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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

宇宙の人口を半分にすると言い切るタイタンの大王と、結集しきれないアベンジャーズ。10年・18作の積み重ねを『指の一鳴り』で半分にする、シリーズ最大級の衝撃を残した第三幕の序章。

媒体: 映画(実写) 米国公開: 2018年4月27日 日本公開: 2018年4月27日 監督: アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 公式ポスター

作品データ

作品
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
原題
Avengers: Infinity War
媒体
映画(実写)
米国公開
2018年4月27日
日本公開
2018年4月27日
監督
アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ
脚本
クリストファー・マルクス/スティーヴン・マクフィーリー
原作
マーベル・コミック(ジム・スターリン『インフィニティ・ガントレット』ほか)
製作
ケヴィン・ファイギ
音楽
アラン・シルヴェストリ
撮影
トレント・オパロック
編集
ジェフリー・フォード/マシュー・シュミット
視覚効果
ILM/Weta Digital/Framestore/Digital Domain/Method Studios/Cinesite ほか
製作会社
マーベル・スタジオ
配給
ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
上映時間
149分
製作費
約3億2,500万〜4億ドル(『エンドゲーム』と合算で公表される版もあり)
興行収入
全世界 約20.5億ドル(公開当時 歴代第4位)
MCU区分
フェーズ3・第19作/インフィニティ・サーガ第三幕の幕開け
時系列上の前後
『ブラックパンサー』『アントマン&ワスプ』 → 本作 → 『アベンジャーズ/エンドゲーム』
公式予告編は
劇場サイトで確認
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📖 全35章 / 約20K字 🔄 最終更新 2026年5月26日 ✍️ Anna Movies 編集部

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、2018年に公開されたアメリカのスーパーヒーロー映画である。全宇宙の生命を指の一鳴りで半分に消し去ろうとする最強の敵サノスに対し、結集しきれないアベンジャーズと銀河の英雄たちが総力を挙げて立ち向かう。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)10年・18作の積み重ねの集大成にして、衝撃の結末を残した第三幕の序章に位置づけられる作品である。

00概要

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(Avengers: Infinity War)は、アンソニー・ルッソとジョー・ルッソが共同監督を務めたアメリカのスーパーヒーロー映画である。2018年4月27日に米国・日本ほか世界各地でほぼ同日に公開され、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第19作にあたる。シリーズの章立てではフェーズ3を支える屋台骨であり、2008年の『アイアンマン』から積み上げてきた『インフィニティ・サーガ』の三幕構成、その第三幕の幕開けとして設計された一本だ。

脚本を手がけたのはクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリー。本作と次作『エンドゲーム』は当初から一本の長大な原稿として書かれ、撮影もほぼ連続するかたちで進められた。本作はその前編にあたるが、独立した一本の映画としても完結する構造を備えており、その結末は『前編』であることそのものが衝撃の正体になっている。

物語の中心にいるのは、それまでのMCUで度々名前だけが囁かれてきた紫色の巨人、タイタンの大王サノス(ジョシュ・ブローリン、モーションキャプチャ)である。彼は『宇宙には資源が足りない、放置すれば全員が滅ぶ』という独自の論理から、宇宙人口を無差別に半分まで削減することを最終目的に掲げる。その手段となるのが、6つのインフィニティ・ストーンを集めて完成させる完全なインフィニティ・ガントレットだ。本作はストーンを巡る攻防を、地球(ニューヨーク/スコットランド/ワカンダ)と宇宙(ノーウェア/タイタン/ヴォーミア)で同時並行に描き、やがてサノスがすべてのストーンを揃え、指を鳴らして宇宙の半分を塵に変える結末へと収束していく。

本記事は結末を含む全編の内容に踏み込む。ロキとヘイムダルの死、ガモーラがソウル・ストーンの代償として殺される場面、ヴィジョンの二度の最期、そしてピーター・パーカーが『気分が悪いんだ、ミスター・スターク』とトニーの腕の中で塵になる場面まで、シリーズ最大級のネタバレを前提とした構成となっている。未見の方は、まず本編を鑑賞してから読み進めることを勧めたい。

概要

主要データ

原題
Avengers: Infinity War
監督
アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ
脚本
クリストファー・マルクス/スティーヴン・マクフィーリー
音楽
アラン・シルヴェストリ
撮影
トレント・オパロック
編集
ジェフリー・フォード/マシュー・シュミット
米国公開
2018年4月27日
日本公開
2018年4月27日
上映時間
149分
ジャンル
スーパーヒーロー、アクション、SF、群像劇
シリーズ区分
MCUフェーズ3・第19作/インフィニティ・サーガ第三幕

01あらすじ

ここからは結末までを含む全編のあらすじを追っていく。物語はまず、導入のステイツマン号襲撃で観客の感情を一気に底へ突き落とす。そこから舞台は地球(ニューヨーク/スコットランド/ワカンダ)と宇宙(ノーウェア/タイタン/ヴォーミア)の二系統に分かれ、複数の戦線が同時に進行していく。そして最後、サノスの指の一鳴らしがすべての戦線を一点へと束ねるのだ。以下、場面を順に辿っていく。

あらすじ

ステイツマン号襲撃

映画は、明るい音楽もMCUロゴの華々しいファンファーレもなく、暗転と救難信号の音声から幕を開ける。映し出されるのは、前作『マイティ・ソー/バトルロイヤル』の結末で宇宙へ旅立った難民船ステイツマン号の船内だ。アスガルドの生き残りが床に横たわり、装甲の破れた壁、漂う死体、立ちこめる火災の煙——そのなかを、サノスの巨大な旗艦サンクチュアリIIが船体を挟み込むように掌握している。観客の知るアベンジャーズの仲間たちが為す術なく敗北する場面から始まるのは、シリーズで初めてのことである。

玉座の前にサノスが立ち、その足元には殴り倒されたソーがうつ伏せに転がる。サノスの腕にはガントレットがあり、すでに紫のパワー・ストーンが嵌め込まれている——直前の場面でザンダー(ノヴァ軍団の本拠)が殲滅され、ストーンが奪われたことがここで暗示される。ヘイムダル(イドリス・エルバ)は最後の力を振り絞り、自らの体に『暗黒の魔法(ダーク・マジック)』を集中させ、横たわるハルク/ブルース・バナーを地球へ向かってビフレストで飛ばす。「オーディン全父よ、闇の魔法をこの最後の呪文に……」。だがその直後、ヘイムダルはサノスの側近コーヴァス・グレイヴの剣に貫かれて命を落とす。

ロキ(トム・ヒドルストン)は、前作で取り戻したテッセラクト(中にはスペース・ストーン)をひそかに懐へ忍ばせていた。サノスに『協力する』と装ってテッセラクトを差し出し、隙を見て短剣を抜いて襲いかかる。しかし、青いストーンを使ったサノスの足元には届かない。サノスの大きな手がロキの首を絞め上げる。「お前は……決して、神には……なれない(You will never be a god.)」——その最後の言葉を残し、ロキは首の骨を折られて絶命する。ソーの目の前で兄弟が殺され、ステイツマン号は爆破される。サノスはガントレットに二つ目のストーン(青)を装着し、『一つ取り戻すと、二つ手に入る』と笑う。

この導入部だけで、観客はシリーズの常識——『主人公サイドは負けても誰かが生き延びる』『コミカルな会話で緊張がほどける』——を一気に剥ぎ取られる。本作が持つ『負け戦の前編』としての性格は、最初の8分で観客の体に刻み込まれるのだ。

ステイツマン号襲撃

ニューヨーク

舞台はニューヨーク、ストレンジ博士の本拠地『サンクタム・サンクトラム』の屋上へと切り替わる。空からは巨大な車輪状の母船Qシップが降下してくる。地上では、ペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)とジョギング中のトニー・スタークが、結婚式や子作りの話に笑い合っていた。そこへドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)がポータルを開いて降り立つ。「トニー・スターク、私はストレンジ博士、君に来てもらわなければならない」。その首には、緑のタイム・ストーンを宿したアガモットの目(アマレット)が下がっている。

サンクタムから現れたウォン(ベネディクト・ウォン)が状況を語る。タノスは6つのストーンのうち、すでにパワー・ストーンとスペース・ストーンの2つを手にしており、残る4つ——マインド(ヴィジョンの額)、タイム(ストレンジのアマレット)、リアリティ(ノーウェアのコレクター)、ソウル(位置不明)——を狙って動き出しているという。トニーはブルース・バナーが現代の地球に落下した事実を、その目で確かめていた。ストレンジが屋上から落とした石さながらに、ハルクは元の姿に戻れぬままブルースの姿で、サンクタムの階段の壁を破って転がり込んできたのだ。

母船から降り立ったのは、タノスの側近『ブラックオーダー』の二人、エボニー・モウとカル・オブシディアンである。モウは精神支配と物質操作に長けた魔導士、オブシディアンは巨大な戦槌を振るう怪力の戦士だ。二人はニューヨークの市街で建物を持ち上げ、ストレンジのアマレットを奪わんと攻め込んでくる。トニーは新型のナノマシン・スーツ『マーク50』を身にまとい、ホーリィ・トリニティ(モリス)が拒む間に、ひとり戦線へと飛び込んでいく。

一方、離れたミッドタウン高校の社会科見学のバスでは、ピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド)が窓の外の異変に気づき、車外へ飛び出す。トニーの呼び出しで新型のアイアン・スパイダー・スーツが自動で装着され、ピーターは初めての宇宙戦に巻き込まれていく。エボニー・モウはストレンジを母船へと拉致し、トニーはピーターを連れて母船の外殻にしがみつき、そのまま宇宙空間へ運ばれていく。トニーは「キッド、家に帰れ」と命じるが、ピーターは『近所の人助け』を超え、宇宙へ向かう覚悟を決めるのだった。

ニューヨーク

スコットランド

舞台は、エディンバラの夜の街角。ヴィジョン(ポール・ベタニー)とワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)は、シビル・ウォー以降の世間の目を避け、ひそかに恋人として暮らしている。橋のたもとのカフェで愛を語り合うふたり。だが、ヴィジョンの額に嵌め込まれたマインド・ストーンが、突然強い痛みを発する。直後、路地裏からサノスの側近プロキシマ・ミッドナイトとコーヴァス・グレイヴが姿を現し、グレイヴがヴィジョンの額を狙って槍を突き刺す。

瀕死のヴィジョンを抱えたワンダがエネルギーで撃退する寸前、駅のホームに現れたのは、シビル・ウォー以後逃亡生活を送っていたスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)、ナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)、サム・ウィルソン/ファルコン(アンソニー・マッキー)の三人だった。スティーブの登場は、観客が前作からずっと待ち続けてきた瞬間でもある。低音のテーマ曲とともに、シルエットだけで観る者の胸を昂揚させる場面だ。

三人はワンダとヴィジョンを救出し、空母エイヴェンジャーズ・ファシリティへ連れ帰る。合流するのは、シビル・ウォー後にトニーと表向き敵対していたローディ/ウォーマシン(ドン・チードル)、そして上院のソーダーバーグ事務局長(ウィリアム・ハート)。ヴィジョンは「マインド・ストーンを破壊するべきだ、ストーンこそが私の中心ではない」と訴えるが、ワンダはそれを拒む。シュリの技術なら、ストーンを切り離してから破壊できるかもしれない——その望みに賭け、一行はワカンダへ向かう。

ここで本作は、明確に三つの戦線を確立する。ストレンジを取り戻すための宇宙線(タイタン)、ヴィジョンを守るための地上線(ワカンダ)、そしてガモーラを通じて家族を破壊していくサノスの旅路(宇宙)。この三本を、150分にわたって交互に編み上げていく。

スコットランド

ガーディアンズと出会うソー、ニダベリア…

宇宙では、救難信号を受け取ったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーがステイツマン号の残骸へと向かう。船首の窓に張りついて漂流していたのは、意識を失ったソー本人だった。ガーディアンズはソーを船内へ運び込む。ピーター・クイル/スター・ロード(クリス・プラット)、ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、ドラックス(デイヴ・バウティスタ)、マンティス(ポム・クレメンティエフ)、ロケット(ブラッドリー・クーパー)、そしてティーンエイジ・グルート(ヴィン・ディーゼル)が、ソーの『神話的な』筋肉と顔の傷を呆然と見つめる。対抗意識を燃やしたクイルがわざと声を低く作る場面は、本作で最も観客の笑いを誘う場面の一つだ。

ソーはサノスの計画を即座に見抜く。ガモーラがサノスの『養女』であることから、彼女がノーウェアのコレクターのもとにある『リアリティ・ストーン(エーテル)』の在りかを握っていると察したのだ。ガモーラ、クイル、ドラックス、マンティスはノーウェアへ。ソー、ロケット、グルートは『新しい武器』を作るためニダベリアへ向かう。ムジョルニアに代わる、サノスを倒せる唯一の武器を鍛えるためである。

ニダベリアは中性子星の核熱で稼働する古代ドワーフの鍛冶場であり、巨人の鍛冶師アイトリ(ピーター・ディンクレイジ)がただ一人生き残っていた。アスガルドが滅びたのち、ニダベリアはサノスに襲撃され、すべてのドワーフが虐殺されていたのだ。アイトリはソーに『お前が炉を起動する』と告げる。中性子星の光線を集めるリングを起動させるため、ソーは恒星の熱を全身で受け止め、肉体が焼け爛れる寸前まで耐え抜く。こうして完成した武器が、巨大な戦斧の頭にハンマーの柄を組み合わせた『ストームブレイカー』だ。グルートは自らの腕を切り落とし、柄として捧げる——『私はグルート(=私の腕を使ってくれ)』。ソーは斧を手に、ロケットとグルートとともに戦場へ向かう支度を整えるのだった。

ガーディアンズと出会うソー、ニダベリア…

ノーウェア

ガモーラたちが到着したとき、ノーウェアはすでに炎に包まれていた。コレクター(タニア・デル・トロ)はサンクチュアリの檻に囚われて拷問を受け、その目の前ではサノスがリアリティ・ストーンを誇示している——ように見える。激情に駆られたクイルがコレクターを撃とうとした、その瞬間。炎も檻もコレクター本人も、すべてが掻き消える。サノスが赤いリアリティ・ストーンの力で空間そのものを偽装し、ガモーラを誘い出したのだ。

「お前が私に近づけば、必ずこうなると知っていたのだ、娘よ」。サノスはそう語りかける。本作のサノスの会話劇で繰り返されるのは、ガモーラを「娘」と呼ぶ、親密でありながらどこか異常な口ぶりである。宇宙の半分を消し去るという「慈悲深い大義」を真顔で説き、ガモーラには保護者としての愛情を注ぐ。だが、その愛のためと称して、彼女から大切なものを次々と奪っていく。

ガモーラはサノスを刺し殺す。しかしそれも赤いストーンの力が見せた幻にすぎず、実体は別の場所にいた。捕らえられたガモーラは、サノスの旗艦へと連行される。救出に駆けつけた一行はノーウェアで散り散りとなり、かつてクイルがガモーラと交わした約束——「私が捕まったら、サノスより先に私を殺して」——だけが、彼女に残された最後の希望となる。

サノスはガモーラを、彼女にとって「故郷」とも呼べる星へ連れていく。荒野のように赤い大地が広がる、家族として暮らした幼少期のスマートの星だ。ガモーラは「お前は、私が魂で何より愛していると知っている男に育てられた。その男を、私は今ここで刺し殺す」と告げ、再び短剣を抜く。だが刃を突き立てても、それは液体のような赤い泡となって崩れ落ちる——「お前にすべてを教えたのは、この私だ、娘よ」。サノスは涙を流しながら、ヴォーミアにある「ソウル・ストーン」の在処を聞き出すべく、ガモーラが長年隠し続けてきた地図を手中に収める。

ノーウェア

タイタン

母船にしがみついたまま宇宙へ運ばれたトニーとピーター、そしてエボニー・モウに拷問されているストレンジは、サノスの故郷である廃星タイタンを目指す。トニーはモウを宇宙空間へ放り出して葬り、ストレンジを救い出す。タイタンはかつて生命に満ちた星だったが、人口過剰で資源が尽き、自滅した。「宇宙の人口を半分にすべきだ」というサノスの発想は、この故郷の悲劇に端を発している。

タイタンの廃墟で、トニーたちはガーディアンズ組——クイル、ドラックス、マンティス——と出くわす。互いを敵と誤認して銃を向け合うが、名乗り合ったところで、今度はクイルが指揮を取ろうとしてトニーと火花を散らす。やがてトニー、ストレンジ、ピーター、クイル、ドラックス、マンティスの6人は、サノスを倒すための「計画」を練り上げる。サノスの注意を引きつけ、その隙にマンティスが精神に触れて沈静化させ、さらにその間にトニーがガントレットを腕からこじ取る、という段取りだ。

ところが実行段階に入ると、計画は二度の予想外で崩れていく。まずストレンジがアガモットの目を使い、「未来の起こりうる可能性14,000,605通り」を覗き見て、勝利の目は「1,400,605分の1」しかないとトニーに告げる場面が挟まる。そして計画の実行中、マンティスがサノスを眠らせかけたまさにその瞬間、ガモーラの行方をサノス本人から聞き出していたクイルが、彼女がすでに殺されたと知って取り乱し、思わずサノスを殴ってしまう。マンティスの精神操作は解け、サノスは完全に覚醒する。

覚醒したサノスは、4つのストーンを揃えたガントレットの力で月そのものを掴み、タイタンへ投げつける。崩れ落ちる月の破片が降り注ぐなか、トニーは命がけでサノスとの一対一の格闘に挑む。ナノテック・スーツの全機能を解き放ち、刃と弾を多角的に同時にぶつけていく——シリーズ屈指の濃密な戦闘描写だ。だがガントレットの前ではそのすべてが受け切られ、最後はサノス自身のガントレットがトニーの脇腹を貫く。

サノスが止めを刺そうとしたその瞬間、ストレンジが身を投げ出し、「止めてくれ、私のタイム・ストーンと引き換えに、彼を助けろ」と申し出る。サノスは緑のストーンを受け取り、5つ目のストーンを装着する。そして「もう一つだ(One to go.)」と告げ、地球——ヴィジョンのいるワカンダ——へと去っていく。

茫然と座り込むトニーに、ストレンジは「他に道はなかった(There was no other way.)」とだけ告げる。彼が「1,400,605分の1」の勝ち筋を見たという伏線は、本作の枠を越え、次作『エンドゲーム』への巨大な賭けとして残されることになる。

タイタン

ヴォーミア

サノスとガモーラは、荒涼とした惑星ヴォーミアに降り立つ。岸壁の頂に、フードを被った『紅の頭蓋骨(レッドスカル、声:ロス・マルキャンド)』が姿を現し、二人を導いていく。レッドスカルはかつてキャプテン・アメリカの宿敵だったが、テッセラクト(スペース・ストーン)の力で宇宙の果てへと飛ばされ、ソウル・ストーンの『門番』として、この地で何世紀も過ごしてきた——本作最大の隠し玉のひとつである。

断崖の縁でレッドスカルが告げるソウル・ストーンの条件こそ、シリーズ全体を貫く倫理的な核となる——『最も愛する者の魂と引き換えにしか、ソウル・ストーンは手に入らない』。この瞬間まで、ガモーラはサノスが何も愛していないと信じていた。だが涙を流しながら見つめてくるサノスの姿に、ガモーラはようやく悟る——『お前が泣いているのは、お前が愛しているものを差し出すためだ。私を』。

涙を流しながら、サノスは片手でガモーラの首を絞め、断崖の縁へと押しやる。ガモーラは抵抗しつつ、最後にサノスの目を見つめる。そのままサノスは彼女を投げ捨て、ガモーラは岸壁に叩きつけられて死ぬ。光景は画面のエッジを真っ赤に染め、ヴォーミアの空に放たれた断末魔の悲鳴の余韻だけが残る。

倒れたガモーラの背へ手を伸ばすサノス。その肩に、オレンジ色のソウル・ストーンが現れる。サノスは膝をつき、泣きながら6つ目のストーンを受け取る。本作で唯一サノスが涙を流す場面であり、自らの愛と論理の矛盾を引き受けたうえで娘を殺したという事実が、受け入れがたい重みで観客に突きつけられる。

ヴォーミア

ワカンダ最終決戦

舞台は地球、アフリカのワカンダ王国の高原へと移る。ティ・チャラ/ブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)、シュリ(レティーシャ・ライト)、オコエ(ダナイ・グリラ)、ンジョブ(ウィンストン・デューク)、ナキア、ジャバリ族、そして王立警護隊『ドラ・ミラージュ』がここに集結する。シュリの研究所では、ヴィジョンの額からマインド・ストーンを抜き取る手術が進められている。だが、それを終える前にサノスの先遣部隊が姿を現す。残された猶予は、もはや5分もない。

ティ・チャラの命を受け、ワカンダを覆う球状のヴィブラニウム・バリア、シールドが起動する。落下したサノスの船からは大量のアウトライダー(六本足の異形の戦闘獣)がなだれ込み、シールドの外周に押し寄せて人海戦術を仕掛けてくる。ブラックパンサーは『開けろ!』と叫び、片側のシールドだけを開く。そこからジャバリ族とドラ・ミラージュ、王立連隊、さらに合流したキャプテン・アメリカ、ナターシャ、ファルコン、ローディ、バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)、そしてハルクバスター・スーツに身を包んだブルース・バナーの大群が、いっせいに突撃していく。ブルースはハルクに変身しようとするが、ハルクはサノスとの戦いに怯えて『出てこない』。やむなくブルースはハルクバスター・スーツをまとって戦線に加わる。

戦線の中央では、サムが空からシールドを降ろし、ティ・チャラが『ワカンダ・フォーエヴァー』を叫ぶ。ナターシャはブラック・オーダーのプロキシマ・ミッドナイトを地中の機関へ巻き込み、葬り去る。一方、コーヴァス・グレイヴはシュリの研究室まで到達し、ヴィジョンに止めを刺そうとする。だがそのとき、夜の闇からスティーブ・ロジャースが現れ、一閃で槍を弾き、横からヴィジョンの胸を貫く槍を抜き取る。

戦場の中央へ、ストームブレイカーが落ちる。雷鳴とともにソー、ロケット、グルートが戦線に降り立ち、青い稲妻がアウトライダーの群れを薙ぎ払う。「全身全霊で取りに来やがれ(Bring me Thanos!)」——このソーの叫びこそ、本作の戦いのなかで観客を最も昂揚させる瞬間である。

ワカンダ最終決戦

ヴィジョンの最期と指鳴らし

アウトライダーをほぼ掃討したそのとき、サノス本人がポータルを開き、ワカンダの森のなかに姿を現す。ヴィジョンとワンダは森の開けた一角へ逃げ込み、ワンダはついに決断を下す——「マインド・ストーンを壊せるのは私だけ。愛している」。右手の赤い力でアウトライダーの群れを押さえつけながら、左手の赤い力でヴィジョンの額のマインド・ストーンを少しずつ砕いていく。ヴィジョンは涙を流して「君を愛している」と告げる。ワンダがストーンを完全に砕いた瞬間、ヴィジョンの体は灰白色に変わり、動かなくなる。

破壊した——はずだった。ワンダの背後にポータルを開いて現れたサノスが、緑のタイム・ストーンを発動させてヴィジョンの過去を巻き戻し、額のストーンを丸ごと「生きた状態」へ復元してしまう。ワンダの目の前で、サノスは蘇ったばかりのヴィジョンの額からマインド・ストーンを引きずり出し、6つ目のストーンを完成形のガントレットにはめ込む。ヴィジョンは二度目の最期を迎え、額に丸い穴を空けたまま崩れ落ちる。

残されたヒーローたちが次々とサノスへ突進する。スティーブが盾を投げれば、サノスは片手で受け止める。トールはストームブレイカーをサノスの胸へ叩き込み、稲妻もろともその肉を貫く。サノスは血を吐きながらソーの顔を見つめ、かすれた声で告げる——「お前は……頭を狙うべきだったな(You should've gone for the head.)」。そして、指を鳴らす(スナップ)。

ガントレットから放たれたオレンジ色のスナップ・パルスが、宇宙の隅々まで広がっていく。サノスは赤い空間転移とともに、その場から姿を消す。

ヴィジョンの最期と指鳴らし

塵化

最初に塵と化すのは、ワカンダの戦場に立つバッキー・バーンズである。ライフルを構えたまま振り返り、スティーブの名を呼ぼうとした——その唇に触れた指が崩れ、銃を取り落とした手も、腕も、顔も、灰白色の塵となって風に散っていく。スティーブは草地に膝をつき、わずかに残った塵を手でなぞる。

森ではティ・チャラがオコエに『立ち上がれ』と告げ、手を貸そうとする。だがその瞬間、差し伸べた手も、顔も、王衣に編み込まれたヴィブラニウムも、すべてが静かに塵となって消えていく。オコエの『大王よ……』という呟きだけが、ワカンダの森に残された。

サムは空中で、グルートは木の根元でロケットに『パパ……』と呟いて、ワンダはヴィジョンの遺体に寄り添ったまま、マンティスはタイタンの瓦礫の上で、ドラックスはクイルに『何かおかしい』と告げた直後に、それぞれ崩れていく。

タイタンでは、ストレンジが最後に『これしか道はなかった(Tony, there was no other way.)』とだけ言い残して塵になる。ピーター・パーカーは自分が消えていく速さに怯え、トニーの胸にしがみつきながら『気分が悪いんだ、ミスター・スターク……行きたくない、行きたくない、ごめんなさい』と繰り返す。トニーが抱きしめると、その腕の中でピーターは灰となって崩れ落ちる。タイタンの赤い砂の上に、トニーとネビュラの二人だけが残された。

ワカンダの戦場の中央で、スティーブは膝をつき、誰にも聞こえないほどの小声で『ああ、神よ……(Oh, God.)』と呟く——本作の最後の台詞である。画面はそのまま暗転し、宇宙の半分が塵になったという事実だけを観客の胸に残して、映画は幕を閉じる。

塵化

結末とポストクレジット

場面はサノスへと切り替わる。ガモーラと暮らした記憶の中の小屋、あるいは魂の宇宙の一場面だろうか。幼いガモーラ(風の中に揺れる幻影)と、彼は短い言葉を交わす。「お前は何をした?」「すべてだ」——満ち足りた表情のサノスは、ゆっくりと土塀のテラスに腰を下ろし、二つの太陽が並ぶ夕焼けの空を眺める。本作のラストショットが映すのは、英雄の勝利ではない。目的を果たした悪役の、満足げな日没である。

本編にエピローグはなく、ポストクレジットもわずか一回——MCUとしては異例の短さだ。映し出されるのはニューヨークの市街地。車で移動するニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)とマリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)の頭上で、空からヘリコプターが墜落する。市民は次々と塵となって消え、マリアもまた、彼の目の前で塵になる。

フューリーは胸から旧型のページャーを取り出し、操作する。だが最後のフレームの直前、彼自身も塵となって崩れ落ちる。地面に落ちたページャーの画面では、青と赤と黄色の8ビット風アイコン——『キャプテン・マーベル』のロゴ——が点滅し、宇宙の彼方へと信号を送り出している。物語は『キャプテン・マーベル』(フェーズ3末)と『エンドゲーム』(フェーズ3終結)へ、直接引き継がれていく。

結末とポストクレジット
ここまでが全編のあらすじである。サノスは6つのストーンを揃え、指を鳴らして宇宙人口の半分を塵に変えた。直接の続編は『アベンジャーズ/エンドゲーム』、その前に挟まる前日譚として『キャプテン・マーベル』が公開された。

登場要素

本作に登場・言及される主な要素を分類して示す。固有名詞はシリーズを読み解く手がかりだが、初見ですべて覚える必要はない。気になった名前があれば、各キャラクター・用語のページで個別に確かめるのが確実だ。

  • トニー・スターク/アイアンマン
  • スティーブ・ロジャース/ノマド(キャプテン・アメリカ)
  • ソー
  • ブルース・バナー/ハルク
  • ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ
  • ジェームズ・ローズ/ウォーマシン
  • サム・ウィルソン/ファルコン
  • バッキー・バーンズ/ホワイトウルフ(ウィンター・ソルジャー)
  • ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ
  • ヴィジョン
  • ティ・チャラ/ブラックパンサー
  • シュリ
  • オコエ
  • ンジョブ
  • ドクター・ストレンジ
  • ウォン
  • ピーター・パーカー/スパイダーマン
  • ペッパー・ポッツ

  • サノス(ジョシュ・ブローリン)
  • エボニー・モウ
  • カル・オブシディアン
  • プロキシマ・ミッドナイト
  • コーヴァス・グレイヴ
  • アウトライダーの大群
  • (ソウル・ストーンの番人として)レッドスカル

  • ピーター・クイル/スター・ロード
  • ガモーラ
  • ドラックス
  • マンティス
  • ロケット
  • ティーンエイジ・グルート
  • ネビュラ

  • ペッパー・ポッツ
  • ハッピー・ホーガン(言及)
  • ローラ・バートン(言及)
  • ニック・フューリー
  • マリア・ヒル
  • コレクター(タニア・デル・トロ)
  • アイトリ(ニダベリアの鍛冶師)
  • ヘイムダル
  • ロキ
  • ソーダーバーグ事務局長
  • 幼いガモーラ

  • アベンジャーズ(旧編成)
  • ワカンダ王国/ドラ・ミラージュ/ジャバリ族/王立警護隊
  • ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
  • マスター・オブ・ザ・ミスティック・アーツ(サンクタム)
  • アスガルド人難民(ステイツマン号)
  • サンクチュアリII艦隊/ブラックオーダー
  • シールド(残党のフューリーとヒル)

  • ステイツマン号
  • ニューヨーク(サンクタム前/グリニッジ・ヴィレッジ)
  • エディンバラ(スコットランド)
  • アベンジャーズ・ファシリティ
  • ワカンダ(高原・首都・シュリの研究所)
  • ノーウェア
  • ニダベリア(中性子星の鍛冶場)
  • タイタン(サノスの故郷の廃星)
  • ヴォーミア(ソウル・ストーンの祭壇)
  • 幻のソウル・スペース

  • インフィニティ・ガントレット
  • テッセラクト(スペース・ストーン)
  • アガモットの目(タイム・ストーン)
  • マインド・ストーン(ヴィジョンの額)
  • リアリティ・ストーン/エーテル(ノーウェア)
  • パワー・ストーン(オーブ/ザンダー)
  • ソウル・ストーン(ヴォーミア)
  • ナノテック・スーツ マーク50
  • アイアン・スパイダー・スーツ
  • ハルクバスター Mk II
  • ストームブレイカー(戦斧型・グルートの腕の柄)
  • Qシップ/サンクチュアリII
  • ワカンダのヴィブラニウム・シールド
  • サムの新型ウィング(レッドウィング)

  • 6つのインフィニティ・ストーンの個別能力
  • ストレンジの『1,400,605分の1』の未来予知
  • ワンダのカオス・マジック
  • ソーの稲妻と王権
  • ハルクの『出てこない』拒絶
  • サノスの『慈悲深い均衡』の論理
  • サムの空中監視(レッドウィング)
  • ピーターの『スパイダー・センス』(暗示)

  • フューリーとヒルの塵化
  • 旧型ページャーへの『キャプテン・マーベル』信号
  • サノスの夕焼けの幻影

14主要登場人物

本作は『アベンジャーズ』『シビル・ウォー』で袂を分かった30名近いヒーローを、3つの戦線に振り分け、同時並行で描いていく。ここでは物語の核を担う面々を中心に紹介したい。

サノス

本作の真の主役は、長年その名のみが影のように囁かれてきたタイタンの大王サノスである。脚本のマルクス/マクフィーリーは、本作を意識的に「サノスの英雄譚として書いた」と公言している。物語の随所でサノスは目的を遂げ、敗北の瀬戸際で愛する者を犠牲にし、そして最後に勝利を掴む。ヒーローを主役に据えてきたシリーズ19作目にして、初めて「悪役視点の自叙伝」を構造の中心に置いた——それが本作最大の冒険だ。

サノスを突き動かすのは、神話的な悪意ではない。彼自身の星タイタンが人口過剰によって滅びた経験から生まれた、歪んだ「慈悲」である。宇宙の半分を無作為に消し去れば、残る半分が資源不足から救われる——サノスは本気でそう信じている。原作コミック『インフィニティ・ガントレット』では「死神への愛のため」とされた動機を、映画は「有限な宇宙への倒錯した責任感」へと書き換えた。

ジョシュ・ブローリンによるパフォーマンス・キャプチャ、そしてWeta DigitalとDigital Domainによる肌や筋肉、表情の緻密な解析。この二つが、紫の巨人を「感情を持つ一人の人物」として描き切る礎となった。とりわけヴォーミアでガモーラを投げ落とす直前、サノスがこぼすたった一滴の涙は、本作のVFXとパフォーマンスが到達した最大の成果のひとつである。

サノス

トニー・スターク/ドクター・ストレンジ…

タイタンでの戦いを担うのは、技術の天才トニー、魔術の達人ストレンジ、そして十代の弟子ピーターである。性格も世代も背景も大きく異なる三人だ。指揮系統をめぐって衝突するトニーとクイル、未来予知ゆえに重い覚悟を背負うストレンジ、宇宙服姿でデビューを飾る弟子ピーター——この三角形のあやうさこそ、タイタン戦線の人間ドラマの核心となる。

トニーはペッパーとの新婚生活、そして『子供を持つ』という新たな人生に踏み出そうとしていた。その矢先に、シビル・ウォー以後ずっと恐れてきた『宇宙の脅威』と向き合うことになる。新型ナノテック・スーツ マーク50を当初から身につけていたのは、サノス来襲を見越した長年の備えの結晶にほかならない。その意味で本作のトニーは『負けを覚悟しながら戦う父』として描かれる。

ピーターの『気分が悪いんだ、ミスター・スターク(I don't feel so good, Mr. Stark.)』は、トム・ホランドが現場で『今から君は死ぬんだと告げられて怯える十代の子供』を演じ、即興のアドリブを加えた瞬間として知られる。シリーズ随一の感情を揺さぶる別れの場面だ。観客は本作の結末で『主人公が敗れる』という事実を、十代の子供を抱きしめる父の手の感触として受け取ることになる。

トニー・スターク/ドクター・ストレンジ…

ソー/ロケット/グルート

ソーは本作で「シリーズ最大の喪失」を冒頭わずか5分で背負うことになる。母フリッガを前作で、父オーディンを前々作で失い、本作の冒頭ではさらに兄ロキ、友ヘイムダル、そして自らの民の半分を一度に失う。明るく振る舞いながらも感情を抑え込まず行動するキャラクターとして書かれた彼は、サノスへの復讐を一身に背負う斧の使い手として、ニダベリア戦線の主役となる。

ロケットは、ソーが文字どおり焼け死ぬ寸前まで耐えた炉の前で、ソーに義眼を渡す。前作で失った右目の代わりに、商売道具として持っていた義眼である。グルートは自分の腕を切り落とし、ストームブレイカーの柄として捧げる。ソー、ロケット、グルートのトリオは、ガーディアンズの軽妙な口調とソーの神話性が互いを補い合い、本作で最もテンポの良い場面群を生んだ。

ストームブレイカーは、原作コミックでベータ・レイ・ビルやソーが手にした武器を映画版に翻案したものだ。剣・斧・ハンマー・ビフレスト中継器の四つの機能を兼ね備え、神を殺す唯一の武器として設計された。

ソー/ロケット/グルート

スティーブ・ロジャースとワカンダ戦線

スティーブ/キャプテン・アメリカは、前作『シビル・ウォー』で星条旗の盾を返上し、ヒゲを蓄え髪を伸ばした『ノマド(Nomad)』として地下活動を続けている。ナターシャ、サムとともに逃亡生活を送るなか、ヴィジョンの危機を察知して救出に駆けつける。暗がりから姿を現す『キャプテン・アメリカの帰還』のシーンは、本作のなかでもとりわけ大きな観客の歓声を浴びた場面のひとつだ。

ティ・チャラ/ブラックパンサーは、ワカンダの王として戦線の指揮を執る。サノスのアウトライダーが押し寄せる戦場で『ワカンダ・フォーエヴァー』と叫び、王立警護隊と部族連合を率いて中央突破を担う。ティ・チャラ、シュリ、オコエ、ンジョブ、そしてジャバリ族の参戦は、前年公開の『ブラックパンサー』の余熱を、本作の感情的な支柱として余すところなく取り込んでいる。

ハルク/ブルース・バナーは、本作では『出てこないハルク』として描かれる。ステイツマン号でサノスに完敗したハルクは、それ以降ブルースの呼びかけにも応じない。戦線に復帰できないブルースは、ハルクバスター・スーツを身にまとって戦う。『戦士は使ってもらえないとへそを曲げる』というロケットの観察は、のちの『エンドゲーム』に登場するプロフェッサー・ハルクへの伏線となっている。

スティーブ・ロジャースとワカンダ戦線

ワンダ・マキシモフとヴィジョン

ワンダとヴィジョンは、『シビル・ウォー』以降の地下生活のなかで関係を深めてきた恋人として描かれる。エディンバラで密会し、ヴィジョンの額に埋め込まれたマインド・ストーンの危機をワンダの赤い力で守ろうとする——この一連の場面が、本作のラブストーリーの骨格をなす。シリーズで初めて、二人の関係が物語上の対等な軸として扱われた点に注目したい。

本作の結末で、ワンダは愛するヴィジョンを自らの手で破壊する選択を強いられる。森のクリアリングで彼女が赤い力をヴィジョンの額に集中させ、マインド・ストーンを砕く。この『愛する者を自ら殺す』選択は、サノスがヴォーミアでガモーラに対して下したそれと、構造的に正確な鏡像をなしている。サノスは『目的のため』に愛を犠牲にし、ワンダもまた『目的のため』に愛を犠牲にする。両者の選択を並べ、それでもなおサノスがタイム・ストーンで時を巻き戻し、すべてを覆してしまう——この構成こそが、本作の倫理的中心を作っている。

二度目に殺されるヴィジョンの最期は、シリーズで最も短く、最も冷酷だ。サノスが額のストーンを引き抜き、ヴィジョンが灰白色の死体となって崩れ落ちる。ワンダの叫びとともに、わずか数秒で過ぎ去る場面である。これがやがて、後年のシリーズ『ワンダヴィジョン』『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の出発点となる。

ワンダ・マキシモフとヴィジョン

舞台と用語

本作は地球と宇宙のあいだを絶え間なく往復する。ニューヨーク、スコットランド、アベンジャーズ施設、そしてワカンダ。宇宙ではステイツマン号、ノーウェア、ニダベリア、タイタン、ヴォーミア、さらに幻のソウル・スペース。8〜10におよぶ舞台を、149分のなかで切り替え続けるのだ。場所ごとに色調も光も音楽も大きく変わるため、観客はわざわざ説明されずとも、場面が転換したことを体で受け取っていく。

用語面で物語の通貨となるのが、6つのインフィニティ・ストーン(パワー、スペース、リアリティ、マインド、タイム、ソウル)だ。サノスがガントレットに装着するたび、紫、青、赤、黄、緑、オレンジと色が増えていく。この演出は進行度をひと目で伝える視覚的なゲージとして機能している。ワカンダのヴィブラニウム、ストレンジのカマー・タージとマスター・オブ・ザ・ミスティック・アーツ、ガーディアンズのノーウェアとコレクター、ニダベリアのドワーフ鍛冶——シリーズが築いてきた全文化圏が、本作で初めて一つの物語へと集約されるのである。

21制作

本作と『エンドゲーム』は、当初から二部作として構想され、撮影もほぼ連続して進められた。以下では、企画の始動から特撮の仕上げまで、主要な経緯を順を追って整理する。

制作

企画と脚本

脚本を手がけたのは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』のクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリー。ルッソ兄弟と組むのはこれで三度目となる。当初は本作と『エンドゲーム』をひとつの作品としてまとめた一本の原稿が存在し、それを二作に分割する形で完成へと至った。仮題は『パート1/パート2』。だが両作それぞれが独立した映画として物語を完結させることが重視され、最終的にはいずれも固有のタイトルへと改題された。

脚本上の最大の発明は、「主役を悪役にする」という構造である。マルクスとマクフィーリーは執筆段階から、本作を「サノスの英雄譚」として書いた。目的を立て、障害を乗り越え、愛するものを犠牲にして勝利を掴む——伝統的なヒーロー譚の骨格を、そのままサノスに当てはめたのだ。そしてアベンジャーズは、そのサノスを止められない「障害物」として立ちはだかる。この反転した構造こそが、本作ならではの独自性を支えている。

監督のアンソニー・ルッソとジョー・ルッソは、19作分のキャラクターを149分の枠に収めるための「削減ルール」として、ひとつの原則を掲げた。「あるキャラクターが画面に映るのは、必ず物語上の意味があるときだけ」。その結果、ファルコンやウォーマシンの台詞は最小限まで切り詰められ、ホークアイとアントマンは「『シビル・ウォー』後、家族のもとで自宅軟禁中」という画面外の設定によって本作には登場しないこととなった。両者の復帰は『エンドゲーム』に持ち越される。

キャスティング

本作には、ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク)、クリス・エヴァンス(スティーブ・ロジャース)、クリス・ヘムズワース(ソー)、マーク・ラファロ(ブルース・バナー)、スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ)、ベネディクト・カンバーバッチ(ストレンジ)、トム・ホランド(ピーター・パーカー)、チャドウィック・ボーズマン(ティ・チャラ)、ポール・ベタニー(ヴィジョン)、エリザベス・オルセン(ワンダ)、ドン・チードル(ローディ)、セバスチャン・スタン(バッキー)、アンソニー・マッキー(サム)、ダナイ・グリラ(オコエ)、レティーシャ・ライト(シュリ)、トム・ヒドルストン(ロキ)、イドリス・エルバ(ヘイムダル)、ピーター・ディンクレイジ(アイトリ)、ベネディクト・ウォン(ウォン)、ポム・クレメンティエフ(マンティス)、デイヴ・バウティスタ(ドラックス)、ゾーイ・サルダナ(ガモーラ)、カレン・ギラン(ネビュラ)、ヴィン・ディーゼル(グルートの声)、ブラッドリー・クーパー(ロケットの声)、クリス・プラット(クイル)、グウィネス・パルトロウ(ペッパー)と、シリーズ既存キャストのほぼ全員が顔を揃えた。

新たなキャストも加わった。サノス本人をパフォーマンス・キャプチャで演じたのはジョシュ・ブローリン。サノスの側近ブラックオーダーには、トム・ヴォーン=ローラー(エボニー・モウ)、テリー・ノタリー(カル・オブシディアン)、キャリー・クーン(プロキシマ・ミッドナイト)、マイケル・ジェイムズ・ショー(コーヴァス・グレイヴ)が名を連ねる。さらにヴォーミアの番人として、初代『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』でレッドスカルを演じたヒューゴ・ウィービングの代役にロス・マルキャンドが起用され、シリーズ最大の意外な再登場の一つとなった。

キャスティング

撮影とロケ地

主要撮影は2017年1月から7月にかけて、米国ジョージア州アトランタのパインウッド・アトランタ・スタジオを拠点に行われた。本作と『エンドゲーム』の撮影はほぼ連続しており、両作で同じセットを使い回した場面も少なくない。スコットランド・エディンバラの夜の街角(コカフェの場面)、ノルウェーのアトランティック・ロード沿いに広がるフィヨルドの地形(タイタンの背景の一部)、ジョージア州内のロケ地(ワカンダ高原の屋外)など、各地での撮影を組み合わせて作り上げられた。

撮影監督のトレント・オパロックは、全編をIMAXカメラで撮影した史上初の長編映画として本作を手がけたことで知られる。サノスのスケール感、宇宙戦の大群衆、果てしなく広がるワカンダのシールド戦線を、観客が一つのフレームのなかで一望できるようにするための判断だ。IMAX劇場では、ほかのフォーマットと比べて画面に収まる情報量が大きく異なり、まったく別物といえる体験が味わえる。

視覚効果

視覚効果は、ILM(インダストリアル・ライト&マジック)、Weta Digital、Digital Domain、Framestore、Method Studios、Cinesite、Lola VFX、Trixter、Rise FXなど、業界を代表する主要スタジオの大半が分担して手がけた。映画全体で使われたVFXショットは2,900を超える。サノス本人とブラックオーダーの戦闘場面は、その大半が緻密なキャラクター・アニメーションによって作り上げられた。

サノスの肌や筋肉、表情の表現には、Digital DomainとWeta Digitalが開発した顔面パフォーマンス・キャプチャ技術『Masquerade』『Medusa』が用いられた。ジョシュ・ブローリンの顔の微細な動きを、紫色の巨人の表情へと変換する技術である。とりわけヴォーミアでサノスが一筋の涙を流す場面は、本作のVFXがキャラクターを「俳優の演技」として観客に届けることに成功した象徴といえる。本作と、その続編にあたる『エンドゲーム』は、第91回・第92回アカデミー賞でそろって視覚効果賞にノミネートされた。

視覚効果

音楽と音響

音楽を手がけたのはアラン・シルヴェストリ。2012年公開の『アベンジャーズ』第1作で『アベンジャーズ・テーマ』を作曲した人物である。本作ではそのテーマをあえて控えめに、しかも歪ませながら鳴らすことで、「アベンジャーズが結集しきれない映画」という主題を音楽で表現してみせた。サノスの登場には重低音のブラスが据えられ、ヴォーミアの祭壇の場面では女声のソプラノが空気を凍らせる。

本作のテーマ曲『Porch』は、終盤、ガモーラを失ったサノスがたたずむ夕焼けに添えられた静かな旋律だ。シリーズ屈指の余韻を残す一曲として知られる。サウンドデザインの面でも凝った仕掛けが多い。サノスのガントレットにストーンがはまる音、Qシップが放つ低周波、そしてスナップの一瞬の風切り音は、いずれも観客の身体に物理的に響くよう設計された。

編集と並行モンタージュ

編集はジェフリー・フォードとマシュー・シュミットが担当した。本作最大の編集上の難関は、3つの戦線――ニューヨークからタイタンへ、ノーウェアからヴォーミアへ、エディンバラからワカンダへ――を同時並行で描きながら、それぞれの感情の高まりと沈みを観客に見失わせないことにあった。

とりわけクライマックスでは、ワカンダのアウトライダーとの激戦、タイタンでのサノスとの対決、ヴォーミアでの犠牲、ニダベリアでの武器の鍛造完成が、ほぼ同時に進行する。フォードとシュミットは各戦線の感情の山を順に組み替え、観客が「今どこを見ているのか分からなくなる」寸前まで密度を高めていく。そして最後の指鳴らしで、すべての戦線を一点に束ねてみせた。その構成の妙に注目したい。

28公開と興行

2018年4月27日、北米や日本をはじめ世界各地でほぼ同時に封切られた本作は、公開初週末だけで北米だけで2億5,790万ドルを稼ぎ、当時のオープニング記録を塗り替えた。最終的な世界興行収入は約20億5,247万ドル。2018年の時点で『アバター』『タイタニック』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に次ぐ歴代第4位という大ヒットを記録した。のちに姉妹編『エンドゲーム』が歴代1位に輝いたことで、本作は二部作の合算で歴代最大の興行を打ち立てた、その前編として語り継がれることになる。

評価は批評家・観客の双方から高い支持を集めた。Rotten Tomatoesでは批評家スコア85%、観客スコア91%(いずれも公開当時)、メタクリティックでも加重平均68/100で「総じて好評」とされ、シリーズ19作のなかでも最上位に並ぶ数字を残している。第91回アカデミー賞では視覚効果賞にノミネート、第45回サターン賞ではコミックブック映画賞ほか複数部門で受賞を果たした。

公開当時、最大の話題をさらったのは結末だった。主要なヒーローの半数が塵となって消える——シリーズで初めて主役サイドの敗北で幕を閉じるこの幕切れは、大きな衝撃をもって受け止められた。続編が公開されるまでの一年間、観客のあいだでは「誰が本当に死んだのか、それはどう覆されるのか」という議論が絶えず交わされ、本作はマーケティング上の事件としても映画史に名を刻んだ。

公開と興行

29批評・評価・文化的影響

本作は、主役を敗北に追い込む第二幕として構成された点、悪役の視点から描かれた英雄譚という反転の構造、そして10年・18作の積み重ねを一本に束ねたクロスオーバーとしての達成によって、シリーズ全体の流れを決定づけた一作と広く評価されている。とりわけ、主役の半数が消え去る結末は、シリーズ続編もののエンディング設計に大きな影響を残した。以後、多くのフランチャイズが、暗い第二幕で主人公を打ちのめし、複数の戦線を同時並行で描く構造を踏襲していく。

「私は不可避だ(I am inevitable.)」というサノスの口癖は、本作と次作の対決構図を象徴する一言として大衆文化に定着した。次作『エンドゲーム』でトニーが返す「俺は、アイアンマンだ(And I... am... Iron Man.)」は、本作のこの一言があってこそ意味を持つ対句となる。一方、「ミスター・スターク、行きたくない(Mr. Stark, I don't want to go.)」はピーター・パーカーの代表的な台詞として、トム・ホランドの即興とともに繰り返し引用されている。

VFXとパフォーマンス・キャプチャによって生み出された悪役の主人公が、これほど人格的な厚みを獲得したのは本作が初めてだった。その達成は、サノス以降の映画における悪役表現にも影響を与えている。とりわけ、ジョシュ・ブローリンとWeta/Digital Domainの協業から生まれた「涙を流す紫の巨人」は、『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラム以降の映画パフォーマンス史において、重要な到達点として記憶されている。

批評・評価・文化的影響

舞台裏とトリビア

脚本を手がけたマルクス/マクフィーリーは、執筆の段階から本作を「サノスの英雄譚として書いた」と公言している。アベンジャーズの面々に振り分ける台詞は緻密に計算された。19作分の主役級キャラクターを残らず登場させながら、誰ひとり「顔見せだけ」に終わらせない。各人物にはそれぞれ物語上の役割と、感情の高まりを見せる場面が用意された。

「気分が悪いんだ、ミスター・スターク」のシーンは、トム・ホランドの即興と、現場で判断を下したルッソ兄弟の手から生まれた。脚本には「ピーターが塵になる」とだけ記されていたが、ホランドはこれを、十代の少年が初めて死の恐怖に直面し、それを理屈ぬきで言葉にする芝居として演じた。テイクを重ねるうちに、「行きたくない、行きたくない」という反復が固まっていったという。

ホークアイとアントマンが本作に登場しないのは、物語の密度という脚本上の制約に加え、続編『エンドゲーム』での再登場が放つ感情の衝撃を最大化するためでもあった。両者は「シビル・ウォー後の自宅軟禁中」という設定で、画面の外に置かれたまま本作を不在で過ごす。

ポストクレジットの末尾、ページャーに点滅する「キャプテン・マーベル」のロゴには、当時まだ公開前だった彼女の単独作(2019年3月公開)のロゴがそのまま使われた。本作の公開時点では、一般の観客にその意味は伝わらない。半年後、単独作の公開によって初めて意味が回収される。シリーズの仕掛けとしては異例の、長い時間をまたいだ演出である。

サノスがストームブレイカーを胸に突き立てられる場面。撮影現場でクリス・ヘムズワースが本気でぶつけた「お前は……頭を狙うべきだったな」への返答を、ジョシュ・ブローリンはほぼワンテイクで仕上げたとされる。本作で最も深く、観客の感情を底に突き落とす一言だ。

31テーマと解釈

中心にあるのは「不可避性(inevitability)」と「犠牲の倫理」だ。サノスは「私は不可避だ」と繰り返し、宇宙の資源が有限だという物理的事実を盾に、生命の半分を消し去る行為を正当化する。一方、彼を止めようとするアベンジャーズには、誰もが愛するものを差し出すことが求められる——ヴィジョンは額に埋め込まれたストーンを、ワンダは恋人ヴィジョンを、サノスは娘ガモーラを、ストレンジはタイム・ストーンを、それぞれの事情のもとに犠牲にする。「何も失わずに勝つ」道は誰にも残されていない。唯一それを拒んだクイルの選択が、皮肉にも全宇宙の半分を消し去る引き金となる。この構成が、「愛と倫理の選択に、はたして正解はあったのか」という問いを、観客に物語の最後まで突きつけ続ける。

もう一つの軸は「家族(family)」である。本作で繰り返し描かれるのは、血のつながり、自ら選び取った絆、そして代理的な親子といった、さまざまな家族関係の連鎖だ——トニーとペッパー、そして生まれてくるはずの子。ティ・チャラとシュリ。ワンダとヴィジョン。サムとスティーブとバッキー。クイルとガモーラ。サノスとガモーラとネビュラ。サノスは「娘よ」と呼びかけながら娘を手にかけ、ワンダは「愛している」と告げながら恋人を自らの手で壊す。サノスとワンダ、二人の選択を鏡像のように並べてみせる本作の構成は、「家族のために何かを犠牲にすることは、本当に正しいのか」という、シリーズ最大の倫理的な問いを観客の手にゆだねる。

そして「指鳴らし」は、倒すべき敵が外部の他者ではなく、宇宙そのものへ向けられた全能の暴力であるという反転によって、明快な善悪二元論を巨大な無常感へと作り変えた。塵となって消えた弟子を抱え、タイタンの赤い砂に膝をつくトニー。ワカンダの森で、バッキーの残した塵を指でなぞるスティーブ。英雄譚が「敗北し、それを受け止める時間」を観客と分かち合う、稀有な瞬間である。本作が長く愛されるのは、爽快感ゆえではない。敗北を通して人が何を引き受けるのかを、誠実に描き切ったからだ。

テーマと解釈

32見る順番

初見であれば、少なくとも『アベンジャーズ』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』『ブラックパンサー』『マイティ・ソー/バトルロイヤル』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』を観てから本作に臨むのが安全だ。本作はこれら全作に張られた伏線と人物関係を一気に回収していく構成のため、未見では人物のつながりや物語上の重みを受け取れない場面が少なくない。

結末まで観終えたら、そのまま続編『アベンジャーズ/エンドゲーム』へと直結する。両作の間に位置する『キャプテン・マーベル』『アントマン&ワスプ』は、それぞれ本作のポストクレジットの伏線と、『エンドゲーム』冒頭の量子領域の伏線を補完する一本だ。あわせて観ておきたい。

見る順番

33よくある質問

「あらすじだけ知りたい」なら、サノスが6つのストーンを集めて指を鳴らし、宇宙の人口の半分を塵に変える物語、と押さえておけば足りる。「結末・ネタバレまで知りたい」なら、ロキ・ヘイムダル・ガモーラ・ヴィジョン・スパイダーマン・ブラックパンサー・ドクター・ストレンジ・バッキー・サム・ワンダ・マンティス・ドラックス・グルート・フューリー・ヒルが死亡(もしくは塵化)し、生き残るのはトニー、スティーブ、ソー、ナターシャ、ブルース、ローディ、ロケット、ネビュラ、シュリ、オコエ、ペッパー、ハッピー、ホークアイ(不在)、アントマン(不在)、キャプテン・マーベル(未登場)——この顔ぶれを覚えておけば十分だ。

「サノスはなぜ宇宙を半分にしたいのか」。本作の解釈では、母星タイタンを資源不足で失った経験から、有限な宇宙には慈悲深い均衡が必要だという倒錯した責任感に取り憑かれている、と読める。「ストーンはどうなるのか」については次作『エンドゲーム』で正面から描かれる。本作の結末では、ガントレットに6つすべてが揃ったまま、サノスは姿を消す。

「見る順番」は、本作の前に『シビル・ウォー』『ブラックパンサー』『マイティ・ソー/バトルロイヤル』を観ておくと安定する。とくに『シビル・ウォー』を飛ばして本作に臨むと、スティーブの逃亡生活、トニーとの不和、ヴィジョンとワンダの恋愛、ローディの脚の事情といった背景がつかめなくなる。

34参考資料・脚注

作品名、キャラクター名、画像、および各種権利は、それぞれの権利者に帰属する。公開年や興行成績、制作・配信の状況、外部評価は変動しうるため、視聴前に公式サイトおよび各データベースの最新の表示を確認されたい。本記事の本文は、各種の公開情報をもとに、Anna Movies用の独自の日本語記事として構成したものである。

参考資料・出典 (5件)
  1. Marvel.com 公式作品ページ
  2. IMDb: Avengers: Infinity War (2018)
  3. Marvel Cinematic Universe Wiki: Avengers: Infinity War
  4. Rotten Tomatoes: Avengers: Infinity War
  5. Box Office Mojo: Avengers: Infinity War