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新世紀エヴァンゲリオン エヴァ&エヴァ2アンソロジー
『新世紀エヴァンゲリオン エヴァ&エヴァ2アンソロジー』は、少年エース編集部が編んだ公式アンソロジー単行本です。2004年4月27日に角川コミックス・エースから発売され、B6変形判172頁、ISBN 978-4-04-713623-6。題材はTV作品『新世紀エヴァンゲリオン』だけではなく、2003年発売のPlayStation 2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』にも及びます。吉崎観音、トニーたけざき、乙一らが参加し、漫画、イラスト、エッセイを一冊へ収めました。貞本義行による長編漫画版の別巻でも、一つの物語を複数作家で分担した続編でもありません。作家ごとに絵柄、語り口、原典との距離が変わること自体を楽しむ本として、書誌、収録形式、ゲーム版との関係、正史境界を整理します。
ネタバレ:アンソロジーの収録形式、参加作家、TV作品とゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』の関係に触れます。個々の短編の結末は詳述しません。






一冊の中に複数のエヴァがある
本書の「アンソロジー」は、一人の作者が描いた連続漫画という意味ではありません。複数の作家が同じ題材へ別々に応答し、短編漫画、イラスト、文章を持ち寄った本です。人物名や機体は共通しても、笑いを前へ出す作品、人物の感情を掘る作品、視覚的な解釈を一枚へ凝縮する作品では、読後感が変わります。
KADOKAWAの公式紹介は「これは貞本エヴァではない」が「これもエヴァ」だと位置づけます。この言葉は、本書の読み方を端的に示しています。貞本義行漫画版の続きを期待する本ではない一方、公式に刊行された多様な解釈の集合です。原典との一致だけを採点するより、どこを残し、どこを変えたかを見る本です。
- 少年エース編集部が編んだ全一冊の単行本です。
- 発売日は2004年4月27日、172頁です。
- TV作品とゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』の両方を題材にします。
- 漫画だけでなく、イラストとエッセイも収録します。
発売日と初版発行日は別の日付
KADOKAWAの商品ページは発売日を2004年4月27日、判型をB6変形判、頁数を172、ISBNを9784047136236と記録します。版元ドットコムの出版社由来書誌は、書店発売日を同じ4月27日、初版年月日を5月1日とします。二つの日付は矛盾ではなく、店頭発売と奥付上の初版発行を表す基準の違いです。
著者欄に吉崎観音の名前が大きく表示されますが、全頁を吉崎一人が描いたという意味ではありません。編者は少年エースで、公式紹介も吉崎観音、トニーたけざき、乙一ら「豪華執筆陣」を掲げます。検索結果の著者一名表示だけで単著と判断せず、編者と参加形式を併記する必要があります。
題名の「エヴァ」と「エヴァ2」が指す範囲
題名の前半「エヴァ」は、TV作品を中心とする従来のエヴァンゲリオンを指します。後半の「エヴァ2」は、弐号機の略称ではなく、PlayStation 2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』です。数字を機体番号と取り違えると、本書が二種類の原典を並べた理由を見失います。
ゲームの開発元アルファ・システムは、公式製品ページで『新世紀エヴァンゲリオン2』のタイトルとゲーム画面を公開しています。本記事に掲載するゲーム画像はアンソロジーの内頁ではありません。収録作が参照したゲーム側の人物、状況、戦闘の幅を確認するための資料です。
ゲーム版が増やした選択と可能性
TV作品は編集された一つの映像順を観客へ示します。ゲーム『エヴァンゲリオン2』は、プレイヤーの行動と進行によって人物の時間を体験させる媒体です。公式紹介画像には会話や状況選択、日常、戦闘に関わる画面があり、物語を眺めるだけではない構造が分かります。
アンソロジー作家にとって、このゲームは単なる新しい絵の素材ではありません。TVで固定されていた人物の行動に、別の場合や別の視点を考える入口を与えます。本書が「エヴァ2」を題名へ明記したのは、TV作品の名場面集だけではなく、ゲームが開いた可能性も収録範囲に含めるためです。
参加者の幅が本の形式を変える
公式紹介が名指しする吉崎観音、トニーたけざき、乙一だけでも、役割は同じではありません。吉崎はイラスト、トニーは漫画、乙一は文章というように、エヴァへの応答手段が異なります。二次的な目次記録では、小畑健、沙村広明、林ふみの、高橋脩、滝本竜彦ら、漫画家、イラストレーター、作家が同じ一冊に並びます。
参加者を一つの作画チームと考えると、絵柄の差を品質の不統一と誤解します。アンソロジーでは差こそが編集上の価値です。シンジの内向性を真面目に扱う作家もいれば、機体やせりふの癖を誇張する作家もいる。読者は同じ人物が、作者の視点によってどこまで違って見えるかを比較できます。
目次と奥付で担当の層を読み分ける
アンソロジーの参加者を調べるときは、通販ページの著者欄だけでなく、表紙、口絵、漫画、文章、編集という担当の層を分ける必要があります。商品データでは検索用の代表者として吉崎観音が前面に出ますが、公式紹介は複数の執筆者を明記し、書誌は少年エース編集部を編者として記録します。三つは競合する情報ではなく、代表表示、個々の寄稿、全体編集という別の役割を表します。
物理書籍の目次を記録した資料では、カバーイラスト、ピンナップ、短編漫画、エッセイが別々に並びます。同じ人物が複数の場所を担当する場合もあれば、一枚のイラストだけで参加する作家もいます。そのため、参加者一覧を作る際に全員を『漫画執筆』と一括するのは不正確です。作品名と担当形式を対にして初めて、どの作家がどの方法でエヴァを解釈したかが見えてきます。
この区別は、後年の単行本との関係を追う際にも重要です。トニーたけざきや高橋脩の名を見つけても、本書の寄稿が後の単著と同じ連載系列に属するとは限りません。ここで確認できるのは、2004年の一冊へ参加した事実と担当作品の範囲です。後の作品は別の書誌、別の掲載期間、別の物語として扱い、作家単位の関連だけを内部リンクで結ぶのが適切です。中古本や図書館の書誌で参加者名が省略されていても、代表著者だけを全内容の作者へ置き換えないことが、作品を正しく特定する第一歩になります。
漫画、イラスト、エッセイを一冊に置く理由
短編漫画は人物を動かし、会話と落ちを作れます。イラストは一場面へ解釈を凝縮し、文章は映像や人物を受け取った記憶を直接語れます。本書はこれらを同じ尺度へ揃えず、異なる形式のまま収録します。頁数やコマ数だけでは、各参加者の比重を測れません。
この混在は、エヴァンゲリオンが一種類の読み方へ閉じないことを示します。設定を整理する、人物へ感情移入する、映像を引用して笑う、自分の視聴体験を書く。どれも原典への接近ですが、使う言語が違います。アンソロジーは結論を一つにまとめず、複数の接近方法を連続して読ませます。
表紙は一つの物語を約束しない
公式書影は、単行本の題名とエヴァンゲリオンの視覚記号を強く押し出します。しかし、表紙に大きく描かれた人物が全収録作の共通主人公という意味ではありません。中では作家ごとに扱う人物、調子、形式が変わります。表紙は一つの長編へ導く扉ではなく、多数の作品を束ねる共通看板です。
目次資料はカバーイラストをトニーたけざき、ピンナップを吉崎観音と小畑健と記録します。装丁部分にも複数作家が関わるため、表紙だけを吉崎観音の単著漫画と呼ぶことはできません。著者表示、カバー担当、収録作家を分けて見ることが必要です。
笑いと真面目な解釈が隣り合う
エヴァのアンソロジーというと、全編が四コマのパロディだと想像されがちです。本書にはコメディ色の強い作品がある一方、イラストやエッセイも含まれます。題材を笑いへ変えることと、人物への記憶を文章で振り返ることが同じ一冊に置かれています。
調子が変わるたびに、読者は原典との距離を調整します。誇張された短編では元の場面との差が笑いになり、静かな絵では人物の表情を見直し、文章では作者が受けた衝撃を追う。一冊の統一した結末より、読み方の切り替えが本書のリズムを作ります。
少年エース編集部が編む意味
編者は少年エース編集部です。これは参加作家の作品を機械的に並べただけでなく、漫画誌の読者へ向けて形式と順序を組み立てたことを示します。KADOKAWAの公式商品分類も、本書を角川コミックス・エースの一冊として扱います。
貞本義行漫画版を連載していた媒体の周辺で刊行されたため、読者は同じエヴァの漫画でも単著長編とアンソロジーを比較できました。公式紹介があえて「貞本エヴァではない」と書くのは、その近さゆえの取り違えを先回りして防ぐためです。レーベルの共通性は、作品形式の同一性を意味しません。
全一冊で完結する読み方
本書は172頁の一冊で完結します。「エヴァ2」は第2巻という意味ではなくゲーム名なので、続巻番号を探す必要はありません。書店で同じISBNを確認すれば、編集部編の単行本を特定できます。
全一冊であることは、内容が一つの事件へ収束するという意味でもありません。短い作品がそれぞれの場所で完結し、次の作家へ視点が渡ります。最初から順に読めば編集上の緩急を味わえ、参加作家から選んで読めば表現の違いを比較できます。
収録作を本編正史へ足さない
公式アンソロジーであることと、全短編がTV作品の正史になることは同義ではありません。各作家は原典やゲームを材料に、誇張、置換、別視点を用います。ある短編で人物が取った行動を、TV本編で画面外に起きた事実として補うことはできません。
さらに、ゲーム『エヴァンゲリオン2』はプレイヤーの行動による可能性を持ちます。ゲーム由来の場面とTVの固定された映像順を一つの年表へ混ぜれば、人物関係が矛盾します。作品系列比較では、各収録作を解釈作品として読み、原典の設定資料とは分けて扱います。
後のエヴァ派生漫画へつながる作家たち
参加者の中には、その後もエヴァ派生漫画を手掛けた作家がいます。トニーたけざきは後に単著のパロディ集を刊行し、高橋脩は『碇シンジ育成計画』を長期連載しました。林ふみのも別のエヴァ漫画を担当しています。本書は、複数作家の短い応答が、後の単独作品と隣り合う地点にあります。
ただし、後の作品すべてが本書の短編を連続させた続編ではありません。同じ作家が参加していても、掲載媒体、原案、人物配置は別です。作家名を内部リンクの手掛かりにしつつ、作品ごとの範囲を固定することが、派生漫画全体を正確に整理する方法です。
『四コマ全集』『コミックトリビュート』との違い
『エヴァンゲリオン四コマ全集』は四コマという形式を中心にした1996年の本です。本書は漫画、イラスト、エッセイを混在させ、2003年のゲーム『エヴァンゲリオン2』まで題材に含めます。発売時期と形式の両方が異なります。
2010年の『コミックトリビュート』とも同じ本ではありません。どちらも複数作家による一冊ですが、参加者、刊行時期、参照するエヴァ作品の範囲が違います。「アンソロジー」「トリビュート」という一般語だけでまとめず、書名、ISBN、発売日を使って個別に識別します。
読む前に確認したい三つの点
第一に、貞本義行漫画版の続巻ではありません。第二に、「エヴァ2」は弐号機ではなくゲーム名です。第三に、吉崎観音の名が商品ページに表示されても、複数作家による編集本です。この三点を押さえれば、検索結果や中古書店の短い表記でも本の性格を取り違えません。
TV作品だけを知る読者は、まずゲーム『エヴァンゲリオン2』が人物の行動と分岐を扱う媒体であることを確認すると、題名の後半を理解しやすくなります。参加作家から入る読者は、短編、イラスト、エッセイのどの形式を担当したかを目次で確かめるとよいでしょう。一冊を統一解釈として読むより、解釈が切り替わる瞬間を楽しむ本です。
- 漫画・出版物索引では、ほかのアンソロジーや派生漫画を探せます。
- ゲーム・体験型作品索引では、『新世紀エヴァンゲリオン2』の位置を確認できます。
- トニーたけざきのエヴァンゲリオンでは、参加作家の後の単著を確認できます。
- 作品系列比較では、アンソロジーと本編正史の境界を確認できます。