- 俳優
- エリザベス・オルセン
- 主な役
- ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ
- MCU初登場
- 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』ポストクレジット、本格登場『エイジ・オブ・ウルトロン』
- 追うべき軸
- 喪失、罪悪感、現実改変、家族への渇望、能力と責任
MCUで演じる人物
エリザベス・オルセンが演じるワンダ・マキシモフは、両親をスターク製兵器で失ったソコヴィアの若者としてアベンジャーズへ敵対し、ウルトロンの目的を知って味方へ移る。能力は精神干渉から念動力、現実改変、魔術へ拡張されるが、演技の中心は力の規模ではなく、喪失へ言葉を与えられない人物がどのように他者と現実を変えてしまうかにある。オルセンは声量を抑えた場面ほど怒りや不安を残し、視線と手の動きが能力発動へつながるように人物の内面と視覚効果を結ぶ。
映画では大人数の中で短い転換点を担い、配信シリーズ『ワンダヴィジョン』ではシットコムの年代ごとに話し方、姿勢、笑いの間を変えながら、理想の家庭が崩れる過程を長時間演じた。続く『マルチバース・オブ・マッドネス』では、ダークホールドに影響されたワンダが別宇宙の子どもを求め、他者を傷つける。被害者だった過去が加害を免除するわけではない一方、単純な悪役化だけでも理解できない。作品ごとの状態と選択を切り分ける必要がある。

01復讐者として登場したワンダ
『エイジ・オブ・ウルトロン』のワンダは、双子の兄ピエトロとともにヒドラの実験へ参加し、スタークへの復讐を望む。ミサイルの横で救助を待った幼少期の記憶により、アイアンマンは英雄ではなく被害の原因である。オルセンは英語の発音と身体の閉じ方で、アベンジャーズの公的な物語から外れたソコヴィアの視点を作る。相手の恐怖を見せる能力は、自分の恐怖を他者へ移す行為でもあり、トニーへ見せた幻視がウルトロン誕生を促す。
ウルトロンが人類滅亡を目指すと知った後、ワンダは立場を変えるが、過去の行動が消えるわけではない。ホークアイから「外へ出ればアベンジャーだ」と選択を求められ、建物から出る場面が加入の実質になる。ピエトロの死を感じた瞬間、オルセンは叫びと能力爆発を重ね、個人的な喪失が戦場全体へ影響する人物像を確立する。ヴィジョンとの最初の接点も、暴走するワンダを制圧する力関係から始まり、後の静かな関係との対比になる。

02シビル・ウォーで恐れられる力
ラゴスで爆発を上空へ移動させた結果、建物内の人々が死亡し、ワンダは国際的な批判の中心になる。意図は地上の市民を救うことでも、結果への責任は残る。オルセンはニュース映像を見る場面で反論せず、言葉を失うことで、自分の力を恐れる社会と自分自身の恐怖を重ねる。ヴィジョンから施設に残るよう求められた時、保護と拘束が区別できない状況に置かれる。協定問題が制度だけでなく、一人の移民女性の身体を誰が管理するかという形で現れる。
ホークアイに救出された後、ワンダはヴィジョンを地面へ押し込んで脱出する。親しい相手を傷つける可能性を受け入れてでも自分の判断を取り戻す場面だ。空港戦では能力の強さを見せる一方、ローディの落下を防げなかったヴィジョンとの間に新たな罪悪感が生まれる。オルセンはワンダを常に被害者として演じず、選択によって他者へ影響する主体として保つ。

03ヴィジョンとの関係と二重の喪失
『インフィニティ・ウォー』では、ワンダとヴィジョンは任務から離れた時間を作ろうとしている。二人の会話は短いが、今ここで関係を選ぶか、チームの要請へ戻るかという問題を抱える。マインド・ストーンを破壊できるのがワンダだけだと分かると、最も愛する相手を自分の力で殺す役割を負う。オルセンは能力を放つ手とヴィジョンの顔へ触れる手を分けず、攻撃と別れが同じ動作になるように演じる。
破壊に成功しても、サノスが時間を戻してヴィジョンを再び殺す。ワンダは一度目の死を自分の選択として経験し、二度目を止められない暴力として見る。『エンドゲーム』で復活した後、サノスへ「全てを奪った」と告げても、相手は彼女を知らない。この非対称が怒りを強める。オルセンは大規模な能力でサノスを追い詰めながら、復讐が失った関係を回復しないことを表情に残す。

04ワンダヴィジョンのシットコム演技
『ワンダヴィジョン』では、ワンダが作ったウエストビューが年代別のアメリカン・シットコムとして進む。オルセンは1950年代の大きな身振りと明瞭な発声、1970年代の家庭劇、2000年代のカメラへの語りかけを使い分ける。形式の模倣は装飾ではなく、幼少期に家族と見た番組を安全な生活の型として再生していることを示す。笑い声が入る場面でも、不都合な現実へ触れられた瞬間に表情と編集が変わり、理想世界がワンダの制御で維持されていると分かる。
住民が苦痛を共有していると知った後、ワンダはヘックスを解除し、ヴィジョンと子どもたちに別れを告げる。自分の悲しみから生まれた家族を手放すことは、彼らが無意味だったと認めることではない。オルセンは家族との最後を静かな日常として演じ、スペクタクルの決着より喪失を受け入れる時間を中心に置く。ただし、住民へ与えた被害は謝罪だけで消えず、孤立してダークホールドを読む結末が次の危険を残す。

05スカーレット・ウィッチという称号
アガサはワンダの力をカオス・マジックと呼び、スカーレット・ウィッチという存在を説明する。称号を得ることはヒーロー名の昇格ではなく、本人が知らなかった力と予言の枠へ入ることである。オルセンはアガサとの対決で能力を学習しながら、ルーンを使う知性と、家族を守りたい感情を同時に見せる。衣装の完成も自己肯定だけでなく、今後その力の結果を負う必要があることを示す。
ダークホールドは失った子どもたちが別宇宙に存在する声を聞かせ、悲嘆へ目的を与える。『マルチバース・オブ・マッドネス』のワンダは、自分を母親として定義し、その実現を妨げる人々を手段として扱う。スカーレット・ウィッチの強さを称賛するだけでは、他者の身体を乗っ取るドリームウォークやカマー・タージ襲撃の加害性を見落とす。

06マルチバースで自分自身を見る
ワンダはアメリカ・チャベスの力を奪い、子どもたちが暮らす別宇宙へ移ろうとする。しかし到達した先で、ビリーとトミーは彼女を母親として受け入れず、傷つけられた別宇宙の母を守ろうとする。オルセンは目的を達成したはずの瞬間に動きを止め、自分が子どもたちの恐れる存在になったと理解する過程を演じる。別のワンダが「彼らは愛される」と伝える言葉は、所有せずに母であることを受け入れる最後の機会になる。
ワンダゴア山を崩壊させる結末は、ダークホールドを全宇宙から消す行為と本人の安否を同時に曖昧にする。画面上の爆発や赤い光だけから、その後を確定することはできない。キャストの将来出演に関する発言や噂と、作中人物の生死も別である。記事では最後に確認された選択までを扱い、復活や変異体の登場を事実として先取りしない。

出演作を見る順番
ワンダの感情線を追うには、『エンドゲーム』の後に必ず『ワンダヴィジョン』を挟んでから『マルチバース・オブ・マッドネス』へ進むことが重要です。
- 1エイジ・オブ・ウルトロン復讐、ピエトロの死、アベンジャーズ参加
- 2シビル・ウォーラゴス事故と監視
- 3インフィニティ・ウォーヴィジョンの二重の死
- 4ワンダヴィジョンウエストビューとスカーレット・ウィッチ
- 5マルチバース・オブ・マッドネスダークホールドと別宇宙の家族
