象を指すため、二重の記事を作らず別名として統合する。
物語上の役割
ロカカカ密売組織は、第8部の多数の敵を一つの経済活動と目的で結ぶ。各戦闘は個人の奇行に見えても、背後には果実の独占、枝の回収、研究の保護がある。東方家、吉良と仗世文、病院の患者がそれぞれ治療を求めるため、善悪を越えて同じ果実へ集まる。組織は治癒の価値を最もよく理解しながら、代価を他者へ押し付けることで敵となる。
定助が自分の出生とホリーの救済を追う物語は、この組織の秘密を解体する過程でもある。